No.
日付
タイトル
執筆者
11
2001/12/28
年末のご挨拶
億の近道発行プロジェクト
10
2001/12/28
日本経済の体温
生涯遊人
9
2001/12/25
兼松の社債
大原部長
8
2001/12/21
有機ELの質問
両津勘吉
7
2001/12/21
為替相場動向
生涯遊人
6
2001/12/19
大荒れの相場
大原部長
5
2001/12/10
消費者金融サービス研究学会報告
炎のファンドマネージャー
4
2001/12/10
キャッシュリッチなディフェンシブストックとしての食品株に注目
炎のファンドマネージャー
3
2001/12/10
お詫び
炎のファンドマネージャー
2
2001/12/10
M&Aで業容拡大図る元気な企業
炎のファンドマネージャー
1
2001/12/10
JASDAQ市場展望
炎のファンドマネージャー

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11
2001/12/28 年末のご挨拶
億の近道発行プロジェクト

 

  今年も1年間ご愛読有り難うございました。億の近道はこれで年内最終号となります。そこで各執筆陣から年末のご挨拶です


「私の夢    億近小学校2年1組 両津」

 あっという間の1年間でした。前半は“テクノロジーを斬る”つもりで活動しておりましたが、反対に斬られてしまい情けない。
 銀行がB/S&担保主義に対し、証券はP/L重視。しかしそのP/Lも鉛筆ナメナメのモノが良く目に付き、企業の持つ本当の技術を力説するレポートは数えるほどしかお目見えしない。
 ビッグカンパニーは別として、企業がやっとのことで育て上げた技術でも銀行及び証券はそれを理解できるスタッフを殆んど抱えておらず(活かしていないといった方がいいかな)、間接金融・直接金融とは一体何なのか考えてしまう。

 先日、某大手企業の広報部長の方とお話した際、「今の銀行は銀行じゃない、名前の付けようのない業種」と言われておりました。この数十年は土地神話と担保主義が罷り通っていたかもしれません。その結果、銀行スタッフは“不動産鑑定士化”していることでしょうが、時代は明らかに変化しております。
 キャッシュフローベースの考え方に、いち早く転換することを期待します。

 技術を評価しない株式市場なら理工系出身者は必要なく、メーカーに行って世界が豊かになるような研究をしたほうが、人々のためにもなりましょう。おまけに日系証券会社は人材の本質を見抜くことはせず、会社都合のみで人材配置を行うため、夢と希望を大きく持つ若い人材を腐らせたり窮地に追い込む。技術を全く知らない文系出身者をテクノロジーアナリストにし、工学部出身技術志向人間を営業に回す。全くナンセンスな話である。

 私は大学3年生の段階で某メーカーの技術者として内々定が出ておりましたが、蹴っ飛ばして証券会社に入社。その後バブル崩壊で技術者となっている同級生達が私のことを心配し、メーカーへの転身を強く勧めました。半導体&家電など手掛ける某大手電気メーカーが研究員として採用するとの誘いをを3回受けましたが断り、その後、某伝送装置メーカーも辞退。
 当時は本社(証券)に行けばきっと工学的な仕事に就かせてくれるとの思いがあったわけですが、若かった私は社会の汚さを理解することは出来ませんでした。結局、その後、私の小さい時からの夢は脆くも崩れ去りました。小学校低学年から技術屋を目指していた私にとり、人生つまらなくなってしまったのです。

 しかしリサーチャーなら工学部出身者のノウハウが充分に生きると考え、今年は取り組んでまいりましたが、株式市場が技術を評価できないのではなかなか相場になりません。
 パフォーマンスが得られない現状では当分の間、普通のリサーチャーに成りすます決心を固め、今後3−4年の年月を賭けてばりばり技術志向を目指します。

 技術を評価する株式市場を目指し、億近産業調査部軍団は邁進致します。

 億近産業調査部:
 士気の高い個人投資家から構成されており、独自の取材でセルサイド以上の高いクオリティレポートを書く。また世界最先端の研究に従事されている研究員の方々数名が技術相談に乗ってくれている。証券リサーチハウスとしてはもったいないほどの人材が揃っている。

 億近産業調査部の将来像として、ネット上で大原さんが技術コンサルタントへの進化について触れておりましたが、大原・両津軍団の夢は山崎社長率いる半導体エネルギー研究所のようなチームを結成することです。MOCVD購入のため、貯金でも始めるか!?

 本年もご購読ありがとうございました。 なお今回のIR大賞は該当無しです。(両津勘吉)


【良質な投資家の集うフォーラム 億の近道】

 読者のみなさま、今年も一年間、ありがとうございました。両津さんとぢんぢ部長で始めたこのメルマガは、11月にめでたくも配信開始から2周年を迎えました。わたしも執筆して1年と9ヶ月が過ぎ、多くの多様な価値観を学ぶことができました。

 長期投資の根底にあるものは、何なんだろうか?
 市場という一見冷酷なシステムの根底に流れている大河は、人と人との確かな信頼関係であったり、「決する」、「託す」という熱い思いだったりします。それぞれの企業家に隠されている強烈な野心を伝えていくことが市場に携わることを許された者の責任ではないだろうか。そういう気持ちで、わたしが書く以上は、生半可な企業は紹介したくない、将来は絶対に一流になる、世の中を極めたいという企業をできるだけ紹介したいという意気込みでやってきました。

 ゼミの活動も1年間、なんとか、終了し、念願の個人投資家との連携プレーも出来るようになりました。ゼミのみなさん、1年間ご苦労様でした。自立した大人同士、今後も、よき議論をしていきましょう。

 わたし自身は、1年、ダイヤモンドZAiさん、日経ネットトレーディングさん、投資レーダーさんなどの雑誌に登場させていただきましたが、億の近道の宣伝が一番の大きなねらいでした。なにせ無料なサイトですから、活動収入ゼロでは立ち行きません。執筆者が自ら先頭にたち、設立した億近の母体のNPO「イノベーターズ・フォーラム(=IF)」への資金的援助活動を展開しなければなりません。雑誌で得た収入は今後はNPOに寄付していくつもりです。

 また、兼ねてから、個人投資家が取材する際の実践テキストがないことを残念に思っていたので、北星堂書店の清水さんに「インベストメント」を出版させていただきました。印税は2月に入ってきますが、全額、NPO IFに寄付されます。寄付は数十万円程度のわずかな金額ですが、ゼミの来年2月以降の活動費取材費に充当するつもりです。多くの読者のみなさんに「インベストメント」を購入して頂きまして、ありがとうございました。

 多くの方々に支えられて、ライコスの無料掲示板、居酒屋「億近」の店主として、なんとか店を軌道に載せることができました。多くの投資家の相談室として、機能させたいと思っています。掲示板に書き込んでいただいた方々、貴重な情報をありがとうございました。

 億近に励ましや質問のメールを頂いた個人投資家のみなさま、いろいろな視点を提供していただき、ありがとうございました。とても参考になっていますし、励みにもなっています。
 なんと、この2年間、非難や中傷のメールのたぐいは皆無です。これは匿名のインターネットの世界では非常に珍しいことなのかもしれません。とくに、この1年、株式市場が大きく荒れているとき、億近でご紹介した銘柄も大きく値下がりしている中、批判されても仕方が無いと感じています。このメルマガは、日本でもっとも質の高い投資家が集うフォーラムになっているのではないかと考えるようにしています。

 そうはいっても、課題は多いの実状です。執筆者の層が薄すぎます。外国株も紹介していきたい。経営者の是非もより深く掘り下げたいと思っています。
 今後も、億近のファンを一人でも多く、獲得していきたいと思っています。読者のみなさんにお願いがあります。なにかの折、ご近所の方や、お友達に、このメルマガを宣伝して頂けないでしょうか。億近が先導して、自ら取材していただける個人投資家の数を増やしていけば、自己責任原則も社会の規律となっていくはずです。まだまだ圧倒的に投資家の数が足りません。もう圧倒的に足りません。圧倒的に足りない。1人でも多く、億近を宣伝していただければ幸いです。

 それでは、みなさま、よいお年を。そして、来年も今年同様のご愛顧をお願いいたします。来年がみなさまにとって飛躍の年になるようお祈り申し上げます。

大原


【年末の挨拶と新たな年に向けての誓い】

 先日、既に私の方からは年末の挨拶を皆様にお送りしておきましたが、ぢんぢ部長からのたっての要請もあって、再度皆様には新たな年に向けての心構えや、私の密かな誓いをお届けしておきたいと思います。

 私の来年のテーマは「失われた11年を取り戻そう!!」であります。
 これは厳密に言えば、生活実感からすれば失われた15年なのかも知れません。
 私の有料コンテンツ購読者にもこの精神で取り組んで貰いたいと願っております。

 戦後40年以上もの経済繁栄を謳歌してきた日本経済が困難な状況に直面している中で、政策当局のみならず企業経営者や個々人の悩み苦しみがいつまで続くのか、なかなか先行きが見えて来ない中ではあるが、それでも日本は着実に変わろうとしている。また変わらなければならないのだ。

 いつまでも不幸な状況を黙認し続けていてはいけない。国民自らが蒔いた種によるこの困難な状況を、他のせいにするのはもうやめておこう。善良な市民は今こそ目覚め、積極的に立ち上がろう!!
 これまで起きてきた出来事、またこれから起きるであろう出来事の数々をかみしめ、同時代に生きている私たち共通の課題として立ち向かうことが、生きている証でもある。
 私、炎のファンドマネジャーは新たな年に向け自らを奮い立たせ、渾身の力を振絞って皆様の活動を支援したいと思っております。

 不良債権処理が困難を極める今、日本人は新たな幸福の価値観を見出そうと懸命なのではないでしょうか?何が幸せか、何をもって幸福とするかは人それぞれかも知れませんが、億近に集う方々にはある種の共通した幸福感や達成感があるものと勝手に解釈しております。

 自ら考え、自らチャレンジしていく積極的な読者像を求めている私にとっては、億の近道に集う読者の皆さんは非常に心強い同士と考えています。
 日本を変えよう!!失われた11年を取り戻そう!!と私は大原部長や両津、駄洒落、ぢんぢ部長、生涯遊人などオクチカスタッフとともに立ち上がることを決意しました。

 株式市場に参画する多くの読者を思う気持ちは誰にも負けないつもりです。皆様とともに生きている証を得ようとも思っております。ご一緒に頑張りましょう。それでは、良いお年を・・・。
(炎のファンドマネージャー)


 駄洒落商会会長です。

 読者の皆様、1年間ご愛読有難うございました。それにしても、激動の1年でしたね。21世紀はたいへんな幕開けとなりました。
  来年も、「緩慢な衰弱」が続くのか、一気に「奈落の底」に転落するのか、それとも曙光が見えるのか、定かではありません。ただ、どの世界でも、「本物」と「そうでないもの」の選別は、ますます厳しくなるのでしょう。
 アナリストも「飽和状態」などといわれますが、「企業価値」をきちんと評価できるアナリストはそう多くはないはずです。半面、確定拠出年金の導入など、幅広い意味での「運用」「企業評価」のニーズは増しています。
 個人投資家の皆さんでも同様です。「本物」たるべく、ともに勉強を続けましょう。

良い年をお迎えください。(駄洒落商会会長)


 今年も1年間、ご愛読ありがとうございました。

 ふりかえると今年1年様々なことがあり、投資情報という意味では、充分に伝えられたかどうか、もっと様々な情報を伝えられのではないかと悔いの残る1年でもありました。
 投資という意味では、この1年はつらい年であったと思います。 しかしその様な時にこそ「臥薪嘗胆」研究にはげみ、次の飛躍のチャンスにつなげていきたいと思います。

 為替相場も動きだし、私の出番かなと最近少し張り切っています。 私の描く最良のシナリオは、円安が継続し日本経済が離陸し、それにともない外国人投資家の日本買いにより株高、円高が訪れ、株と為替の両方で利益をあげられればという都合の良いものです。(生涯遊人)


 今年もご愛読有り難うございました。

 2001年は公私ともに様々な変化が起こった年でもありました。なかでもNPOの設立はその意義も含め、大きいものだと感じております。

 原稿催促、取りまとめ、編集、発行と、地味な作業ではありますが、今年1年何とかやって来れたのは、読者の皆さんの暖かい励ましがあったからだと感謝しております。有り難うございました。

 来年はいろいろと億近の活動もフィールドが広がっていくような予感がしております。微力ながら億近発起人の一人として、尽力していきたいと思います。読者の皆さん方、さらなる応援をよろしくお願いいたします。それでは、良いお年を。(ぢんぢ部長)

 

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10
2001/12/28 日本経済の体温
生涯遊人

 

 友人の医師は、38−39度の熱の患者には、解熱剤を与えないという。せっかく体がウィルスと戦っている結果として熱がでているのに、解熱剤によって無理矢理熱を下げると、揺り戻しがかえって恐いといいます。
 彼女が、解熱剤を与えるのは、40度近辺、そこいらへんの判断が職人芸なのでしょう。

 さて、日本経済は不良債権、デフレ、不況という病魔と戦いながら、構造改革を進めているため、その体温はじわじわと上昇しはじめました。今週は、1日1円のペースで円安が進行しています。
 日本政府の思惑通り、経済情勢にのっとった円安が進行しているといったところでしょうか。

 韓国、中国といった国々から、ちらほらと円安懸念の発言が出だしました。アジア最大の経済大国の円が下落することは、各国の輸出競争力の低下など、様々な影響を与える。
 しかしその影響の度合いにより各国のスタンスにも微妙に温度差がある。

 シンガポール、台湾などの通貨当局は、静観している。この2カ国は、輸出が不振であり、$円につられて、自国通貨が安くなることは、輸出競争力の向上につながる。

 韓国は、ここ1年程で10%ほど対円でウォン高が進み、日本との競合輸出品の競争力は落ちている。しかし最大の問題は、IT革命をてこに、外国資金を呼び込み構造改革を進めるなか、円安につられたウォン安は外国資金の投資に悪影響を及ぼしかねないという懸念がある。
 現在、KOREAウォンは、1$=1329ウォン、100ウォン=9.89円の水準だが、1350−1400あたり超えてくると、また対円で、10円あたりを超えてくると、深刻な影響を与えるであろう。

 中国は人民元高により、輸出競争力の低下を懸念している。これは人民元が$とほぼ連動しているため、台湾、シンガポールのように、円安につられて人民元が安くならないためである。

 さて、この先どこまで円安が進むのかは別として、わたしの考える3段階の為替レベルを示しておきたい。

「心地よい円安水準」 =125−135円
 輸出企業にとっては追い風、かなりな為替差益を見込める。しかしこのレベルでは国内生産のインセンティブはわかず、生産地移転は避けられず、構造改革の継続は不可欠。また周辺諸国からの円安懸念もそれほどは高まらない。

「薬の効きすぎた円安」=135−145円
 このレベルが長期間継続すると、国内物価にもデフレを転換させる影響がでてくる。また周辺諸国に対して、かなり輸出競争力がつき、国内生産の継続も可能か。しかし、このことが構造改革の意欲を削ぎ、また企業の改革も停滞する可能性がある。

「危険な円安」=150円〜
 もし150円を超える円安が長期間継続する場合は、円安のメリットとデメリットが共存することになる。あるいは、国債のさらなる格下げ、株安など日本経済にとって深刻な事態となっている可能性もある。その場合には、国内から海外への資本逃避が進む可能性がある。

 いまのところ円安は、構造改革の痛みを和らげる鎮痛剤あるいは、日本全体が公的資金資金をうけ時間稼ぎをしている状態です。少なくとも135−145円まで円安で不良債権を処理し、経済の離陸が必要となります。(生涯)

 

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9
2001/12/25 兼松の社債
大原部長

 

 兼松(8020)の社債が堅調。一本調子に上昇中。

 2.9%クーポンの普通社債は、1999年夏に86円を割り込んでいた(額面100)が、その後一貫して上昇(利回りは低下)、2000年10月に90円を突破すると、あとは毎日のように上昇し、いま96円を超えてきた。利回りは7%。

 兼松の資金繰りは何度も何度も繰り返すがまったくない。倒産する可能性や確率はゼロです。なぜならば、東京三菱や農林中央がバックアップしているからです。借り入れ枠は今後3年間確保してありますし、保有現金は900億円を超えている。キャッシュフローが毎月黒字。

 兼松のボンドイールドが7%なら、株主が求める収益率は9−10%程度。
 来期EPS30円と控えめにみても理論株価の下限は300円。
 ゴールドマンからの大量の空売りはコールオプション付きで貸し手が決算期に返してほしいといえば返す必要があります。信用は大量の売りがでて倍率は大きく買い方に有利です。

 今後の数ヶ月の踏み上げはかなり期待できそうですね。

 大型倒産で急速に心理が冷え込んだ今こそ、つぶれない低位株の相場の始まりです。(大原)

 

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8
2001/12/21 有機ELの質問
両津勘吉

 

 読者の方よりグッドな質問がきましたのでお答えいたします。

【質問】
 東北パイオニアだけが量産蒸着技術において他メーカーよりも「歩留まりの良い」技術を持っているという貴説は,やや強引で余り確たる根拠を示していないように思います。
 開発段階において他社よりも多少先んじている、という事は認めても、東北パイオニアの「歩留まり」がどれほど良いのでしょうか。

【両津コメント】
 某技術者(東北パイオニア以外のメーカー)が試験ラインで有機EL蒸着に果敢にチャレンジしておりましたが、その段階で問題点がいくつか発生。そして量産ラインを導入した段階でどんなトラブルが発生するのか見当もつかないと言っておりました。量産ラインを導入していないメーカーに、量産技術が有り得るのでしょうか?
 歩留まり以前の問題であると考えます。
 東北Pの歩留まりは以下のHPを参考にしてください。
http://ckido8.yz.yamagata-u.ac.jp/pc/main_j.htm

【質問】
「当面は大きなパネルはてがけない東北パイオニア」は「小さなパネル」の量産技術しか今は持っていないのではないのでしょうか。「大きなパネル」の需要もかなり大きいと思います。

【両津コメント】
 大型パネルの需要は当然ありましょう。しかし東北パイオニアは5−6インチ程度までとしかアナウンスしておりません。確かに私達が現状で得ている情報では、有機EL蒸着やCGSとも、大型化は難しいと考えます。

【質問】
 両津さんは自説の優位性について余りに強引に結論に導いている様に「素人目」にはうつります。他の競合メーカーへの考察をもっと伺いたいと思います。

【両津コメント】
 私達は有機ELを手掛けているもしくは、手掛けると思われる企業を広く訪問しております。その際も広報担当者の意見を鵜呑みにしているわけではなく、出来る限り技術者と話をしております。
 私達に弱気なところを見せた技術者や、アクティブパネル蒸着技術はまだ先と言った声も聞かれました。
 これら技術者達の会社名、所属部署、氏名と発言内容を公開すれば、読者の方々も納得されるのかもしれませんが、そんなことは出来ません。また技術は日進月歩で進んでおりますので、私達の取材時より状況が変っており、他社も追随している可能性はあります。
 しかし前回の最後の文面にも書いたように、SELのパテントとCGS液晶を使えることは間違いなく強みであります。私がこれ以上説明するのも何ですから、専門家のHPをごらん下さい。有機ELでは山形大学の城戸先生が有名です。
http://ckido8.yz.yamagata-u.ac.jp/pc/OLEDnews/OLEDnews120401.htm
 ここの最新の有機EL12月号を参考にしてください。

 有機EL蒸着の実際を知りたくて調査を行っておりましたが、お手上げです。仕方なく、電子工学専門の研究者である友人と、元ケミカルメーカーの研究員に相談したところ、協力を快諾してくれました。
 わたしも化合物半導体エピ及び有機EL蒸着のノウハウに興味があり、今後数年間はその勉強を継続しようと考えております。大原さんは、通っている大学の薄膜装置を使うでしょうし、某国立大学が億近産業チームに対し、全面的な協力を約束してくれています。また億近産業アドバイザーの満月さん、よろしくお願いいたします。(両津)

 

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7
2001/12/21 為替相場動向
生涯遊人

 

 125円を超えたことによって、新たな展開が生まれている。

 最近の日本国債のダウングレード、株式の空売り、円の続落と、トリプル安の様相を呈している。
 しかし、国債のダウングレード、株式の下落と異なり、円の下落は経済効果があるために、むしろ好感される場合もある。円安により、輸出企業の業績に追い風、他の諸国との競合品との価格の優位性などが挙げられる。

 またなによりも、デフレを止めろの大合唱のなか、円安は輸入品の値上がりを通じて、物価を押し上げる効果がある。2−3円の円安では効果はないだろうが、10−15円級の円安が暫く続けば、その効果は確実に物価を押し上げるであろう。

 そのために政府は、125−135円レンジの相場を密かに希望しているという話もある。さすがにこのレベルで$買い介入をするわけにもいかず、口先介入により$買いを勧めているという噂だ。

 ファンダメンタルからみても、円は$、ユーロに対して強くなる理由もなくまた構造改革で経済がシュリンクしているのだから円安も当然だといえばそれも一理ある。

 市場のコンセンサスでは、115−125円のレンジが125−135円にシフトし、125円近辺はボトムになるという感じになってきた。
 しかしこの先3月の期末に向けて、不良債権処理に多額のキャッシュのいる邦銀が海外資産を大量に売却して円に戻すために、相当な$売り需要が継続して、それが$のスピードを押さえるという観測もある。

 それとは逆に130円を超えれば、150円までは円安は止まらないという観測もあり、来年の3月までは穏やかな円安が続くのではないだろうか。

 いずれにせよ、暫くは125.00台は底値となる展開が継続するでしょう。(生涯)

 

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6
2001/12/19 大荒れの相場
大原部長

 

  場は悲しいほどの大荒れです。2桁銘柄を狙い撃ちする簡単な手法で大儲け。ヘッジファンドは増殖しています。ことしのパフォーマンスは年間で数十パーセントを上げている人たちがずらりと並ぶ。いま、金持ちはそういうファンドを求めているようですね。

 どんなに収益をあげても、バランスシートが脆弱であれば、信用不安が起こる。経営者が株価にあたふたし、従業員の士気が下がる。取引先が不安になる。人間の弱さと凶暴さがよく現れているのが今の市場でしょうか。

 さて、少年の凶悪事件が起こるといつも、「いまどきの子どもは喧嘩するとき、手加減がわからない」などと新聞などに論評されます。浮浪者を集団で襲撃したり、ナイフで教員を刺したり。そういうとき、昔は、ガキ大将がいて、喧嘩にもルールがあったとか。そうでしょうか?実は、いまは大人も喧嘩のルールがわからなくなっているんじゃないのかなあ、などと考えてしまう。

 経営者がどんなにがんばろうが、財務状況が悪いというだけで殺しにかかる。組織がどんなに頑張ろうが、そこで働く人々がどうなろうが、不安を煽って、相手の息の根をとめるまでやってしまう。その行為は、本当に「市場原理」なのだろうか。

 相手が一番つらいときに、刃を向けて襲い掛かかる。結果として、よい運用成績を上げて、社会の新陳代謝を促進していると言い張る。それは、「あいつが間抜け。悪いからしょうがない」と、うそぶく少年たちとどこが違うのでしょうか。

 わたしは筋金入りの市場主義者(民間でできることは民間でやりたい人=小さな政府支持)です。しかし、いまの市場は間違っている。市場は人の失敗をたしなめることはできるが、今回は、一族郎党まとめて虐殺するような残忍さだけが目につきます。

 市場本来の効率的な資金配分の領域を逸脱しています。市場自体が市場を否定している。こんな恐ろしい市場には、誰も起業はできない。

 マスコミは自分だけが売れればよいと思って、あることないこと書きたてる。とくに週刊ダイヤモンドや東洋経済は雑誌としての質が悪すぎる。財務内容が悪い企業を悪いというだけで、不安心理をあおり、必死に弱点を是正しようとしている人々の努力を無に帰そうとしている。編集者たちは、自分の子どもに「弱者は徹底的にたたけ」と教えているんですか。

●市場は間違えるが、その間違いに気が付くはずです。間違いに気が付くことができる。それが市場のとりえです。
●市場参加者のみなさん、商社、金融機関、流通会社、建設会社は借金を必ず必要とする業種・業態なんです。彼らは日本に必要な会社です。資金繰りを必要とするビジネスなんですよ。そこを締め上げて、どうだといわんばかりの態度は大人気ない。
●社会は、人間に必要なものだけで成り立つのですか?必要とはなにか。今は不要だが10年後に必要になるものは必要なものといえるのだろうか。10年後にも不要だが20年後に必要なものはどうなのか。人間にとって不要だが地球にとって必要なものはどうなってもいいのだろうか。

 まだまだ、2桁銘柄を売れば儲かるでしょう。残念ながら。まだまだ売れば下がる銘柄は沢山あるでしょう。だからなんなんですか。まだまだ儲かりますよ。おめでとうございます。
 いい加減、日本の市場には頭にきます。
 市場主義者さえ、市場に愛想をつかす。日本の現状は、本当に情けない。

 

【怒りが爆発 週刊ダイヤモンドに抗議】

 銀行は、担保さえ売れれば、破綻懸念先で懸命に再生のために働いている人たちがどうなってもよいのだろうか。
 銀行は、破綻懸念先だろうが、そこに残る人々が手がける一部の有望事業をもっと尊重してほしい。

 残る決断をして懸命に働くひとたちの評価がいい加減に働いている人たちの評価より低いわけはありません。人間のモラルややる気を評価できないで銀行業務なんかできるんでしょうか。と、最近の市場動向に対しても、非常に憂えているときにデスクに戻るとなんと机上に「ゼネコン生死の判定」と大きな文字が。

 週刊ダイヤモンドがまたも不安を煽っている。新年特別号というのにちっともおめでたくない。
 抗議の電話をかけてしまいました。「あなたたち!必死にがんばっている人たちが報われるような策を考えなさいよ。毎週、毎週、銀行やゼネコンをたたいて、毎週ですよ!いい加減、購読やめますよ。読む意味がない」
 わたしの電話を不用意にとってしまった人は、なぜかわたしの怒りのはけ口に。ごめんなさい。でもその方は、「そういう電話結構ありました。編集長にも伝えておきます」といってくれました。

 不良債権問題の根本は、将来のリスクに対するリターンを正当に評価できない人が担保権を握っているということにつきます。
 大きく任せて辛抱強く待つという投資のスタンスが取れない。
 貸し付けのスプレットは、深い事業分析から査定されるべきなのに、銀行のアナリストの意見が、貸し付け金利に反映されない。しっかりとした事業運営を行えば、数%のスプレッドなんてどうってことないです。事業家なら5%のスプレッドなら喜んでやりますよ。(大原)

 

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5
2001/12/10 消費者金融サービス研究学会報告
炎のファンドマネージャー

 

 かねてご紹介したおいた消費者金融サービス学会の報告をさせて頂きます。

 初冬の京都、わが母校である同志社大学の懐かしいキャンパスにおいて、12月8日、9日の2日間に渡って開催された。
 澄み切った青空の下、参集された方々は約100名。想定以上にお集まり頂いた結果、資料が足らなくなるという事務当局の嬉しい悲鳴が聞かれるなど、盛況であった。
 実際に学会では多少難しい内容のものもあったが、門外漢である私にも興味深い内容の消費者金融ビジネスの将来を考えるにおいて、有益な発表が相次いだ。今回で2回目の会合であったが、今後3回目以降につながる発表でもあった。

 江夏会長(早稲田大学)の開会の言葉を皮切りに以下のテーマで発表があった。

1.ローンに対する消費者の意思決定要因
  冨田 健司(早稲田大学大学院)

2.消費者金融業界発展の可能性 業界コンプライアンス確立のために
  伊東 真一(奈良県立大学)

3.消費者信用の成長が消費に与える効果
  小森 康博(早稲田大学大学院)

4.アナリストから見た消費者金融上場各社の企業分析 収益の着実な向上で市場での期待高まる消費者金融株
  松尾 範久(株式会社アイリス・ジャパン)

5.消費者の主観的割引率について アンケート調査の結果から
  ヒル間 文彦(早稲田大学)

6.金融ベンチャーによる米国サブプライム市場への参入の意義  90年代におけるアメリカのサブプライムローンと証券化スキームの課題
  堂下 浩(東京情報大学)

7.韓国における消費者金融市場について
  カン チャンヒ(グッドモーニング証券)

8.成熟社会の消費者 消費環境の変化にどう対応するか
  粟田 房穂(宮城大学)

9.消費者金融サービスに係る消費者相談の増加と法的・社会的課題
  楠本 くに代(金融消費者問題研究所)

10.消費者行動と消費者金融サービス
  山本 英二(GEコンシューマークレジット)

 最後に8.9.10で発表された先生を交えたパネルディスカッションがあり、活発な論議がなされた。多重債務問題、過剰融資問題、ユーザーに対する教育、啓蒙の問題、上限金利の引き下げによる影響、消費者契約法の問題などでの活発な討論が繰り広げられた。

 韓国からのゲストを迎えて韓国の消費者金融ビジネスでも、日本の企業が活躍している状況を知って驚いた。何と韓国では日立信販系のA&Oが日本におけるリスク管理のノウハウで韓国企業をリードして急成長しているとの話だ。遅れていた韓国企業の競争力強化が図られない中で、競争力に優れた日本企業が韓国市場をリードしているという。
 また、米国における金融ベンチャーが、サブプライム市場と呼ばれる信用リスクの高い顧客を取り込む市場に参入して淘汰されてきた歴史を聞くことができ、改めて米国の金融ベンチャーの存在を知ることができた。
 勝ち組企業を検証することで、日本でも同様のビジネスモデルが成り立つとのヒントを掴むことができた。

 次回はIT化と消費者金融ビジネスがテーマになりそうであったが、私の報告にも消費者金融ビジネスは新たなビジネスモデルの構築が必要との下りがあったが、これはIT化がこのビジネスを大きく変えていく可能性を示唆したものであった。

 教育問題に関しては、基礎教育からのアプローチが株式投資と同様に経済全体を学ぶ格好で必要なのではないかと痛感。モラルの構築、経済の仕組みを知って自らベンチャーを起こすような気運、リスク、リターンを算数と絡めて教える必要が基礎の段階から必要ではないかとの思いがした。問題はこうしたコストを誰が払うのかであるが、証券会社や銀行、消費者金融会社などが一体となって取り組むことが望ましいのではないかと思った次第。

 もちろん億の近道もそうした経済知識や投資の基礎知識を啓蒙する役割の一端を担えれば良いかと思う。なお、上記発表者の中に私が入っていることは既に気づいておられるかと思うが、今回、アンケート調査にご協力頂いた方々にはこの場を借りて深く感謝申し上げたい。(炎)

 

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4
2001/12/10 キャッシュリッチなディフェンシブストックとしての食品株に注目
炎のファンドマネージャー

 

  信用リスクが再び高まってきたことから、投資のポイントとして財務内容に優れたキャッシュリッチな企業を評価する必要が出てきた。

 大方の日本企業が、返す当てもないような有利子負債をたくさん抱えて非効率な経営を行っており、この条件にあった企業がうまく見出せるとは限らないのだが、スクリーニングすると結構面白い銘柄が見出せる。
 これらはディフェンシブな色合いが強く、業績の急速な伸びは期待しにくいが、株価の下値は堅く着実な推移を辿っているものが多い。株価が下がってくればM&Aの候補にもなるし、自社株買いの公算もあるので株式市場が低迷する際においてこそチャンスがあると思われる。

 今回は食品セクターの中から、期末現預金50億円以上を有している代表的な銘柄をピックアップしてみたので参照願いたい。

●ダイドードリンコ(2590・時価2260円) 時価総額345億円
 業界3位の缶コーヒー販売会社。売上の9割が自販機からのもので、設置台数の増加から今1月期は17%の経常増益を見込む。
 本年8月の上場後、株価は公募価格2120円を下回ることなく推移。このところの株価は低落傾向にあるが、無借金経営で現預金143億円を有していることから下値は限定的と言える。来1月期末分割期待あり注目。

●ソントン食品(2898・時価810円) 時価総額150億円
 ジャムなど製菓・製パン向け素材食品のトップ企業。家庭用にも強みを持っており、収益は高位安定。ただ、今期は前期に続き6%の経常減益が見込まれ株価は低迷中。ただ、20円配当は安泰。現預金も110億円と豊富で時価総額150億円は割安な水準になってきた。1月安値800円が下値目途。

●明星食品(2900・時価198円) 時価総額84億円
 即席麺の大手。子会社で外食チェーンを展開。前期の連結決算は3.4%の経常減益となったが今期は45%もの大幅な経常増益を見込む。
 EPSは21円。現預金は62億円と豊富で現状時価総額85億円には割安感がある。長期的な株価低迷局面にあるが5円配当の実施。今期連結業績の好転からは200円割れ水準は格好の投資タイミングと見られる。

●フジッコ(2908・時価1157円) 時価総額337億円
 昆布・煮豆・惣菜などの加工食品メーカー。今期業績を下方修正したことを契機に株価は売られ、98年1月の上場来安値に接近中。
 20円配当は安泰で、現預金86億円を有している点からはここから1000円程度までの水準はあるとしても下値は限定的。機能性食品の成長にも期待が寄せられる。(炎)

 

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2001/12/10 お詫び
炎のファンドマネージャー

 

  先日、カブユー(株主優待制度)便りでお伝えした青木建設は、残念ながら会社更生法の申請を行い事実上の倒産となってしまいました。リスクあることをお断りしたとはいえ、誠に残念な結果でありました。

 このように50円割れ銘柄の信用リスクはますます高まっておりますので、十分に留意されて取り組まれることを願っております。(炎)

 

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2001/12/10 M&Aで業容拡大図る元気な企業
炎のファンドマネージャー

 

 企業の成長の仕方には様々なものがあるが、自らの優れた製品開発で消費者の支持を得ながら売上を伸ばして成長するパターンは一般的。開発能力や販売能力に優れた企業が、効率的な成長を図る方法として他社の経営資源を自らの中に取り込みながら成長を図る戦略の一つとしてM&Aは有力であり、株式市場においてもそうしたM&A戦略で成長を図ろうとする元気の良い企業が出てきた点は注目される。

 経営に苦しむ企業は、倒産を避ける意味でも生き残りのために有力企業の傘下に入り、再生の道を探ろうとするし、勢いのある企業は更なる拡大を図るために効率的に経営資源を取り込むためにM&Aによる成長戦略を図ろうとしている。景気低迷の中で、M&Aによる業容拡大を図ろうとする企業に対して大いに注目しておきたい。

 今回はその中でもあの有名な山野愛子(そう言えば、最近聞き覚えのある名前である)さんが創業したグループ企業を紹介しておきたい。

 ヤマノホールディング(7571・ジャスダック・旧かねもり株式会社)は美容業界で有名な山野愛子氏が提唱する「美道5原則」を経営理念とした企業で、積極的なM&Aを軸にして成長を目指している。平成9年のジャスダック上場後は和装・洋装・アパレルの卸を行っている丸正(東証2部)を買収。更に、関西の老舗呉服卸の四菱と資本提携。また、呉服専門小売チェーンの錦をイオングループから譲り受けるなど、M&Aによる有機的な企業結合を実現するための基本原則を実践している。ROI(累計投資回収)を重視したM&Aを実践し、呉服関連市場の市場規模が縮小する中で、2005年のマーケットシェア40%(小売換算)、グループ売上高1000億円を掲げて成長戦略を取ろうとしている。

 また販売管理費の抑制により売上高経常利益率5%以上、ROE20%を目指して今後も積極的なM&Aや事業提携を行う意向である。先日開催された企業説明会の席上で同社の統領(通常企業の会長に相当だがオーナーでもある)である山野彰英氏は、自ら2005年のターゲットについて「今後の戦略としてエクイティファイナンスはストップし、事業拡大のための資金は売上の20%を目途に銀行からの借入金によって拡大を図る。EPSは250円程度に達するだろう。」と熱く語っていた。積極的なM&Aによる拡大戦略は、まだ市場では理解されていない。業績は経常利益こそ大幅な増益が見込まれるが、最終利益は退職給付債務の償却により赤字を予想。来期からは収益の拡大を期待。成長のイメージがまだ一般的になっておらず、市場評価は低いため株価の低迷に繋がってきたが、ビジネスモデルが明確である点からいずれは見直しの対象になろう。(炎)

 

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2001/12/10 JASDAQ市場展望
炎のファンドマネージャー

 

 日経店頭平均は10月後半から高値圏でのもみ合いの動きに入り、その後1150ポイントから1170ポイントでの狭い範囲での変動を続けている。12月6日にNASDAQが2000ポイントを突破してきたことを背景に、一時再び上値を追うかに見られたが、若干ながら下落傾向にある25日線(12月10日現在で1169ポイント)が頭を抑えて、上にもいかない一方で上げの半値押しである1110ポイントと考えられた下値目途にも届かず、気迷い商状である。

 年末を控えて個人投資家からの換金売りが出やすく、銘柄によっては東建コーポ(1766)やみった(7646)のように、突拍子もない下げを演じる銘柄も出てきているが、ほとんどが一寸した需給要因によるものと見られ、ここでは新春を睨んで中期スタンスでの買いを考えるべきところと思われる。

 短期勝負の投資家にとっては換金売りの局面であろうが、中期スタンスならば業績動向の明るい銘柄であれば、格好の買いタイミングになるものと期待される。新春高期待から今後年末から年始にかけ11月7日の高値1197ポイント抜けも想定。テク二カルの動きを見ると26週線は低下傾向を続けているが、13週線が底這いから上向きに転じつつあり、当面はあっても1140ポイントあたりが下値の目途となる一方で、新春相場では1240〜1300ポイント前後への水準訂正を期待したい。

 9月14日から11月9日にかけて見られた上昇局面が訪れるのかどうかであるが、1部市場に見られる値嵩優良株と低位ボロ株とに二極化する流れが見られるのと同様に、割安感の強い人気銘柄や材料銘柄が相場をリードする格好で、日経店頭平均も再び指数的には強い動きを示すと見ている。JASDAQ市場は1部市場のような持合解消による売り圧迫は少ないが、1部市場銘柄が空売り増後の買戻しによる上昇が見られるのに対して、JASDAQではそうした仮需の買い戻しが期待できないことが物足らなさに繋がっていると言えるのだが、一旦物色の流れが見出されると一気に上げが加速されるので、中期スタンスの個人投資家にとっては投資チャンスを伺う局面であろう。

 今週から来週にかけては上記の通り、IPOのラッシュである。その中で、JASDAQではないが、私が本日訪問したテイクアンドギヴ・ニーズ(4331・NJ・公募価格33万円)には注目しておきたい。社長は明治大学出身のラガーマンである野尻氏。まだ29歳という若さであるが、魅力たっぷりの経営者である。ハウスウェディングのパイオニアとして業界初の上場となるが、12日の上場初値は果たしていくらになるのか注目しておきたい。(炎)

 

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