日本ドレークビームモリン(店4688) 2000/06/08更新

2000/06/08(木)

日本ドレーク・ビーム・モリン(店4688))

 前回(5/31)、同社の今期利益伸び率が鈍化予想であり、説明会のあとフォローするとお伝えしましたが、先週末に説明会が開催されましたので簡単に報告させていただきます。なおこれもお伝えしたことですが、日程の関係上、私は参加できず他のリサーチャーからの報告であります。

 今期利益が鈍化する要因は、1)IT投資負担、2)新規事業インプレスメントに係る負担の2点の要因であり、既存ビジネスであるアウトプレスメントの経常段階での利益率は約30%と変化はない。前期、コンサルタントを90名に増員したことより(今年は増員しない)、1人当たり約40名×コンサル人員90名×単価100万円(今期は100万で見ている)=36億円の売上。ここで1人のコンサルが一度に受け持つ人員が40名ということであり、平均すると6ヶ月で就職が決まり、コンサルが終了する。よって36億×2=72億までうまくいけば売上はなりそうである。
 しかし、前期平均単価130万円が今期は100万円と、会社計画は堅く見ているようだが、ライバルが次々に現れ、しかも安値攻勢を駆けて来ており、その影響をどう判断するか? また、以前は外資系の比率が高かったが、最近は日系の比率が高まり、約6ヶ月のコンサル期間が足下6.9ヶ月に延びている。同社ではこのマッチングを高める(早めるという方が適切か)ために営業マンを20人配置するそうだが、この効果がどう現れるか?

 これから投資される方・既にされている方、お考えになってください。

 ちなみに私の考えを述べますと、インプレスメントがどの位伸びるかわかりませんが、アウトプレースメントのマーケット頭打ちが何年か後にやってくること、アウトプレースメント業界2位or3位のクーツが今年度中に公開しそうなこと。同社は単価が高いことで有名らしいですが、クーツは安いことで有名だそうです。つまり、大きな案件の場合入札を用いますので、その面で1位の座を保つためには安値で札を入れるしかないのでは…。

 以前、日本で有名な大企業が30歳代の社員をカットするために、アウトプレースメント業者を利用と新聞に掲載されましたが、30歳代位なら40・50歳代に比べ転職も容易であり、企業が百何十万円も出すとは思えません。そう考えると、クーツの中身はわかりませんが、マーケットはクーツにとって追い風のような気がします。

 更に、平成15年に米国ドレーク・ビーム・モリンとの契約が切れます。この契約内容がどうなっているかわかりませんが、この点を指摘する財界人もいます。

 同社の2万円弱のプライスは、マーケットが昨年のようにカンカンな強気なら別ですが、それは非現実的でしょう。私は今回、機関投資家に対し2万円近いプライスは見送りと申し上げました。

☆☆☆☆☆ → ☆とする。

2000/05/31(水)

日本ドレークビームモリン (店4688) ☆☆☆☆☆

  99年に入り、右肩上がりの株価を形成してきた同社であるが、「ここ最近株価の動きが怪しい」と、懇意にさせて頂いているファンドマネージャーと話をしていた。マーケットの地合・今期の業績伸率など考慮しても、ここまで売られることはないであろうと。しかし先週末、オーナーの60万株売出が発表されておりました(気付くのが遅れました)。

 発行済株式数約280万株のうち、特定株78.7%の品薄状況の中、60万株が一挙にマーケットに出るわけですから、一時的には売られましょう。

 では株価が底入れした局面で、押し目を入れるべきなのか?

 今期の売上55億はアナリストのコンセンスの範疇であり、特段マイナス要因にはなりません。しかしながら、前期の売上・利益がほぼ倍増に対し、今期の経常利益伸率+18%は、あまりにも低すぎます。
 想定される原因は単価の下落でありますが、今期は金融など比較的単価の高い業種からの売上が貢献してくると予想されることより、それほど下がらないと思います。

 そう考えると押し目を拾いたくなりますが、詳しいことは現状わかりませんので、金曜日の説明会後、再度フォローさせていただきます。

2000/02/18(金) 

日本ドレーク・ビーム・モリン(店4688) ☆☆☆☆☆
 2月17日付日経新聞に、東京電力の若手社員対象の転職支援制度が掲載されている。1993年の1900人をピークに、新卒社員を大量採用した結果、若手社員の余剰感が強まり、電力小売自由化に備えスリム化を進めるというもの。対象は30歳以上の社員(30才から34才で7000名いるという)で、割増退職金・転職前の休職・再就職会社への派遣の3本柱だ。
 その中の「再就職支援会社への派遣」であるが、新聞では「日本ドレーク・ビーム・モリンなど4社と契約する予定で、1人当り約150万円の費用は東京電力が負担する」とある。押したところを拾うという要因もあるが、この材料で昨日・本日とストップ高を演じたと予想する。
 アウトプレースメント業界トップは同社、2番手はウエイステーション、3番手クーツと、大企業からの依頼のケースであれば入札、上位メンバーが落札し主幹事となり、幹事団に他の企業を入れるのが一般的とか。
 この記事を見る限り、同社がメインを取れそう、もしくは幹事団に入るような記述だが、本当のところは???実はライバル群辺りから違う話が聞こえてくる――どの話を信じていいものか? 困惑気味。

 机の上でただ考えても回答は出てこないし、この業界にヒアリングしても同じ結果だ。ならば、客サイドの東京電力に聞いてしまおう――後日回答するとのことでした。

 しかし万が一、同社が今回の受注を外したとしても、今後の成長期待は不変ですのであしからず。


 その後東京電力から連絡がありました。あの記事に関しては事実であると。しかしながら、割増退職金の数字などはあのまま捉えないで欲しい、また、どの再就職支援会社と契約締結するかは決定しておらず、契約もしていない――まあ先方も無難な答え方である。真相はわからずです。
 けどこの記事を見て、もしかすると関西電力もやるのでは?と思い、関西電力のグループ企業に勤務する友人に連絡すると、この記事を知らなかったらしく慌て出した。この前、組合との会議があったばかりで、リストラに関することは全くなかったらしい。しかし自由化を前に、彼は「リストラせざるを得ないであろう」と言い、社内的にもそのような雰囲気があるらしい。
 だが、これはなにも電力業界だけのことではなく、「バブル期入社で仕事の出来ないのは首を切る」という企業オーナーもおり、今までの40・50歳代から30歳代へと年功序列崩壊、そして実力主義への移行が進んでおり、アウトプレースメント業界の役割は更に増そう。

 最後に、「30歳台なら転職先は自分で探せ。探せない奴がコンサルタントを頼るんだ」と厳しい指摘をされた社長さんがいました。

2000/02/02(水) 
日本ドレークビームモリン(店4688) ☆☆☆☆☆
 最近の新聞・雑誌にアウトプレースメント事業についての記事を良く見かける。参入障壁のない業界なので、この1年間に沢山の業者が参入してきているという。それにより競争激化で平均単価が下がり、50−60万円という話しがでてきたり、おまけに転職者の収入の十数%という定率の場合、若者の転職者が増えるということは、業者にとっては平均単価の下げに繋がるという、読んでいる方にとってはネガティブに感じとってしまう書き方だ。実際のところはどうであろう。
 株式公開企業でも、クリエイティブグッドウイルなどが参入しているが、もっと零細な企業が安い単価で受注、発注する側もアウトプレースメント業者の実績・コンサルタント力をあまり吟味せず、依頼を出しているところが増えているようだ。また、日系より外資系企業からの受注単価が厳しくなっている様であるものの、同社の受注単価は予想の範囲内であり、きちんとした案件以外は断っているようだ。
 同社の範囲外で単価が下がってくれば、マーケットは更に拡大し、いずれコンサル力のない業者は淘汰されるであろう。
同社の優位性に揺るぎなし。

1999/12/08(水) 
日本ドレークビームモリン(店4688) ☆☆☆☆☆
 同社の説明会が大槻社長参加のもと、12月3日に行われました。
 新聞を読めばリストラの記事があちらこちらに発見出来る世の中ですが、連結支配基準が来期(2000.4)から導入され、持株比率を低くして連結対象に入らない様にし、表に出来ない債権債務を実質子会社に持たせるという行為が難しくなります(必ず抜け道はあるものなので、ここでは出来なくなるという表現を使いません)。
 各社こぞってファイナンス会社等を畳むのはそのせいで、困るのは従業員。1度は親会社に戻っても、むしろこれからが人員の合理化でしょう(会社側も労働組合との軋轢で人員にすぐ手をつけられない)。
 その対象になられる方は誠に気の毒ですが、同社にとっては大きなビジネスチャンスであるわけです。
 中間期の受注は21.9億円に対し、来年1〜3月は14〜15億円の受注は確保できており、受注単価も依頼企業側が質にシフトしているため会社想定ほど下がらず、会社が立てている中期目標も前倒しで達成しそうで、春に計画を見直す予定であると発表しております。98年のアウスプレースメントマーケットは80億円、99年は一挙に拡大し120〜130億円が見込めそうで、現在のシェア30%を40%に引き上げる計画だ。加えて2000年にインプレースメント事業(社員の士気を高めるビジネス)に参入。それ以外の周辺事業にも食指をのばそうとしており、M&Aも。まだまだ同社の時価総額拡大が期待できる。

 この銘柄掲載時(7/15)には、☆制度がなかったが、今回☆☆☆☆☆を付与する。

1999/7/15(木)
日本ドレークビームモーリン(4688店頭)
 景気低迷が続くなか日系企業が人員削減まで踏み込んだリストラ旋風が吹いている。かつては人員削減といえば外資系企業の代名詞であったが、最近では従来の日本型経営の欠点が露呈、外資系企業のやり方を模倣するところが後を立たない。
 日本ドレークビームモーリンは1982年の設立で97年夏頃までは殆どが外資系をクライアントとしていたが97年秋から状況が変わりアウトプレースメント(再就職支援)をあまり認知していなかった日系企業からも受注が入りはじめ(受注金額の拡大)それ以後業績は急拡大中。
 終わった前期は売上高16.52億円(前年比57%)営業利益5.19億円(48%)経常利益5.25億円(62%) EPS80.8円。
 今期は売上30億円(82%) 経常7.3億円(39%) EPS115.4円と会社は目論む。(売上に対し利益の伸びを低めに立てているのは前期からの受注急増に対し人員を増やしたこと及び本社支社の移転費用計上の為)
 しかしながら再就職までの平均期間は約6ヶ月、前期末受注残26.2億円で今中間期の売上13億円というのはいくらなんでも売上を慎重に見過ぎているのではないか…
 某有力証券では今期売上40億円 経常11.1億 EPS184円と試算している。
追撃買い 引値13500 (+1300円)
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