外人持ち株比率 −両津勘吉−
 2000/02/08(火)発行分

  ネット上で出合った(お互い本名・顔は知らないが)セルサイドアナリストがいる。彼はいろいろ教えて下さり、感謝している。今後も継続してやり取りをさせて頂きたい。

 さてそのセルサイドアナリスト氏が、NTTドコモの外人持株比率がこの1年であまり増えていないと言ってきた。フムフム、もう一度四季報をよーく見ていると、一つ発見をしてしまった。私がかつて頻繁に連絡を取り合っていたファンドマネージャーが保有する銘柄と、四季報の外人持ち株比率のつじつまが合わないのだ。数年前から保管振替機構(以下保振)を利用するオフショアアカウント(海外に設定してある口座)が増えている、と聞いた事がある。もしかして…。

 懇意にしているブローカー(証券会社)のバック担当者に連絡を入れ、ヒアリングすると――オフショアアカウントの場合、海外にカストディアン(保管銀行)を置き、実際の売買の際、株券がいちいち海を渡っていくわけでなく、日本国内にもサブカストディアン(実際に株券と現金のやり取りをし、株券の保管をする)を置く(保振なら株券自体は移動しない)。

 このカストディアンとサブカストディアンの間で、契約が締結されている訳だが、どうもその内容によって実質株主の正体が表に出てこない時があるらしい。よって保振がどんどん活用されればされるほど、実際の外人持ち株比率は、四季報に少なく掲載されるようだ。

 但し、放送関係は別だ。放送法により非居住者の持ち株比率は20%以下と定められており、現物の名義書き換え禁止となる(非居住者枠が一杯の場合は名義書換も保振も駄目)。

…いろいろあるものですね。

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