昭和電工(東4004) | 2001/10/09更新 |
2001/10/05(金) | |||
昭和電工(東4004) ☆ 同社はインジウムリン(Inp)、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)などのミラーウエハや、エピタキシャル成長を手掛けている。シリコンに比べ化合物半導体のインゴット製造(単結晶)は難しい上、エピタキシャル成長も装置を購入したからといって満足に出来るものではない。 特にInpは、リンが逃げないように圧力をかけながら結晶欠陥も多いため、結晶化のための温度コントロールが非常に難しい。GaAsのインゴットが4インチから6インチに移行する最中だが、Inpは2インチからやっと4インチに移行しようとしているのは、前述の理由からである。 結晶欠陥が多いものを積み上げていくのだから、エピタキシャルも当然難しい。水分やダストなどを極力取り除き、MOCVDで丹念に薄膜を付けていく。液相では世界的に見ても製造装置メーカーがなく、エピメーカー自身のオリジナル装置だが、これは極薄い膜のエピには向かず、ローエンド大量生産品に専ら利用される。 一方、MOCVDなら細かい薄膜や界面制御が可能となり(分子線ほどではないが)光・電子デバイス向けにはもってこいだ。 だからエピタキシャルを施すとウエハー1枚の単価が5倍から10倍に跳ね上がるのだ。昭和電工はこのエピタキシャルを得意とするメーカーである。 ガリウムリンはLED主体で成熟期入りし、ガリウム砒素、インジウムリンは電子・光デバイス向けに成長が見込めるものの、足元は顧客の生産調整そして携帯・PCや他牽引役となる製品がなく、稼働率は5割程度に留まっている模様。 1−3月は好調で4−6月は顧客の生産調整があったので同社の生産も減少するかと予想したのだが、実際は1−3月比横ばいで推移したようだ。ところが7月に入ってから失速。 だが同社は好調時に宣言した通り、エピタキシャルの能力増強を図り、新たに建屋を建設しているという。機関投資家の中にはマーケットがこんな状況の時に無謀と言われる方もいるであろう。しかし建物及びリーンルーム設置までとし、MOCVD装置の購入は見合わせている。現在10台のMOCVDを3−4倍程度に引き上げる計画である。 シリコンと違い、化合物半導体は世界中に大量にあるわけではない。しかも砒素など危険な元素があるのも事実。それなのに特性に優れているため、価格が高くともマーケットは拡大の傾向が続いており、私の個人的な考えだがこの傾向は当分継続すると考える(IBMがオープンにしているシリコンゲルマニウムなど方向性もあろうが)。 同社は自社製品を持たないため、化合物半導体のファンドリーメーカーにも思えてしまう。 【カーボンナノチューブ】 日機装がCNTをグラム100円で大量に製造できるとの記事が掲載し、ストップ高を演じたことは記憶に新しい。デバイスとして用いられるかについては疑問を感じてしまうのだが、どうもCNTの研究が盛んになり、利用できる用途に広がりを見せているようだ。 億近でCNTを取り上げ、私たちはその用途としてランプ、ディスプレイ、2次バッテリー用電極、ピエゾ素子の対抗品として考えていたが、これら製品では極僅かの量で済んでしまう。 昭和電工の株価が低迷しているものの、来期業績が果たして増収になるのか?期待はできそうにない。 同社への投資タイミングはかなり先であると判断する。(両津)
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2000/12/07(木) | |||
昭和電工(東4004) ☆☆☆☆ 「昭和電工では、基板上に選択成長させるというアプローチにも果敢に取り組 んでいる。どちらに転んでも大丈夫なように、布石は打ってある」(昭和電工 マネジメント) とのコメントを頂きました。すみません。CNT単体生産とFED基板上での CVDも視野。 よって、私の指摘したリスクは見当違いだった。すみません。(大原)
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2000/12/06(水) | |||
昭和電工(東4004) ☆☆☆☆ 無機と有機のバランスがよい。無機では、カーボンナノテューブに代表されるカソードの超低抵抗化新材料の旗手。電池、コンデンサ、電球、対象市場が大きい。有機では、導電性プラスチック。ノーベル賞白川教授との付き合いは長かった。 来年1月工場見学予定。フォローします。 ☆☆☆☆(大原)
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