TOTO(東5332) | 2002/03/30更新 |
2002/03/29(金) | |||
TOTO(東5332) ☆☆ 中期経営計画で新築6割、リフォーム3割、海外0.5割、新規事業0.5割の比率を、2005年3月期に新築4割、リフォーム3割、海外&新規各々1割にする計画。金額ベースでは00/3期新築2231億円、リフォーム1595億、新規175億、海外258億、今期は新築2020億、リフォーム1720億、新規120億、海外340億の予定だが、会社ではリフォーム売上を05/3期に約400億円ほど増収しようとしている。 【レストルーム事業】 衛生陶器、ウオッシュレットなどが主要事業。衛生陶器はフルライン戦略をトップ企業として止めるわけにはいかず、海外生産シフトで交す戦略。中、高級タイプはシステムとして提案し付加価値を上げる。そのための拠点が全国に存在するショールーム。現状79拠点を2005/3期までに100拠点に引き上げると共に、水彩チェーン150店を2005/3までに400店に(水彩チェーンは子会社が水彩メンテ、特約店が水彩プラザ、町の水道屋さんが水彩クラブのネーミング)。 中国での今期売上は前期比20数%の伸びで利益も着実。米国へは1990年に参入し、94年の法律改正で節水が義務付けられ、6リッターの便器が他社より優位に。日本の便器は10数リッターの水を使っているが、たった6リッターの水で汚物を残さず流すのは難しい。必ず小さな物体?が残ってしまうが、ここで差別化が図れたのがシェアアップにつながった。米国の高級便器市場では15%ものシェアを握っているが、まだ赤字でしかも成熟市場でどう活躍するかは課題であろう。 【バス、キッチン、洗面台など】 同社の利益の源泉は衛生陶器、ウオッシュレット、水洗金具、残りは赤字事業。 キッチン、バス、洗面台で価格帯の低い物は松下電とのアライアンスを既に発表。来年度両社併せてバスで100億、洗面台60億円などの合理化効果を出すとしているが、果たしてどうなることやら。 タイルは年間100億円ほどの売上だが、そのうち6割は触媒コーティング仕様。光触媒でもメジャーは同社だが、パテント料は年間1億円ほどで20数社から受けている(少ないように思えるがランニングベースでの契約になっていない)。タイルは年間数〜10%程度のシュリンクが生じている市場で、今後も期待は出来ない。 意外と大きな赤字を垂れ流している給湯器は、神戸の震災以降、工場稼働率上昇せず大きな外科手術が必要。 【新規事業など】 光フェルールはファイバー市況低迷から、月産個数を200万個まで減少させている。しかし同社内在庫が1−2ヶ月はまあ良しとして、流通在庫は1年分ありそうな状況では当分期待薄。上期は収益トントンだが下期は赤字基調。 しかし現状赤字だからといって将来もダメと決め付けるわけではない。あくまで可能性としてだが、以下の製品群が成功する可能性はある。 【静電チャック】 【静電アクチェータや他セラミックス製品】 同社はセラミックスエアスライドを製品化しておりますが、静電アクチェータに熱心な模様。また半導体製造装置や検査装置の土台としてセラミックス製品を製造しておりますが、これは大原さんが興味を持っている某企業と連合を組んでおり、その某企業が2003年度以降に出す新しい製造装置に期待がかかります。 【燃料電池】 NEDOから資金を受けて、新日鉄や九州電力と共同開発。同社が燃料電池、新日鉄が燃料電池から得られる熱をコージェネ担当。パテントは平成5年以降公開されているものが17件。ターゲットはマンションなど、ある程度のタイプを狙っている。 小泉政権になってから景気刺激で土木や住宅の刺激策を取らず、住宅着工は先行き100万個戸割れもあろう。しかもマンションより粗利が10%ほど高い戸建住宅は足元最悪の状況。新築向け売上は来期も落ち込みをみせるであろう。 しかし便器の名門企業というプライドを経営陣以下皆捨てて、社内の体質改善を図るのも非常に難しいであろう。現在与えられている材料のみで同社を買うのは?
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