シャープ(東6753)
☆☆☆
CGSの発表以来、株価は堅調だ。
液晶だけではなく、有機ELへの展開力も有する企業として将来は評価されるだろう。
問題点:
(1)TFT製造工程(高コスト)
サムソンのマスクステップは、4回。シャープは、それより1〜2回多い模様(注意:マスクステップとは、フォトマスクを何枚使うかという意味。枚数=ステップが多いほど、手が込んでいて信頼性があるが、その反面、コスト高になる)。
(2)CGS 固相結晶形成なので、プロセスに時間がかかるのではないだろうか。すなわち、ラインが大きくなる。投資効率が心配だ。現に多額の投資になるという。
評価点:
(1)オンリーワン液晶戦略
アモルファスTFTでは、コストで台湾、韓国に勝ち目はないだろう。なんらかの技術を盛り込んだパネルで生き残るしかない。そのことをシャープの経営は、よく理解している。経営を評価できる。
(2)活発な特許 液晶関連で5300件。99年以降出願の270件を見ると、セル構成、回路構成、回路配置、要素配置、配向関連が上位をしめる。有機EL関連の特許も多い。研究活動は、かなり海外にシフトしている。外人の出願も多い。液晶ディスプレイは、特許的に、一社で完結できない。バーターしなければ、生産すらできない。多くの場合、特許は防衛的な意味合いで受け取られている。最近の出願でもっとも多いのは、シャープUKのマイケル・ジョン・タウラー氏。さて、270件、延べ353人の中には、半導体エネルギー研究所社長の山崎俊平氏、東北大の内田龍夫氏もいる。
因みに、ELでは、574件を出願している。内訳は、材料関連で121件、デバイス関連で197件、回路関連で240件、製造関連で50件とすべての分野でトップクラスの出願数だ。
【株価見通し】
来期は、減益は避けられないだろう。半導体はピークアウトする局面。フラッシュが厳しいだろう。一方、液晶だが、TFT小型パネルの在庫が積みあがっている模様。また、期待の大きいCGS量産は、初めての取り組みなので、まだまだ暖かい目で見る必要がある。
よって、まだ、十分に安く買うチャンスはあるのではないか。あせる必要もないだろう。なんていって上がっちゃたらごめんなさい。(大原)
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