日本電子材料(店6855) 2000/11/30更新
2000/11/30(木)

日本電子材料(店6855) ☆☆☆

  先達て、日本電子材料の大久保社長と面談することが出来た。

 兵庫県にあるシンクロトロン(1.5GeV)から制動X線を発生させ、ウエハー上で0.08μの線幅が可能である。近くにNECや富士通などの研究所があり、各社微細化に励んでいる。
 同社は、このシンクロトロンから出た陽電子を1GeVに減速させたものを使用し、プローブを支える部分の新しい部材を研究している。この部材を用い、交換可能なプローブを製作しようとしている。40μや20μのものを40μピッチで研究中。

 韓国勢、米国、日系から垂直型でかなりの要請がきているようで、300ミリウエハ対応の64個多面取りが量産できれば、かなりの成長が期待できる。ただしその場合、テスター会社が対応できるのが前提。
 同業他社は交換可能なプローブを開発完了しておらず、プローブや耐熱に問題があり、同社のターゲットは米国FFI1社のみである。
 米国ではテラダインと組んでやっており、マイクロンには9×9の81個取りタイプ。

 大久保社長はこれまで多角化をしてこなかったが、今後は方針変更する可能性が高い。その場合は副社長が指揮をとっていくことになろう。
 副社長は熊本三菱電機の社長であった方であり、半導体のプロフェッショナルだ。

 今後の同社の出方には注視しておいた方が良かろう。(両津)

2000/10/05(木)

日本電子材料(店6855) ☆☆☆

 日本電子材料のIR担当者が、わざわざ東京まで出向いてくれた。先週電話した際、放射光利用について出来る限り技術的に難しい資料(つまり詳細が知りたい)が欲しいと要望したのだが結局持参してくれず、私にとってはほとんど意味のないミーティングになってしまい残念である。
 放射光を利用し材料を開発、それを量産型プローブに利用すると言われても、技術評価が出来ず私は納得出来ないのだ。皆様にサプライズを報告しようかと考えていたのだが残念である。

 その代わりと言っては何だが、同社の使用する放射光について少し触れてみる。
 使用する放射光は兵庫県にある(関東地方でいうなら筑波学園都市)SPRING−8という大型の電子加速器でエレクトロン(電子)を1.0Gevまで加速し、その近所にある姫路工業大学高度産業科学技術研究所の付属研究施設であるニュースバルに導く。ニュースバルに進入した高速電子に磁界を与えて電子の方向を変化させ、その時電子は制動エネルギーとして放射光を発生する。この放射光を利用してやろうというもの。

 同大学では半導体チップの回路パターンで実験をしているが、次世代の縮小パターンとして56ナノメートルの線幅のパターンに成功している。現在のパターンがマイクロオーダーであることを考えると、これが如何に微細かが理解できると思う。
 それ以外でも各種マイクロシステム、マシン、センサーなど幅広い実験を行っている。同社の大久保社長は77歳という高齢であるにもかかわらず、同社の特許の7割以上を開発しており、感心するばかりだ。しかし社長に万が一のことがあったら…。

 前述の放射光は、企業が自由に使える訳ではありません。他に三菱電機も使用しております。日本電子材料の副社長は熊本三菱電機の元社長であり、将来同社はプローブカード以外の分野に進出する可能性があります。 ターゲットは半導体後工程です。5年後位に見えてくる事でしょう。

2000/9/27(水)

日本電子材料(店6855) ☆☆☆

  前回に続きまたフォローです。

 社名に材料と付くぐらいですから、株式マーケットに対する材料も豊富なんだろうなあー、と冗談を言っている場合ではございません。
 同社にまた新たな材料を発見!! なんとシンクロトロンを利用した実験を開始すると言うではありませんか!一体何に使うのか?乞うご期待。
 でも少しだけ言っときましょう。世界初ということだけ…。
 実験がうまく行きますように…。

2000/9/11(月)

日本電子材料(店6855) ☆☆☆

  前回に続き再度フォローします。

 300ミリウエハ対応の64個取り及び交換可能なプローブが完成すれば、かなりの売上が立つとの同社社長コメントが、アナリストジャーナルに掲載されていると述べました。また、そのための特許が本年に取得されていることも記載しました。
 しかしながら両津探偵事務所の調査では、もう既に完成しているとの情報が入ってきた。しかも64個同時かつ交換可能なタイプで、10月に幕張で開催されるセミコンジャパンに出展するとの噂も? セミコンジャパンが楽しみだ。
 早速チケットの手配を…いやチケットをタダでゲットするための手段を考えよう。

2000/8/30(水)

日本電子材料(店6855) ☆☆☆
 両津です。出張しておりましたが、また本日から執筆させて頂きます。皆様よろしくお願いいたします。

 前回に続きフォローです。

 同社大久保社長が証券アナリストジャーナル7月号で、「300ミリ(12インチ)ウエハー対応の64個同時測定可能なもの、及び垂直型の狭ピッチ電極に対応するプローブが出来れば売上はかなりアップが可能である」との文面を紹介し、最近その特許が公開されていることも記述しました。

 今回、別件で同社に用事があり連絡したのですが、研究・開発はもう済んでおり、一部サンプル段階に入っております。他も設計段階や、量産の検討に入っており、日本のコンペティターよりリードしている状況の様です。

 しかし海外メーカーのコンペティターをどう評価するのか?

 垂直型では、海外に2社コンペティターが存在します。日本電子材料製の垂直型が、回路基板とプローブをハンダ付けし上部・下部ガイドを介しプローブを突き出しているのに対し、欧州メーカー製は、回路基盤からWIRE・SPACE・TRANSFORMERなるものを接続し、これをコブラと命名されたプローブに接続しております。
 これは主に、DRAM及び普通のロジックに用いられますが、耐熱が80度までです。プローブとワイヤースペーストランスフォーマーの材質が違うため、熱せられた時の膨張率が異なります。よってバーインテストの時、エラーが出る可能性があります。また現状ではバーインで150度までの耐熱を要求されるため、日本電子材料製と同じ土俵に出るには無理がありましょう。
 次にもう1社ですが、米国のベンチャー企業であるFFI社製の垂直型プローブ。これはプローブの形を三角形状に曲げたうえ、金線メッキを施しております。更にワイヤーボンディングで接続しており、他社製と大きく異なるのは手作業ではなく、機械を用いて製作できることです。しかし欠点もあります。機械で作れる反面、単純なプローブの配列しか出来ず、複雑な形状及び狭い電極ピッチのチップには不向きであり、汎用DRAMにしか対応できません。

 このように各社一長一短ですが、日本電子材料は可能性を追求しております。複雑なもので狭いピッチにも対応できるよう。そして水平型では各社プローブの交換が可能ですが、垂直型ではまだどこも実用化されておりませんが、同社は交換可能なタイプが、もうすぐのところまで来ております。完成後の正式発表を早くしていただきたいものです。

2000/8/23(水)

日本電子材料(店6855) ☆☆☆
  1960年の設立当初は、ブラウン管用カソードのヒート部分であるタングステンを製作していたが、その後軸足を半導体検査用プローブカードに移し、現在ではそれが売上高の約9割を占める。

 では半導体用プローブカードとは一体どんなものなのか?
 かつてICの導電性テストは、製造工程最後のパッケージングした製品に対し行なわれていたが、現在は製造工程中に行なわれている。このテストで用いられるのが、株式マーケットでメジャーな存在のアドバンテストのテスターである。しかし、検査対象のウエハーを直接テスターに載せるのではなく、テスターに繋がれているプローブカード上に載せるのだ。
 つまり、ウエハー断面にある電極パッドと接触をさせる装置で、非常に緻密なものである。 このプローブカードを世界で初めて発明したのは、米国のルーカー&コール社で、1970年日本に来日した際、京都を案内したのが同社大久保社長で、技術提携を行なった。
 基本特許はこの米国企業が保有していたが(現在は期限切れで権利を有していない)、プローブカードのマーケットが拡大し出したのはほんの10年前、平成に入ってからだ。
 半導体チップのシュリンクと共に、各社独自技術による微細かつ高精度のプローブカードを製作し始め、特許意識も徐々に高まっていく。

 ウエハー上の電極パッドに接触させるために、カードから針のようなものが何本もでているがこれをプローブといい、ウエハーに対し、水平方向からプローブを差し出し接触させるタイプが主流である。しかし半導体チップがより微細になるにつれ、水平方向ではどうしても狭い電極間隔への対応が容易ではなく、同社はプローブを垂直方向から進入させる垂直型プローブカード(縦形プローブカード)を発明し、平成5年に基本特許を取得し、特許公開後製品をリリースする。

 しかしこの業界では、特許を取得したからと言っても安泰ではいられない。同社ではその後、応用特許でまわりを固めており、それが翌年に特許公開されている。

特許公開平09−021828 垂直作動式プローブカード
特許公開平09−054115 垂直型プローブカード及びそれに用いられる
プローブ
特許公開平09−113537 垂直作動型プローブカード
特許公開平09−211029 縦形プローブカード
特許公開平09−218223 縦形プローブカード及びこれに用いるプローブ
特許公開平09−236619 縦形プローブカード
特許公開平09−304435 縦形プローブカード
特許公開平10−221374 垂直作動型プローブカード並びにそれに用いるプローブユニット及びプローブユニットの製造方法
特許公開平10−300786 垂直型プローブカード及びそれに用いるプローブユニット

 プローブカード業界で重要なのは、プローブ(針)そのものだという。硬すぎればウエハーがダメージを(プローブにアルミが付着)、柔らければ摩耗が進み、太ければ接触に問題が発生し、形状と材質が非常に大切なものなのだ。

 カードから直立しているプローブは真直ぐと思いきや、カード内部で折り曲げて接触時のクッションの役割を持たせたり、長寿命化に対応するため異種金属接合タイプを使用したり、いろいろなアイディアを出している。

 しかし、同業他社も黙ってはいない。日本マイクロニクスが新型のプローブ「スパイア・コンタクト」を5月24日の中間決算説明会で発表している。
 これは従来の針の形状をしたプローブではなく、ピラミッド状の端子を使うものであり、位置決精度、高周波対応、多数個同時測定、狭ピッチなどメリットは大きいといい、このプローブを液晶検査用にも利用するという。
 ただ、現状ではプローブカード用には技術的な問題が残されており、年内にはクリアーできるとしている。

 技術指向である同社の戦略は、1)12インチ(300ミリ)ウエハー対応の64個同時測定可能なプローブカード 2)プローブ交換可能な製品を作っているメーカーはなく、これに対応する製品の開発――である。
 1)はDRAMで一世を風靡したマイクロンから製作依頼が来ており、2)は対応するプローブを年内発表の可能性がある。しかし平成12年6月16日に2件の特許公開がされており、垂直型プローブカード及び分割型プローブカードという発明の名称だ。

 内容は――半導体集積回路の電気的諸特性の測定を同時に行なうことが出来、しかもプローブの取付けや交換が容易――先端の接触部が測定対象物の電極パッドに接触するプローブと、このプローブの基端の接触部が接続されるパターンが形成された回路基板と…1本のプローブでも容易に交換できるタイプを開発済みの様だ。

 大久保社長は、証券アナリストジャーナルの6月7日号でこう述べている。
「12インチ対応で64個同時測定検査のもので設計が完成すれば、相当の売上高が期待出来る」「前期に垂直型のハイレベル化を行い、その関連で多くの特許を取得したが、電極ピッチが狭く40−100ミクロンとなり、それに対応する針の改良が大きく貢献している。これがうまくいけばかなりのオーダーが殺到しそう」と。

 平成12年8月15日特許公開の発明名称「プローブカード」の目的はこう記されている。
「小型化した電極パッドを有する半導体集積回路にも対応できるようにする」と…。

 コンペティターである東京カソード、日本マイクロニクスの株価が動かない中、同社の株価だけは動き出した。足許4−7月の売上は22億円、上期の計画は30億円である。足許、同社の特許出願は加速している模様である。
 

2000/2/28(月)

日本電子材料(店6855) ☆☆☆
  半導体メーカーの設備投資の記事が大きく載り、関連メーカーが物色される中、同社は反対の動きである。12月・1月の受注が5億円台、2月が5億円を若干下回ったようで、3月も大きく伸びそうでない模様。今期の業績もサプライズはなさそうで、確かにこれでは飛び付きたくなる話しではない。

 先行して買われた材料の、1)インテル向けは次のサンプルを求められ評価にはまだ何ヵ月か必要 2)韓国向けは春頃から出荷開始 3)ランバス各社にその後進展なし…ということらしい。今期業績がどの位で固まりそうかも、短納期のものが現状多く、何とも言えないとのことであった。2−3年後の業績は飛躍が期待出来そうなのだが…。

1999/8/6(金)
日本電子材料(6855)
 日本電子材料が昨日本日と急に動き出してきた。主力のプローブカードが好調のようで何でも4−6月の平均受注に対し7月は約7億円と倍増らしい。
 東芝、KMTがメインでNEC、富士通からの受注も増加。垂直型プローブは三星電子向けにサンプル出荷開始。
 東芝向けはプレステ2用と見られ今期業績は大幅な修正か?
8月6日引値2690円
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