次世代ディスプレイ展望とヒューネット液晶のリスク要因 |
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読者から、次世代ディスプレイの本命はどこか、という質問が来ました。 小型カラーディスプレイの本命は、低温ポリシリコンベースのTFT及び有機ELでしょう。 先日、住友化学の有機LED(2年後製品化予定)が日経に載っていました。LEDと発表されていますが、高分子発光体(≒有機EL)であるように、素子自体が発光する仕組みの方が、視認性、応答速度、消費電力の点で有利です。 現状の携帯カラー液晶の「汚さ」は、バックライトがない(エッジライトにすぎない)、導光板を省いているなど、コストを優先させた結果です。きれいなものが出来ないのではなく、コストに合わない結果そうなっている。 ELは三洋、NEC、(東北)パイオニア、シャープが先行していると見ています。三洋も当初はパッシブですので、他社もアクティブで追いつける展開になるでしょう。液晶では、東芝、シャープ、ソニー&自動織機などに注目。 【ヒューネットのリスク要因】 まず、実際、高耐圧/新規波形のドライバーを起こすことに対するコスト不安があります。TIが肩入れしたとしても、開発費はコストに乗っかってくるはず。量産効果などは、0.18μなら月数百万は受注がほしい。また、LEDだけではなく、導光板とか拡散板とかも必要です(既存の携帯には必要ない)。 以下は、億近コンサルタントの方々と議論をした結果です。コンサルのうち、もっとも否定的だった方の意見です。議論のたたき台は、出願中のTN液晶の駆動方法という特許です。 「技術面ですが…TN液晶駆動の出願特許を読むと、この開示内容では、権利化は出来ない可能性が高い。技術的な根拠が詳しく示されていないからです。”当業者が再現可能な程度の開示”の要件を満たしていません。 うちのコンサルは結構辛口なんです。はたして、実際、どうなんでしょうか?皆様の反論をお待ちしております。 以下は、問題の特許から抜粋と私の感想です。 「ネマティック液晶の印加電圧波形と光透過率の動的な特性の測定を行ったところ、印加電圧の波形によっては、印加電圧が変化した時に、光透過率が高速に変化する状態が存在することがわかった」。 「本発明の動作を説明する。T1からT6の各期間において、画像データに応じて印加電圧の絶対値がV1か0Vのいずれかになっている時間と、一定の周期で一定の時間、印加電圧の絶対値が必ず0Vになっている2つの状態が存在している。T3およびT5の期間では、印加電圧の実効値がずっと0Vであり光透過率も黒の状態のままである(=かならず0Vにしている区間)。」 「比較すると、光透過率を白の状態にするために印加する電圧が、従来の駆動方法ではV2であったものが、本発明の実施の形態ではV2より高いV1の電圧を印加することができる。従って、光透過率が黒から白に変化する時間は本発明の実施の形態の方が高速化することができる」。 「T1からT6の各期間の平均電圧がほぼ0Vになるように各期間内で極性反転を行っている。これは、液晶が高速に動作するため、各期間毎に極性を反転すると、正の印加電圧と負の印加電圧の微妙な絶対値の差により、フリッカーが発生してしまうためある。コントラスト比の高い表示を行うためには、一周期で、液晶パネルの光透過率が変化した後、光透過率が元の状態に戻る必要がある。フレーム周期を短くすると光透過率が完全に元の状態に戻る前に次の周期に移ってしまい。コントラストが低下してしまう。一方、フレーム周期を遅くすればフリッカーが発生するなど、不具合が発生してしまう。」。 実際、展示品の出来栄えは最高ですね。しかしながら、量産前ということ、展示品と量産品は別物という冷静さもほしい。(大原) |
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