タカラ(東7969) 2001/05/15更新

2001/05/15(火)

タカラ(東7969) ☆☆☆

 前々期は開発の遅れなどからTVでのヒットが出なかったこともあり、営業段階から赤字に転落。また本体の従業員を91名削減した上、グループ経営も見直し。痛手の大きかったタカラアミューズメントや他企業の損失を一掃(他社に事業売却、在庫処分など)し、特別損失を計上した。これらは佐藤社長の前向きなリストラと評価したい。

 その甲斐もあり今期は同社の業績が急回復を示しそうである。 家庭用カラオケ機器イーカラがヒットし、前期80億円程度の売上が出たようだが、ハード・ソフトの粗利益率が4割強。

 また今年1月8日から放映開始した番組の効果があり、子供たちの間でベーブレード旋風が起きており、TV開始後1週間で増産を決定したが生産が間に合わず、3月から55万個生産したがこれまた生産が間に合わず、3月には140万個体制にしたが、これまた全量2時間で売切れてしまうほどと、全く生産が間に合わない状況が続いている。

 TV放映は東、阪、名、福、北海道など主要都市のみので、放映されていない地区までわざわざ出かけて買いに行くお父さん方も多いが(私も茨城県まで買いに行ったがゲットできず)、ほとんど入手できない状況なのだ。

 このベーブレード、前期の売上計画は13−14億円程度だが、今期は37億円程度を計画しているようだが、ポイントは利益率の高さ。27億円の売上を超えるとその殆んどが利益であるといい(限界利益率は9割以上)、売上増=利益に直結する。製造は外注に任せコストは金型。

 しかしながら、ベーブレードをご覧になれば金型費用が如何に安いかはすぐ理解される。ベーブレードの末端での販売価格は1番安いもので380円、高いものは2千数百円、平均は780円であり、このまま行けば今期100億円近い売上高に行く可能性もある(150万個×平均単価500円×12ヶ月=90億円)。

 その場合、この商品だけで軽く今期の経常利益計画である39億円を超えてしまうのでは? 来期以降、流行もので人気が急落する事も考えられるが、この番組は2−3年程度放映される予定のようで、かつ新しいベーブレードが定期的に登場するような企画になっているらしく、うまく人気を継続するような仕組みになっている模様(コロコロコミックにも連載されている)。
 ベーブレード旋風は息の長いものになるかもしれない。

 浮動株比率を考慮した流動性に難があるが、意外にも大手機関投資家が興味を持っているかもしれない。

 毎週子供たちとベーブレードで遊んでいる両津でした。☆☆☆(両津)

 

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