デジタル回路で活躍する受動部品
 
−大原部長−
 2000/10/30(月)発行分

 デジタルの高速化で考慮することは、超高周波への対応、低電圧動作、そしてEMI対策である。 数100MHzから1GHzで動作するデジタル回路の波形は、極めてアナログ的性質を持つようになり、アナログの分布定数波形として理解できる回路設計が必要になります。

 IBMのデナードが昔提唱した、ICのスケーリング則により、高周波になるほど動作電圧を低下させる。一方、回路設計では波形反射を無くすために、回路のインピーダンスを下げる必要がある。インピーダンスを下げると、前に話しましたようにトランジスタの電流が増えて消費電流が増大します。設計がとても難しい。
 EMI問題はさらに深刻で、電子回路が密集し、駆動電圧が低くかつ自身のパルスからも輻射しており、高周波対応のコンデンサが必要。

 このようなコンデンサはICで作ることはできません。ゲート容量を使ったコンデンサは高周波特性、温度特性が良くないし、静電容量のバラツキもあり、外付け部品で対応するしかありません。
 抵抗にしても、ICで作るポリシリコンや拡散層を使った抵抗は高周波に対応できませんし、抵抗値のバラツキ制御が難しい。
 それからICの中にコイルを埋め込むことは、もっと難しい技術で、現在のシステムICには埋め込まれていません。ただ、ここ数年でICにコイルを作りこむことはできるようになりましたが、トランジスタ、CやRといっしょに作り込むには製造プロセスが複雑になり、価格的に合わない。

 一時期、外付け部品は全てICに内蔵されるのではといったことが言われてましたが、超高周波時代になって、また外付け部品が活躍すると思います。
 高周波時代には個別部品が増えると思います。(億近コンサルタント&大原&両津)

 


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