飯田産業(店8880) 2001/03/08更新
2001/03/08(木)

飯田産業(店8880) ☆☆☆☆
 
 久々にフォローいたします。

 今2001.4期業績は、売上高で700億円、前期比33%増、経常利益で63億円、同26%増の見込みです。分譲戸数が約1,600棟に拡大するほか、マンションも既に50億円を完売済み。販売員拡充など販管費増を吸収して最高益を更新する見通しです。

 今回、森社長に面談しましたが、同社長が強調しておられたのは、「住宅性能表示制度」への対応とリフォーム需要の獲得です。「住宅性能表示制度」は以前にコラムで取上げましたが、国土交通大臣の指定による評価機関が新築住宅を9項目について等級評価するものです。昨年4月施行の住宅品質確保促進法に基づき、10月に導入されましたが、一般での認知度は今一つといったところです。

 ただ、ここでご注目いただきたいのは、この制度施行により、住宅行政がはっきりと「消費者保護」「住宅性能の長期保持」に転じた点です。少子高齢化と相まって、住宅メーカーはよりリフォーム需要獲得に向かうものとみて良いかと思います。

 当社はこうした対策に怠りはありません。独自開発のIDS‐III型工法により、従来製品に比べ倍の強度を持つ住宅の枠組み用壁パネルを開発、昨12月に建設大臣(当時)の認定を取得しています。このパネルを使って施工した住宅は、住宅性能制度の耐震性項目で最高の等級3(震度6‐7の地震の1.5倍の力に耐え得る)を取得することが可能となります。この場合、地震保険の基本料率が30%割引きになるなどの優遇措置が付されます。当社では今4月より全面的に新型パネルに切り替え、他社との差別化を図る意向です。

 なお、足元マンション販売等に減速感がみられますが、当社が地盤とする首都圏の戸建て分譲住宅の需要は比較的底固く推移するものと予想されます。もっとも、森社長は来期の事業環境をかなり厳しく予想されてはいますが。

 ちなみに、当社の前2000.4期のROEは23.1%(業界平均0.6%)、売上高経常利益率は9.6%(同1.6%)です。少子高齢化が進行するとはいえ、首都圏への雇用機会、産業の集中は続くものと予想され、「団塊世代ジュニア」も当社がターゲットとする住宅一次取得層として台頭してきます。

 こうしたことを勘案しますと、セクター的にネガティブなイメージがあるものの、現在の株価は早晩見直されるのではないでしょうか。(評価継続)

 ところで、「株価バトル」はあきまへん。ひところ巷で「駄洒落商会不敗伝説」「駄洒落商会世紀末救世主伝説」が流布したとのことで、私も面映ゆい思いをしたものですが、このところは惨敗モードです。どうも短期は苦手でいけません。(駄洒落)

 

2000/02/15(火)
飯田産業(店8880) ☆☆☆☆
 2月9日公開し、公募価格とほとんどかわらずの3030円で寄付き、急落安値2200円をつけてしまった。本日は反発、同社はどういう状況にあるのであろうか?
 昨日東栄住宅を掲載したが、事業内容は同じであるがスタンスの違いが利益率(コスト)に現われており、簡単ではあるが以下記していく。

 東栄住宅が、個性ある戸建分譲住宅を如何に安く供給するかに対し、同社は徹底した規格化により、部材の大量発注で徹底的なコストダウンを図り、供給するスタンスをとる。
 土地の仕入れは、町の不動産会社から良質な情報を入手し、建物を建築し分譲するのは共通だが、東栄住宅は自社で販売しているのに対し、同社では自社が6割、町の不動産に4割販売を委託している(物件情報を提供してくれた不動産会社に委託)。
 工法は昨日述べたが、IDSII法によるパネル住宅、かつ規格化を徹底的に進め大量発注することにより、コストダウンを実現。アタカ・日商岩井など、取引先の協力を得、着工から実動ベース49日(休日を除き職人さんが実際に働いた日数)で建物を完成させてしまう。工期が短いということは、職人への給与支払い削減や工賃・金利負担の軽減など、メリットは大である。同社ではコスト削減ということに対し、「今までの積み重ねがあってこそ」といい、大手の一部がこの業界に参入してきているが、彼ら(大手)にノウハウはないと言い切る。
 去年は、完成した段階で売れ残っていた物件がわずか20件と、証券会社出身のIR担当者は、「チラシ1枚で売れる=顧客ニーズに合致した」ということを言っていた。
 業績であるが、以前Q&Aに「同社は来期かなり利益が出るため、東栄住宅より同社の方が有望」といわれた方がいたが、この方は来期のマンション分譲の利益が出るからそうおっしゃったのだと思います。

売 上 経 常
2000.4計画 480億円 41億円
2004.4 1000億円 90億円
 今期の戸建分譲戸数は、1240−1250戸の計画であるが+αが可能だ。来期はこの戸建て分譲が15−20%増える見通し、及びマンションだけの経常利益ベースが7−8億円出そうということ。よって、読者の方も鉛筆を少しばかり舐めればどの位の利益になるかはわかると思います。また、2004.4期の中期計画も前倒しになる可能性は大です。
 …ということを知っている方は、飯田>東栄というのです。しかしです。東栄住宅だってマンションをやりますし、いろいろリサーチすれば材料は出てくるものです。
 比較されている方に一言。この2社を単純に比較しても、あまり意味がありません。なぜなら、ローン減税終了後の「住宅」としての勝ち組に、この2社は入る可能性が大で、住宅・不動産セクター内での優良会社となりましょう。
余裕があれば両社に投資したいものです。
2月15日引値2300円
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