カナレ電気(店5819) 2000/07/13更新

2000/07/13(木) 

カナレ電気(店5819) ☆☆☆☆

 同社の1Q(単独)が発表された。
 売上高は国内が12.46億円、海外が4.04億円でトータル16.5億円で、前年比25%増である。営業利益は2.12億で同48%増、経常利益 2.88億、同51%増でNETは1.25億円と好調裡に終わった。

 内容は前回お伝えした通り、衛星デジタル関連の需要増に加え、テーマパー ク・サッカースタジアムなど大型物件の納入が順調に進み、米国他・韓国・中国・台湾向けが伸長した。

 1QのNETが1.25億円で、単純に4倍すれば5億円となり、通期の計画3億円はいくらになるのであろうか?  しかも、同社の売上は3月に大きく立つため、単純に4倍とはいかずそれ以上の業績になる可能性もある。炎氏が試算した単独EPSは130円、連結で は140円であるが、果たして…。

2000/06/30(金) 

カナレ電気(店5819) ☆☆☆☆

 炎のファンドマネージャー氏に代わってフォローさせて頂きます。

 同社は4Q制決算を採用しており、足下は好調に推移している模様。
 1Q(4‐6月)は、以前手掛けていなかった通信向け需要が出ており、また地上波TV放送局向けにも好調、これが2‐3年続きそうだ。
 昨年、シネコンが2000ヶ所出来て600ヶ所閉鎖で1400ヶ所の純増、今年も同じくらいのペースで伸びそうであり、同社にとってはフォロー。また、韓国のサッカー場建設10ヶのうち、同社が8ヶ所に製品を納めることが決まっており、同国における今期の売上は2億円くらいに行きそうである。
 同社は、海外販社向けに円建てで輸出しているため為替の影響は出ないが、ドル円が高い水準にあり、海外販社にとっては値上げできるかどうかがポイントとなろう。しかしながら、それでも上記の理由から、1Qは非常に好調裡に終わったと推測する。とはいってもこれがあと3期間続くかどうかはわからないが、今期の費用の中にR&Dの一部(1.7億円)が入っており、この費用が計画より少なくなる、もしくは翌期に繰り越した場合、利益アップとなろう。
 また、以前幅を利かしていたNTT規格が徐々に薄れていく現状も、いずれ同社にポジティブに働いていくであろう。

 同社は、何年か前に光半導体の研究を株式マーケットで発表し、マーケットの話題になった。ナノテック研究所なるものを持っており、そこの加納研究員という方が特許を出されている。この半導体は量子波の干渉による特殊な現象を利用したもので、原材料により異なる波長が発生し、これがいろいろなものに使えるらしい。
 ただ、未だに詳しいことは発表しないため、このライセンスがどのように利益に結びついていくかは不明である。

 株価は本日1820円の高値を付け、炎氏の記事(5/18号)で買われた方はハッピーであろう。

蛇足ですが、炎のファンドマネージャー氏のHP(有料:月1500円から)が完成し、オープンは近々の予定らしいです。

2000/05/18(木) 
カナレ電気(店5819) ☆☆☆☆
 放送・通信用電線及びその付帯器具を製造・販売する同社の業績は、今期以降大きく伸びる可能性が出てきた。デジタル化の流れの中で、より付加価値の高い高性能な放送用ケーブル・コネクタが伸びてくると見られること。加えて昨年から参入した通信分野においても、人員の削減を進める通信会社向けに省力化に対応したコネクタ需要の増大が見込めるためだ。更には、平成4年から開始した光半導体研究の成果が実を結び、事業化の目途がつきつつあることも大きな成長に繋がると期待される。

 前期の業績(連結)は各テレビ局の設備改修需要に、間もなく始まる衛星デジタル放送に向けた放送設備需要が加わり、放送機器メーカー向けなどに売上げ好調。地方の公共施設向けを中心とした電設業界向けは減少を余儀なくされたが、小売り店内に設置された映像複合システムや、スポーツ競技場、大規模テーマパーク施設等の需要増でカバー。その結果、売上高は期初予想を上回る63億6000万円(+3.8%)となった。
 利益面では、研究開発用の半導体製造装置2機などの費用4億6600万円を新会計基準に従い一気に経費処理した結果、経常利益が4億8700万円(−35.6%)と大幅な減少となり、EPSは63.9円に留まったが、実質的には9億5000万円程度の経常利益と、25%程度の経常増益と考えられる。
 今期は売上高67億円(+5.3%)、経常利益8億円(+64.3%)、EPS91.5円を公表しているが、粗利率(前期実績40.4%)や販管費率(前期実質27%)を前期並みと想定すれば、この売上高が達成されれば経常利益は最低でも9億2000万円程度は見込める。継続して研究開発用の試験設備等に先行費用がかかることもありうるが、売上によっては経常利益が10億円を突破することも考えられる。EPSは最低でも100円は確保できると見られ、最終的には110円以上が期待できる。

 同社は主力の放送・電設分野においては同軸ケーブル、BNCコネクタ、さらに光ケーブル、光コネクタの普及に注力。特に光カメラケーブルはスポーツ競技などのテレビ中継に使われ、今後の成長に期待。市場規模が放送市場の10倍とされる通信分野には、昨年1月から参入。従来品に比べ接続品質が高く、コネクタ価格が安価である上、大幅に省力化できることから同社のコネクタ製品は各地の通信交換局、携帯電話基地で標準採用されつつある。
 海外では、日本に遅れて東南アジア、東アジアにおいて今後マイクケーブル、スピーカケーブルの成長期を迎えようとしており、特に日韓合同ワールドカップサッカー大会を前にした韓国向けは、全国各地にサッカー競技場、文化施設の建築が計画されており、販売増が見込まれている。同社では昨年11月の韓国に、米国・香港に次ぐ販売会社を設立し、対応した結果その成果が表われ始めている。
 従来品については、通信用コネクタ・ケーブルの開発を推進。今後品種の拡大に努める意向。また、研究の一環として過去2年間にNTTアドバンステクノロジー社からは通信用SC光コネクタ接続技術、住友電工からは光融着加工技術、英国レモ社からは放送用カメラコネクタ接続技術をそれぞれ技術導入し、光コネクタ技術の向上に努めた。これらの成果として光コード、放送用光カメラケーブル、放送中継盤の製品化を終え、テレビ中継設備として販売するに至っている。今後も独自性を発揮した光コネクタの研究及び、接続を簡便にするための工具の研究開発を継続予定。

 さて、こうした従来からの延長にあるビジネスだけでは同社の成長にも限界があるが、長期的に見るとこれまで続けてきた光半導体の研究がビジネス化されることが更なる成長のポイントとなる。

【同社の光半導体研究について】

  1. 研究の目的
     光半導体研究は当初、将来の光ファイバーの普及によって銅ケーブルの需要がなくなるという危機感から、代替品の開発を目指す目的で平成4年より開始された。
     光技術を用いると、光通信に見られるように大量情報を低損失で長距離伝送が可能。また、CDに見られるように小さなディスクを使って長時間の動画情報を記録したり読み取ることが可能。更にTVリモコンのように電源のオンオフ、チャンネル切替えなど、コードを使わずに遠隔操作ができるといったように、従来ではできなかったことが可能になる新技術として、今後ますます多くの分野に広がろうとしている。

  2. 主な研究成果
     平成9年に同社のナノテック研究所が開発したデバイスは、電子に波の性質があることを利用したもの。波の特性を利用したデバイスは、共鳴トンネルダイオード、超伝導量子干渉素子が知られているが、最近では究極的速度の動作が期待できる単一量子箱の研究が盛んに行われている。いずれも電子を効率良く制御するための技術だが、ナノテック研究所は別の角度から考案した独自技術で内外の特許出願件数が52件に及び、現在も出願件数が増加中。昨年には基本特許とも言える8件が無事審査をパス。特許権を取得した。

     この技術を用いて完成した一例が、新型LED(発光ダイオード)。LED構造でありながら、レーザに近い波長の揃った発光(コヒーレント光)特性をもっているこの新型LEDは、通信に用いると従来のLEDより高速通信が可能となり、低価格が求められるLAN、パソコンのインターフェイスなどの次世代信号伝送用として需要が期待される。また医療検査機器に用いると、ハロゲンランプを光源にする従来機器に比べ大幅に小型化でき、レーザを光源に使う従来機器に比べ身体への損傷が少なく、より安価なものができる。大幅な低価格化で予防医療への寄与が期待される。

     また、ナノテック研究所の独自技術はPD(光センサー)にも応用可能。通信で使う波長では感度がないと言われるシリコン系材料SiGeでも、同社の技術で感度を持つ可能性が生まれる。もし実現すれば、最新のIC加工技術が生かせるようになり、通信用PDの低価格化が一気に進み、光通信普及の一助となり得る。
     なお、この研究は通産省の「平成10年度即効型新規産業創造技術開発補助金制度」の対象に選ばれて1億円の補助金を受け、国家レベルの新技術の一つとして期待されるまでに至っている。

  3. 事業化時期
     同社の半導体技術は従来の半導体技術を革新する次世代技術であり、当初の放送・通信向けから医療・情報など、様々な分野へ応用展開できる基盤的技術としての可能性が広がってきた。事業化は半導体デバイスとしての半導体部品販売、より付加価値を高めた機器としての販売、特許技術のライセンス供与など様々な事業形態が考えられる。このため同社では、将来の大きな飛躍・成長を可能にするための戦略技術として、より慎重に検討していく予定だ。この秋口あたりからは何らかの形でビジネスの概要が明らかにされよう。
【株価の動向、その他】
 同社の株価は、今年に入って1350円から1700円というボックス圏内での動きを続けている。このところも、全体相場が波乱を描く中にあって、1350円安値を見た後、すぐに1600円まで戻し、1500円台での推移を続けるなど安定した動きを見せている。ただ、3月頃想定していた5月頃1800円、6月頃2500円の目論見がやや穏健なまま留まっているため、多くの投資家にとっては不満が募り始めているに違いない。
 下値では買いたい向きは多いが、上値を追ってまでは買ってこない現状は、決算発表以降も継続しているため、今しばらくは継続の可能性がある。と言っても売り物がたくさん出ている訳ではなく、1600円まででせいぜい1万株程度ある状態なので、一旦動きが出始めると一気に人気化することも想定される。そのきっかけは光半導体に関する新聞等による報道となろう。

 上記の内容は、既に会社側から出される決算短信に記載されており、時期を追って新聞マスコミでも伝えられるかと思われる。今回の内容で重要なのは、事業化にあたって、有力企業と組む可能性があるということだ。今後、徐々にその事業化にあたっての内容が明らかにされていけば、株価は大いに反応するものと見られる。(炎のファンドマネージャー)

  • この内容に関しては会社訪問を前に決算短信の内容を分析し作成されております。会社訪問によって問題点を更に吟味した結果、業績見通しや新事業に関して修正がかけられる可能性もありますのでご注意下さい。なお、会社訪問は来週以降を予定しております。☆については後日記載します。

当社は☆☆☆☆とします。(5/19)

2000/04/13(木)
カナレ電気(店5819) ☆☆☆
 ナノテック研究所での光半導体の研究開発が進展し、今年の秋から来年にかけてビジネスの方向性がより明らかになるとの期待から、株価が動意含みになりつつある。
 同社ではLED(発光ダイオード)と受光部分のフォトダイオードの開発を並行して進めており、量子波干渉という最新技術の活用で光半導体の性能向上に成果を上げたと相当の自信を示している。いずれも高性能だが、低コストでの製造が可能となることがポイント。放送用のケーブル事業という比較的地味な業態は、こうした光関連製品の展開で様変わりになると内部での期待が高まっている。
 今期は研究設備の前倒し償却がなくなることから業績は通常の数字に戻る。足下の業績は予想以上に好調であり、こうした点も株価の支援材料となろう。対外的な発表は控え目にしたいとの意向はあるが、今期連結EPSは100円を突破することが予想されることから、1600円前後の株価水準は光関連銘柄としては割安感が強い。本日(4/11)は1600〜1650円程度で売り物を拾っている向きがあるが、ここで値固めしながら徐々に上値を追うのが理想的な姿だ。(炎のファンドマネージャー)
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