住宅性能表示制度について |
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10月も終わろうとしていますが、今月は「住宅月間」でした。そこで今回は住宅の話題を取上げたいと思います。 今10月3日、住宅品質確保促進法(品確法)に基づく「住宅性能表示制度」がスタートしました。既に品確法は欠陥住宅の防止を目的として4月に施行されており、その骨子は、(1)瑕疵担保責任期間の10年義務化、(2)住宅性能表示制度、(3)裁判外の紛争処理体制、が3本柱となっています。 また、「住宅性能表示制度」は、建設大臣の指定による住宅性能評価機関が新築住宅を、(1)耐震性、耐風性などの構造の安定、(2)耐火性などの火災時の安全、(3)耐久性、(4)給排水管、ガス管などの清掃、点検などのしやすさ、(5)省エネルギー対策、(6)換気やホルムアルデヒド対策、(7)窓などによる明るさ、(8)手すりや段差解消などの高齢者対策、(9)遮音性、9分野について2〜5ランクで等級評価するものです。 評価は設計と4回の現場審査を含む施工の2段階で行われるため、消費者は住宅の性能を明確に知ることが出来るばかりでなく、その性能を確保する住宅工事かどうかの確認も出来ることになります。 有力FC各社は早くも中小工務店の囲い込みに乗り出しており、ユニバーサルホーム(4731)は2006.3期末までにFC加盟店数を2000.3期末比78%増の350店に拡大する意向です。また、アイフルホームテクノロジー(9662)も2003.3期末までに200.3期末比17%増の330店に増やす計画であるほか、ナショナル住宅産業(1924)も今期よりFC展開を強化する意向です。今後の業界再編の動きが注目されるところです。 一方、「住宅性能評価機関」には建設大臣により64機関が指定されましたが、中でも電力・ガス会社による評価会社設立が目に付きます。性能評価は1件当たり10〜20万円程度の有望な事業ですが、住宅メーカーだけで評価会社を設立した場合、評価の中立性に疑問符が付く恐れがあります。このため公共性が強い電力・ガス会社が筆頭株主となれば、中立色が確保できるというのがひとつの理由です。 さらに東京電力(9501)はすべてのエネルギーを電気とする「オール電化住宅」作りを指向しており、評価事業参入による消費者密着をはかり、三菱商事(8058)などと評価機関「ハウスプラス住宅保証」を設立しています。 このように、「住宅性能表示制度」は欠陥住宅の根絶効果のみならず、住宅業界の再編成、「住宅評価」ビジネスの行方など様々な注目ポイントを抱えてのスタートとなっています。
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