久光製薬(東4530) | 2001/01/11更新 |
2001/01/11(木) | |||
久光製薬(東4530)
☆☆☆ 会社側では、2003.2期の経常利益を2000.2期比46%増の163億円とする中期計画をスタートさせましたが、その柱は「モーラステープ」「モーラス」の一層の販売拡大で、早期に市場シェアを45%に引き上げる意向です。その一環として現在、シェアの低い東北、北海道地方での販売を強化、医薬情報担当者(MR)を集中投入する計画です。 現在、医療用鎮痛消炎剤市場には武田薬品工業、第一製薬も参入していますが、主力である第二世代の薬剤(インドメタシンやケトプロフェンを主成分とする)、かつパッチ剤に限れば当社シェアは約85%に達するなど圧倒的で、新規参入をはかる企業はほぼ皆無の状況です。計画達成はかなり可能性が高いものといえましょう。 また、80年代初頭より研究開発に注力してきたことにより、経皮投与技術(皮膚を通して薬剤を体内に送り込む技術)は他社の追随を許さぬ領域にまで達しています。分子量の大きいペプチド系薬物などの吸収を可能にするなど、従来の薬剤に比べて即効性のある新しい経皮吸収システム「イオントフォレスシステム」の実用化が間近に迫っています。 一方で、経皮投与技術を応用し、薬剤を標的組織に有効に送り込むドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の研究にも注力しています。その一環が、遺伝子を体内に運ぶ「ベクター」の開発です。当社は、三共、協和発酵、塩野義製薬、山之内製薬、住友製薬、田辺製薬と「ベクター」の開発を目的とする「ディナベック研究所」を95年に設立しており、当社が幹事企業を務めています。また、肝臓へのデリバリー遺伝子治療用注射製剤も前臨床試験を控えています。このあたりは、将来の研究の結実に期待したいと思います。 なお、今2001.2期業績は、売上高で620億円、前期比14%増、経常利益130億円、同17%増と実に10期連続経常最高益更新見通しです。 2002年度には薬価引き下げが予定されていることも含め、今年に限れば薬品株で思うようなパフォーマンスをあげるのは難しいと予想します。そうしたなか、ロート製薬や今回の久光製薬などニッチ分野で圧倒的強みを持つ企業は比較的堅調な値動きが期待できるのではないでしょうか。 マーケット全体が厳しい状況ですから、あくまでも押し目買いという意味で(☆☆☆)とします。(駄洒落) |
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