京セラ(東6971) | 2002/04/02更新 |
2002/04/02(火) | |||
京セラ(東6971) ☆☆☆ 京セラの携帯事業の見通しは明るい。米国市場では、23%のトップシェアをCDMAというデジタル通信方式で獲得している。中国と日本国内においても着実な前進が期待できたし、利益率も2桁を維持できている。 ところが、電子部品事業については、圧倒的な強さを誇るものが少ない。電子デバイスの70%を占める連結子会社のAVX社のビジネスは、タンタルコンデンサとセラミックコンデンサを軸にしたものだが、在庫調整に伴う数量の落ち込みと、在庫処理や供給過剰を背景にした価格低下により、AVX社は赤字転落を余儀なくされていた。 わたしは、2003/3平均で20%+αの価格下落を想定している。 20%の価格下落は重大だ。粗利益が40%の製品ならば、価格下落により、粗利益は半分になる。粗利益が30%の製品ならば、価格下落により、粗利益は1/3になる。価格下落は事業の将来性を大きく損ねる。 価格下落がどの程度で収まるのか、それを予想するのはアナリストとしてはむなしい。むなしいが重要な作業だ。 現状で京セラの来期の一株当たりの利益は200円程度と考えられている。株価収益率(=PER)、つまり、株価を利益で割った数字は、45倍。 今期だけを見ると、京セラを買う理由はまだない。 電子デバイスの競争力に疑問を持たざるを得ない。そのため、なかなか長期的な視点で株を購入できないでいる。 競争力とは差別化。差別化の成功は高い市場占有率を達成することで証明される。シェアが高いということが、価格の暴落を避ける。価格の安定は、長期保有につながる。価格が大きく低下すると、人員も資産も不良化してしまう。儲からなくなる。株価は理屈は、将来の利益の予想を永遠に足し合わせたものである。利益はゼロの会社の理論株価はゼロ円である。株価は1円にも満たなくなる。 京セラは、いや、AVXを含む京セラグループはいかに、電子デバイスの差別化に成功できるか。 ●安くてよいという評価は、ライバルよりも安い固定費と変動費を達成したのち、従業員の高い士気によって、確実な評価を顧客から得ることで完結する。 安い固定費は、少ない人員で安い給料で働くものを組織し、製造設備を安く上げるために、自前で設備を設計しなければならない。 要するに、これでもかとこれでもかと徹底的に考えなければ、差別化には成功できない。 案の定、どうやって価格下落を迎えるのかという問いかけに、京セラのIRの方は、こう答えるしかなかった。 「いい手があるなら、こちらが知りたい。教えてください」 京セラはよい会社だ。5人程度の少人数のチームごとが団結して仕事にあたっている。組織運営は、アメーバー採算性と呼ばれる。最小単位のチームごとの採算を月次で把握できる。 毎月、7つの事業部で1日をかけ、社長を交えた議論が行われる。こういう全員参加の企業は強い。しかし、京セラの問題点は、AVXという異国のパートナーの採算を他人任せのように日本の投資家は信じるしかないということに尽きる。AVXも大胆なリストラを実行している。しかし、タンタルコンデンサーは完全な成熟製品であり、セラミックコンデンサーは、技術的に他社よりも開発が遅れている。セラミックコンデンサの市場は、近年、台湾勢や韓国勢が躍進し、今日では、中国がダークホースになっている。その中で、日本メーカーはシェアトップの村田製作所といえども、予断を許さない展開が予想されている。その中で京セラグループは大丈夫なのか。 そもそも、コンデンサーは構造的には単純なものである。誘電体を金属膜で挟む。基本的にはこれだけのことだ。 いかに薄い膜をつくるか 技術のトレンドが一旦決まってしまうと、あとは、長い急な坂の上にボールを置くのと同じで、そのボールが加速度を伴って転げ落ちるのを見るだけである。 みんなが同じ方向を向いて、薄い膜に取りかかる。それは差別化といえるのか。ある時期、リードをし、ある時期、巻き返される。その繰り返しの中で、消耗戦が始まっていく。 仮に、ありきたりのコンデンサは、ありきたりであるがゆえに、誰でもつくれるようになれば、どういうことになるのか。 その価格下落の連鎖を断ち切ることができないならば、長期的な投資をすることができない。それがわかっているから、もどかしいのだ。(大原)
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2000/03/30(木) | |||
京セラ(東6971)
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VCXOとは… 今回は代表選手として京セラを取り上げました。しかし、日本のアナログ技術はダントツ世界一です。村田、TDK、ロームなど、私はすべてのアナログ優位企業に注目しています。 |
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2000/03/29(水) | |||
京セラ(東6971)
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京セラの最先端コンデンサーは、400層です。つまり、2.5ミクロンのセラミック膜が400層あり、それぞれ金属膜で挟まれているものです。10マイクロファラドの容量があります。 さて、生産能力ですが、上記ウエットプロセスの場合、来期平均して高容量中心に月5億個の増産効果、利益貢献はウエットプロセスのセラコンだけで100−150億円の増益要因になると考えます。 |
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