インターQ(1) −両津勘吉−
 2000/01/06(木)発行分
 まぐまぐのメルマガ読者は非常に興味が高いと思われる"まぐクリック"が、今年夏までに東証マザーズに公開してくる。その代表取締役は既に株式公開しているインターQの熊谷社長が兼務されており、本日お会いして話を頂戴することができた。2回に分けて掲載するが、今回はインターQ単体に関して話をさせて頂く。

同社の沿革は、
1991年 5月
マルチメディア事業を目的として(株)ボイスメディア設立
1991年 7月 出版社と提携し、自社開発したコンピュータシステムとダイヤルQ2を利用して情報提供サービスを開始
1995年11月
インターネットに注目、商号を『インターキュー』に変更するとともに、事業をインターネットのインフラ・サービスインフラに集中
1995年12月
非会員向けインターネット接続及びサービス事業開始
1997年 9月
会員制個人向けインターネット接続及びサービス事業開始
1997年11月
会員制法人向けインターネット総合サービス事業開始
1999年 8月
ネットプロバイダーとして初めて株式公開
―その後わずか数ヶ月で、単なるプロバイダーからメディアグループへと変貌しつつある。

 同社の哲学は、インターネットのインフラ・サービスインフラ事業で圧倒的な一番になることで、経営資源を集中し大きな利益を生もうとしている。
  ではインターネット事業は儲かるものであろうか? 答えはNO。同社ではインターネット事業で利益を生む原則を、次の4つに分けて説明している。

1)インターネット産業に対する視点【使う概念と作る概念】
使う概念とは、従来からの業種をインターネット上で行う新興企業(例:amazon.com)、効率を上げる為に従来から行なっている事業にインターネットを取入れた既存企業。
作る概念とは、インターネットそのものを作っている企業(例AOL)、インターネットそのものがなければ成り立たない企業(例ヤフー)。

2)業種別成立の順序
インフラ(例AOL)の次に、サービス・広告(ヤフー・バリュークリック)そしてコンテンツ産業が成り立って行く。
作る概念とは、インターネットそのものを作っている企業(例AOL)、インターネットそのものがなければ成り立たない企業(例ヤフー)。

3)課金の形態
広告収入型から手数料収入型、そして有料課金型と後者ほど収入は大であるが、課金の仕組みとしては難しくなり、有料課金(直接課金)は現在なりたたない状況。

4)売上の継続性【単発型と累積・積上型】
累積・積上型のいい例が光通信、スポーツクラブなど、会員方式のタイプ。

 米国AOLはこの4つの原則にすべて当てはまっており、反対にamazonは直接課金の1つのみである。

 同社ではこの4つの原則を満たす(3つの場合もOKかな?)ことを前提に事業を行っており、現在プロバイダー事業のアクセス系(interQ ORIGINAL・interQ MEMBERS)、サーバー系(interQ OFFICE・e-革命)、ドメイン系(discount-domain.com)、広告・メディア事業(メール広告系・まぐクリック ・クリックメール)を行っている。

 インターネット市場の成長率だが、まずインフラ系はあと1−2年後で今までの急激な成長率にストップがかかり、それからは緩やかな伸長率の推移となろう。そうなれば、現在、雨後の竹の子のように存在するプロバイダー事業者の陶汰が始まる。

 インフラの次に成長率が鈍化しそうなのは広告・サービス関連で、同社の資料によれば2007年頃。BtoC及びCtoCがその2−3年後、BtoBがまたその2年後と予想している。

 このように、独立系プロバイダーとして確固たる地位を築き、淘汰の荒波がやってくればそれをむしろビジネスチャンスとして捉え、更にシェアをアップさせ、更なる飛躍が見込める分野(メディア)に「選択と集中」し、ナンバーワンを目指すという。

 同社の会員数は約20万人と独立系では国内トップであるが、他方で@Nifty、BIGLOBEなどはインターQの十数倍の会員が存在する。しかしながら驚いたことに、広告・電子商取引手数料では若干の差でインターQが上を行くのだ。これはまさに「まぐまぐ」効果だそうだ。
まぐまぐの去年12月20日現在の月間発行部数は95,987,247部で、読者登録数は19,492,488人(1月5日現在2千万人を越えた)。メルマガ発行部数は11,484誌で、1ヶ月間に5千万通のメールを出しており、春には1億を越えそう。

 ドメインの獲得は11月747件、12月1000件弱、1月更に上乗せ。またinterQMEMBERS会員も昨年9月末に60000人を達成し、12月もかなり予算を上回っているという。

(数字等は同社資料より)
続きはまた明日。

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