ジーンズメイト(東7448) 2000/09/06更新

2000/9/05(火)


 
ジーンズメイト(東7448) 
 シンワ(店6880)のレポートを書こうと考えていたのですが、どのような書き方にするか、頭の中が整理できておりません。「株式投資」をする上でのリサーチャーとして、或いは単純に企業を調査する立場として。この2通りで結論を出したいと考えているのですが…。近日中に書きます。請うご期待。

 本日は、かなり前に掲載したような気がするジーンズメイトの月次です。

 同社を知ったのは、炎のファンドマネージャー氏が年金運用に携わっていた頃です。同社株を買い捲り、大株主として四季報に掲載されるほど買い集めておりました。
 しかしある時、雲行きが怪しくなり月次に現れてきました。

 同社のようなサービス産業の場合、店を既存店、全店に区別し、売上の伸長率などを発表します。既存店とは、新店として新たに出店してから13ヶ月目以降の店舗を指し(サンマルクのように店舗マネージメントが大変で、落ち着くまでにかなりの時間を費やす為、既存店の定義を13ヶ月から17ヶ月目に変更しているところもある)、我々の見方としては、出店していれば売上がある程度立つため、全店ベースはあくまで業績における売上面での伸長率として見ている程度であり、肝心な利益については既存店のデータから判断します。
 つまり利益の源泉は既存店にあるとの考えです。

 その既存店の伸び率がプラスからマイナスに転落した時、しかもそれが今流行のブランドを持つ企業だったら判断に困ります。つまり成長のトレンドが変化(成長が止まったか)したのか、それとも一時的なものなのか?
 その場合目安にするのが、1ヶ月、いやもう1ヶ月、いやさらに1ヶ月と…大体3ヶ月を目安にしてトレンドが変化したかどうか判断します。しかしながら3ヶ月でも判断できない時があるのです。

 さてジーンズメイトですが、炎のファンドマネージャー氏が所属する運用機関がかなり保有している時、月次のデータが悪化し株価は高値4990円から約10分の1の505円まで下落しました。しかしそれから時が過ぎ、株価は上昇局面に入っていきます。
 なぜ急反発しだしたか?
 その時はドンキ・ホーテが絶好調の頃です。そのドンキ・ホーテの手法を、炎のファンドマネージャー氏がジーンズメイト社長である西脇氏に提案したのです。しかし意外な答えが返ってきたのです。
 それから少し経ち、同社は深夜営業、24時間営業を開始し、それまで使えなかった提携カードを利用可能にした結果、既存店の売上が急回復しだしたのです。そこから株価は上昇局面に入っていったのですが、どうやら大改革しなかったツケが昨年から回ってきたようです。店舗の時間という小手先の変更だけでなく、商品そのもの及び店舗展開も大幅に見直すべきだったのでしょう。

 かつてはジーンズメイトが見下ろす存在であったライトオンが、逆にジーンズメイトを見下ろしている。完全に立場は入れ替われました(数年前、我々はライトオンをどこかに買収させようかと話をしていた程です)。

 同社の売上は今期に入り、全店ベースでマイナスもあるくらいです。既存店は4月以降ずっとマイナスになったまま。 

4月
−10.9%
5月
−19.1%
6月
−14.1%
7月
−10.3%
8月
−13.3%

 先月減額修正しており、株価は2000円からあっという間に1200円台まで切り下げましたが、この1200円台で止まるかどうかも疑問です。確かにEPSを考えればPERは非常に割安ですが、この売上状況が続く限り下期も?

 早急に梃入れすべきでしょう。

2000/01/25(火)
ジーンズメイト(東7448)  

 20日締めのため、1月の状況が21日(土)機関投資家にFAXされている。やはり既存店復活の兆しは見えない。

単位%
項目 9月 10月 11月 12月 1月
全店売上 98.8 109.6 100.0 101.0 101.8
全店客数 112.5 114.0 108.0 113.3 120.2
全店客単価 87.7 96.1 92.5 89.1 84.7
既存売上 84.2 97.9 86.0 85.9 86.2
既存客数 95.6 103.9 93.4 96.9 102.1
既存客単価 88.1 94.3 92.1 88.7 84.4
・ 1月の出店はなし
・ 1月末店舗数86店舗、既存店60店舗(当期新規出店15店舗、退店1店)
・ 24時間営業店舗50店、16時間営業店舗7店

<会社側の1月の概況コメント>
 ボトムスは概ね堅調に推移したものの、トップス全体が苦戦。なかでも冬物主力商品であるアウターにおいて、ウール素材の低価格化及びダウンジャケットなどの販売不振が影響した事により平均単価は低下し、それを客数でカバーする事はできなかった。

 明らかに商品戦略の失敗である。ファーストリティリングが軽量アウターのフリースで、この冬800万着も売り捌き、一種の流行を形成しており、ダウンジャケットはその煽りをもろに受けてしまっている。しかもファーストリティリングは1900円という低価格を実現しており、他社の追随を許さない状況だ。ジーンズメイトも早急に対策を練っていただきたい。
 既存店の客数が伸びない上に客単価は低下傾向で、利益の源泉である既存店がこの数値では、決算も期待できない。また1月は新規出店がないにしろ、全店売上が+1.8%、特に下期に入ってからが厳しくなってきている。
 今週同社に連絡して、決算及び来期の見通しをヒアリングすることとし、追って掲載する。☆の見直しもあり。
1月25日引値3200円

あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
億の近道on the Web 質問・要望事項はこちらまでメールを。


戻る