西松屋チェーン(大7545) | 2002/06/08更新 |
2002/06/07(金) | |||
西松屋チェーン(大7545)
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さて、西松屋チェーンです。星4つの理由は以下の通りです。 1)「少子高齢化」が進行していますが、統計的には、「子供市場拡大」の萌芽がうかがえること。ちなみに、子供服市場は約2兆円のマーケットです。 2)経営陣が、業界におけるポジショニングを十分に把握しながら、経営革新を地道に積重ねていること。実用衣料専門店の「しまむら」に似た経営形態といえます。 まず、「子供服市場」の問題です。 東京地区の百貨店の子供服・用品の売上高は、2001年に前年比1.9%減と、5年ぶりにマイナス2%未満の水準まで回復しています。 子供一人にかける家計の支出も増加傾向にあります。総務省の全国消費実態調査(5年に一度実施)によれば、夫婦と子供がふたりいる世帯では、子供の洋服類への支出は99年で5年前に比べ3.6%増、10年前に比べ8.8%増加しています。 こうした点を勘案しますと、「子供関連市場」は今後数年を想定すれば、むしろ有望なマーケットということが出来ます。ただ、当然のことながら、小売業各社は子供服関連商品の販売促進に注力しており、各社の競争戦略が注目されることになります。 ちなみに、「無印良品」を展開する良品計画も子供服を強化しており、02年2月期は、前期比69.3%増(売上高構成比は2.3%)と高い伸びを示しました。 金曜日のコーナーで、貴重な質問、アドバイスをいただいております「ひよこさん」も、無印の子供服を高く評価しておられます。 さて、再び西松屋チェーンです。同社は、関西地盤の子供用品の専門店で、ベビー・子供向け衣料と生活雑貨販売を手掛けています。02年2月期業績は、売上高で494億円、前期比25.0%増、経常利益で69億円、同45.3%増と、7期連続増収増益を達成しました。過去最高の51店の新規出店(期末店舗数は226店舗)が増収に寄与。また、採算の良いPB(プライベートブランド)商品比率が、25.7%と前期比9.9ポイント上昇。値入率が34.8%と同0.5ポイント上昇し、売価変更率が6.8%と1.0ポイント低下したことにより、粗利益率が30.2%と同1.1ポイント上昇したことなどが寄与し、大幅増益につながりました。 同社の強みは、経営陣が「業界におけるポジショニング」を十分把握しながら、出店政策、商品政策を推進していることです。 商品政策では、低価格をアピールすることによる客数確保のほか、粗利益率アップを狙い、PB商品の売上構成比を03年2月期35.0%に、中期的には40%程度まで引き上げる計画です。半面、大手商社、問屋など有力ベンダーとのパートナーシップを深め、ベンダーの持つ企画力を商品の魅力アップに活かす意向です。 このPB商品開発は、小売業にとっては、価格訴求が可能なうえ、好採算であることから、非常に魅力がある半面、在庫リスクを負う、品揃えの幅が狭くなるなどの特徴があります。店頭情報を製造段階まで迅速にフィードバックし、機敏な生産調整を行なうなど、いわば、高度に進化した「仕組み」を持つ小売業でなければ、「両刃の剣」となる可能性を秘めています。事実、ライトオンは、02年2月中間期に60%にまで高めたPB比率を、今秋には30%にまで引き下げ、NB(ナショナルブランド)中心の仕入れに戻します。2月中間期の既存店売上高は、前年同期比15.2%減(客数は同23.4%減)と、マーチャンダイジングの失敗が露呈されたからです。 商品のファッション性の違いはあるにせよ、西松屋チェーンはまず、標準化された店舗、情報・物流システムなど、地道な「仕組み作り」を推進したうえで、商品政策を高度化しようとしている点を評価したいと思います。 同社は06年2月売上高1000億円、経常利益100億円、期末店舗数450店を目指す中期経営計画を標榜しています。過去10年間も少子化は進行したものの、同社は順調に収益を伸ばしており、中期経営計画の実現性は高いものと判断しています。(駄洒落)
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