ステラケミファ(東4109)

2001/07/31更新
2001/07/31(火)

ステラケミファ(東4109) ☆☆☆

 総合評価 ☆☆☆
 経営評価 ☆☆☆☆☆
 技術評価 ☆☆☆☆
 下落率  ☆☆☆☆
 バリュー ☆☆
 時価総額 ☆

【要点】

 主力の半導体・液晶の製造プロセスに用いられるエッチング剤(シェア65%)は、ドライエッチングのあとの表面酸化膜の洗浄用。各社ドライエッチングの適応範囲が拡大するため、半導体不況下でも消費量は堅調。
 また、次世代ステッパーArFおよびF2では、レンズ母材(CaF2)を独占し、今後大きく貢献する。いい会社だ。

【経営および組織】☆☆☆☆☆

 全従業員年棒制。能力ある若手の力を十分に発揮させる経営力も魅力。若手の給料でさえ、上下50%まで変動する実績重視の姿勢。

「みんなの給料が大幅に上がったとしても、会社はその分伸びるわけだからそれでいい。若い人は大手企業を蹴ってうちに就職してくれる場合もある」(深田社長)。

「若手は失敗すれば、ネクストチャンスがあるが、一度役員になったものが失敗したら辞めてもらう。一度横綱になったあと、実力が落ちれば引退するしかない。うちの役員は横綱と同じです」(深田)

「年棒制は従業員には厳しいのかもしれないが、会社がだめになったら、元も子もない」(深田)
ドラスティック。評価できる。

【技術力】☆☆☆☆

 要素技術はフッ化物。取り扱いにも長年のノウハウが必要とされるため、参入障壁高い。
 フッ化水素(HF)は、無色の液体。沸点が19.5度と低い。フッ素自体が極めて毒性の強いものであるし、すぐに燃えたりする。
 ガラス、石英を侵すため、半導体プロセスにおけるエッチング材料に使われる。ガラス基盤用、ウエハー洗浄用、など300もの種類を製造している。

 また、リチウムイオン2次電池向けの電解質(6フッ化リン酸リチウム、シェア75%)が楽しみ。今後、2次電池は、ニッケル水素をリチウムが置き換えていくだろう。
 用途も従前の携帯電話から、最近はコードレス掃除機やPDA、デジカメと採用が広がりつつある。

 ステッパーはドイツのSCHOTT社へ母材を供給している。193nm波長のArF向けのレンズではKrF(248nm)の石英からフッ化カルシウムへの材質が変わっていく。KrFでは100%石英ガラスだったが、ArFでは半分が石英、半分はフッ化カルシウム、そしてF2(157nm)では完全にフッ化カルシウムになる模様だ。

【リスク】

 半導体工場の休止や撤退が相次げば、来期の業績は足踏みとなる。ただし、各分野とも既存のものを置き換える構図になっている。

 電池はリチウムがニッケル水素を、エッチングはドライがウエットを、ステッパーはCaF2が石英をそれぞれ置き換える。
 エッチング剤は槽で溶液を数時間で入れ替える必要があり、工場ラインが稼動している限り使用量はそれほど減らない点が理解されていないため、株価は大きく売り込まれる結果となったようだ。

【株価下落率】☆☆☆☆

 2月高値5100円から40%以上下落し、2800円台。

【バリエーション】☆☆

 EPSは100円程度と見る。PER30倍に割安感はない。
 ただし、経営力、技術力、組織の質、成長性、将来性などから、評価は高い。

【時価総額】☆

 350億円。 時価総額が小さすぎるんです。機関投資家は時価総額が小さくて買わないだろう。個人投資家向き。

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