「環境」がテーマになる日」
 
−炎のファンドマネージャー−
 2000/12/13(水)発行分

 「2001年は各企業ともに環境を前面に押し出してくるだろう…。」私が企業訪問をしていて、最近感じる重要なテーマが環境。もはやこのことを抜きに株式投資していてはいけないとの認識が出てこないと、単に買って売って利鞘を稼ぐとの単純作業の繰り返しでは、余りに投資家のレベルが低いと言われても仕方がない。

 かつて私は「日本のゴミ」という本を読んで、環境問題に多少でも関心を持ちはじめたのだが、なかなか投資家の意識は高まってこない。でも水面下では意識が、企業においても投資家、消費者においても高まってきているものと信じている。
 さるガーデニング会社の社長は、「来年はまさに環境です。これ抜きではもはや生き残れません。当社もエコ商品のラインアップを推進します。」と勢い良く語ってくれたが、その際に私が質問したのは、「いくらエコ商品といっても形あるものだけに、最後はどうなるのでしょうかね。リサイクルのシステムは出来ていますか?」と言ってみたが、無言のままだった。「プラスチックリサイクルではカワタ(6292)という大阪の会社が取組んでいますよ。」とアドバイス。担当者はメモを取っていたが、これも私が環境を考えてのもの。

 一方で「環境はすぐにビジネスにはつながらない。」といった声も多く、投資テーマには繋がらないのではないかと思われる方もお見えだろう。私もそう考えてはいたが、もはや環境指向を少なくとも実践し(演じ)ないと、企業の存続が不可能な状況になるのではないかと思われるほど、海外では環境が重要視されていると言われる。

 現在、「億近」では液晶に代わる表示素子としての有機ELが話題となっているが、これも環境を重んじる欧州の人たちの発想からして、重要な要素になる。つまり、液晶には水銀が使用されていて環境に悪いとの指摘がなされている。もしかすると、有機ELは欧州で普及が先に進むことも考えられよう。

 本日は、環境関連企業との意識はなかったが、ユシロ化学の新社長(来年1月1日より)となる吉田専務を訪問。同社の環境指向への熱い思いを聞かせて頂いた。詳細は私の有料ページ(トップインタビュー、10%アタック等)に書き記すことにしているが、化学物質管理促進法なる法律が施行されたことに対しての対応として、積極的な取組みを考えているとのことだ。

 良識ある億近読者にとって、環境問題と投資の関係をどのように考えるかは投資哲学の養成とも関係してくる、重要なテーマとなるものと考えている。
 この点は、大原部長や両津氏にも意見をお聞かせ願いたい。

 トヨタなど日本で、いや世界で最大の環境重視経営をやっていると聞くが、実はこの会社が世界で最大の環境破壊企業との逆説も成り立つので面白い。
 環境破壊の罪滅ぼしを今からちゃんとやっておかないと、地球環境そのものがぼろぼろでは環境を破壊する車を売っていくビジネスも成り立たなくなる。
 環境向上の役立つ技術が、実は極めて高い市場ニーズを持っているとの認識を持った時に、投資家は投資対象を絞ることも可能となるのだろう。

 冒頭に掲げた、環境が本当にテーマとなる時、真の投資家の意識改革がなされるものと私は考えている。(炎)

 


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