大原の株式専門用語解説
景気循環的要素

  不況、好況などの景気のサイクルによって、企業収益は大きな影響を受けます。景気循環の山谷の方向性は、株価にも大きな影響を及ぼします。

 こうした循環的要素に大きく収益が左右される銘柄は、鉄鋼、化学などの素材産業の下位メーカーでしょう。長期的に株を保有したい場合、できるだけこうした景気敏感株は避けたいものです。

 一方で、社会構造の変化がもたらす恩恵を享受できる企業は、不況下でも安定的な収益を出すことができます。
 たとえば、車の売れ行きというのは、景気循環です。売れる年もあれば、売れない年もあるでしょう。循環株では、ピーク利益で株価を評価できません。値上がりを見込むなら、ボトムとピークの平均をとって、その平均純利益の20−30倍の時価総額で買わない限り、キャピタルゲインは難しいでしょう。現実に、自動車産業のバリエーションは20倍程度です。
 一方で、これから車に新しく採用されるもの、例えば、純正向けカーナビゲーションとか、有機ELのスピード表示パネルなどは、採用率が年々上昇していくでしょう。たとえ車の売れ行きが少々下がっても、将来的にほとんどの車で採用されるなら、それらの新部材の市場は、景気循環の影響を受けないで伸びつづけることになります。

 循環的要素が少ないほど、株価の評価は高くなるでしょう。IT関連、ネット関連のバリエーションが高い理由も景気循環に左右されずに収益が拡大する見通しがあるからです。

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