豊田自動織機(東6201) | 2001/07/06更新 |
2001/07/06(金) | |||
先週の続き セルサイドのレーティングは買い、ホールドのプラスといった投資判断がほとんどで、弱気な見方は見かけない。しかしセルサイドアナリスト数名と話し、内容を聞くと、ちょっと様子が違う。 両津:事業内容がバラバラだけどどう思う? 両津:液晶事業は儲からんな。来年から償却負担増で赤字に陥るな。 両津:なんで奨めるの? 両津:経営がいいと思う? 両津:ソニーが有機ELパネル試作品を発表したから、将来は更に投資することにならないかな? 満足するような利益が当分来ないような気がする。つまり投資効率は最悪だ。 両津:儲からない事業を除外する訳にはいかない。それをしたら殆んどの銘柄が買いだ。 次にメチャクチャメジャーなDアナリスト。Dアナリストを知らない機関投資家はモグリである。 両津:Dさん、豊田自動織機をどう思いますか。 両津:買ってないですよ。 両津:私もデンソーが好きなんですが、なぜかマーケットは織機を選んでいる。 両津:この前、トヨタグループのZ社にヒアリングしたのですが、その社員の方にしつこく織機のグループ内での権力、力関係を聞いたら、やはり発言力があると言っていました。 両津:なんで織機がビッツなどの自動車組み立てをしているのですか?トヨタ車体、ダイハツ、日野、関東自動車という専門家がいるのに? また織機の組み立て事業の利益は公表している以上にあるような気がする。 最後にもう一方。 両津:織機のレーティングを○○にしてますね。 さすが優秀なアナリストは良く考えている。レポートにはアナリストの本当の考えが掲載されていない。短期的な株価動向は、必ずしもファンダメンタルズを反映しない。しかし中長期的にはかならず是正される筈である。経営の良し悪しは必ず業績に響いてくる。 豊田織機の株価が今後どう動くか楽しみにしている。(両津)
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2001/06/29(金) | |||
自動車セクターでトヨタを見ていると”なんと素晴らしい企業(群)なんだ”と感じる。デザイン、プライシングも良く、思わずトヨタ車を買いたくなることもしばしばある(余裕があればMR−Sを乗り回してみたい)。 しかしいつも思うのだが、トヨタ銀行と言われるほどの資金力や優秀な人材が豊富な割には、自動車事業以外では成功していない。 さて置き、トヨタグループを見渡すとかなり無駄な投資がありそうだ。 一番気になったのはデンソーが無機ELを製造し、現在は有機ELにチャレンジしている。ところが低温po−si液晶事業ではソニーと豊田織機の合弁である。ディスプレイを既に手掛けているデンソーが液晶を担当した方が良いのではないか考えてしまうのだが…。 なぜ豊田織機が低温po−si液晶をやっているのか? メジャーなセルサイドアナリストA氏が教えてくれた。コンサルタントが事業の柱追加を提案したらしいのだ(もうかなり前の話であるが)。 Bアナリスト曰く、「多分イビデンとのアライアンスで使っているのでは?」それから数年後、今度は液晶事業。しかも自社ではそのパネルを使わず全量ソニーに行く。 低温po−siの製造ではレーザーアニールが非常に重要であり、限られたメーカーしか参入していない。東芝、三洋、ST(ソニー、豊田織機の合弁)などで、製造装置を買ってきたから出来る代物ではなく、レーザーアニールの技術は装置メーカーでなく、パネル製造メーカーにあるとされている。 新規参入者が出てこないのには訳がありそうだ。某メーカーの方が教えてくれた。 ではなぜ、液晶のノウハウもアプリケーションも持たない豊田織機が液晶に参入したのか?膨大な投資を必要とする割にはあまり儲からず、リスクの高いのが液晶ディスプレイの特徴である。もし自社の製品に載せるのなら話はわかるのだが…。 反対にソニーはラッキーと考える。ソニーは日本で一番初めに低温po−siの研究に力を入れだした企業(しかし結果を見ると、なぜか歩留まりは東芝、三洋が先行している。両社とも9割超の歩留まりの様子)。その投資を豊田織機が半分出してくれるのだから、こんな良い話はない。ソニー株主の私たちとして大歓迎である。 続きは来週。(両津)
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