自動車の電子化 |
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9月から電機に加え自動車関連もリサーチしようと考えたのは、私が自動車好きな事、及び自動車の更なる電装化の流れからです。 キャブレターと電子制御の違いは、キャブレターの構造は吸入空気の通る管の間を一部細くしてやります。太くそして細くまた太くという形状にするのです。すると、そこを通る空気は細くなる部分で流速が早まり、周りの壁に負圧が発生します。そこに横方向から燃料ノズルを出してやると、負圧で燃料が吸い出される構造です。この混合気をシリンダー内に吸い込ませるのです。 一方、電子制御はキャブレターと違い、エンジンの回転する時の管内(パイプ)の空気流入量をエアフロメーターという装置で測定し、流速、アクセル開度、エンジン回転数などのデータを基に燃料噴射量を求め、インテークマ二ホールド(吸気パイプと考えて下さい)に突き出す(差し込んである)インジェクター(注射器とお考え下さい)から燃料噴射をおこないます(このエアフロメータの基本特許はボッシュだったと思います。この特許から逃れるために各社研究を重ねましたが無理で、ライセンス供与を受けました。しかし1社だけ逃げた会社があります。それは三菱です。管内に突起物を設け、空気がこの突起物にあたった時に発生する渦を超音波で計測し、空気流入を求めていました)。 この頃排ガスをきれいにするため、各自動車ともパワーがかなり落ち込み、当時若者に人気のあった、三菱GTO、マツダのRX−7などは昭和53年以降、実感パワーはカタログデータ以上に落ち込んでいると意見が多く、規制前の中古車を探すオーナーも結構いたようです。 しかし落ち込んだパワーを回復すべく、日産は国内メーカーで初めてターボ搭載車をデビューさせました。車種はセドリックの2000ccで、日産の主力エンジンであるL型(L20)です。その後スカイラインのL20、またトヨタも追従し各社ターボを搭載しだし、パワー競争が過激になってしまい現在に至ります。 しかし最近ではパワー競争よりかなりクリーンエンジンに力を入れているようです。かつてのモーターショーで本田がLEV、ZEVエンジンを開発し、特にZEVにおいては大気よりきれいな排ガスとPRしておりましたが、今回日産がブルーバードシルフィーに搭載したQG18DE及びQR20DDは、世界最先端を行っておりましょう(特にQG18DE)。 世界で一番厳しいと言われているカリフォルニア州のHC現行基準がTLEVです。更にLEV,ULEV,そして大気レベルと同等のSULEVがあり、今回のエンジンはなんとSULEVの半分以下のHCレベルなのである。 ではこのエンジンどこが違うのか? こうした努力に加え、今回のブルーバードにはあちらこちら手を加えられております。 しかしこのエンジン、私たち一般庶民にとっては凄いと感じますが、現在日産社内に存在する未発表のエンジンは、このQG18DEと比べ物にならないものがあるようだ。日産はかなり自信をもっております。 次はトヨタ。ソシエテジェネラルの技術指向アナリストがデンソーを買いにしたと聞きましたが、コモンレールが理由の一つになっているかと思います(まだこのレポートを私は読んでないのですが)。 コモンレールとは何なのか?これは直訳の通り、共通のレールで燃料をシリンダーに噴射するための管(パイプ)です。数年前までディーゼルエンジンは、燃料噴射の量を前述のガソリンエンジンと同様に電子制御でなく、分配型と呼ばれる機械的な燃料噴射を行なっておりました。しかし皆様も良くご存知の通り、ディーゼルは排ガスが汚いと叩かれ、PMという粒子状物質が問題になっております。このPMを減らそうと電子制御でコントロール、また直接燃焼室に噴射するタイプも出てはいますが、完全にコントロールできない。そこで出てきたのがコモンレールです。 燃料を1200−1300気圧という膨大なプレッシャーを与え、その燃料を各シリンダーに電子制御でコントロールしながら噴射するという画期的なものです。このコモンレール、デンソー、ユニシア?(日産系は社名変更と合併しているからわからなくなった)、ボッシュなど…(いすゞの現行ビッグホーン、ウイザードはこの3社からではないという。以前ヒアリングしたらキャタピラーと言っていたが本当?) このコモンレール、今回のトヨタの発表したディーゼル用触媒に関係しているのです。触媒とコモンレールが関係するはずがないとお考えの方はかなりの知識の持ち主です。普通はこの両部品、関係していないのです。 もうみなさん御分かりだと思いますが、エンジンに噴射される燃料はその時の走行状態から電子的に計算されているのですが、トヨタのこのディーゼルエンジンは走行と関係なく、触媒の状況をみながら微妙な燃料コントロールがされているのです。つまりこの触媒はコモンレール無しには現状考えられないのです。 このタイプのエンジンをトヨタは2003年に発売するとしており、なんでまだ先なのか? 最初に書こうと思った内容からかなりずれてしまいましたが、今回自動車の専門書をみていたら、トヨタのスープラターボの話が出ており、この2ヶ月で燃費がリッター8キロから半分の4キロに落ち込んだとあり、原因はたった一つの部品。なんと前述の酸素センサー1個のせいであった。空燃比信号が常にリッチ信号を送り続け、そのため燃料が増量しっぱなしになっていたと…。 本当に自動車は電子化したものです。しかしまだまだ電子化していきます。自動車をリサーチするには電気・電子と化学が理解出来なければ話にならない時代に入ったと私は考えております。ほんの2冊本を読んだだけでも、この10年で車がすごく変化したのが理解できました。取材にかなりの時間がかかりそうですがチャレンジします。 |
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