タイホー工業(店4953) |
2000/12/14更新 |
2000/12/14(木) | ||||||||||||||
タイホー工業(店4953)
さて、我々はディスプレイに重点を置いてリサーチを進めておりますが、今回株式市場ではタイホー工業が賑わっている。なんでも「ヒューネットから同社に乗り換える」と言い出す投資家まで出現。同社の発表した新型有機EL発光素子とは、一体どう評価したら良いのか? 新光証券からレーティング1で短編レポートが出されているが、「この技術は未知数で業績に与えるインパクトはわからん」と記載されている。おまけに寿命が発表されていないとも指摘している(でもなぜレーティングが1なのかはわからない?)。 新光証券とELセミナーの資料から一部抜粋する。
Xの値が大きい方が、真っ赤ないい赤色が出るそうです。 次に寿命だが、同社ではデータを全く公表しない。敢えて聞いたら、1千時間は優に超え、数千時間くらいと示唆していたものの、きちんとしたラボベースでのデータは全く言わない。つまり評価できない。ダウケミカルは、半減期5200時間と発表済み。おまけにこの数字は他のラボなら1万時間に相当すると言っていた。 タイホーの輝度は最高で2000cd/m2。しかしながら肝心の電圧が未発表。そこを無理やり聞きましたが、10−15ボルトだそうです。 ダウケミカルは100cdで3.62ボルト、500cdで4.95ボルト、1000cdで6.00ボルト、2000cdで7.65ボルトです。 量産に値するものなのか? 現状では、蒸着がうまく行った低分子が先行する形になりましたが、タイホーのやり方は高分子でもちょいと違う方式のようです。 結果は上述のデータですが、全てをポジティブに捕らえることは出来ませんでしょう。まだ開発途上の素子ですから。しかし、低分子に遅れを取ったかに見えた高分子で、1つの新技術が発表されたとの認識を私は持っております。 現段階では同社の買いはイチオシできません。 同社の方向性には素晴らしいものがあると言えますが、まさかあの技術を持ち出すとは思わなかった…。今回は単なる情報提供です。よって☆なし。(両津)
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