KOA(東6999) | 2001/10/20更新 |
2001/10/16(火) |
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KOA(東6999)
☆☆☆☆ 先週の続き 〜CEATEC テクノロジーセミナーの概要〜 【高周波用抵抗器】 (大原より 抵抗器も携帯のRFアンテナ部のようにμストリップによる分布定数の理論が必要になっていることを実感。これまで以上にプロセスと設計が難しくなる) 【CPU電源用コンバーターの電流検出抵抗器】 (大原:新しい電極材、トリミングなし、フィルタ設計のノウハウ、均一な接合技術などが新たに必要になってきている。) ※お詫び:先週の億近で、多摩電子と書いてしまいましたが、多摩電気工業株式会社の誤りでした。申し訳ございませんでした。(大原)
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2001/10/09(火) |
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KOA(東6999)
☆☆☆☆ フォロー。 PBR1倍割れで底値確認。来期も厳しいが、会社の内容が変わってきている。 【KOA(6999) 新しい姿を模索 プロダクトアウトからマーケットインへ】 この3年で開発部員を倍増、100人を超える開発陣営を整えた。多用する抵抗器のニーズを開発に結びつける、いわば、マーケティング機能を拡充した。 これまで、KOAといえば、トヨタのかんばん生産方式を15年ぐらい前に、電子部品製造に転用、在庫や設備投資の削減など、生産効率の改善活動を中心に頑張ってきた。 さて、半導体の微細化を中心とした製造プロセスへの付加価値が低下している。それは、ロームのコラムで紹介したように、単一の機能をただ追い求めるメモリーなどの分野で顕著に表れてきている。メモリーはいくら容量が多くなっても単なるメモリーだ。そして、このままでは、抵抗器やコンデンサーなどの受動部品も同様の憂き目に合う可能性がある。どんなに部品を小さく作っても、抵抗は抵抗であり、どんなに容量を増やしていっても、コンデンサーはコンデンサーであり、それ以上のものにはならない。 一方で、台湾や中国勢が日本の材料開発やプロセスにキャッチアップしている。半導体以上に競争力が日本に残っている電子部品や基盤業界にも危機感が充満している。しかし、メモリーにはない、分野ごと、アプリケーションごとのセミカスタム抵抗器がいま、求められている。これはメモリーでも、プリンタ用、液晶用などで、PCとは違った特性(=処理速度よりデータ処理の融通性を重視したもの)が重視されるのと同じであり、汎用メモリーのNECよりも特定用途DRAMの沖電気の方が業績が底がたいのと似ている。 KOAにおいても、ビジネスの概念を生産効率といったプロダクト・アウトからアプリケーションを重視したマーケットインへ変換していく。 システムLSIは壁にぶち当たっている。前述のように微細化一本をただ推し進める経営不要のビジネスでは破産してしまうことがわかったからだ。高周波や高速化に加えて、半導体のワンチップによる機能統合が人海戦術による総力戦の様相を呈してきている。CMOSとバイポーラの統合が難しいように、シリコンと化合物半導体の統合も無理になりつつある今、ロームのリアルソケットのようなシステムインパッケージのような現実的なソルーションがマーケットのニーズとなっている。その際、受動部品側のサポートが欠かせない。 【抵抗器の開発トレンド 技術的な背景】 1980−1990年代は表面実装タイプと金属皮膜の時代だった。以前は、安価なカーボンタイプでリード線付きのものが主流であった。 カーボンはサーマルなノイズが高いこともあって、とくに直流DCには使用されなくなった(ノイズはμボルトレベル)。(ノイズは、大まかに言えば、抵抗値と温度と周波数帯域を掛け合わせたものに比例する。カーボンは温度特性が悪い) また、高周波化の流れは、表面実装タイプの普及を強烈に後押しした。リード付きは、リード自体が浮遊容量をもってしまうことで、インピーダンスが周波数とともに変わってしまう。 また、UHF程度の周波数を超えると材料のもつ浮遊インダクタンスも悪さをする。周波数が高くなると有効な抵抗値がどんどん下がってしまうのだ(Boella効果)。(カーボン皮膜の場合、材料は導体と絶縁体の混合であり、結果的に電子の道を長くしてしまう)。 そこで、薄膜や厚膜といった金属皮膜抵抗器が主流になっていった。 表面実装が小型化を可能にし、さらに特性を改善していく好循環を生んでいき、抵抗器の市場は大きく立ち上がった。KOAのような専業メーカが誕生、トップ企業はシェアを伸ばしていくことができた。 2000年代は明らかに違う特性が求められる。 携帯などの高周波が求められる分野や、自動車などの熱係数、温度係数の安定性が重要な分野では同じ抵抗値であっても、まったく違った特性が必要になる。 表 なぜ、金属皮膜の表面実装が時代を制覇したか
半導体でも同様のことが起こりつつある。いままではシリコンとアルミの文化だったが、立ち行かなくなってきている。 高周波、高集積のLSIへ供給する電流値はますます大きくなってきている。PCのプロセッサーへは20Aから40Aの電流が供給されている。そのような電流を検知する抵抗器は、トリミングが使えない。トリミングによって、電流経路が変化し、熱分布もいびつになる。結果として、浮遊容量が発生し、求められる波形が検出できなくなってきている。トリミングはプロセスの最後で抵抗値をそろえるために行うが、この微調整ができないとなると、それ以前のプロセス管理と計測への負担が重くなる。 一方で、プロセス自体は短くできる可能性もある。ますます企業間の差が開く局面にある。 これまでは小型化一本槍だったが、これからは特性、つまり、波形をどう整えるかという問題を抵抗器メーカが考える時期に来ている。 市場は、単純な資金力では決まらなくなった。頭の勝負に移っている。利益率はニーズを取り込むことによって、改善できるだろう。 【信州大学】 国立信州大学や国立豊橋科学技術大学の電気工学科の学生がKOAを夏休みに研修で1ヶ月間訪れるようになって数年が過ぎた。日本の大学も企業と提携し、より時代にマッチした製品つくりに貢献しはじめている。地域性を保つことで、地元の優秀な学生が入ってくるのは、ロームと似ている。 【多摩電子 M/A】 8月にKOAグループとなった。開発人員のほしいKOAにとってよい買い物だったろう。収益性はグループ化で改善するだろう。 KOAの財務体質はYageoを凌駕する。経営の賢さでは勝る。 ※抵抗器についての簡単な資料について、オフィシャルクラブの「居酒屋億近」の#205、206、207を参照ください。プロセスの解説、さらに詳しい説明などを載せてあります。(大原)
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2001/04/17(火) |
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KOA(東6999)
☆☆☆☆ フォロー。 株価はこのところ冴えない展開が続いた。いい会社なんだが、環境悪化がひどすぎた。 予想外の足元が悪化。今期2002/3EPS予想は95円。30%の減益見通しだ。最悪でも100円から110円を見ていたので、すこし残念な見通しだ。説明会では、どの程度保守的かどうかの見極めがなされるだろう。 しかし、株価はすでに、かなりの減益を織り込んでいる。PER17倍の水準で、ここからさらに売り込まれることはないだろう。 ハイテクを安易に買い下がるという局面ではない。しばらくは、リストラ低位で乗り切るのが得策か。 1年のスパンで買える人は買ってください。今期は、子会社の上場もある。減益見通しで当面の悪材料は見当たらない。(大原)
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2001/02/16(金) |
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KOA(東6999)
☆☆☆☆ 1)2月28日野村證券においてIRミーティングが開催される。向山社長が中期3ヵ年計画を発表する。
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2000/10/19(木) |
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KOA(東6999)
☆☆☆☆ 【決算説明会 デジタル化の意味するところ】 KOAの説明会(18日開催)において、配布資料では、「デジタルTVに搭載される抵抗器は2500個。現状TVは500個。だから心配ない」との趣旨の説明があった。 デジタル化で抵抗が増える理由。私がIRなら、以下の説明を加えたはず。
【IC化の脅威】 アナログ回路と比べて、デジタル回路では、「受動部品はIC化率が落ちる、つまり、IC化される度合いは少ない」と社長のコメント。アナログ回路では、点数が半分になったことも多々あったとのこと。 |
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2000/06/02(金) |
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KOA(東6999)
☆☆☆☆ 先日、KOAの向山社長にお会いしました。2ヶ月前に、ロームの抵抗器事業について書きましたが、KOAは抵抗器ではロームのよきライバルです。 |
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