フラットパネルディスプレイ
 
−両津勘吉−
 2000/10/30(月)発行分

  先週、横浜で開催されていたLCD/PDP展示会&セミナーに参加してきました。この億近で大原部長が何度もフラットパネルディスプレイ関連を取り上げてきましたが、実際そのものを見ると技術は予想以上の進歩となっているようです。

 良い例が有機ELです。半年ほど前までは有機ELの実用化はまだまだ疑問という意見が支配的でしたが、最近では「すぐそこまで来ている」という意見が多くなってきました。以下、簡単に述べていきます(小型のみ)。
 大型パネルでは、数年前からプラズマディスプレイが有望視されていましたが、なかなか単価が下がらず期待はずれに終わっていました。その中、小型ディスプレイにおいてはLCDの替わりにフィールドシーケンシャルが、突然マーケットを騒がせました。精細さを確保した上でカラーフィルターを使わず、電力消費が少ないと…。その頃は有機ELが見向きもされなかった。しかし現時点ではどうか?

 東北パイオニアのブースには沢山の人だかりで、ディスプレイを見るに苦労するほどです。まず4色タイプのモトローラ製端末に使われている機種を手にすることができましたが、これは動画不可で文字のみのタイプ。かなり鮮明で、しかも明るくまずまずといったところ。
 次に単純マトリックスタイプのELですが、ほとんど問題がないレベル。現在携帯に搭載されているLCD並かな?
 その横にTFTのELがありましたが、これがELなのかといったレベルで、全く問題はありません。しかし単純マトリックス・TFTとも、全般に白っぽく見えるのが気になりました。

 次に三洋のブースですが、こちらも沢山の人だかり。私はELを見て唖然としました。これ最新の液晶ではないのかと。それだけ綺麗なのです。
 あのディスプレイが搭載された携帯を持っていれば、他の人が驚くと思います。
 以前、あるELメーカーの方が「技術的には問題はない、単価だけだ」とおっしゃっていましたが、本当に問題はなさそうです。しかし現実には難しいと言われている素子、特にREDなんかはかなり良い発色の代り、まだ寿命に問題があるのかもしれません。フルカラー化はまだ先と言われている点の一つであります。
 しかし、現実にはダウケミカルがRGBのロードマップを発表しており、来年には自信満々でRED、その先にG、Bそして顧客の要望次第でYを出すことを考えれば、我々が想定するより遥か前にフルカラーが登場するかもしれません。EL及び材料、製造マシーンメーカーをしっかりと見ていかなければなりません(各社のEL資料は、当然のことながら全て無くなっていた)。

 次にフィールドシーケンシャル、といえばご存知ヒューネット。こちらのブースは非常に狭いこともありますが、前述の2社に比べかなり空いていました。大きな黒い壁に小さなディスプレイが置いてあり、1.5インチと2インチの2種類が展示されていました。
 1.5インチは2−3ヶ月前に拝見しており、輝度も解像度も文句なし。しかしよくよく考えると、1.5インチパネルでは今時の携帯には小さすぎて、いくら文字が精細でも見ずらい。では2インチはどうかというと、これが不思議なのですが、1.5インチに比べると明らかに画像がぼやけています。目が疲れたかなと思い、メガネを外して見てもそうです(裸眼右が0.07、左が0.03ですから見えるわけがない!)。

 マーケットでは、FSがどこかに決まったという憶測が飛んでいるようですが、ELはディスプレイの本命になるような気がします。
 億近は今後、ELとカーボンナノチューブを重点的に押さえていきます。(両津)


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