リサーチのスタンス
 
−両津勘吉−
 2000/12/25(月)発行分

 大原部長は、セクターを横断しながらテーマを決めて調査を行ない、投資をしております。それらいくつかのテーマの中に、ディスプレイがあります。

 ディスプレイと一口に言っても色々あり、CRT、PDP、液晶(アモルファス、高・低p−si、フィールドシーケンシャル)、ELなどあり、今後どれが有望か、我々は他の投信・投資顧問と比較にならないほどのリサーチを行っているのが現状です。
 当然、彼の「ヒューネットのFSには無理があろう」とのコメントも、決して思い付きで言った訳ではなく、きちんとしたリサーチに基づく結果から出た答えです。

 億近発行プロジェクトテクノロジーリサーチチームは、会社のIR担当者にヒアリングした程度では、全く納得しません。むしろ、IR担当者は技術に音痴な人の集合体であるとの考えをもっており、IR担当者とのヒアリングのみでの投資には、長期投資した場合に非常にリスクが高いと考えます。

 投資顧問には沢山の有名大学出身者や、MBAの方がいらっしゃると思いますが、テクノロジーを売りにしている企業を評価するために、MBAが有効でしょうか?
 技術にチンプンカンな方が、その企業の技術を全く評価する事ができない。日本をはじめ、米国や欧州には沢山の年金資産が運用されておりますが、そうした技術音痴がテクノロジー株で運用を行っている訳ですから、こんな怖い事はありません。

 一方、技術を全く知らなくても「勘」が良い運用者で、パフォーマンスを実現されている方もいます。私の良き相談相手である、某損保系部長ファンドマネージャーはその一人です。昨年、そして今年も大原部長より遥かに優れたパフォーマンスを示し、こうした方々は真の博打打ちとまでは言いませんが、最終的な投資判断は、実際「勘」の世界ですから、天才的なファンドマネージャーと言えるかもしれません。こうした方々に、是非とも運用を任せたいものです。

 しかし、現状はこうした優秀なファンドマネージャーに出会う事は容易ではありません。日本人はブランドに弱いと良く言われますが、運用の世界も一緒です。読者の皆様も、大切なお金を預ける時に、メジャーなA社と名も知られていないB社のどちらを選ぶでしょうか?
 メジャーな運用会社で、テクノロジーに精通していると言われている運用機関と私は出会った事がほんの少ししかありません。最近も、少数のバイサイドを集めたスモールミーティングに参加しましたが、出てくる質問がくだらんことばかり。
 折角、普段会えない重役が相手するわけですから、それなりの質問をしなければ何の意味もないのに、出てくる質問は業績に関するものばかり。そんな質問はIR担当者とすればいいだろうと思うのですが…。

 このくだらん質問をした人たちは日系、外資系のメジャーと呼ばれる運用機関に勤務するアナリストです。なんでこんなところに大切なお金を預けるのか、私には全く理解できません。私でしたら、間違いなく大原部長に運用を任せますが…。

 余談が長くなりました。続きは明日。(両津)

 


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