黒田電気(東7517) 2000/06/05更新

2000/06/05(月)

黒田電気(東7517) ☆☆☆☆☆
 同社の決算説明会が本日行われた。

 前期連結業績(2000.3)は単体が8.9%伸びたこと、及びZクロダエレクトリック及びクロダホウヨウ(フィリピン)が連結に加わったこと等で907億円、+11.7%と二桁増収を果たした。
 単体では、一般電子部品が金属部品を子会社に販売移管したことにより減少したものの、生産拡大している携帯電話向けにプリント基板・コネクター・端子・パネルスイッチが伸び、267億の売上で前期比+8.1%増。
 半導体は、携帯電話向け等集積回路が増加したが、カーナビゲーション向けの液晶が足を引っ張り、前期比2.7%減の151億となった。
 商品部門はフィルムシート・粘着テープ・成形材料が伸長し、12.1%の353億の売上。
 その他商品は、半導体製造向けに機械装置が増加し、23.2%増の58億。製品も新規のストレジ製品製造用関連装置が増加、44.1%増の12.8億となった。

 新たに連結に加わったZクロダエレクトリック(タイ)が、前期比50.6%増の9.06億バーツ、クロダホウヨウが前期比3.5倍の5.08億フィリピンペソと、好調に推移していることが業績の牽引に繋がっている。 利益面では、前々期(99.3)の単体での米ドル取引額4500万ドル(1ドル125.90円)が、前期(2000.3)4400万ドル(1ドル111.90円)と約14円円高に振れたことで、約2.5−3億の利益マイナス要因。連結子会社に至っては、二桁のマイナス要因となったことより、二桁増収に対して3.5%営業増益、4.7%経常増益に止まった。
 今期は1ドル105円前提に、売上970億(+7.1%)、経常43.2億(+9.9%)、NET22.3億、EPSは158.08円を見込む。単体は3.9%増収に対し、経常利益37.4億(+2.4%)、連結対象子会社ではZクロダシンガポールが0.7%増収・30.6%増益、黒田電気上海が10.7%増収で経常黒字転換、Zクロダタイランド5.3%増収・88.2%経常増益など、子会社が業績を牽引する計画だ。
 さらに国内において、メーカー機能の更なる強化を目指し、この4月に黒田テクノを設立、下期から稼動してくる。

 同社は、独立系商社としての強みをいかに発揮するかを常に考え、会社を改革している。国内外に張りめぐされた情報ネットワーク(国内28ヶ所、及び6カ国11拠点)を基に製販一体となり、顧客ニーズに対応できる体制を構築し、高付加価値経営(商社なのにVA・VEの提案が可能なメーカー機能の存在)を行っている。
 戦術は、常に成長分野に特化した資源の集中と選択である。顧客ニーズに合わせた提案営業は当然であるが、同社では単品でなくモジュール化に力を入れることより、ユーザーの複数購買が同社1社購買になるよう提案していくという(具体的にどうして同社が強いか、営業の現場を見ないと理解しにくいところであるが)。

 現状はPC・PC周辺機器(ずばりHDDだという)CD―ROM・DVD−ROMに注力している。液晶は全ての機器に採用される見込みであり、世界的にタイト。携帯電話は本格的にカラー液晶が採用され、同社のバックライト部品が今後も伸長していくという。

同社は2010年の目標を打ち出した。
 売上  2000億
 ROE      15%以上
 経常利益率   5%以上
 自己資本比率 50%以上

 毎年約10%ずつ売上を伸ばし、利益率・労働生産性を上げていく。
 なのにPERは20倍…。皆さんどう思われますでしょうか?

☆☆☆☆☆に変更する。
 

2000/05/24(水)

黒田電気(東7517) ☆☆☆
 【独立系の電子関連商社で一部製造も行っている】

 黒田電気の今年に入ってからの売上状況(前年比)を以下に記す。

今年

伸率
昨年同月
の伸率
1月
+4%
+10%
2月
+7%
+20%
3月
−1%
+28%
4月
+2桁
+10%


 昨年の3月にスポットの売上が立っているため、今年3月の伸率は前年比マイナス1%となっているが、79億円の売上げ及び二桁増の粗利を確保しており、内容的には悪くない。

 4月は二桁の伸長を達成したようであり、米国PCメーカー向けHDD事業が昨年7―9月にピークをつけ、この1―3月まで調整。しかしながらこの事業の中核をなす富士通・IBM向けで新製品供給が決まっているようで、4月以降回復感が鮮明になっていくであろう。

 前期は1ドル=115円設定のため円高は歓迎されないが、それでも計画をクリアーした模様であり、今期について売上885億、営業利益38.5億、経常利益41.5億、EPS166.7円を予想しているアナリストがいる。
 昨年株価10000円をオーバーしていたが、1:1.4の分割、2月に4238円の公募・売出、そして4月のショックで17日に2600円の安値をつける。その後若干戻すものの、マーケットの地合いに伴うものと思われる投げ(公募の投げも相当出ているのでは)で3000円近辺だ。

 マーケット心理が好転する前に仕込みたいものだ。
5月24日引値2990円

目先は☆☆☆、長期前提で☆☆☆☆☆

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