総合化学各社の収益動向 |
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今回は、石油化学事業中心に総合化学各社の収益動向にふれてみます。 総合化学各社の2000.9期(中間)連結業績ですが、各社とも主力の石油化学部門において原油価格上昇にともなう原料ナフサの高騰から利益幅が縮小したものの、これを国内外の需要好調による販売数量の拡大と合理化効果により吸収。非石化部門の情報通信関連や医薬品事業などスペシャリティ・ケミカルが伸長し、大手5社はいずれも連結ベースで増収増益となりました。 なお、今中間期のナフサ価格は平均で1キロリットル=22,000円と前年同期比約5,900円、約36%の上昇となりました。ちなみにナフサとは石油化学の原料となる粗製ガソリンのことです。石油化学プラントでナフサを分解するとエチレン、プロピレン、ブタン、ブチレンなどの成分に分かれます。 なお、ナフサは都市ガス向けの燃料としても使用されています。一般的に、石化製品においては生産コストに占める原油コスト(原料ナフサコスト)の占める比率が高いため、原油価格の急上昇は石化製品市況の先高感につながり、ユーザーからの駆け込み需要から製品価格の上昇をもたらします。 一方で、原油価格の急落は逆に石化製品市況の先安感をもたらすことになります。なお、過去10年間で原油価格が大きく下落したのは湾岸戦争終了後の91〜93年と、アジア経済危機の97〜99年の局面です。双方ともわが国総合化学各社は原料コスト低下メリットを享受しましたが、石化製品の価格下落が生じた結果、利益も減少する結果となりました。 化学各社の収益にとって望ましいのは原油価格の安定局面といえましょう。来期にかけ米国経済の減速にともなう世界景気の停滞などから原油価格の急落が生じた場合の、石化製品市況の軟化には注意を払う必要があるものと思います。 こうしたなか、各社は石化事業のコスト削減、リストラを継続するほか、足元エチレンなどの減産傾向を鮮明にしていますが、とりわけ注目されるのは住友化学と三井化学の経営統合です。
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