東京個別指導学院 −遠山錦糸朗−
 2000/02/23(水)発行分

 3月7日店頭市場公開。

 同社は塾としては後発組だが、大部分の塾が進学指導を目的にした集団指導型に対し、個別指導型で特長を出し、急成長を遂げている。ターゲットは偏差値50以下の広い層。入会試験で不得手な内容を判断し、指導を開始する。社名通り、講師:生徒は1名:2名の個別指導。

 講師の選択方法は、親子面談時に生徒が5名の講師を選択し、一定の期間後、最終決定となる。このような手法を取る理由は、同社の考え方「例え塾といえどもサービス産業である」に根ざすもの。教育方針は「やれば出来る」を教え込む。

 現在、98教室で14896名の生徒数。講師は約3300名在籍するが、その内98%が大学生。しかし、社員・講師(大学生)とも実績給の給与体制。講師の給料は「指名が多いから」だけでは上がらず、担任生徒の通信簿上の成績がアップしないと上がらない仕組み。逆に、担任生徒の50%が成績悪化した場合や、生徒から指名を受けられないと解雇となる。実際、講師10名中、1〜2名は指名を受けられない講師が居るとのこと。 講師側にも教育方針の「やれば出来る」を実感させるため、年に何回かサバイバル訓練合宿(冬山登山など)を実施している。参加講師みんなで力を合わせて、「やれば出来るんだ!」を実践する。まさに体育会系である。

 今後の展開だが、首都圏で同社の対象となる顧客(生徒)は380万人。その最低1.5%のシェア取得が目標。同社の生徒1人当り年間単価は57万円で、単純計算で380万人×1.5%×57万円=325億円となる。

 入会希望者は、同社HPから写真や自己紹介音声により好みの講師を捜すことが可能。近所の教室に好みの講師が居なくても、近隣の教室からも探すことが出来る。また、生徒は登校時、カードリーダーを通すことにより定刻登校、遅刻、欠席等が各教室と本部で一目で分かるようになっている。一定の基準を越えた場合は、生徒の保護者に連絡をする。この教室支援システムで、全教室の授業時間割、生徒名簿、成績、出欠席、講師の勤務状況を本部で一元管理している。また、新規に教室を開設する場合も、各町単位の生徒数及び同社の生徒数が数値、地図上の色別などですぐさま判断できるデータベースも導入している。このように同社は情報技術を駆使して効率経営を行っている。さらに、ネット上でPCスクールや教育ポータルサイトなども行っており、今後も前向きな行動が次々と明らかになるだろう。

 ブックビルディング締め切りは本日(主幹事国際証券は24日も受付か?)、2300円の公募が当たれば「大ラッキー」と言えよう。株主にウイルソンラーニング社、光通信などが入っている。私の手元にある同社目論見書の66ページの下に、公開会社経営者が並び、監査法人はトーマツだ。
  同書71ページからの株主一覧では、株式公開を目指しているグローバルインシュアランスまでが入っている。 この株主構成を見ただけでも、かなり同社の株価は化けそうだ。

(遠山錦糸朗:正体不明 曲がった事が大嫌いな個別ウォッチャー)

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