東洋紡(東3101) 2001/01/05更新

2000/01/05(金)

東洋紡(東3101) ☆☆☆

【構造改革の進展】
 構造改革が急ピッチで進んでいる。綿紡事業では伊勢、大町の2工場を閉鎖、99年11月より黒字に転じている。また、ポリエステル長繊維においては、衣料分野から産業資材分野へ年産1万トンの生産能力をシフト。産業資材の約60%はタイヤコード向けで、納入先も従来のブリヂストンからミシュラン、グッドイヤーに広がった。これにより、従来赤字であった衣料用の採算は大幅に向上。繊維部門全体では前2000.3期の経常損失30億円が、今期は10億円未満にまで縮小する見通し。
 非繊維部門では、機能材・メディカル部門へ経営資源を集中、特にバイオ事業に注力している。

【バイオ事業】
 犬山市の人絹パルプ工場から排出されるパルプ廃液を利用した酵母の生産より始まる。パルプ工場閉鎖後は、診断薬用の酵素、診断薬に注力している。ちなみに、販売担当は小野薬品工業。酵素は、特にロッシュ社が特許を有するPCR法(遺伝子増幅法の一種)用のものを多種にわたり製造。DNAの増幅効率、合成速度、伸長性、耐熱性に優れ、研究機関などの評価が高い。また、国内で初めてナイロン膜基板のDNAアレイを開発、ガラス基板を使用したDNAチップに比べ大幅にコストを削減できる特徴を持つ。その他、遺伝子解析、ゲノム創薬に向けた官民共同プロジェクトにも積極的に注力中。バイオ事業そのものはいまだ数十億円規模だが、医薬品メーカーのアウトソーシング拡大により高い成長が見込まれる。
 また、細胞培養技術も期待される。当社開発の研究用途の人工皮膚「テストスキン」は表皮層(ケラチノサイト)と真皮層(コラーゲン)からなる二層構造であり、形態的にも生化学的にも人間の皮膚に限りなく近い組織構造を有しており、化粧品、医薬品メーカーからの引合いが相次いでいる。通期の売上高は約1億円となる見込みだが、下期に入って上期比倍増のペースで受注が続いている。

 株価はPERでは割安な水準だが、有利子負債など財務面に課題を残す。
☆☆☆)(駄洒落)

 

2000/12/21(木)

パーク24(東4666) ☆☆☆

 久々にフォローします。

 発表されました前2000.10期連結業績は、売上高で291億円、前年同期比16.1%増、経常利益で33億円、同30.2%増となりました。

 主力の「タイムズ」(24時間無人時間貸駐車場)事業は、新規開発台数7,991台、同13.3%増、解約台数3,296台、同18.9%増、純増台数4,271台、期末台数29,992台、同16.6%増となりました。

 前回お伝えしましたように、新規開発台数が計画を上回り順調に伸びたため、初期投資が利益を圧迫、経常利益は計画を下回りました。しかし、今期以降収益に寄与するため、中期的にはむしろプラス要因といえます。

 なお、不正駐車率は6.3%と99.10期の9.1%に比し大幅に低下。稼動率は新規台数の増加から47.0%と前期比変わらずにとどまりました。粗利益率は土地賃借料の低下が寄与し、22.1%と0.6ポイント改善しています。

 会社側では今2001.10期連結業績を、売上高で332億円、前期比14.1%増、経常利益で42.5億円、同27.9%増と予想。また、「タイムズ」事業は新規開発台数8,170台、純増台数4,208台、期末台数34,200台、稼働率48.2%をを見込んでいます。

 SPC方式の駐車場証券化の組成が順調に進んでいるほか、サービス駐車場(来客用駐車場など)のタイムズ化台数も99.10期2,848台から6,086台に増加するなど、当面懸念材料も見当たりません。安定的な利益成長は継続するものと予想します。(駄洒落商会会長)

2000/10/16(月)

パーク24(東4666) ☆☆☆

  先日掲載したパーク24についてフォローしたいと思います。

 当社は13日、株式分割と今2000.10期業績の下方修正を発表しました。株式分割は、10月31日現在の株主の所有株式数1株につき1.3株の割合をもって分割する、というものです。当社の売買単位株数は100株ですから、100株お持ちの方には30株が無償で交付されます。

 一方、今期の連結業績については、売上高の前回予想293億円を292億円(前期比16%増)に、同じく経常利益34.6億円を32.6億円(同28%増)に、同じくEPS(1株当たり利益)219.11円を209.57円に下方修正しました。
 また、単独業績は、売上高の前回予想286億円を285億円(前期比16%増)に、経常利益34億円を32億円(同29%増)に、EPS215.22円を205.69円に下方修正しています。

 下方修正の要因は、タイムズ事業における新規開発の好調推移です。当社は今期の新規開発台数を前回予想7,381台から8,000台(計画比619台プラス、前期比14%増)と逆に上方修正しました。期末のタイムズ台数は30,000台(計画比1.0%増、前期末比17%増)となる見込みです。
 前回、ご紹介したかと思いますが、タイムズ事業は、立ち上がり当初は設備投資費用などが一時的に収益を圧迫しますが、平均して3〜4ヶ月後は単月黒字となります。今回も足元好調な新規開発が一時的に収益圧迫要因となるため、今期収益の若干の下方修正をするわけですが、これは来期以降の収益押上げ要因となります。

 本日、電話取材をしてみましたが、解約率も会社側の計画線で推移しており、現在のところ懸念材料ではないと判断します。

 当社株価はイチオシ銘柄掲載後、10月3日に高値14,470円を示現。本日は13,500円(前日比150円高)です。目標株価15,000円は継続いたします。
 なお、リスク要因は、地価の上昇などにより駐車場のオーナーが解約し、他の目的に土地を転用することです。解約率の状況に変化が表れた場合には、評価を見直したいと考えています。

 ただ、再三申し上げているように、当社はPFI方式による駐車場の管理・運営、高島屋などと提携した百貨店駐車場の「タイムズ」化など、「長期安定型契約」に注力し、成果を挙げています。地価も、企業の土地売却が続いているため、都心部(千代田区、港区、中央区)の新築オフィス需要を除けば、下落傾向は継続するものと予想します。

 当社の収益拡大傾向も当面続くものと判断します。

2000/9/20(水)

パーク24(東4666) ☆☆☆

 先週取上げましたパーク24(4666)についてフォローしたいと思います。

 本日(9/20)付日本経済新聞に、高島屋が来客用駐車場をパーク24に運営委託する、との記事が掲載されました。パーク24のIR担当者にも電話取材にて確認しましたが、まず大宮店より開始し、2001年以降関東の主要店舗に広げる計画とのことです。
 駐車場は24時間営業とし、来店客以外にも時間貸しを行う意向です。高島屋にとっては、パーク24から年間8,000万〜1億円の賃料を得られるうえ、駐車場の管理費が節約できるメリットがあります。高島屋は都心の3〜4店舗でもパーク24と運営委託の交渉を進めていますが、資産を有効活用する手段として百貨店業界に広がる兆しが出ています。

 パーク24は、時間貸し駐車場の地主による解約率の低減、長期安定物件の増加に注力していますが、百貨店駐車場の「タイムズ」化も、当社の高いリスク管理能力がいかんなく発揮された一例として評価できましょう。
 なお、2000年10月期の第3四半期(5〜7月)の業績は、売上高で71億円、前年同期比14.5%増、売上総利益で15億円、同12.6%増となりました。
 利益率は21.9%、同0.4ポイント減となりましたが、これは、新規開発台数が同251台増と順調に推移したことにより駐車場原価がアップしたことの影響です。新規開発物件の立ち上がりには平均3〜5ヵ月を要することを勘案すれば、何ら問題はないといえましょう。
 また、8月の新規開発台数は438台、解約は422台でした。解約が増加したように見受けられますが、解約数のなかには月極駐車場への転換132台が含まれています。順調に推移していると評価できましょう。

 以上、足元の収益拡大傾向に加え、百貨店駐車場の「タイムズ」化という新たな長期安定物件の開発手法を評価し、当社株価の目標を15,000円とします。
(9/20終値12,600円)

2000/9/12(火)

パーク24(東4666) ☆☆☆

 パーク24(東4666)に注目しています。
 当社は、24時間無人駐車場「タイムズ」を運営する時間貸駐車場事業のトップ企業です。慢性的な駐車場不足を背景に時間貸駐車場事業は年率約20%のペースで伸びていますが、当社は91年12月に「タイムズ」第1号を運営開始以来、高い営業力、リスク管理能力により急成長。現在、国内シェアは約65%で、三井不動産販売の「リパーク」、日本パーキングの「NPC」、テクニカル電子の「タイムパーク」など同業のライバルを大きくリードしています。

 駐車場事業は収益性が高いのですが、地価が上昇に転じた際に、地主による解約増が見込まれるなどの事業リスクをともないます。当社は解約率を低減すべく、長期安定物件の増加に注力、一定の成果を挙げています。
 その一つが、銀行、スーパー、病院等のサービス駐車場(来客用駐車場)の「タイムズ化」です。2000年4月末のサービス駐車場累計は4,737台(前年同期比93%増)に達しました。
 また、福井県鯖江市が全国で初めて導入したPFI(民間資本による社会資本の整備)方式による駐車場(4月1日開業、収容330台)の管理・運営に参入しています。当社は初期費用を負担し、「タイムズ」の名称で有料駐車場として営業、投資を回収した上で6年後に鯖江市に譲渡する予定です。当社は、通常2年である地主との契約が6年と長期化するメリットがあり、また、自治体にとっては建設・運営を民間企業の資金でまかなうことが出来ることから、このPFI方式は当社に多くの案件が寄せられています。
 さらに、2月開業した「タイムズステーション川崎」(地上10階、収容290台)をはじめ、今後開業する複数の駐車場を組み合わせ、約100億円規模のSPC(特定目的会社)方式の証券化も計画しています。これは、駐車場からの収入を担保に証券を発行、借入金を抑制しながら安定的な手数料収入を得る方式です。
 また、「タイムズ」のキャッシュレス化に向けたICカードの導入、インターネットによる満空車情報の配信・予約システムの提供など、ITSに対応した駐車場サービスを推進すべく設備投資を前倒しで行っています。

 こうした高付加価値サービスの提供、長期安定物件の増加により、業界内での優位はさらに強まるものと予想されます。
 収益も拡大基調が続いています。2000年4月(中間)期単独業績は、売上高で137億円、前年同期比16%増(計画比3%増)、経常利益で13億円、同41%増(計画比20%増)と大幅増収増益を達成しました。「タイムズ」駐車場新規開発が4,424台(前年同期比18%増)と過去最高を記録。監視カメラの導入など不正駐車対策を徹底したことにより、中間期末の不正率が7.7%と前年同期比2.7ポイント改善ことも寄与しています。

 会社側では中間決算発表と同時に、2000年10月期(通期)連結業績を、売上高293億円、前期比16%増、経常利益34億円、同36%増に上方修正しています。また、足元の第3四半期(5〜7月)も順調で、新規開発台数は1,901台(前年同期比15.2%増)となっています。当社は中期経営5ヵ年計画で、最終年度の2004年10月期に売上高550億円、経常利益110億円、ROE20%超を目指していますが、その達成に向け今後も順調な成長が予想されます。

 本日(9/12)終値は13,100円、売買単位は100株です。(駄洒落商会会長)

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