日本マクドナルド(2702) | 2001/08/10更新 |
2001/08/10(金) | |||
駄洒落商会会長です。 本日(10日)は、日本マクドナルド(2702)の中間決算説明会がありました。上場前に「イチオシ銘柄」として取り上げたフォローを含め、内容をお伝えしたいと思います。 まず、藤田社長の為替の見通しです。「為替バトル」のコメントでもふれましたが、同社長の的確な見通しには定評があります。景気見通しについても、90年代半ばから「日本はデフレに突入する」との信念のもと、ハンバーガーの低価格化を推進しています。 出席したアナリストからも為替についての質問が出ましたし、私も「バトル」に参加している手前、気になるものですから、同社の業績よりまず、為替見通しについて紹介しましょう。 【藤田社長発言要旨(為替)】 早くから「デフレに入る」と予測したのは、わが国で少子高齢化が進むため。人口の増えない国では消費は伸びず、低価格化が加速すると予想したため。 概略はこんなところです。 また、同社長の発言で注目されたのは、「個人株主優遇」をはかりたい、と繰り返されたことです。 同社が、10月にかけ「個人株主向け説明会」を開催(東京では7日)することも含め、個人株主重視の姿勢を強調したことは評価できますね。 業績面ではサプライズはありません。「イチオシ」でふれましたように、株価的には公募価格が割高な水準で決定したことも含め、目先的にキャピタルゲインを狙うのは難しいでしょう。まさに、中長期的観点から押し目買いに徹していただく局面かと思います。(駄洒落)
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2001/07/04(水) | |||
ポートフォリオバトルも最終局面を迎えました。 同社については、日経ビジネス7月2日号が「日本マクドナルド」の特集を掲載したなかで、「モジュラー工法」が写真入りで解説されています。雑誌の発売とともに、株価の上昇に拍車がかかった感がありますが、一読してみてください。 さて、その日本マクドナルドです。 理由をいくつか列挙します。 1)大型IPOへの警戒感 仮に公募価格が3500円と決定した場合、資金調達額は917億円と今年最高、時価総額は4654億円と店頭市場ではヤフーに次ぐ大きさとなります。乏しい市場エネルギーで株価を押し上げることが出来るかどうか。 2)「ポスト藤田田社長」問題 日本マクドナルドの藤田田社長が戦後を代表する「起業家」、「異能」経営者であることに異論をとなえる方はおられないものと思います。東京大学法学部在学中に貿易会社・藤田商店を設立。卒業時、国家公務員上級職に第7位の成績で合格、大蔵省から採用通知を受けながら、自主独立の道を選び、米国マクドナルドと折半出資で日本マクドナルド設立。たいへんな手腕を持つ藤田社長も既に75歳です。後継者はどうなるのか。 米国マクドナルド・コーポレーションに対するロイヤリテイの問題(従来1%が今期から10年間は2.5%に引き上げられ、今期減益の要因となっている)はどうなるのか。世界各国のマクドナルドは米国マクドナルド・コーポレーションに対し、年間売上高の5〜10%をロイヤリティとして支払っていますが、日本は藤田社長が頑強に主張して1%にとどめていました。「ポスト藤田社長」では、米国に対し、経営主導権を握れるのか。 3)「ハンバーガー」単品経営の成長性 藤田社長は現在3600店の店舗数を約10年間で1万店とする構想を披瀝しています。半面、ハンバーガー単品商品のみの業態では6700店が限界としています。残り3300店は他業態となるわけですが、その開発はどうなるのか。 ちなみに同社の売上高は3期連続ひとけたの伸び、経常利益は2期連続減益見通しです。同社ではここ数年は「助走期間」と位置付けており、その後は経常利益で3%成長を企図しています。「高成長企業」として位置付けるのは難しいでしょう。 なお、外食産業のPERは平均30倍。目論見書による想定公募価格3500円は予想PERで31.6倍です。 私個人的には、無理してブックビルディングに参加することはないものと判断しています。ただし、中期的には注目してみたいと思います。藤田社長は「3年以内にインフレ到来」との見方をとっていますが、「食品分野」での「価格破壊」はさらに続くものと予想されるからです。「デフレ」ではなく、「物流システムの効率化」とでもいいましょうか。 この10年間衣料品のマーケットが30%縮小しているのに対して、食品はほとんど変わっていません。ユニクロが食品に進出しようとしているのは、このためです。衣料品同様の革新を起こすことが可能と判断しているのです。 そうした動きが現実化した場合に、利益を出せる企業はどこか。「藤田イズムが継続された」日本マクドナルドではないかと思います。 今回は「情報提供」にとどめます。(駄洒落)
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