スミダコーポレーション(東6817) | 2000/08/08更新 |
2000/08/08(火) | |||
スミダコーポレーション(東6817)
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コイルを製造している会社は、インターネットを見ればわかるが結構ある。その中で同社はコイル専業として飛躍し、トップクラスに位置している(専業ではトップ)。コイルではなんと言っても東光が有名だが、その差も縮小傾向にあり、同社の努力が覗える。同社の強みは一体どこにあるのだろうか? オーナーは、創業初期からどんなに少ロットでも顧客の要望に応えるをモットーにしており、これを長いことやってきたことが信頼に結びついているということがある。 では技術面においてはどうであろうか? 現在、TDK以外の日立金属、日セラなどフェライトメーカーからも仕入れを行なっているものの、こうした関係が現在のポジションに繋がった面が大きい。 周波数という言葉をご存知だと思うが、家庭用電源なら関東が50ヘルツ、関西60ヘルツ、AMラジオなら522から1620キロヘルツ、FM放送なら76から92メガヘルツというように、波(電磁波)のサイクルが1秒間に何回変化しているかを表わすものだ。 次に巻線だが、日特エンジニアーリングなど巻線メーカーからマシンを導入しているが、スミダスペシャルとして相当改造しているらしい。巻くことに関する技術は「均一」の一言に尽きるそうだ。また、コイルといっても完全自動で製作するものもあれば、人手に頼るものもあり、同社の製造ラインの特色はエンジニアでもうまく言葉に表わせないという。 こうした多様なコイル(フェライト)に加え、独自の製造システムが顧客に評価されているのだが、同社の品種及び新製品投入は業界で一番多く、かつ短納期だという。 スミダは持ち株会社に移行し、社名も変更した。当然組織も変更されたが、実はその中に同社の将来を左右するような戦略が含まれているのだ。スミダは今までのコイルメーカーから、第2の成長路線へ大きく舵を変え、5年後・10年後全く違う姿になっている可能性がある。その戦略がどこに隠れているのか? 同社は約10年前まで、特許意識が薄かったのが実状。しかし10年前に特許発明規定を設け、申請ベースで社員にインセンティブを渡してきたが、今年この規定を改訂している。インセンティブの金額をアップし、どんどん特許を取らせる方針に変更してきたのである。 では一体どんな特許を申請しているのであろうか? 製造技術に関する(巻線機械を含め)特許申請は基本的に行なわない。公開後工程を真似されたとしても、相手工場を査察に行くわけにも行かず、泣き寝入りになってしまい、それなら特許申請しない方がマシということだ。 実は、同社では昨年数名のエンジニアを中途で雇ったのである。この方々が同社の今後の成長にかなりポイントになるような気がする。素材のプロフェッショナルなのである。 面談した技術者曰く、「応用からベーシックな研究に力を入れるため、現在の研究施設である東京、仙台に続き、なとり市に施設を8月にオープンする。これらに加え、Mラボラトリで生産技術及び素材の研究を行ない、アプライドコンポーネットで新しいことをやっていく」という。 コイル周辺のモジュール化、並びにノイズにはかなり注力するそうで、新素材による型破りの新製品でも登場してくるのかな?(マーケットではミクロの世界、カーボンなど色々発表されているが…) いずれにせよ同社では、特許を守りも当然だが、攻めに利用し、良い特許があればM&Aも行使する。足下の申請がわからないので、同社の対外的な発表もしくは1年半年の特許公開を待つしかないが、果たしてどういう姿になっていくのか。 ※昨日の当欄で、「精工技研について明日も書く」としておりましたが、取材により他社の新鮮なネタが入ったため、同社については木曜日に書かせていただくことにします。ご了承下さい。 |
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2000/06/26(月) | |||
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2000/06/06(火) |
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