No.
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タイトル
執筆者
19
2001/09/28
読了しました 生涯遊人どの
駄洒落商会会長
18
2001/09/28
為替相場動向
生涯遊人
17
2001/09/28
頑張れ 日本ガイシ
両津勘吉
16
2001/09/25
投信 フルーツ王国大健闘!
大原部長
15
2001/09/21
質への逃避
生涯遊人
14
2001/09/21
読了しました 生涯遊人どの
駄洒落商会会長
13
2001/09/20
半導体の裏話
両津勘吉
12
2001/09/18
相場見通し 開戦前夜
大原部長
11
2001/09/17
炎の提言
炎のファンドマネージャー
10
2001/09/17
還元酵素阻害剤(スタチン製剤)市場について
炎のファンドマネージャー
9
2001/09/17
米国での同時多発テロ事件に見る企業の対応例
炎のファンドマネージャー
8
2001/09/17
ディジットブレーン(9653)について
炎のファンドマネージャー
7
2001/09/14
頑張れ日本の企業、日本の投資家(2)
駄洒落商会会長
6
2001/09/14
$売りの懸念
生涯遊人
5
2001/09/10
アリ型運用とキリギリス型運用
炎のファンドマネージャー
4
2001/09/07
回復なるかメンズファッション業界
駄洒落商会会長
3
2001/09/07
またしても役所が
生涯遊人
2
2001/09/03
今日の説明会銘柄
炎のファンドマネージャー
1
2001/09/03
炎の注目JASDAQ銘柄
炎のファンドマネージャー

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19
2001/09/28 読了しました 生涯遊人どの
駄洒落商会会長

 

 ・「タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる!」
 藤巻健史著 日本経済新聞社

 またも購入してしまいました!

・「社長になりたい君へ」
 西川 清(パーク24代表取締役社長)著 出版文化社

 若年の頃よりの「起業」、「株式公開」を目指しての奮闘、徹頭徹尾、楽観的かつアイディア溢れる生き方は見事なものです。
 「戦後、高成長をリードしてきた経営者の多くが中村天風氏の影響を受けている」との説をうかがったことがありますが(京セラ稲盛名誉会長は最たるものです)、西川社長の人生観もつながるものがあるような気がしますが。
 このあたり、私は門外漢ですので、著書もものしておられます屯田署長殿にうかがってみたいものです。(駄洒落)

 

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18
2001/09/28 為替相場動向
生涯遊人

 

 私のターゲットであった115円を前に、$円は反転した。

 最近の日銀は効果的な介入を行っている。この介入と、株式市場の安定が(低位安定だが)$安に一服感をもたらした。
 また委託介入とはいえ、各国中銀が、危機を前にして、協調行動をとっているという印象を与えたことも有利に働いた。

 前回の湾岸戦争では、日本は90億$(約1兆円)を米国に献上したが、今回は、いくらぐらい献上させられるのだろうか。どうせ後々、また米国に戦費を出させられる分を先回りして、介入で調達しておまけに円高を止められれば、政府としては、一石二鳥だろう。

 お化粧買いを期待していた向きは、日経平均10,000円、$円120.00円以上を狙っていたかもしれないが、為替に関しては、何とか我慢できるレベルまで戻ってきたというところだろう。

 マーケットではまだ、$資産売却に伴う$売りが継続するのではないか、との観測もある。しかし$円に関しては、118.00をサポートしている限りは、118−122円のレンジにシフトしたのではないかと、筆者は考える。

 日本人の対米投資は、株式よりは債券の比率が高く、債券市場が落ち着いてくれば$資産の売却を急ぐこともないだろう。

 やはり欧州から米国への投資が多いため、ユーロなどで$売りがおこる可能性が高いように思われる。(生涯)

 

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17
2001/09/28 頑張れ 日本ガイシ
両津勘吉

 

 起床し寝ぼけながら日経新聞を開いたところ、この記事はなんだ!?
 青色レーザーで松下と日本ガイシが共同発表しているではないか。お陰で目がパッチリしました。

 ご存知の通り、青色レーザーで日亜工業と豊田合成、ローム、米国クリーが特許紛争を行っており、おまけに日亜出身の中村博士まで巻き込まれている泥沼状態。日亜も会社の運命がかかっているせいかパテントを一切供与しない。

 しかし松下が発表した新型青色レーザーは、これら企業のパテントに抵触しない技術であり、820ナノメーターの赤色を特殊な結晶を通すことによって410ナノメーターの青色に変化させる技術である。元の赤色レーザー自体は特別なハイテクノロジーというわけでもなく、この製品の一番のポイントは、青色に変化させる特殊な結晶にある。この結晶を開発したのがNGKIだ。

 松下によると日亜工業や豊田合成の製法では1個当り5千円程度、けれどこのブルーレーザーを用いたDVDレコーダーでは、製品コストを抑えることが出来ず本格普及は無理。
 松下ではブルーレーザーの単価を2000−3000円程度の価格からスタートさせるようだが、本格普及を狙い、1000円以下に抑える努力をしている模様。来年から量産をスタートさせるが、時期は未定である。

 当初は次世代DVDレコーダーに搭載予定で、ブルーレーザーを外販し、数量増効果から単価を下げ、本格普及を狙うとしている。

 この製品が直ぐに日本ガイシの業績にインパクトを与えるとは思わない。しかし3年、5年の期間で考えればそこそこの利益貢献になると考える。

 NGKIの圧電セラミックスでセイコーエプソンのインクジェットプリンターに大きな影響を与え、世界でもっとも薄い自動車排ガス用ハニカムで、日本の自動車メーカーは世界で最も厳しいカリフォルニアの将来導入されるSULEV規制を早くもクリアー。

 そして今回は特殊な結晶であるイオブ酸リチウム。デジタル家電が期待されたが大きく普及した訳ではない。しかし安価なブルーレーザーによる安価で記憶容量の大きいデジタル録画機の可能性が出てきた。

 コストの高い日本で製造しても競争力の高いNGKI製品。NGKIは人間の求める豊かさに今後益々貢献していくことであろう。(両津)

 

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16
2001/09/25 投信 フルーツ王国大健闘!
大原部長

 

 先日、日本インベスターズ証券の武藤さんと木村さんにお会いした。タートルクラブという投資教育クラブを運営されている。 わたしたちが運用に参画しており、フルーツ王国は長期保有用の投信として5月に設定。TOPIXが同期間で30%下落、多くの株式投信が基準価格を大きく割り込むなか、なんとか1万円をキープ、大健闘している。この大健闘の影には、24時間寝る間もなく、しっかりとヘッジをかけているUAM投信の中尾さんのがんばりに負っているところが大きい。

 実は、日本インベスターズ証券には、このフルーツ王国を販売して頂いており、大変お世話になっている。
 彼らの協力もあり、なんとフルーツ王国は100億円を突破することができた。みなさまのお蔭であり、厚く御礼申し上げます。

 このファンド、なんとか最優秀新人賞であるルーキー賞をとれればいいなあと思っている。
 このフルーツ王国には、クオンツのアカディアン(日本株、世界株)、クレイフィンレイ(日本株、世界株)の2社が運用、ユナイテッド投信がマザーファンドをマネッジ、最適なヘッジを心がけるなど、トータルな資金管理を担当している。

 さて、このタートルクラブを主催している木村さん、武藤さんは、タートルレターというメルマガも月に2回発行しています。そして、毎週、土日出勤し、100ページを越えるテキストを使って、運用の基本を4時間かけて都内や地方で無料の運用セミナーを開いている。
 木村さんは、CFAの資格、武藤さんはバーラ社に勤務経験があり、クオンツを極めている。そして今回、お互いにボランティア活動ということで、わたしも、タートルレターに執筆することを決めた。そして、月に1回程度は、土日のセミナーに出席し、個人投資家の方々とディスカッションしていく予定である。

 クリスマス会や子どもたちのための投資教育としてサマーキャンプも計画がある。毎月、継続して積み立てることが長期投資の定義です。

 是非、木村さんや武藤さんのセミナーに参加してください。テキストは一読の価値あり。タートルクラブも無料です。http://www.investors.co.jp/turtle.htm

(大原)

【訂正】

 火曜日に配信した「億の近道」の中で、大原部長のコラム中に登場したファンド「フルーツ王国」について、以下のような修正依頼が参りましたので、お知らせいたします。

「フルーツ王国というのは、庄内銀行様の専用ファンドで弊社は取扱いをしておりません。弊社が取扱いをしており、タートルクラブの実践ツールとしているのは、UAMタートルクラブ・ファンドになります。」
日本インベスターズ証券株式会社 武藤氏より

 

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15
2001/09/21 質への逃避
生涯遊人

 

 危機に際して、換金売りがでている。

 例えば今回、世界中の保険会社は、さまざまな保険の支払いに応じなければならないだろう。そのためにキャッシュになりそうなものは、何でも売ってくる。日本株は、さすがにもう売り物もたいしてないのかもしれないが、米国債、海外株式市場では、この手の売り物がでているのではないか。

 通常は、株が落ちると債権が買われる。
 例えば、米国の経済指標がでて、悪い数字(失業率の増加、鉱工業生産の減少)がでると、経済の減速〜利下げなどの連想から株から債権に資金が流れる。もちろん投資家のスタンスによって、下げ相場でこそ買いさがる長期保持の投資家もいるだろうが。

 過去において、さまざまな経済危機が起こった時に、質への逃避という現象がおこった。
 お金の動きは非常に神経質なものなので、一番安全とおもわれる投資先や投資商品に資金が向かう。世界中で一番流動性の高い、米国債はたびたび資金の逃避先になった。世界で一番の経済力と軍事力をもつ米国の債権は、当然一番信用力が高い。

 また伝統的に、スイスフランも、危機時の逃避先になってきた。
 かつてスイスは欧州各国の王様に、傭兵を供給してきた。そしてこの傭兵達が故郷に送金することによって、金融業の発達をほどこしたといわれている。また永世中立国として、どこの国にも組みしないこと。中立国と秘匿性の高い銀行口座、レベルの高い金融業などの理由がスイスフランが選択される理由となってきた。

 また今回は中東がらみということで、オイルの値上がり、インフレ期待(戦争経済は当然インフレとなる)から金の値上がりなどを連想させ、質への逃避ではないが資金が向かっている。

 当然、これらの投資資金のなかで足の速い資金は、ヘッジファンドの資金だが彼らは逃げ足も速いので、私自身は、息の長い資金が彼らをフォローするかどうかがその後のマーケットを決めると思っている。

 今回、代表的な質への逃避先の米国債が売られている理由としては

  1. 換金売り
  2. 米国自身が攻撃を受けた
  3. 戦争状態になればインフレになることもあり、インフレは債権の売り要因
  4. マーケットでは、当初FRBの0.75%の利下げを織り込んでいた。
    そして9月17日の0.5%の利下げで、残り0.25%の利下げのみという打ち止め感からくるもの
    (利下げは、債券の買い要因、利上げは、売り要因だが、もうあと一回しか金利下げがないとマーケットが予想した場合、次は利上げ、債券売りということがよくある。これを打ち止め感と称してよく使う。
    また織り込み済みという言葉も、マーケットにいる人間が良く使う都合のよい言葉だ。要は、説明のつかないことに対して、むりやりこじつけるとき使う。
     相場用語には、これらの訳のわからない言葉が多いが、要は、専門家と称する人たちが、自分たちでも理由が分からない時に、一般の人たちを煙に巻くのに都合よいといった類の言葉だ)

 

 115円が近づいてきた。
 $全面安の中、日銀の単独介入ではスピード調整ぐらい威力しかない。しかし東京時間で介入が入ると、日本株も下げ止まるので、為替の介入は為替自身にはあまり効かなくても、株式市場には効果を発揮しているかもしれない。(生涯)

 

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2001/09/21 読了しました 生涯遊人どの
駄洒落商会会長

 

 ・「タフ&クール Tokyo midnightレストランを創った男」
  長谷川耕造著 鹿島茂プロデュース 日経BP

 既にお読みになられましたか?
 グローバルダイニングの長谷川耕造社長と仏文学者鹿島茂氏が湘南高校時代、親友であったとは!
 当時、共に没頭した映画・ジャズ・文学が、現在のグローバルダイニングの店舗コンセプトに反映されているというのも楽しい話です。
 実は私も、仏文学を専攻、アルチュール・ランボオ「地獄の季節」などを耽読したものです。もっとも、近頃は両津氏の感化を受けて文字通り「アル中・乱暴」に成り果ててはおりますが。
 グローバルダイニングの業態別組織図を掲載して締めることにします。

「ゼスト」(テックスメックス料理を中心とした米国南西部料理)
 客単価 2,500円 展開 原宿、西麻布、世田谷、飯倉、渋谷、恵比寿、お台場 計7店舗

「ラ・ボエム」(イタリア料理)
 客単価 2,300円 展開 原宿、西麻布、代官山、南青山、世田谷、渋谷、六本木、表参道 白金、銀座、北青山、お台場 計12店舗

「ラ・ボエム コン バンビーノ」(「ラ・ボエム エスプレッソ」併設)
(ラ・ボエムにキッズルームを併設、エスプレッソは焼き立てのパンとコーヒーを提供)
 展開 横浜 1店舗

「モンスーンカフェ」(エスニック料理)
 客単価 2,500円 展開 西麻布、代官山、渋谷、南青山、お台場、舞浜 計6店舗

「タブローズ」(インターナショナルレストラン)
 客単価 9,000円 展開 代官山 1店舗

「ステラート」(カリフォルニア・キュイジーヌ)
 客単価 9,000円  展開 白金 1店舗

「権八」(和食)
 客単価 3,000円 展開 1店舗

・「100人の20世紀」 上下  朝日新聞社編 朝日文庫
 人選には多少異議がありますが、各人につき参考文献が紹介されているのは、いいですね。それらを渉猟することにより、また世界が広がりそうです。(駄洒落)

 

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13
2001/09/20 半導体の裏話
両津勘吉

 

 先達て、億ゼミ生であるぴょん吉さんとその友人であるK氏と一杯やってきた。K氏は某半導体メーカーの技術者で、メーカーの裏話など聞かせていただいた。証券レポートに一切掲載されない裏話をご披露しよう。

1)ステッパー

 ステッパーのメジャー企業はニコン、キャノンそして海外勢ではASMLである。
 ニコンはかつてi線でダントツの強さを誇っていたが、最近ではASMLやキャノンに押され気味である。i線では本当にニコンが強かった。というよりキャノンが弱すぎたのかもしれない。

 キャノンのステッパーは投影レンズに問題があるとされ、とてもステッパーと呼べる代物ではなかったという。繰り返し露光をするにつれ、最初と最後で出来が違う。つまり線幅が変化してしまったという。これは使用中に機器内に熱が篭り、レンズの屈折率が変化してしまうらしいのだ。

 一方、ニコン製ステッパーはその熱制御が出来るようになっており、空冷レンズが入っていた(キャノンは入っていない)。
 また、レンズの材料はどこも同じところから購入しているが、磨き方などに差が現れた可能性もあるという。ところが現在主流のエキシマになるとニコンも分が悪いようだ。ニコンの営業マンはキャノンに勝てないと愚痴をこぼしているらしい。しかしながらエキシマではニコン、キャノンともASMLには歯が立たないのが現実のようだ。

 ASMLのエキシマステッパーは日系と大きく異なるところがあるのだという。一つ目は最初にスキャン方式を始めた。2つ目は照明光学系に凝っていること。
 スキャン方式はニコン、キャノンとも始めており、現在ではASMLの優位性とはならない。しかし2つ目の事項は、半導体メーカーから見れば圧倒的な違いがある。

 マスクを照射するときコヒーレントな光の方が都合が良い。それを行うためには照明光学系において絞りが必要となる。しかし明るさという観点からは絞れば暗くなるわけである(アナログカメラを思い出してください)。
 つまり絞れば光源の光を一部捨てることなり、光の有効利用の妨げになるわけだ。ニコンやキャノンはこのこの方式を使っているが、ASMLは光を100%使用する絞りを実現しているところがミソなのだ。つまり暗くしないで絞れるわけだ。ASMLはフィルターを用いず複数のレンズをうまく使い分けて絞りを実現している(レンズの加工にも工夫がされているらしい)。

 この違いがスループットに大きく現れている。 キャノン製ステッパー3台分の能力をASMLなら2台でこなす。スループットは1.5倍ある。しかし値段も1.5倍であり、1枚当り単価に直せば変りはない。だが機械のスペースやメンテナンスを考えればASMLに軍配が上がるという。

 ニコンがどうして強いポジションを得られないのか?
 そのエンジニアの方は、以下のように言っていた。

「ニコンのメンテ作業者(サービスマン)は凄いの一言に尽きる。うまく露光できない場合、まさにパチンコの釘打ち師のような技を使うのだという。ここにニコンの凄さがある。しかしこの凄さに依存し過ぎという面もあるのでは」…と。

2)レジスト

 i線365Å、g線435Åではベース樹脂にノボラック、そして感光剤と溶剤を混ぜてレジストを製造をしていた。当時は東京応化工業が全盛期であったが、溶剤に使われていたECAに問題が生じた。IBMが公害問題を提起し使われなくなったのだ。そのため東京応化のシェアはダウンとなる。

 一方、krFではベースポリマーにPAG光酸発生剤、溶剤を加えているが、ここでは信越化学がダントツの強さを示しておりシェア4割をゲットしている。信越の開発者は70人と相当多い人員を当てており、東京応化は4人である。しかし応化の4人が少ないのかといえば、信越の70人が多すぎるのでは?信越はArFやF2を手掛けていなく今後はどうするのであろう。一方、東京応化はたった4人とはいえ、この4人のエンジニアーが非常に良い人たちであると絶賛している。証券界ではレジストメーカーとして東京応化は評価されていないことを伝えたが、半導体メーカーから見れば、レジストのトップ企業は今でも東京応化だそうだ。応化はレジスト全体でみればいまだに4割のシェアを獲得している上、日立は全量応化から買っているそうだ。

3)化合物半導体エピタキシャル

 化合物は非常に難しいという。まず出したい波長を前提に基板を選定し、その上にエピタキシャルを重ねていくわけだが、卓上の理論通りにことが運ばないの一言に尽きるという。

 GaAsやInPなど各々の格子定数から10%以内のズレに収まる層を積み重ねていくのだが、この接合がうまく行かない。エピタキシャル成長がうまくできたとしても電子が動かないケースがほとんどであり、何度も失敗を繰り返しまさに職人芸の世界。シリコンと比べると化合物は雲泥の差があり、表面準位密度(表面欠陥密度)はシリコンの10の9乗に比べ10の14乗個とオーダーが5つも違う。

 正常な面を保とうとすると基板を1000度にして酸素や炭素を防ぐ。しかしながらそうすると今度はAsが逃げてしまう。GaAs基板の場合、GaとAsが1:1の結合をしているが、熱でAsが失われる。現実には分子が多数あり、100:100が100:99になっているのが実情。

 しかしこの少しの欠陥でも薄膜としては失敗である。そのため基板前処理として硫化アンモニウムなどの液体につけた後、低温成長させるなど工夫を凝らす。また蒸着中は水素プラズマで水素を還元剤として使用など、手探り状態の作業を続けているらしい。

 高出力半導体レーザーを作る技術は想像を絶するものがあるようだ。古河電工さんご苦労様でした。(両津)

 

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12
2001/09/18 相場見通し 開戦前夜
大原部長

 

 大変な事態となってしまった。

 テロリストの暴挙にNYの貿易センタービル2棟が崩落。多くの犠牲者が出てしまった。残念でならない。事件は金融市場にも大きな影響を与えている。市場機能が削ぎ落とされ、流動性の低下から急激なドル安、世界の株式市場は米国市場が開くのを待たないままに急落している。米国政府は、何年かけてもテロ撲滅のために戦うと宣言。イスラム圏とのさらなる関係悪化が現実のものになれば、現在米国に同情しているアラブ諸国も徐々に反米に傾くことも予想できる。パキスタン政府の出方やイスラム圏内で米国の空襲などにより一般市民が犠牲になれば報復が報復を呼ぶ最悪の展開も覚悟しなければならない。

 事態の早期収拾が期待できない。そのため、株式市場からの資金の流出につながっている。
 景気回復はさらに遠のき、本格回復は2003年との見方が急速にコンセンサスになりつつある。
 今後は、どんな方針を立てるべきか。むずかしい。質への逃避から勝ち組み企業への一極集中現象が起こるかもしれない。

 ただし、日本の優良会社の多くは外需頼み。為替の安定が欠かせない。

 為替は安定するのか。これは米国頼みだ。流動性が戻ればドル再評価の可能性も残っている。

 これが配信されるまでには、国際協調のドル買いが敢行されることを願っている。

 株式市場はリスクを受け止めることが出来る。そのため、リターンも高い。
 株のリスクには、業績が思った通りにならない業績のリスクもあるが、天災のように不慮の事故や戦争のように人為的な災いもある。

 特に今回は、数十人にすぎない狂信的な一味が、世界経済の中枢にダメージを与えることができたという事実が大きい。
 人間、死ぬ気になればなんでもできる。1人の狂人と1本のナイフがあれば、巡航ミサイルを手に入れ、どこにでも飛んでいけるということが証明されてしまった。(今後の危機対策として、機長は乗客になにがあっても操縦室のドアを開けるべきではないということになるのだろうか。)

 将来に対して希望がある限り、市場は再生するはずである。
 わたし待ーつわ!という歌が昔ヒットしたが、わたし何があってもあなただけを待ちつづける。そんな心境である。

 長い目で見れば今が買いどきということを言いつづけて数ヶ月もたってしまった。しゃれになりません。

 今後は、業界の再編がターニングポイントになるだろうが、買い手に余力がないため、再編さえも容易にならない。物物交換的なものが単発的に出るだけかもしれない。
 松下、日立など、電機セクター内では低PBR中心の運用へと方針を転換する運用会社が出てくるだろう。内需中心の通信が消去法で残るだろう。円安反転への期待から自動車も買いだろう。オリンパス、リコーなどの収益構造が安定しているが「一時的」な円高で売られているものも面白い。

何を見ても安く見えてしまう私はおかしいのだろうか??(大原)

 

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11
2001/09/17 炎の提言
炎のファンドマネージャー

 

 <研究所設立ブームを作ろう!!アイデアバンクを設立しよう!!>

 日本経済が景気低迷で困難を極める最中に、突然起こった米国での同時多発テロ事件。国内外の景気悪化に拍車をかけそうな出来事に、恐れおののいてばかりでは人間、能がない。今こそ叡知を振り絞ってこの困難を乗り越えよう!

 今回はジャストアイデアではありますが、私の拙い提言を披露したいと思います。
 私は既に前回の「億の近道」で株主優待制度研究所を設立するとの考えを披露しておきました。皆様からのお問合わせもなく、いささかがっかりではありましたが、活動は徐々に進み出しております。

 研究所と言うと立派な建物のさぞかし偉い研究者がいるイメージを思い浮かべてしまいますが、私のイメージするところは、何でも好奇心をもって市民レベルで疑問を解決していこうとの発想で設立された集いであります。
 ですから、立派な施設などはもちろんありません。そこには、熱意をもってそのテーマの究極の答えを求めて人々が集う、バーチャルな世界を思い浮かべて頂ければ結構です。とりわけ最近はITの発達でどこにいても隣にいる感覚が働きますので、お互いにインターネットでバーチャルに繋がっていれば良いとの感覚です。

 それでも実際に、先週木曜には同研究所のシニアアナリストのH氏とミーティング。今後の在り方を再度検討しましたし、金曜日も某大手流通業の方を交えて株主優待制度について議論しておりました。この方には今後相談役として流通業者が導入する株主優待制度の実際を細かに指摘してもらう予定です。

 H氏とは多くのアナリストに集ってもらう場として、近く第1回目の総会を開くことを決定。IR会社であるフィナンテックの甲斐社長にも賛同頂きましたことをご報告申し上げます。

 さて、このような唐突な思いつきの研究所など不要かも知れませんが、市民レベルでも構わない様々なジャンルで研究所を取り敢えず設立することが、ベンチャー創設、ひいては景気の回復に繋がるという考えが今回の提言であります。

 平沼構想では、今後研究開発型のベンチャー企業の創設が一大テーマとなっているかと思われますが、そこで問われるのはどのようなテクノロジーをベースにした企業なのか、またどうしてそのビジネスが成功すると考えられるのかが判りにくいため、資金集めに苦労するとのベンチャー経営者からの話であります。

 しかしながら、私が言いたいのは、決して高度なテクノロジーをベースにしたものばかりではありません。
 庶民感覚でもわかる研究テーマをもって取り組み、それがビジネスに繋がるかを研究する組織を様々に作れないかという単純な考えであります。但し、これがベンチャー企業の創設にも繋がるのです。つまり、ベンチャー創設前の実験的組織が研究所の役割なのです。

 例えば、株主優待制度を研究することで株主の裾野を広げる様々な方法を考えたり、税制について考えたり、まだまだ知らない現実を知ったりすることで、新たなビジネスが生まれるかも知れません。不便さの中にビジネスチャンスありと考えれば、思わぬビジネスが発見できるかも知れないのです。

 因みに、今私があればいいなと考えている研究所は、構造改革研究所(今後の日本の構造改革を実現する目的で設立)、選挙制度研究所(選挙のあり方などを研究する研究所で電子投票システムをビジネスにする組織)、道路公団研究所(道路公団に変わる組織を作るための研究を行う民間組織)、銀行国有化研究所(実際にありそう)、企業再生研究所(ニーズは高そう)、風水研究所、運命研究所、ユニークなところでは未来生活研究所、空間活用研究所、東京改造研究所、質素倹約研究所、就職ノウハウ研究所などなど、考えると沢山出てきそうです。これらはバーチャルな組織でも構わないので、設立のコストは大してかかりません。でも設立する以上は立派に活動していくことが重要です。常に研究成果を発表できる場を設け、参画する人々のやる気をもたらす場となれば良いでしょう。

 株式投資でも、それぞれの銘柄毎に研究所や研究会があっても良いでしょう。もちろん、それぞれの方々が知らないうちに頭の中で設立しているかも知れませんが・・・。
 私も今回オークネット研究会を作りたいと思っております。(余談)最近は億近でも多くの研究会ができたようですね。(余談) 既に日本デジタル研究所や構造計画研究所、建設技術研究所、船井総合研究所、CRC総合研究所、インターネット総合研究所、などの研究所と名のつく企業が上場を果たしてきましたし、来月には野村総研も出て参ります。これらも最初は小さな組織であったに違いありません。研究所はスケールの大きさによっては上場も可能となります。もち論、研究所がビジネスを見出したら社名を変えても良いのです。

 有望ビジネスを見出すための基地的役割を担う研究所や、アイデアバンクなどが高い失業者を受け入れるインフラ組織として機能することになれば、日本経済にとっては光明となるでしょう。ただ、闇雲に失業者をお金で救うなどという発想は止めるべきではないでしょうか。これはきっとモラルハザードを起こすに違いありません。

 週末のマイカル倒産でまたしても失業率アップになりそうです。 取りあえずはニュー流通ビジネスを研究するマイカル研究所でも設立して、失業された方には特別支援金を支給する代わりに、アイデアを提供して貰う場を作ってみたらどうでしょうか。皆さん、きっと社員の方々は優秀であるに違いありません。(それにしても今後のマイカルの倒産後の活動はどこが支援するのでしょうか?イオン、ヨーカ堂であるか・・・、はたまた外資系か・・・。)(炎)

 

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2001/09/17 <特別寄稿>
還元酵素阻害剤(スタチン製剤)市場について
炎のファンドマネージャー

 

  by DR.Medicine(炎氏の友人で医薬品情報に詳しい方です)

1.8月23日発表:セリバスタチン(武田薬品工業=セルタ、バイエル薬品=バイコール)の販売中止による影響

 まず、製薬業界が熾烈に戦っているスタチン製剤市場について、2000年度総市場は、3000億円を超え、仮に薬価ダウンがなければ毎年10%以上成長する市場とも言われている。
 同市場のトップメーカー三共は、メバロチンだけで1364億円の売上、本社ビルを建て直している(通称:メバロチンビル;玄関にはメバロチンの構造式を模した絵画が飾られている)。これに続くのは万有のリポバスで702億。

 市場を一段と競争激しくさせたのが、ワーナーランバート(買収により現在はファイザー)が開発し、世界標準となっていたリピトールを山之内製薬が、昨年の5月に日本で発売し売上209億と健闘した。留学先で使用した薬を日本でも使いたいという高い欲求、それに国際学会などでよりよい薬を求めたりした結果、日本でも世界標準の薬でないと売れない時代になってきた。

 さて、今回の販売中止のセルタは198億、バイコールは118億の売上があったが、それがどこに流れるか?三共の広報部によれば、『メバロチンは、長期安全性が確立されているので、そのほとんどがメバロチンに流れてくる。』とコメントしているようだが、山之内製薬のリピトールも7月売上が32億だったのに対し、8月23日のセリバスタチン自主回収の発表があってから31日までの短期間で急激に卸に対する販売が増え、8月売上を45億と推計している。いくら卸に売れても病院で売れないと話にならないので勝負はこれからというところなのでしょうが、メバロチンからセリバスタチンに切替えた医者は新しもの好きなので、リピトールが優位であろう。

 安全性に関しても、日本のデータはメバロチンよりも少ないだろうが世界的な安全性データとなればリピトールの方が優位となる。筆者はセリバスタチンの7〜8割がリピトールに流れると予想する。メバロチンについては今年は追い風に乗り一旦、売上上昇するが、来年、再来年にはダウン必至。

2.今後の展望

 当面リピトールの一人勝ち状態で市場は動き、メバロチンは長期に使用しても副作用なく安全だということを強調し、リピトールは高脂血症に対する切れ味=メバロチンよりも効果が良いことを前面的にアピールしていく営業展開になるでしょう(注:メバロチンの効果はリピトールより弱くてもコレステロール値は確実に下げているし、リピトールの副作用が異常に高い訳でもない。人に投与するので個人差がある話である)。

 次に来年、三共は興和から導入したピタバスタチンを発売する(本来なら今年発売される予定だったが来年になる見通し)のだが、メバロチンとどう売り分けるのか?
 ピタバスタチンとメバロチンとの比較が臨床医薬という雑誌で紹介されており、それによると効果はメバロチンよりあるようだが、副作用がメバロチンよりやや多いように見受けられる。今の三共にとっては『スタチン製剤というのは安全性の確立されたものを使用すべき』と営業活動しているので、副作用が多いピタバスタチンが発売されても混乱を招くだけという心配も出てきた。せいぜい『メバロチン無効例にピタバスチンを処方して下さい。』という営業トークしかないでしょう。海外で使用経験のないピタバスチンが、果たして来年、再来年のメバロチン売上減少分を埋められるでしょうか???

  状況は厳しいでしょうが、一部では、まだまだ国産の新薬を応援する人がたくさんいます。なんといっても医者は薬品株をかなり買っていますからね!

 日本の製薬業界もやっと世界に通じる新薬を開発できるところまで来ました。特に武田、山之内の成功は欧米大手企業も脅威に感じている筈(次回はこのあたりの記事を投稿予定)。

 最後に、アストラゼネカからもロスバスタチンというスタチン製剤が出るようで、ますます競争激化するスタチン市場ですが市場自体も多いに広がるでしょう。

 皆様もどのスタチンを選ぼうかな?とならないようにコレステロールには気を付けましょう。
(Dr.medicine)

 

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2001/09/17 米国での同時多発テロ事件に見る企業の対応例
炎のファンドマネージャー

 

 今回の予想すらできない世界的規模の事件に対する、日本企業の対応は様々であったかと思われるが、その影響について知りたがっている投資家は多いかと思われる。

 先日企業訪問したNASDAQジャパン上場のメック(4971)から送られてきたメッセージはかなりの程度、投資家を安心させるものであったので報告しておきたい。
 同社が取った対応は投資家、株主に対して知りたいと思っている点をスピーディに報告した点で、中・長期的に評価できる。他社でも見習ってほしいものである。以下に全文を掲載しておく。


米国のテロ事件に関する影響について

   問合わせ先 社長室長 坂本 佳宏
 06−6414−3451

大きく報道されている通り、9月11日朝(現地時間)に米国において多発テロ事件が発生いたしました。当社メックグループは今回の事件で被害をお受けした方々に対し謹んでお見舞い申し上げます。当社グループは米国に子会社を有しております。所在地はカリフォルニア州のサンノゼにあるため、直接的な被害はありませんでした。また、問合わせたところ当社グループの顧客である米国の電子基板業界にも現時点において被害はない模様であります。今回のテロ事件に対し当社子会社の業績は、米国経済が一時的に混乱するため短期的に影響を受ける可能性があると考えます。しかしながら当社グループに関しては大きな変動はないものとの予想をしております。


同社は以上の文面で関係者にプレスリリースを配信。同時に株主に対しても担当者の直通電話番号まで記した報告書を送っている。株主が今知りたがっていると思われることをスピーディに知らせてあげることが、今後の企業IRには求められていると言える。但し、こうした報告を実施した後も情勢は刻々と変化する可能性が高いので、タイムリーにフォローしていく必要があるが、どこまで対処するかが問題であろう。(炎)

 

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2001/09/17 ディジットブレーン(9653)について
炎のファンドマネージャー

 

 【全体相場に対して株価が強い背景】

1)今期業績が、合併後のリストラ効果で経常黒字に向かうことが明らかにされた点。

2)9月11日に同社は、YAHOOジャパンとの間で新卒者向け企業情報に関する提携契約を締結したことを発表した。これによって本年度のYAHOO!求人情報における「2003年卒業予定者のための企業情報」は、11月1日に本格オープンする予定のディジットンブレーンの新卒就職サイト「メガジョブ・スチューデント」からの一社独占提供で展開されることになった。

3)おまけにこのメガジョブスチューデントは、9月1日から商用サービスを開始した低料金、高速、常時接続によるADSL&コンテンツサービスの「YAHOO!BB」とも連携し、ブロードバンド対応の企業情報コンテンツを提供する予定。
 静止画による企業情報だけでなく動画像や音声情報を充実したコンテンツ満載で、各企業の個性あふれる情報が学生のもとに安価に届けられることになる。

 つまり、ブロードバンド関連として見直し買いが入る公算が高いのだ。

 先週届いた嬉野社長からのメッセージを紹介しておこう。(炎)


 今日9/14は、ちょうど1年前、旧ディジットがナスダックJPN市場に上場した日です。三井物産からMBOで独立を果たしてから、1年未満という短い期間での上場でしたが、市場からは好意的に迎えられた幸せなスタートでした。

 その後、11ヶ月で今度はディジットブレーンとして新たなステップを踏み出したわけですが、思えば、この間、たった2年足らずのできごとでした。
 あまりにも多くの、激しい変化が日々起きるのが、今や、我々の社風になっているので、「上場」ということで特別なイベントは考えていませんが、ディジットブレーンの「記念日」を皆さんと一緒に喜ぶとともに、気持ちも新たに、次のステージを見据え、力強く、歩を進めてゆきたいと思います。

 我々はかなり激しく、そして、熱烈に、「日本を代表するメディア企業」に進化しつつあります。
 上場まで努力していただいた社員、家族、お取引先、マスコミの方々、事業パートナー、協力会社、株主等全ての皆さんにここであらためてお礼を申し上げたいと思います。
 本当にありがとうございました。そして、これからもディジットブレーンをよろしくお願いします。

ディジットブレーン
代表取締役
嬉野 勝美

 

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2001/09/14 頑張れ日本の企業、日本の投資家(2)
生涯遊人

 

 米国における同時多発テロの発生、本当にショッキングな事件です。欧州に勤務した帰途、ニューヨークに一週間ほど滞在したことがありますが、日系金融機関が多く入居していた世界貿易センタービルは何度も訪問する機会がありました。
 そのビルが倒壊する様子を見るのは何ともいえませんね。

 犠牲になった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 また、本日は、総合スーパーのマイカルが、民事再生法を申請するに至りました。かねてから噂があったとはいえ、一企業の倒産が「構造改革の進展」のように受け取られるのは、従業員の方々にとっては、やりきれないことでしょうね。

 わが国に「空前の雇用流動化の時代」が到来する、と以前コラムに書きました。本当に厳しい状況ですが、さりとて政府ばかりをあてにするわけにはいけません。

 今回は特に、企業を経営しておられる方のため、私の勉強会の仲間で経営コンサルタントとして活躍しておられる二条彪氏(39歳)をご紹介したいと思います。
 南青山で「アルファルファ・コンサルティング」を経営しておられますが、16年間、婦人服小売チェーン「エル」を経営された後、あっさり廃業、経験を生かして、コンサルタントの道に進まれています。
 HPは、http://www.alfalfa-c.comメールマガジン「誰にも聞けない経営のツボ」(無料)も発行しています。一度のぞいてみてください。何か得られるものがあるはずです。イチオシ(☆☆☆☆☆)です。

今日はこんなところで。

(業務連絡)
生涯遊人どの「株式投資」改革宣言 松井道夫VS松本大 読了しました。(駄洒落)

 

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2001/09/14 $売りの懸念
生涯遊人

 

 湾岸戦争時に比べると、各金融市場の動きは、まだ大混乱というわけではない。まだ総本山の米国株式市場が開いていないため、なんとも言えないが。

 各国中央銀行の流動性の供給が、かろうじて均衡を保っている。各国政府と各中央銀行の素早い行動が功を奏したといえる。

 しかしニューヨークの金融の中心部を直撃したこの事件で、かなりの金融機関がダメージを受けたために、流動性などが著しく落ち、完全な復興にはかなりの時間がかかるかもしれない。また、復興後の勢力図も変っているかもしれない。

 なんとか$の決済不能という最悪の事態は避けられたが、$売りが断続的にでている。

 今この記事を書いている時点で、$円は118円を割り込んでいる、117.50円を抜けると、残念ながら115円が目標となり、円高による日本経済に対する悪影響も懸念される。

 当局のなんらかの行動がない限りは、115円は必至だろう。これは円高でなくあくまでも$安であるのは、言うまでもないが。

 いずれにせよ、政治的あるいは軍事的な事件の解決には、かなりの時間がかかるだろう。 金融市場に関しては、アメリカ人の団結力を信じてしばらく見守るしかないだろう。(生涯)

 

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2001/09/10 アリ型運用とキリギリス型運用
炎のファンドマネージャー

 

 アリとキリギリスという童話を、皆様は小さい頃からよく聞かされてきたでしょうが、この話は今の日本経済が抱える問題を端的に表しております。

 この話は要するに、コツコツ一生懸命に働いて遊ぶことには目もくれず来るべき冬の時代に備えて食料を集めて働くアリと、冬の寒さが来ることも知らずにノンビリと遊び回るキリギリスが、夏の間は良いが冬になってはじめて厳しい寒さに耐えかねてアリのところに助けを求めるというお話であったかと思いますが、先に楽しむか後で楽をするかの生き方の違いが感じられる話です。

 現代社会においてどちらの生き方が良いのかと言われても、道徳心から言えばアリの生き方が正しいのでしょうが、実際にはもう国民の多くの方々がキリギリスの生活やビジネスを行ってしまって、もはやアリに泣きつくしかない状態に陥ってしまっているのです。アリはせっかく貯め込んできた食料(お金)を遊びほうけてきたキリギリスに分けてあげる必要が出てきました。2人分の食料があれば良いのですが、アリは自らが冬に備えて貯め込んだ食料をキリギリスに半分分けてあげるしかないのです。空腹を分かち合って何とか冬を凌いで、春の到来を待つことができるか。元来、日本人はアリの生活に慣れてきましたが、欧米から導入されてきた消費奨励のシステムが日本人の心を変え、道徳心は大きく乱れ、今を面白おかしく愉快に生きていければ良い。他人のことなどどうでも良いなどと考えてしまう国民に、いつの頃からか変化してしまったのです。

 人としての生活をエンジョイし、様々な創造的な仕事を遂行することはいつの時代にも素晴らしいことと考えられますが、アイデアを思いめぐらせ、技術開発に没頭したり、効率的な販売を図る積極的な行動は、アリの世界に見出せるものです。キリギリスはただ遊びほうけ、同じ生きる動物とは言ってもその社会集団にとって害悪となる行動を取ってしまいます。

 日本経済にとって今、まさにアリの生活に戻らないとならない時期が来ています。コツコツと切磋琢磨して、来るべき更なる厳冬に備える時代が来ているのです。このような時代が到来することは、誰しもうすうすと感じてはきた筈ですが、本格的な冬の到来であわてふためいているのが現実であろうかと思います。

 キリギリスの皆さんというのは、他人から借りた金で非効率な経営を行い、責任を取ろうとしない無駄な借金しまくりの経営者、アリが稼いで貯めて倉庫に保管した食料(税金)を勝手に横取りする役人たち。最後に、アリが貯めた食料(税金)でのんびり不毛の論議をして、あたかも仕事をしているかのようにみせかけている政治家の皆さん。ありとあらゆるところにキリギリスは存在します。しかも彼らは有能できらびやかな音色で、時には周りを楽しませてくれることもあります。でも決してアリの生き方は出来ません。

 今を生きるために子孫に巨額の国債を残すべきか・・・。
 小泉首相はまさにアリ型を標榜。選択の余地は限られている。

 さて、運用の世界でも似たようなことが言えます。アリの運用とは来るべき冬の時代に備えた運用です。
 きっちりとポートフォリオを組み、事業の中身をしっかり確認し、時間分散や銘柄分散でリスクをヘッジし、どのような事態が生じようともしっかり対処ができる運用がそうでしょう。また、長期的スタンスで物事を考えて運用する姿勢もこれに該当するでしょう。

 対してキリギリス型の運用は行き当たりばったりでリスクなど考えず、猪突猛進。ポートフォリオなど全く無視。冷静に企業の動きを見ることもせず、目先ばかりを考えて、今買った株をもう次の瞬間では売ることを考えているような運用がそうです。

 時代によっては、アリ型が良かったりキリギリス型が良かったりすることもありましょうが、結局キリギリス型ではアリ型に負けてしまうことになるのです。皆さんもこのあたりのことをよーく考えておきましょう。でも運用の世界では最終的には自己責任。アリに負けて泣いても、誰も助けてくれはしない厳しい世界なのです。

教訓:因果応報。額に汗して働く小さなアリを笑うべからず。必ず最後につけは回ってくる。(炎)

 

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2001/09/07 回復なるかメンズファッション業界
駄洒落商会会長

 

 総務省の「家計調査年報」によれば、90年代に入って1世代当り年平均消費支出は漸減傾向にあるが、年間衣料消費支出(洋服)は91年をピークに2000年まで約35%ダウンと顕著な下落トレンドをたどっている。国内景気の低迷、所得の伸び悩みから衣料向け消費が抑制されたこともあるが、ファーストリテイリング(ユニクロ)、しまむらなどが主導した輸入衣料の増加などにともなう「価格の急低下」も重要な要因としてあげられる。

 2001年に入ってからも消費環境の環境の厳しさに変化はみられない。総務省統計局が発表した6月の家計調査では、勤労者世帯の実質消費支出額は前年同月比3.3%減、平均消費性向(季節調整値)は68.9%と、5月の70.6%から1.7ポイント低下している。
 むしろ、ハイテク企業を中心とする国内企業業績の悪化等を考慮すると、年度後半に向け、雇用・所得両面が消費の抑制要因となることも想定しておかねばなるまい。

 ただ、ブランド品など高額商品の好調は依然続いている。人口の都心部集中に加え、富裕高齢層の増加、結婚年齢の上昇など、比較的可処分所得の大きな層の増大がこうした現象を後押ししている。小売セクターのなかで、百貨店売上高が比較的好調であるのも、都心部の好立地に大型店舗を有すること、ブランド品など高額商品に強いことが要因としてあげられる。

 一方、6月の東京地区の百貨店売上高では、好調が続く婦人服に対して長期低迷が続いてきた紳士服が9ヵ月ぶりにプラス転換したことが目を引く。今春夏のメンズカジュアルは、クラシック調のポロシャツ、花柄プリントシャツなどが好調であったことなど、トレンド面での後押しもあるが、三陽商会(8011)、ユナイテッドアローズ(7606)、オンワード樫山(8116)など各社が企画から製造・販売までを一貫して手掛けるSPA(製造小売)業態を積極導入するなど収益体質強化も目に付く。上記各社の足元業績は好調に推移しており、今後紳士服の回復が継続するようであれば、さらに上伸が見込まれよう。

 紳士服シェア第2位(2000年実績、3.0%)の三陽商会(8011)の2001.6期中間期単独売上高は555億円、前年同期比9.7%増、経常利益17億円、同28倍となった。販促を強化した主力ブランド「バーバリー」が寄与、紳士服も1月が前年同月比2.5%増、2月同4.2%増、3月0.3%増、4月3.4%増、5月同11.0%増、6月同15.0%増と好調が続いている。百貨店を重視し、直営店は一等地への出店に特化する戦略も業績好調を後押ししている。上記「消費の二極分化・高額商品好調」の恩恵をフルに受けている形だ。新規投入した子供服も1〜5月期の売上高が前年同期比85%増と急伸している。
 「バーバリーブルーレーベル」の売れ筋企画を子供服に取り込んだことが奏功した。子会社群の整理、そごう破綻を契機とした取引条件の改善など経営資源の健全化も進んでいる。株価は業績好調を織り込み上伸しているが、業績が「下期偏重型」であることを勘案すれば、さらなる通期業績の上方修正は十分可能と予想する。

 紳士服シェア第1位(同、5.2%)のオンワード樫山(8016)は、卸に比べて利益率の高いSPAを伸ばす戦略を採用、直営店を通じた販売を強化している。これは、百貨店各社のリストラによる売場減少に対応するもの。従来は売上全体の約7割が百貨店への卸売りであったが、今2002.2期末までにSPAの売場面積を前期比2倍の49,500m2に増やし、SPAの売上高を119億円、同78%増にまで引き上げる意向。テナント料が低く、粗利益率の良い直営店比率が高まることにより、今期の売上高営業利益率は8%と前期比0.8ポイント改善する見通し。また、いち早く団塊ジュニア世代向け3ブランド「五大陸」「組曲」「23区」を発売したことにより、団塊世代対象の高級ブランドに固執する他社との差別化を図ったことも業績回復につながっている。

 また、グループ会社でも、インパクト21(9444)やアクティ21(2672)で展開する「ポロ・ラルフローレン」、OBTの「カルバンクライン」、ダナキャランジャパンの「DKNY」など高感度ブランドを展開しており、紳士服回復の恩恵は大きい。日米首脳会談で小泉首相が「ポロ・ラルフローレン」のシャツを着用したことから、アクティ21の日次ベースの売上げが前年比3割増となったことも記憶に新しいところだ。ちなみに、オンワード樫山の2001.8中間期業績は、単独営業利益が58億円、前年同期比45%増と、従来予想の44億円を大きく上回る見通し。婦人服の好調が寄与するが、紳士服も中心ブランド「五大陸」が2割近い伸びとなり、減収幅が大きく縮小する見込み。

 一方、メンズトレンドの最先端を行くユナイテッドアローズ(7606)の業績急回復も目立つ。国内外から商品を調達して独自の編集力で組み合わせるセレクトショップと呼ばれる業態を展開しているが、主力業態「ユナイテッドアローズ」に加え、シルバー・革製品ショップの「クロムハーツ」、低価格かつ顧客層が広い「グリーンレーベルリラクシング」の新業態が好調だ。7月下旬に2002.3期通期の経常利益見通しを従来の19億円から22億円に上方修正したものの、再度の上方修正の余地も。メンズトレンドの動向とともに、目の離せない展開が続こう。(駄洒落)

 

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2001/09/07 またしても役所が
生涯遊人

 

 本日の日経新聞夕刊に、厚生労働白書の内容で、個人の経済的自立が必要であると載っていた。また健康保険の3割自己負担も論議に上ってきている。
 役所は、もう面倒みませんよ、自分達の分の負担を増やしてくださいと言っているわけだ。

 上等じゃないか、それでは自己負担増やす分、役所は仕事を減らして、今の10分の一ぐらいの規模になってくださいといいたい。最重要の規制だけ残し、原則自由にすれば、さまざまなことがうまくいくと思うが。

 そもそも役所はほっておくと、かってに増殖して、どんどん肥大化していく。年金事業の一環で、不採算な保養施設を作ったり、文部省などは、公立学校の崩壊が言われて久しいにもかかわらず、本業そっちのけで、スキー教師の資格などを作っている。
 そもそもスキー教師の認定などは、文部省のやるべき仕事ではないだろう。これら本業とは関係のない事業は、すべて本体のみでなく、特殊法人などを通じて行われている。これらの事業をすべて中止して、本業に戻るべきであろう。

 先日、億近スタッフの飲み会があり、炎氏、駄洒落氏とともに、せめて億近紙面で頑張れ日本キャンペーンを張ろうと誓いあったが、暗い話になってしまった。
 私自身は、日本と日本人の能力に対して、ポジティブです。それこそ役所、政府頼みの体質から脱却して、自立する個人の活躍する社会を作りたいものです。

 今週118円台をつけた$円は、一旦121円台まで戻ったが、本日米国失業率の4.9%まで悪化したことを受け、119円台まで下落してしまった。米国株が安値を更新してるなか、$の信任は揺らぎつつある。
 しかしチャートポイントの118円台ローをサポートしたことと、本邦機関投資家、銀行などのリパトリの$売りが減少する中で、$が円に対しては、底を打った可能性もある。(生涯)

 

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2001/09/03 今日の説明会銘柄
炎のファンドマネージャー

 

 ●ダイトエレクトロン(7609・東証2部)

 株価 800円  今期予想配当金20円
 今期予想連結EPS87.6円 PER 9.1倍、PBR 0.78倍 配当利回り2.5%
 本社:大阪  本年高値2640円(2/2) 安値 800円

出席者:紺谷社長 伊藤専務、西田執行役員(経理担当)

 電子部品、半導体製造装置の中堅卸売企業、グループ内にハイテク製造子会社を抱えグループでの成長を図る。2005年度連結売上高1000億円、ROE16%以上、株主資本比率50%以上、売上高経常利益率6%以上、ROA8%以上、EPS150円以上を目指して最先端の製造子会社を含めた付加価値の高い商品開発に努める意向で、4月から新設した商品開発センターでオリジナル商品の開発に努め高収益企業を目指す。

【株価の位置】

 99年のJASDAQ上場後に8600円(公募価格2400円)という高値をつけたが、その後2回の10%分割を経て株価は下落。本年6月には営業所併設の物流倉庫建設を目的に、約17億円(100万株公募・払い込み価格1824円)の資金を調達したが、5月の受注が大幅にダウンしたことを受け業績を下方修正。上期までは連結ベースで25%増収、35%もの大幅経常増益であったが、通期では7.5%の増収に対して28%もの経常減益を見込み、収益が一転して大幅にダウンする見通しとの発表を受けて、株価は低迷。折からのハイテク株低迷の流れを受けて、同社株も低迷が続いている。

 但し、上記の通り800円はかなり業績の急激な悪化を織り込んできたように思われる。年末商戦に向けた各セットメーカーの動向は不透明で、本格的な投資タイミングはなお2,3ヶ月後が望ましい。

 受注動向にどのような変化があったかと言うと、期初月間30億円でスタートした受注は5月において19億円と急減。
 これは受動・能動の部品が特にダウンした結果である。これを受けて同社は5月18日に業績修正を行った。

 その後は6月23億円、7月23億円、8月30億円近くと数字の上では回復傾向に入っているが、同社では月によって5−6億円のズレはあるのでまだ回復傾向を確認できないと慎重だ。

 皆さんに多少でも明るい動きを伝えたいと願って紹介しようと思ったが、残念。

 下期の単独ベースでの売上目標は210億円であり、下期の月間売上高平均は35億円となるので、まだ計画線上に達しているという訳ではない。
 それでも受注などハイテク系企業の明るい兆しを伝えることは大切と考える。

 回復の傾向が見られるのは、昨年度から販売実績を伸ばしている世界シェアNO.1の米国ポリコム製TV会議システムが学校や地方公共団体、製薬会社向けなどに引続き好調なことや、12インチウェハー用半導体製造装置関連、更に外国製の半導体(セムテック製、ソニーのVAIO向け、富士フィルムのカスタムICなど)受注が好調なためである。

 またポリコム製ICは堅調で、上期5億円に対して下期は7億円を見込み、通期で35%程度の伸びが期待される。

 一方で、チップマウンターやダイボンダー向けのCCDカメラや、UPSの販売が伸び悩み、上期は悲惨なほどダウンしたとされる。
 また、コネクター、ファーネスなど機構部品もダウン。同社の取り扱い商品は電子機器、受動・能動部品、機構部品、その他部品、半導体製造装置、フラットディスプレイ製造装置などに多岐にわたるが、IT不況の影響で5月は急激な受注減に見舞われ、その後、現在は底バイから回復傾向に入りつつある段階と考えられる。まだ、回復を確信できないが、事業展望としてブルーツース関連分野への進出、有機EL製造装置への参入、光関連分野への取り組みなど期待できる分野を有しており、株価水準によってはかなり有望と思われる。

 同社にはグループ子会社に、WDM関連のデバイス製造装置の分野で世界最先端の技術力と開発力を誇るダイトロンテクノロジー(基礎技術は半導体などの計測技術、プロセスにおける搬送技術、独自のコンポーネント技術などを誇る)、ケーブルハーネスなど自動車分野に注力するダイトデンソー(デンソー向けなどに堅調)、電源装置を手掛けるダイトパワートロン、小売家電担当のダイト、米国のダイトロンインク、マレーシアの販売・製造子会社などを有す。

 テクノロジー系企業の動向は、現状においてまだ悪化の一途なのかも知れないが、次世代携帯やデジタル家電、新OS搭載PC向けなど電子部品や、半導体などの需要回復を読む必要があるので、同社のような企業からの情報をつぶさに観察しておく必要がある。

 なお、同社は有機EL製造装置にも注力している。PDPなどの次世代表示装置向けの成長期待も高いので注目しておきたい。

【炎の印象】

 悪い企業ではなさそうだが、このご時世で公募増資をやって株価が下げている点に多少のコメントがほしかった。
 上場来の安値は未知との遭遇となるが、果たしてどこで株価は落ち着くのだろうか。(炎)

 

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1
2001/09/03 炎の注目JASDAQ銘柄
炎のファンドマネージャー

 

 ●東建コーポレーション(1766)

 時価1460円 今期予想連結EPS331.2円 連結PER4.4倍 時価総額92億円
 今期予想経常利益 4083百万円 目標時価総額 400億円
 一株配当金 30円 株主優待制度有り (魚沼産こしひかり10キロ5000円相当程度)

1.前期決算について

 前6月期の決算は、期中の上方修正した以上に好調な決算となった。売上高は連結ベースで53846百万円(+12.9%)、営業利益3861百万円(+25.0%)、経常利益4238百万円(+26.9%)、税引利益1918百万円(+43.4%)EPS302.8円。

 好調の要因は、中期経営計画実現に向けて受注促進に注力。各種キャンペーンを実施して、全社を挙げて受注増加を図った結果だという。
 高齢者向けの賃貸マンション「リバーヒルズ」、ペットとの同居ニーズの高まりに応えるペット同居専用マンション「ぺティハウス」などの様々な新商品を発売。

 一方で既存商品のコストダウンにも積極的に取り組み、輸入住宅や高品質マンションなど、従来のデザインを継承しながら材料と工法の合理化で大幅なコストダウンも図った商品を投入。
 PCを利用した効率的な営業活動を可能にする、様々なPC営業支援ツールの導入を図るなどIT化を推進。
 事業所出店は関東地区に重点を置き、前期は4店舗を新規出店した。

 このような施策が前期の業績向上の要因となった。同社では特に利益率の改善が建材子会社「東建リーバ」においてみられたとしており、前期の粗利率は23.8%と前の期に比べ4.5ポイントも改善したとしている。これは数量増加に伴う一括発注効果が現れたためである。

2.今期決算見通しについて

 今期は売上高59377百万円(+10.3%)、経常利益4083百万円(−3.7%)、税引利益2098百万円(+9.4%)EPS331.2円を見込む。

 増収経常減益の理由は、前期4店の新規出店に対して、今期は12店舗を出店予定で、そのための先行費用が嵩むためとしている。
 同社では前期を初年度とした中期6ヵ年計画を公表。2006年6月期に連結売上高1000億円、経常利益77億円を目指すというこの計画では、全国シェア4%の引き上げを図るために出店戦略を積極化することが含まれており、今期は特に積極的な施策を打つとしている。積極的な出店による効果は今期ではなく来期に表れるとしており、趨勢として同社の成長は続くと見られる。(炎)

 

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