大塚家具(店8186) | 2001/06/27更新 |
2001/06/27(水) | |||
大塚家具(店8186) ☆☆☆ 消費の低迷が続いています。日本チェーンストア協会が発表した5月の全国売上高は、既存店ベースで前年同月比4.9%減と、30ヵ月連続マイナスを記録。また、日本フードサービス協会の発表によれば、会員企業の5月の既存店売上高は同4.3%減と、やはり42ヵ月連続マイナスとなっています。 半面、海外ブランド品を中心とする高額商品の一部が好調との「二極分化」の構図は変わっておりません。 本日も、隣席の先輩アナリストと「消費の先行きはどうなるか?」との意見交換をしていたのですが、強気な意見は出ずじまいでした。 いわく、「中産階級が崩壊過程に入った」「デフレは緩和されるも消費者の低価格志向は続く」「ユニクロ減速の時が消費回復の時」「未婚率は上昇、しかし単身者の消費は失速傾向」「サラリーマンの消費性向上昇は当面期待出来ず」などなど、断片的に書き連ねますと「誤解」を生じてしまいそうですが。 夏のボーナスは大企業でプラス4%程度になるもようですが、民間設備投資、輸出数量指数の落ち込みから勘案しますと、雇用者所得、個人所得の伸び悩みは当面続くものと判断せざるを得ませんね。 本日店頭市場に上場しました100円ショップのキャンドウ(2698)の初値は、公募価格150万円を75%上回る262万円でした。消費不況をフォローウィンドとする業態らしい好人気です。同社のリスク要因としては、円安による商品調達コストの上昇、インフレに転じた場合の物価上昇などが挙げられますが、当面は経常利益で前期比40〜50%増ぺースの成長が見込まれます。同社については、別の機会にでも触れたいと思います。 さて、大塚家具です。今月14日に吉祥寺ショールームがオープン、15日に見学会がありましたので行って来ました。同社はショールームオープンに先立ち、12,13日と既存会員向け内覧会を実施しましたが、横浜、新宿オープン時を上回る盛況となりました。 特徴的なことは、高年齢かつ高所得の顧客が多く、高級家具の売れ行きが非常に良かったことです。同社の東京西部の店舗としては、新宿に加えて、昨年11月にオープンした多摩ショールームがありますが、同社としては、「顧客の年齢層」、「地域」ともにすみわけは可能とのコメントを表明しています。 ただ、同社は今後関東地区では、横浜、銀座に大型店舗を計画しています。自社競合の問題もさることながら、マンパワーの問題はクリアできるのでしょうか。同社の場合、新規店舗を開店するごとに、既存店舗の売上が落ち込むことを繰り返しています。販売員を新規店舗に応援に派遣するからです。 100円ショップとは対照的に、高額品消費好調によりフォローの風を受ける同社ですが、私は比較的慎重に見たいと思います。評価は☆☆☆とします。 (両津さんが以前に判断した時点とはかなり隔たっていますので、新規の判断とお考えください。)(駄洒落)
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2000/8/31(木) | |||
8月24日に説明会があったのだが、出張で参加できないため9月初旬のアポをお願いしたところ、9月22日の横浜新ショールーム開設に向けて忙しいとの理由で断られてしまいました。しかし24日の説明会に駄洒落商会会長が、そして大原部長の所属する会社の方も別に取材をしており、御二人の話を踏まえて簡単に記述します。 私が大塚家具を推奨し出したのは、1996年3月です。その前の12月の時点で、私の所属する証券会社の若手アナリストが有明オープン前にカンカンに強気なレポートを書き、巷の有名なアナリストに馬鹿にされておりました。 しかし、そこから大塚家具の相場が始まります。誰も見向きしない銘柄が、突然店頭マーケットのブランドになってしまった。あれから4年が過ぎ、推奨したときの価格が3000円台でしたから、大化けしてしまいました。 ですが4年も経つと変わってくるものです。有明店の数字があまり良くありません。今中間期の有明の売上は88.2億円、前中間期が113億ですから約25億円落ち込んでいます。地域別では、関東が既存店において1月が(前年比)−24.5、順に−21.9、−13.2、−21.2、−29.9、−20.9、−21.9、7月が−25.7%です。全店ベースはプラスです。東海地方は既存の該当なし、関西は1月の既存が+10.9%ですが、その後ヒト桁台のマイナス推移です。 一方受注ですが、関東の既存店は前年比−20%位の推移、全店は+ヒト桁から2桁の範囲内での推移、関西は既存店が1月+10.9、2月からマイナス転落し足許も継続、全店は1・2月がプラス、後はマイナスで7月は+0.6%です。過去の株式マーケットで評価された成長イメージが崩れてきました。 業績は売上だけを688億円に下方修正しましたが、利益は変更しておりません。販管費が期初計画に比べ抑制できること(広告費は計画以上ですが、それ以外の費用が計画以下)、営業外収支の改善、粗利などが要因です。 利益の下方修正懸念は大丈夫だろうと、前述の2名の方は申しておりました。しかし有明の対策はどうなるのであろう? 会社側はこの対策について全く言っていないところを見ると、なんの手も打たない可能性がある。 ある証券会社のアナリストが、有明のあと大型店を都内に出店しても有明に悪影響が出なかったため、大都市圏の深掘戦略が好ましい、つまり同社の戦略は正しいと言っていたが、果たしてどうなのだろうか?開店当初は珍しさに飛びつく方が多いが、4年も経てば飽きられて来るのではなかろうか?家電量販店のように、思い切ってどんどんスクラップアンドビルドしてしまうのはどうだろうか? 家具業界ではいまだに20%も成長しているガリバーだが、株式マーケットは業界と同じ評価をしない。非常に酷な見方をする。アパレルのジーンズメイト、カーオーディオメカのシンワ、同じような業種で千代田インテグレなど、マーケットの勝ち組だが株価はそう評価していない。当然トレンドの変化は株価に敏感だが、最高益を更新しながら全く株価が動かないケースなどはそうだ。 今回の大塚家具のケースでは初めのトレンドの変化に該当する。となれば更に売られて、成長株評価からバリュー面で割安と言われるところまで行っちゃうのかな? ☆(単なる情報提供に止めておきます) |
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