トップダウンが、日本経済の動向の把握、業種の絞込み、重点業種内での銘
柄選択という手順であるのに対して、ボトムアップは、個別企業の取材を通して、訪問企業間の比較で銘柄を選択していくアプローチです。
ボトムアップ系の投資家としては、フィデリティ投信が有名です。1年間に平均で200社から300社は訪問しながら、綿密な業績予想を作成します。
ミクロ経済は、一定の経済環境のもとで、個々の企業がどのような行動をとればよいのかを、体系化したものです。ミクロ経済における基本は、需要と供給の見通しです。ボトムアップの投資家は、個々の企業の供給能力と需要動向
を勘案しながら、需要の強い市場に関わる企業を発掘していきます。
しかしながら、完全なボトムアップ投資家、もしくは、完全なトップダウン 投資家というのは稀です。機関投資家は、多かれ少なかれボトムアップとトップダウンの両者の要素を併せ持ちます。
ボトムアップの投資家の場合、取材を通して景気を実感することができるため、よいボトムアップはよいトップダウンに通じるからです。
トップダウンに長けていれば、訪問すべき会社がはっきりわかるわけで、こ れも効率的な投資には重要です。
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