No.
日付
タイトル
執筆者
20
2002/04/26
円高の理由
生涯遊人
19
2002/04/26
三菱自動車
両津勘吉
18
2002/04/23
無料企業健康診療所だより
大原部長
17
2002/04/19
グリーンスパン議長証言
生涯遊人
16
2002/04/19
光ファイバー用のガラスの作り方(2)
海野六郎
15
2002/04/19
頑張れ、ベンチャー企業!
駄洒落商会会長
14
2002/04/16
小説”完全なる投資”からの抜粋
 〜Lycos Club 億の近道 「大原の演習問題」より
大原部長
13
2002/04/16
大原の企業健康診断カルテ
大原部長
12
2002/04/15
同志社大学商学部資格試験講座 証券アナリスト講座”証券分析とポートフォリオマネジメント”に出席して
炎のファンドマネージャー
11
2002/04/12
DVDに搭載されるブルーレーザーはどうなる?
億近産業調査部
10
2002/04/12
システム障害は経営の怠慢?
生涯遊人
9
2002/04/09
外国銘柄紹介 CoWare
大原部長
8
2002/04/08
証券アナリスト講座ガイダンスに出席して
炎のファンドマネージャー
7
2002/04/08
銘柄研究:ユニカフェ(2597・東証1部)
炎のファンドマネージャー
6
2002/04/05
光ファイバー用のガラスの作り方(1)
海野六郎
5
2002/04/05
勝負の分かれ目
駄洒落商会会長
4
2002/04/05
両津のつぶやき:スバルのインプレッサ
両津勘吉
3
2002/04/05
米国経済の死角
生涯遊人
2
2002/04/02
シリーズ キーワード 『従業員の士気』
大原部長
1
2002/04/01
当面の株式相場展望
炎のファンドマネージャー

前月のコラムへ

20
2002/04/26 円高の理由
生涯遊人

 

 最近の円高傾向にふれている理由としては、いくつか考えられる。

1.日本の投資家のドル買い需要の減少。
2.米国の貿易赤字、財政赤字の拡大。
3.米国産業界のドル高批判。
4.中東情勢の混迷化。
5.米国経済への信任の低下。

それぞれについて検証していきたい。

 まず日本人投資家のドル買い重要の減少についてだが、毎年4月には新年度入りによる新規投資と称して、年金資金などからの資金による新たな投資があった。海外投資のなかで外債に占める割合は大きいが、最近この外債投資の手法に変化がみられている。

 ヘッジ付き外債投資と呼ばれるもので、かつては外国債券を買う場合には単純に外貨を購入し、その資金により外国債券を購入していたが、これだと債券の値動きと為替の変動という2重のリスクをとるために、リターンも大きいがリスクも大きかった。
 そのために為替の変動リスクをへッジすることにより、単純に国内債券に投資するように、外国債券の金利をとりにいく投資が主流化してきた。為替スワップを利用するなどして、外貨を購入しないで、あるいは為替の変動を中立化して、国内債と外国債との金利差をとりにいく投資手法を用いている。
 為替スワップを利用することで、この金利差はある程度相殺されるが、リスクを減らした上に、ある程度のリターンを追求できる。
 日本人投資家の体力が消耗して、大きなリスクに対して敏感になっていることが、このような投資手法を好む理由にもなっている。

 2、3の米国貿易赤字の拡大と、米国産業界のドル高非難は、今年が中間選挙の年であることを考えると、ブッシュ政権も無視できない。
 いまのところ米国経済の復活による輸入の拡大という良い面もあるが、このまま貿易赤字が拡大していった場合、秋の選挙前には、政権にとってはかなりのプレッシャーになるだろう。
 鉄鋼のセーフガード発動、京都議定書からの離脱など、もともとブッシュ政権がクリントン政権の金融界寄りと異なり、産業界寄りであることを考えると注意しなければならない。
 このことがすぐにドル安政策の変換には結びつかないが、また小泉政権とブッシュ政権の親密さを考えると日本に対する過度の為替政策の要求とはならないとおもうが、一応さらなるドル高に対する牽制となるのではないか。

 ブッシュ政権は安全政策面で日本との協調を重要視し、日本の経済政策に不満があってもとりあえず安全政策面のため日本に対し過度の要求は控えている。これは、財務省主導のクリントン政権と異なり、チェイニー、アーミテージ、ライスなど国防省、国務省主導のブッシュ政権の顔ぶれをみると当分変化はないだろう。

 このことを考えると、塩川財務大臣の130−135円の相場発言は、日米ともにそのレベルがいまのところ心地良いレベルということではないだろうか。
 日本としては、125円以下の円高は困る、米国としては中間選挙前に135円を超えていく円安は困るということであろう。

 中東情勢の混迷化による米国の指導力の低下、また先週のグリーンスパン発言による、米国経済への100%信頼できない状況も、さらなるドル高に対する足かせとなっている。

 先週のこの欄でも述べたが、個人消費主導による米国の景気回復が、在庫調整を進め、さらに新規の設備投資というメインエンジンに火をつけなければ、力強い景気回復には至らないとグリーンスパン議長は述べている。

 この先設備稼働率の上昇があり、新規の設備投資が拡大するまでは、まだドル信任とはならない状況が続いていく。(生涯)

 

このページのトップへ

19
2002/04/26 三菱自動車
両津勘吉

 

 ホンダさん頑張ってますね。最近の株価は停滞気味でしたから、今回の決算及び見通しを受けて来週はきっと強含むことでしょう。

 さて、今回は2つの自動車メーカーについて簡単にコメントします。

 まずは三菱自動車。ダイムラー出身者が社長にいよいよ就任。この方は技術屋ではなく、なんでもブラジルの事業を改革した方とか。管理+ブラジルと聞くと日産のゴーン社長を思い出します。ゴーンさんも非技術屋でミシュランブラジルを建て直したのだ。
 その新社長就任後に三菱のトラック事業を分離し、三菱及びダイムラーの合弁で、米国販売はダイムラー系ディーラーを使うと先日の新聞に掲載されていた。ついにダイムラーが本腰を入れ出したかと、やっと重い腰を上げた私でした。円安効果だけを狙う短期トレーディングは大嫌い。三菱とマツダは所詮その部類と割り切っておりました。
 しかしながらあの新聞記事はダイムラー側からのリークでして、詳細は煮詰まったわけではない、但し方向性は見えてきたという印象です。でも三菱自動車に飛び付くには少し早すぎる、もしくは安易すぎるという印象。

1)前期は国内市場でエアートレックやekワゴンを投入。今期はコンパクトカーを出す予定だが、ここはトヨタ、ホンダ、日産の各社ともメチャクチャ力を入れているところであり、ターゲット層と価格帯の設定が非常に難しい。特に日産のように自社製造で軽を持っていないところはアグレッシブな戦略を取り易いが、三菱の場合は軽を持っている。90万円台をメインにすれば地域によっては自社の軽自動車とカニバリ(共食い)が発生する。このプラットフォームは新型。

2)米国では昨年ランサーを投入。今年度は日本の現行モデルのランエボのマニュアル仕様とエアートレックを投入。

3)欧州は今年にエアートレック及び他に若干投入するかも。

 つまり、今年度は目立った新型車やモデルチェンジが大してなく、向かい風の吹く中でどうやって台数を伸ばすかが大きな課題。北米は台当りインセンティブが増えないとしながらも、新車を除く既存車種は大丈夫なのか?フリート率も3割横ばいというが…。
 但し、来年度からは投入数が増加するため、この1年間が問題である。

 次にトラック。先行きは排気ガス規制強化による買い替え特需が発生する時もあろうが、その前に小泉政権であり続ける限り、公共投資及び補正予算に期待は出来ず、トラック及びダンプは望み薄。しかも利益の源泉は国内市場にあり、先行きはどうなるのか? 
 三菱トラックの工場稼働率は約7割弱。基本的に国内で作って国内外で販売(一部の国では日本からパワートレインを持ち込み組み立てを行っている)。
 課題は海外での収益アップ。欧州で小型のキャンター(1.5〜2トンクラス)、北米で小型、中型を販売拡大する計画。しかし現実には利益の美味しいところは大型、中型、小型の順であり、三菱にしてみれば大型を売りたいところ。だがダイムラーは大型トラックで有名な企業。トラック事業は98〜99年度にかけてリストラを実施したため、ターンアラウンドでのコストカット15%計画には含まれておりません。

 国内のトラック企業は4社。丁度1社分だけ製造能力が過剰となっており、どこか1社倒産し工場閉鎖すれば、他の3社はフル稼働となり営業利益率は高まります。

 日産自動車の内示&辞令が4月の頭に発令され、社長以下、担当者レベル数名が日産ディーゼルに出向となりましたが、これは非常に重要な意味があります。
 今までは宙ぶらりん状態でしたが、日産ディーゼルの状況把握のため精査に入ったと考えます。精査といっても前向きの精査で、それだけ日産自動車に余力が生じ、日産ディーゼルの再建に前向きになったといえるでしょう。だからといって安易に飛びついては(株を購入)ダメです。きちんと不良債権を把握した上で銀行とのやり取りが始まり、膨大な借金と不良債権をどうするかが焦点。
 減資かデットエクイティかわかりませんが、何らかの事はやりますでしょう。

 話を三菱に戻します。ターンアラウンド計画で営業利益率を4.5%とするとコミットメントしておりますが、日産と同様に売上高は目標を定めておりません。足元の決算では売上3.2〜3.3兆円ですから単純に1440億円〜1500億円。仮に売上が3兆円に低下したとしても1350億円となり、これが果たして最終年度である来期に達成できるものでしょうか?
 しかもその計画のもとの為替レベルがイマイチはっきりしておりません。私は現状得られる情報からは4.5%達成は不可能。新社長はターンアラウンド計画を見直し、若干のトーンダウンの可能性があると考えます。

 上述の新車モデルも考慮すると、第2の日産を想像した上で三菱へ投資するのは時期尚早ではないでしょうか(短期トレーディングの方はどうぞご自由に)。

 三菱の最大の欠点は経営と三菱バッジ。経営はダイムラー流になればまだ良いですが、けれど三菱グループに居る限りは他の三菱グループ御老体からの横槍もありましょう。また三菱バッジを付けている限り、三菱という名の甘えやブランド力を意識した社員がいる事でしょう。この高いプライドを持った社員が多ければ多いほど、三菱自動車再生の足を引っ張ることになりましょう。

 日産との違いはここにあります。日産の場合、財閥ではなく頼りにしていたIBJ(興銀)や芙蓉系の体力が消耗し、もう後が無い状態になってしまい、社員はゴーン氏の描いた構想を実行に移す以外方法が無かった。危機感は非常に高かったわけである。

 また三菱自動車のブランドは高くありません。確かに走り屋のモルガンスタンレーの平形さんや私など、走りに興味のある人間にとっては良い車ですが、私達はスバルの技術者が曰く「カルト層」でして、一般には評価されません。かつての日産と同様です。

 ダイムラーが社長を送り込んで、改革が成功するか? 楽しみにしております。

 次は日産のマーチについて。

 マーチが売れているらしい。親日産派の私にとってはポジティブな話で大いに結構なことだ。だが、今回は辛口のコメントを一つ。

 1週間で25000台の受注でビッツやフィットを上回った。すごいね〜。しかしながら自動車メーカーってのは新型車を○月○日発売とかいっているが、実際はその前から受注活動しているもの。これはトヨタもホンダも皆やっている。初期受注に惑わされては絶対ダメ。あくまで何ヶ月かして落ち着いたときに安定的にどの位売れるかがポイント。

 しかし今回のマーチの受注や他マーケティングは以前の日産では出来ない芸当ですね。さすがルノー経営者。こういう繰り返しがほんの少しづつ積み重なってブランド力になっていくものです。

 マーチのプラットフォームは重い?
 セルサイドアナリストがCだったか忘れたが、マーチのプラットフォームが重いと言っていた。私はプラットフォームのことはわかりませんが、ビッツ、フィット、マーチの各々売れ筋を比較しましょう。

 
排気量
パワー
車重
燃費
マーチ12C3ドア
1.24L
90/5600
890Kg
19.0
フィットW
1.34L
86/5700
990Kg
23.0
ビッツ
1.30L
88/6000
920Kg
18.0

 実は売れ筋クラスではマーチが一番軽く、意外なのはフィットの重たさ。フィットは排気量がマーチよりあるにも関わらず、走りがマーチより下なのはこの車重が原因。しかしマーチとフィットのみの比較だけだが、燃費はマーチよりフィットの方がはるか上らしい(上記データではなく実際の走行で)。

 マーチは独身OLをターゲットにしておりますが、なぜかパワー志向。OLなら燃費を前面に打ち出してくるのが本筋ではないかと思いますが、日産ではパワーだと言っている。これって矛盾しない?
 では譲ってパワー重視が販売台数に直結するとしよう(たかだか2−3馬力の違い)。しかし実用燃費は1リッター当り2−3キロメートルもフィットの方が上とのデータもあるが、これはどう説明するのか?
 日産マーチは排ガスが超低、一方、フィットは優低だが、この排気ガス対策が燃費面には然程影響はないという。日産は車重が重いといっているが、現実には上記モデルは軽い。だとすればたかが2−3馬力の為に燃費2−3キロを無駄にしているのか?

 パワステの評価も良くない。日産では最小回転半径4.4メーターをうたい文句にしているが、やたら低回転時に軽く、電動パワステの悪いところが出ていると言う(操舵感やノイズなど)。
 なにも電動パワステメーカーが悪い訳ではない。むしろ日産とパワステメーカーの間での熟成不足が生じているのであろう。マーチは何が何でも前期末発売が一番の課題であったらしいですから・・・。

 日産よ もっと良い車を期待する。(両津)

 

このページのトップへ

18
2002/04/23 無料企業健康診療所だより
大原部長

 

 お待たせしました。お入りくださいな。

◆三菱マテリアルさま(5711)◆
 時価総額     276000
 OP予想(OPM) 30000(3%)
 ニュース      下方修正
 過去の業績     ×
 従業員数      25000
 自己資本(比率) 213000(13%)
 業態       精錬&電気材料
 第一印象     ☆☆☆

で 症状は?

「株価も堅調ですから一応健康診断をと思いまして」

診ましょう!
あれ? おかしいぞ。
自己資本比率が13%しかないですね。

もう一度測定しましょう。
あれ? やっぱり13%ですね。
ビタミン不足ですね。

技術力は?

「一応 なんでもできます」

うそ! すごいじゃん。
じゃ、シリコン ウエハーつくってみてよ

「はい。リクエストにお応えします。出来ました! お茶の子さいさい こんなもんです」

心がこもっていませんね。
もう一度つくってみて!

「こんなもんでしょうか」

うーん。何か違うんだよなー

一番得意なものは?

「うーん。なんでもできますよ!ぼく天才?」

うーん。なるほど なるほど
…わかりました。

診断結果: 器用貧乏ですね。

診断: もう少し 得意な分野を極めてからもう一度くるように

☆☆☆ ⇒ 期待料込みの評価ですから、期待を裏切らないように努力しなさいよ
 がんばってね。

お大事に♪(大原)

 

このページのトップへ

17
2002/04/19 グリーンスパン議長証言
生涯遊人

 

 今週17日に、グリーンスパンFRB議長が議会で定例の証言をおこなった。その要旨は次のようなものだ。

1.インフレ期待は低い、将来の景気拡大局面でも、インフレ封じこめに十分な政策調整の機会を持つ(利上げに慎重)。

2.米国経済は過去半年驚くべき強靭さを示した。しかし景気回復を見極めるために、最終需要の動向を注視すべきだ。

3.在庫調整が景気回復をリードしたが、在庫投資の押し上げ効果がなくなる前に、最終需要が立ち上がらないと景気回復は短命に終わる。

4.個人消費と、住宅投資は堅調を保ってきたが、ここからは、家計部門の押し上げ効果は限られるだろう。家計の負債も懸念材料として残る。

5.最近の原油価格上昇で向こう数ヶ月は消費下支え効果は弱まるだろう。

6.住宅市場の一部でバブルが始まっている可能性はあるが、全国的なものではない。

7.半導体分野などで設備投資の回復はあるが、過剰設備を抱えた分野では低迷しているため、全体としては、企業の設備投資は緩やかに回復するだろう。

8.日本経済は深刻なデフレ圧力にさらされているが、安定の兆しも示し始めた。世界経済が明るい方向に向かえば日本の不況は世界経済にとって重大な問題とはならないだろう。

 FRBは3月のFOMCで政策運営方針を、それまでの景気配慮型から中立型に変更しているために、いつでも政策変更が可能で、実際、持続可能で底堅い景気拡大が視野に入ってきた時点で政策変更を行うとしている。
 また企業部門の回復の判断には、2−4ヶ月かかるとしていることからも、6月利上げ説は可能性が低くなり、8月以降の利上げの可能性が高くなってきた。

 グリーンスパン議長が3と4で述べたように、景気回復のシナリオとしては、
1.個人消費、住宅投資の堅調(すでに起こっているが息切れ気味か?)
2.それによる在庫調整の進展(進展中)
3.在庫調整の終了後に、新規の設備投資の進展
4.設備投資の拡大により、最終需要を押し上げ本格的な景気拡大

 このサイクルが景気拡大のステップであり、現在は2が終了して3が始まったところなのか、あるいは3が進展しているのか判断に迷うところだろう。
 3の設備投資が本格的に認められた時点でFRBは政策の転換をするのではないかと思われる。
 そのためには、鉱工業生産、設備稼働率などの企業活動を示す指標に良い数字がでるかどうか注目する必要がある。
 3月の設備稼働率は、75.4であったが、前回FRBが引き締め政策を取ったときの平均が82以上であったことが参考になるだろう。

 またこの日は、2月の米国の貿易収支が発表された。
 これによると、赤字額は、315億1200万ドルで前月比+11.6%、2ヶ月連続の拡大となった。
 米国の内需回復により、自動車および自動車部品の輸入が増えた。

 貿易赤字の拡大、グリーンスパン議長の米国経済の見通しなどを受け、ドルは軟調に推移し、ユーロは0.8900台乗せ、$円は129台後半から130前半あたりの水準まで売り込まれている

(生涯)

 

このページのトップへ

16
2002/04/19 光ファイバー用ガラスの作り方(2)
海野六郎

 

 駄洒落商会会長です。

 海野さんより、原稿をいただいております。海野さん、有難うございます。


【光ファイバー用のガラスの作り方(2)】

3)VAD法(the method of vapor phase axial deposition)

 日本人が考え出したと言われる光ファイバーの製造方法です。何も無理してEnglishでの略称をつけなくても良いものを・・・。日本語では「気相軸付け法」と言われています。

●ガラス粉集合体を作る。
 石英ガラス製の種棒の先端を、酸素水素火炎を当て加熱し、火炎中に、原料である帰化させた四塩化ケイ素と四塩化ゲルマニウムを吹き込みます。
 火炎中では、加水分解反応が起こり、ガラス粉が生成されます。このガラス粉は直径0.1μmと極めて微粒子であり、種棒の先端に徐々に付着していきます。こうして種棒の下方にガラス分が貯まっていくと種棒を引き上げ成長点を一定に保ちます。これを続けていくと、種棒の下方にガラス微粒粉の集合体が形成されます。
 この時の反応は、
   SiCl4+2H2+O2 → SiO2+2HCl+Cl2
   GeCl4+2H2+O2 → GeO2+2HCl+Cl2
 です。
 ガラスの屈折率は、原料の濃度分布と火炎の温度分布で制御されます。

●脱水工程
 酸素水素火炎中での加水分解反応のため、ガラス微粒粉の間には、酸素と水素によってつくられた少なからぬ量の水を含んでいるため、このガラス微粒粉集合体を加熱し、水分を飛散させます。

●ガラス母材の透明化
 次に、更に高温にガラス微粒粉集合体を加熱しガラスを融かし、ガラス粉同志をくっつけます。こうして、中心に屈折率の高い部分を持つ円柱状の透明な石英ガラスが作られます。
 これまでは微粒粉の集合体だったものが、空孔部がなくなるために一気に嵩が減ります。

●さらにガラスを太らせる
 こうしてVAD法によって作られた光ファイバー用ガラスロッドは、そのほとんどが光が通るコア部分です。その周囲のクラッド部分を付けてやらなければなりません。製造されたガラスロッドを延ばしてやり、それを溶融石英で作られた石英ガラス管の穴の中に入れ、それを高温炎であぶり一体化させます。
 VAD法では、原料ガス中ののGeCl4の濃度と、酸素水素火炎の温度によって、生成されるコア部になるガラスの屈折率制御をしますが、これが非常に難しく、当初はコアの中心部分が屈折率が高く、周辺部に行くほど屈折率が低くなるGI(Grade Index)型のマルチモードファイバー用のガラスロッドを作っていましたが、今では全く放棄されました。
 VAD法は、コアをなるべく細く作り、その周りにSiO2だけのクラッド部を付けていく方法が効率的な生産が可能であり、シングルモードファイバー専用に用いられています。

 こういう種棒の先にガラス分を堆積させていく方法は、突然出てきた発想ではありません。単結晶の製造に、ベルヌーイ法(Verneuil method)という方法があります。これは、酸素水素火炎中に粉末原料を一定量ずつ落下させ、融解して耐火支持棒上に堆積させていく方法です。人工ルビーや人工サファイアなどの単結晶は、このベルヌーイ法で作られます。
 光ファイバー用のガラスを製造するVAD法も、このベルヌーイ法がヒントであったろうと、私は想像しております。

(次回予告) 光ファイバー用ガラスの量産
(海野)

 

このページのトップへ

15
2002/04/19 頑張れ、ベンチャー企業!
駄洒落商会会長

 

 駄洒落商会会長です。

 小泉内閣も発足以来1年が経ちました。何もかも「虚無的」(死語?)になりがちな情勢が続いていますが、営々と自助努力を続けておられる方々が少しでも報われてほしいものと思っております。

 本日は、以前にもご紹介しました友人の経営コンサルタント二条彪氏が4月25日に2冊目の著書を出されることをご報告したいと思います。
 タイトルは「社長の勘違い 25の落とし穴」です。(出版社は論創社 税込価格1575円)
 「億近」のスペースを使って宣伝を行なうようで恐縮ですが、中小企業、ベンチャー企業を経営される方々に是非参考にしていただければと思います。本日は、書中で取り上げられている「25の誤算」を簡単にご紹介しましょう。

●経営戦略・営業活動に関する誤算
社長の誤算 その1 「ライバルを意識して失敗する」
社長の誤算 その2 「関連会社を作って失敗する」
社長の誤算 その3 「ITに投資して失敗する」
社長の誤算 その4 「オリジナル製品を作れず失敗する」
社長の誤算 その5 「無駄な販売促進をやりすぎ失敗する」
社長の誤算 その6 「会社の売却のタイミングを誤り失敗する」
社長の誤算 その7 「固定客のお客様に頼って失敗する」
社長の誤算 その8 「業態開発で失敗する」
社長の誤算 その9 「営業より管理を強化して失敗する」
社長の誤算 その10「アイデアを育てられずに失敗する」
社長の誤算 その11「親族と争って失敗する」

●人材に関する誤算
社長の誤算 その12「優秀な社員の退職を止められず失敗する」
社長の誤算 その13「人の好き嫌いが激しく失敗する」
社長の誤算 その14「社員教育を怠って失敗する」
社長の誤算 その15「福利厚生を充実して失敗する」
社長の誤算 その16「従業員とのコミュニケーションが不足して失敗する」
社長の誤算 その17「人手不足を最後まで解消できず失敗する」

●お金に関する誤算
社長の誤算 その18「必要もないのにお金を借りて失敗する」
社長の誤算 その19「会社に個人のお金を投入して失敗する」
社長の誤算 その20「節税と思い収益に関係のない費用を増やして失敗する」
社長の誤算 その21「銀行に頭を下げられず失敗する」

●社長の言動に関する誤算
社長の誤算 その22「なんでも自分でやってしまい失敗する」
社長の誤算 その23「体調管理が上手くできずに失敗する」
社長の誤算 その24「付き合いが悪くて失敗する」
社長の誤算 その25「学ぶ姿勢がだんだん無くなり失敗する」

(駄洒落)

 

このページのトップへ

14
2002/04/16 小説”完全なる投資”からの抜粋
 〜Lycos Club 億の近道 「大原の演習問題」より
大原部長

 

 (*掲示板「大原の演習問題」に書き込んである「完全なる投資」は33回を数えましたが、基本的に、わたしのアナリストとしての日記です。一応、フィクションですが…)

〜瀕死状態〜

日本の半導体産業が瀕死状態に陥ったのは、グローバルな戦略が皆無だったからだった。

設計のあり方、製造のあり方という基本となるべき「べき論」がされなかった。
半導体に従事する当事者は危機感をもって何度も警鐘を鳴らしていただろうが、経営者には理解できなかった。
組織の官僚制度が極まった。
巨艦は、ゆっくりとしか方向を変えられない。
中国に進出して25年にもなる総合電機メーカーが、25の細かいジョイントベンチャーを抱え、細々と対中ビジネスをしている間に、この数年で、台湾や香港からの中国への移住が本格化していった。
たとえば、上海の日本人社会は2万人だが、台湾人社会は、40万人を超えた。

日本の産業史において、これほどの敗戦は過去に例を見ないだろう。
グローバルという視点でお互いの補完をして急成長している台湾と中国と米国。
日本のかかわりはあまりにも薄く臆病すぎた。
アジアのリーダーとして日本が振舞うことは一度としてないまま、戦後の60年が過ぎようとしている。

アジア諸国民の反日感情は大きな改善を見せなかった。
アジア諸国は、自国民の団結のツールとして、日本を標的にしてきた。
反日感情を煽ることで、国民の目を外に向けることが可能になる。
それは、米国や中国の常套手段ではある。
それがわかっているから、日本は惰性的にアジアに譲歩を続けてきた。
しかし、金銭的な援助もボランティアの頑張りも、国家レベルでの正当な日本の評価につながらない。
本来別々なはずの2つの概念があいまいなまま結合している。

 明治以降の覇権主義と古来日本の文化が不必要に結びつき、国家と右翼という異質なものが、戦後の日本人の中で融合してしまった。
国家というものさえ、しっかりと定義できない国が、グローバルで主導権をとれるはずはなかった。

国家が私企業に恩恵を与える場合、それは予算を通したものであり、予算は国内事業と同義であった。
電力や通信などのインフラは、採算性に国家のチェックが入らなかった。
そこで、努力せずとも食べていける環境が提供された。
銀行が大量に貸し出し、インフラのために膨大な設備投資が決行され、そのための部材やシステムが、べらぼうな利益率で部材メーカーを潤し、それが政治に還流して、国家の道楽を支えた(国民の犠牲のうえに)。

みずほが過剰にNTTに貸す、NTTが過剰な性能のものをNECに要求する、馬鹿高い設備をNECがつくり、膨大な利益を得る。
NTTはべらぼうに高い通信費を設定する。
みずほは過剰な貸付から余剰な人員を擁し、天下りポストをNTTとNECに要求する。
NECは下請けにポストを要求する。
NTTは過剰な天下りポストを国に要求する。
国は予算をNTTのためにぶん取ってくる。

そういうことのために議員がいて、なぜか、NTTやNECというのは、「政治屋」と運用業界から皮肉をこめて言われている。
どうして、あの程度の製品が、あんな値段で売れるのだろうか?
そういう目で外国は日本市場を見る。
おかしいんじゃないのか −
米国が口出しをする。
米国企業なら半値で提供できると、自信満々な表情で。
日本は鎖国を続けてきた。
外国の圧力あり、明治維新のときのように、市場が開放された。
そして、国家の道楽は終わった。
 Party is over −
そのとき、戦艦企業日本丸にはチャンスは残されていなかった。
その代わり、中央政権や政治の腐敗から、離れて、自らを律していた、多くの企業に、ようやくチャンスが巡ってきたわけだ。

〜王の相談〜

王様がいった。「水を民に分け与えよ」
商人がいった。「膨大なお金がかかります」
業者がいった。「設備は万全なものが用意できます」

王は続ける。 「公共の福祉のためだ」
商人が続ける。「何千億円でもその価値がある」
業者は続ける。「1000年の使用に耐えるものが作れる」

王は利権を、商人は金利を、業者は儲けを。
このトライアングルは完全に見える。
トライアングルは大きな円を描く。
円は年輪のように年月を経て大きくなる。

みごとな円じゃ − 
王は喜び、商人は満足し、業者は肥える。
次は橋、次はガス、次は鉄道、次は高速道路、次は空港、次から次へと円は外向きに膨らんでいく。
経済学者が誇らしげにいう。
成長は続く −

完全なる円の中で投資が行なわれる。
商人は資産を増やし、業者は利益を蓄積する。
王は自らの負債を国民へと分け与える。
国民は貧しいままだ。
国民が犠牲になる。

業者が商人の株を、商人が業者の株を、王は両者の株を持ち合う。
円の中に、国民がいない。
多数の犠牲の上に成り立つ資本主義が崩壊していく。

ところが突然、外国からの使者がやってくる。
「1000年の使用に耐えるという設備は高すぎる。10年の使用に耐えるものを1/100の費用でお作りしましょう。そして、10年後は、より高度で優れたものを提供させてください」

王は困る。「わしの株はどうなるのか」
外国人は答える「下がるでしょう。1/100の採算性になれば、業者の利益は1/100になり、商人の貸付残高は1/100になりましょう。持合の株は暴落し、円はゆがみながら、原点に収斂していきましょう。渦巻きのように」

王は困り果てる「ではどうしたらよいのか」
外国人は答える「下がる前に株を国民に売りつけるしかありませんな」

完璧なビジネスモデルが逆流し、アナリストは王の味方をする。
わが王国の誇る最強の商人と最強の業者が世界に打って出る −
(わが国最強の商人と業者が、世界最強の外国商人と外国業者と戦えば完全な敗北を喫するということを国民に隠す)

規制緩和 − 
世界市場(国民は、株を買う)そして、インフラコストは安くなる。
1/100の設備に切り替わり、生活費は下がる。
1/100に縮んだ需要が商人を直撃する。
1/100となった利ざやが業者を圧迫し、資産の99%は不良債権化する

株を買わないものが、デフレのメリットを受ける。
王の利益は守られたが、権威は失墜する。
国の形が壊れ、理念なき再建と呼ばれる。
株を買わないものだけが、差し引き得をすることになる。

大衆は、賢いものが生き残る。

何がいいたいのか?
競争力のない国の株は危険である。
いや、何かを囲って、完全に見せても、それは完全ではなく、誰かの犠牲の上に成り立つシステムは、必ず崩壊する。

システムが崩壊する前に、それに気がつくためには、どうしたらよいのか?
消費者の利益と生産者の利益が常識的な範囲に収まっていること。
そして、生産者の生産コストは国際水準と照らして常識的であること。
なんと、それだけのことなのだ!

〜つづく〜(大原)

 

 

このページのトップへ

13
2002/04/16 大原の企業健康診断カルテ
大原部長

 

 先週から無料企業健康診断診療所を開設し、多くの方々にご利用いただきました。この場をかりて 厚く御礼申し上げます。
 診療所では、ちょっとした企業内容のチェックができる体制を整えております。本日は、無料診断所の活動をご紹介させていただきたいと思います。

 こんな形で普段、Lycos Club 億の近道のメイン掲示板で活動させていただいております。
 読者のみなさま、せっかくの折りですから、是非、診療所をご利用ください。

今週から診断結果は5段階で表示されます

☆☆☆☆☆−−− とても健康です
☆☆☆☆ −−− まあまあ健康です
☆☆☆  −−− 少し不安な点がありますが大丈夫でしょう
☆☆   −−− 精密検査を受けてください
☆    −−− 即入院

【本日の来客者】

コード
診断結果
1.星和電機さま  6748 ☆☆
2.富士機械さま  6134 ☆☆☆☆
3.コマツ電子さま 5977 ☆☆
4.東海観光さま  9706

               

 

 


【星和電機 (6748) ☆☆ 】

さっそく、お越しいただきました。

症状は?
「最近、目が青くなってきました」
青色LEDですね。病気ではありませんから大丈夫です

 もともと表示機メーカーですから、半導体基盤などの製造技術はありません。パッケージングといって、ウエハーから個片を切り出したあとの、電極やランプ化する際の工程は設計できるでしょう。
 しかし、パッケージングは、表示機などの汎用用途では付加価値をつけることは難しい分野です。
 株価も急騰していますが、やや過剰な反応のように思えました。
 700円までは売ってよいと「感じます」(適正株価は中期的に700円程度かなあ。まあ、短期的には1300円程度はあるかもしれないが…)

●パッケージなど、携帯機器など数量が出るものについては、カスタムな設計力が乏しい。(表面実装型は手がけていないのではないでしょうか。すくなくとも技術面では室外向けのランプLEDの特許しかない)
●特許を回避できるとあるが、経営判断として、早い者勝ちで動いている感じがする
●むろん、ウエハーを提供してくれる第3者があるわけで、力学的に動いている可能性が高い(山勘ですが、ロームが政治的に利用している可能性も否定できない:オフレコ というより、全然ノーアイデアです。)

技術論では、
1)P型作成(特許回避のポイント)特開2001−156003⇒P型基盤の製造は、注意深く読みましたが、日亜の特許を回避できるか確信が得られませんでした。
2)電極配置これはパッケージングで重要ですが、問題なく回避できそう(以上、速読の結果ですから、勉強されている方、アドバイスがあればお願いします)

 星和については、既存のビジネスが衰退していく中での、攻めの経営が注目されます。しかし、現在の株価は、青色発光ダイオードで特許回避=すごい=世の中を制覇?という安易な発想で買っている人もいる感じです。
 星和の販売力、人的資本、財務力、総合的に判断すれば、価格の高いLEDが既存ランプ(しかも道路標示機市場)を置き換えるスピードは7−8年はかかるわけですから、冷静に対処するのが懸命かと思います。
道路標示機の市場規模、内需、技術の内容から見ると、企業の健康診断としては、要注意です。

わたしなら、ここで降ります。
それにしても、連続ストップ高。おめでとうございます。
あっぱれ! すばらしい! うらやましい


【富士機械 6134 ☆☆☆☆】

症状
「昨年から食欲が無く、げっそりとやせてしまった。大丈夫でしょうか??」

(ポイント)
◆基礎診断
◆初診ですから、基礎診断票に答えます。

1.あなたは仕事に専念していますか
  総合メーカー
  ○専業メーカー
 はい 専業メーカーです

2.あなたは当面の生活費の心配はありませんか
 心配ありません (自己資本 80%以上、PBR1倍強)

3.あなたは将来に向けて資格取得など、十分な準備をしているでしょうか
 はい (研究開発費40億円 売上対比9%程度)

うーん。何も問題は無いなあ…

一昨年無理をして食べ過ぎた反動でしょうな…まあ、一年ゆっくりとしたんだからねえ…回復に向かうでしょう。

◆競合関係 市場動向◆

○ライバル 韓国のMirae(MRAE ナスダック上場)の1−3月の売上が2.5倍になっています。
○Miraeの株価:11月1.5ドル⇒1月5ドル⇒4月 3.5ドル
○Miraeの2002年の市場見通し PC生産9%増、携帯電話20−25%増なら売上は2.5倍になるとの見方
○ライバルとの比較

  富士機械 Mirae
PSR 2.3x 3.5x
時価総額 1000億 280億円
相当底値 1510円 1.5ドル
現在値 2090円 3.5ドル
上昇率 40% 130%

◆人気化するかどうか◆

EMSなどの中国シフトの流れ⇒なにか中国関連銘柄ない? あるある富士機械

機械株は高いなあ⇒なにか安いのない? あるある富士機械

ある程度の人気は出るでしょう

◆今までの強さと今後の競争力について◆

これまで⇒速さが重要
これから⇒プログラムの柔軟性
これまで方式⇒ロータリー方式
これからの方式⇒直動軸受?? X−Y軸 (うーん。よくわかりませんが、プログラムの柔軟性からいってどうなんでしょうか?)

ソフト開発⇒重要です

シェアをもっと上げる必要があります。

◆業績シミュレーション◆

四季報3/2003売上予想 45000についてこれはないなあ…600億円はいくだろうなあ営業黒字です。800億円なら60億円の営業利益かなあ。

◆IR◆

前はひどかったけど、いまはどうなのかなあ。

◆診断書◆

○目標株価2800−3000円程度かなあ 山勘です:(想定保有期間1年)
○下値目処?? もう、1700円割れはないかも。
○黒字ならPBR1倍は維持できるはず。

それでは、早く元気になってください♪


【コマツ電子 5977 ☆☆】

で症状は?
「いつもお腹がすいてしまって…異常でしょうか?」

診てみましょう。
なるほど。わかりました。胃拡張ですな。

健康な企業の資産内容と比べてください。

コマツ電子(胃拡張)
信越シリコンウエハ ビジネス(健康な胃)
売上500億
売上2300億円
有形固定資産 600億
有形固定資産 1500−1800億(大原推定)
回転率 0.83
回転率 1.3−1.5

固定費が高すぎますね。
キャッシュフローはプラスになっていますから、つぶれる心配はありませんが。

装置産業でシェアが少ないために、景気循環ごとに大勝負をすることになります。
シリコンウエハーの業界は、メーカーごとに、それほど値段的な開きがありません。
アップアップの下位メーカーを生かさず殺さすできるわけですから、上位メーカーにはよい市場です。

コマツは将来的に確信をもてませんが、サイクルの回復期にあり、短期的な上昇は期待できるかと思います。


【東海観光 9706 ☆】

遠いところをわざわざお越し頂きありがとうございます。

症状は?
「肋骨がすべて折れているのに、働かなければなりません。動くのもしんどいのですが…」
どれどれ
ああ。レントゲンを撮りましょう

カチャ
あっ これですねえ

−−−患部−−−
|従業員34名 |
|売上5億円  |
|損失38億円 | バキバキ
|ROE−30%|
−−−−−−−−−

(痛そう!)

BPS57円も前期EPS−17円で今のBPSは37円
今期も数円赤字だから株価はなんとか30円台で持ちこたえています。
これ以上、無理をすると死にますよ。

売上5億円で営業損失が10億円?
信じられません。
どうしたら達成できるのでしょうか?
いや、ちょっと好奇心から…

不動産開発ですか。
ちょっとまってください。

診療所では荷が重過ぎます。
どこかいいところはないかなあ…

とにかく、今すぐ入院してください。
絶対安静です。

株価は正直高すぎると思います。
入れ物だけが残っています。
中身は私的投資組合のようですね。

上がるかなあ…わかりませんねえ・・・・
わからないけれど、いろいろと次々にやるんだと思います。

わからないです。
わたしならハラハラして眠れないような企業です。
それも一興でしょうかね。

ですから、診断不能としておきますね。
早く上がるといいですねえ。
お大事に♪(大原)

 

 

このページのトップへ

12
2002/04/15 同志社大学商学部資格試験講座 証券アナリスト講座”証券分析とポートフォリオマネジメント”に出席して
炎のファンドマネージャー

 

 証券アナリストとして23年にも及ぶ活動をしてきて、全く初めての経験であるが私の大学時代の恩師からの依頼を受け、4月13日よりの同志社大学アナリスト講座の講師としての大任を拝命されたことで、その第1回目の講義に赴いた。
 これに先立つ4月6日に全体の講座のガイダンスを行った際はわずか9名の出席者でいささか寂しい思いもしたが、13日には22名もの受講生を得て第1回目の講座を無事終えることができた。

 第1回目は証券分析とポートフォリオマネジメントという講座全体の目的と課題について概観したほか、日本の証券市場の構造と特色について考察。実務上の問題やアナリストに課せられた課題などもまじえて180分という時間があっという間に過ぎてしまった。
 終わった後も大勢の受講生から様々に質問を受けるなど、出席者それぞれが驚くほど熱心に聞き入っていたのが印象的であった。
 講義のはじめにそれぞれの受講生に対してアンケート調査を行ったが、ほとんど証券への知識に乏しい方ばかりとのことで、まずは極力平易な内容で説明することに心掛けたが本当に受講生に理解してもらえたかは心許ない。

 卒業を控えた就職先が決まっている4回生は知識として持ちたいとの意向だったし、多くは証券アナリスト希望者であった。
 私に課せられた課題はこれらの受講生に試験合格を目標とするだけでなく、証券市場に対しての理解を深めてもらうことにある。改めて私に課せられた責任は重大と考えている。
 日本の株式市場が低迷する中にあって若い世代が株式市場に関心を持ち、積極的に証券アナリスト活動に従事してくれることは極めて重要である。
 少なくとも同志社大学のキャンパスから22名の証券アナリスト経験者が輩出され、社会に巣立っていく日を私は心待ちにしている。

 私自身も改めて受講生の皆さんと二人三脚で目標成就に向かって頑張りたいと考えている。

 最後にこうした若い世代との交流の場を与えて頂いた杉江先生に感謝申し上げたい。(炎)

 

このページのトップへ

11
2002/04/12 DVDに搭載されるブルーレーザーはどうなる?
億近産業調査部

 

 DVDの規格統一でブルーレーザーが搭載される日が近づきつつあり、前回、松下のGaAs赤外光と日本ガイシのSHGの組み合わせが有望とお伝えしたが、元技術者の方から「それはない」とのメールを頂戴した。
 その後、彷徨いながら多方面から意見を頂戴したのだが、どうもGANの技術レベルがかなり向上している様子。だから松下−日本ガイシの製品が悪いという訳ではないようです。

 SHGの歴史は古く、皆チャレンジしてきたのだが赤色出力を変換した場合の青色出力が低く、満足な出力が得られるSHGを作り上げることができなかった。しかし日本ガイシは持ち前の加工技術でクリアーしたようである。だが赤色のSHGによる変換では決してベストな組見合わせではないのは事実。

 ベストはやはりGaNをベース基板にエピタキシャルを積み上げる構造が一番シンプルである。ところがこのGaN基板を作り上げるのが至難の業で、真性半導体やGaAs、InPのようにチョコラルスキーで引き上げるのは2000度程度の温度と非常に高い圧力を必要とし、とても引き上げられるものではない。かといってサファイヤ基板でレーザーを作り上げるとなると収率がぐっと低くなり、現実的ではないと云われてきた。
 とするとGaNをベースにエピを積み上げるしかないのだが、これを製造・販売している企業がかつてなかった。

 しかし昨年、住友電工が手を上げた。サファイヤなのかGaAs、それとも他の酸化物かはわからないが、この基板の上に厚めのエピを施し、レーザーを当てて剥離しGaN基板を得るという手法。だがこれだとスループットが非常に低くなると想定されるが、それ以上に単価がバカ高だ。
 かなり前の話で2インチ100−200万円もしたといい、現状でも50万円くらいと某技術者は言う。

 LEDの場合、2インチだと約1万枚のチップが得られ、そこで満足に使えるのは70−90%の間の収率。レーザーでもLEDとほぼ同じ程度の面積であるから個数は同程度。しかしながら問題は異常に低い収率。
 別の関係者のコメントで「相当前だが酷いと数個しか取れなかっただろう」と言い、技術レベルが相当改善した現状でも500個から多くて1000個、2000個はどうかな?と言っていた。つまり500個の場合、1個のチップで1000円のコストとなり、更にエピタキシャルのコストが乗っかる。1000個取れるなら500円+α。

 50万円の基板にこの程度の収率では話にならないのが実際のところであるが、先日の日経新聞に新たな参入者が掲載された。丸紅がCPI製のGaN販売に乗り出すという記事。たぶん研究者の方だと思われるがベンチャーを立ち上げ、経理を奥さんに任せ独自のアイディアを製品化したものと思われる。
 ここの企業のGaN基板製造方法は、金属酸化物の上にバッファなしで薄膜を形成し1、0、1、0?(所謂六方晶系なのか?)の結晶が得られるという。(この詳しいことがわからない)
 この製造方法は住友電工より単純な製法で、ステップは半分程度。加えて社長が開発し奥さんが経理担当と、間接コストが低くトータルコストも抑えられるということなのだが、果たしていくらになるか?
 丸紅では単価を決めていないものの50万円では高いとしており、戦略的な価格を提示してくるのだろうか。ステップが簡潔なら結晶の質を問うところだが、CPIによると良質なモノが得られるとコメントをしているのだが…。
 丸紅−CPI製がマーケットを制すると現状では考えませんが、お湯による剥離を検討している住友電工の方が1枚上手か。いずれにせよGaN基板はかなりの進歩を遂げたようです。

 しかしGaNベースのライバル陣も指を咥えて見ているわけではない。サファイヤベースでも良質な結晶が得られる努力が重ねられており、その一つがSiO2を使うやり方。サファイヤ上にSiO2を敷き、フォトリソで溝を形成する。その上にGaNのエピを成長させるのだが、溝から成長するエピはSiO2の高さを越えた時点で横方向に成長し出し、SiO2を覆うように成長する。結晶欠陥は垂直方向に伝達されるため、横方向に成長した結晶は下にある欠陥を拾い難い性質があるという(前述の技術者)。
 サファイヤは導電性でないため上下に電極を配置できなくなるが、各社電極間の距離が短く、またチップ面積が広がらないような配置を考えている。

 最近では欠陥の多い基板でも高出力を得られるようになり、エピ技術がかなり前進してきている。米国クリーがSiC基板で高出力なLEDに成功するなど色々な手法が考えられているが、どの技術者も自信を付けて来ているようだ(しかしSiCはサファイヤよりコスト高なはず)。

 ブルーでどこが利益をゲットするのであろうか?

 日本酸素から「GaNのMOCVDは当社だけ」と聞いていたが、コンペティターもやっていました。
(億近産業調査部)

 

このページのトップへ

10
2002/04/12 システム障害は経営の怠慢?
生涯遊人

 

 10日はクレジットカードの引き落とし日のところが多いことだと思う。
 私の友人は某銀行のシステム障害の影響で引き落とされなかったようだ。私も同じ銀行なので引き落とされたかどうか不安だ。

 日本の銀行の利点の一つに金勘定が正確だということがあったように思える。日本の銀行の場合現場の個々人が優秀なために、そのようなケアレスミスが少ないような気がする。
 逆に外銀の場合、支店の窓口レベルでは(海外の場合)それほどの正確さが期待できない。そのために逆に正確なシステムの構築を心掛ける。単純な現金の処理とか、小切手の処理などは、ミスが起こるものだという前提に立ち、窓口の人間をあまり信用していない外銀(そのために窓口の人間の給料は驚くほど安い)は、コストをカットして全体としてそれなりに運用できるシステムに頼っているように思われる。
 都市部のATMの利便性においては、日本はかなり進んでいると思う。ATMで振込みまでできるし、このことがかえってテレホンバンキングや、インターネットバンキングへの移行を遅らせてしまったという説を聞いたことがある。

 さてこのように優秀な人的資源と、多くの施設をもちながら、それを生かせない日本の銀行は、やはり経営に問題があると言わざるを得ない。
 今回のシステム障害を各新聞の内容から判断すると、技術的な問題は別にして、バックグランドとしては、東京三菱グループのシステムは日本IBM、住友三井はNEC、UFJは日立製作所が担当している。
 みずほ銀行では、それぞれ日本IBM、富士通、日立製作所が3行のそれぞれのシステムを担当していたものを統合することに、3行それぞれの政略が絡み、技術的に困難な局面に立たされてしまい、そのことがシステム障害という最悪の事態を招いてしまったということだろう。

 合併や統合というものは、規模を拡大しそれぞれの長所を高めるために行なわれるはずだが、名前は一つでも、中の会社では3行がばらばらでは、何の意味もない。
 そもそもその哲学からして、この統合は失敗なのではないか、という暗示を与えてしまうような今回の失態であった。
 これがまったく新しいシステムを構築しようとして、あるいはどこかひとつのシステムに統合しようとした結果なのであれば、まだ救いがあるが、過去のものを引きずり、問題を先送りにしたため最悪の結果になってしまったのであれば、先行きは暗いだろう。

 外資系企業の場合、良くも悪くも1−2年のうちに、勢力ははっきりすることが多い。片方の人間は上層部ではほぼ一掃されてしまうのである。そのために規模が大きくなっても意思決定の速度は変らないのである。
 願わくば、みずほ銀行がこのことを教訓として、新しい銀行を早く立ち上げてもらいたいものだ。


【今週為替マーケットで話題になっていたこと】

1.MSCIの見直しにより日本株の引き上げ、外人投資家の日本株買いのための$売り円買い
 これは株式市場の方に聞くと可能性はあまりないとのこと。

2.年金資金の新規投資の資金が外国株、外国債券に向かうため$、ユーロ買いがおこるのではないか
  そのためにマーケットは3月末ぐらいから、外貨の買い持ちになっており、このために、$円が130円近辺まで下落した。(生涯)

 

このページのトップへ

9
2002/04/09 外国銘柄紹介 CoWare
大原部長

 

  CoWare (米国 非上場)の挑戦 (小説 完全なる投資より)
  〜副題 Cでハードを設計する意味〜

【抽象言語C/C++で半導体を設計する】

 日本、米国、中国、台湾、韓国、欧州が激烈な戦いを繰り広げる半導体ビジネス。日本に勝機はあるのだろうか。そう尋ねられることがめっきり多くなった2002年の春。
 わたしたちも、このころには、日本半導体に対する投資額は、欧米や韓国、中国、台湾の半導体産業への投資と比べると寂しいものになっていった。
 世の中は有機的に結び付けあい、相互的に化学反応を起こし、そのどちらもが触媒として、他方の組成を促す、そういうステージがある。
 半導体ビジネスの本質は、覇権争いであり、スタンダードを主張しあい、そのスタンダードを中心として、補完的な業界との力関係が決まってくる。
 日本はソニーや松下などのAVメーカーの踏ん張りが、これまでの蓄積としてある。そのため、日本の半導体メーカーは、セットメーカーに、その基礎的部材を提供できるという恩恵を受けてきた。
 ただし、AV機器は、パソコンや携帯電話のように、買い替えサイクルが短くはない。数量が出ない。
 多くの規格が乱立し、競合メーカーも多い。
 それでも最終製品の設計力が日本に残るうちは、その下位的な存在である日本の半導体各社もビジネスは残るだろう。
 ところが、世の中の趨勢は、ずいぶんと違うものになってきている。
 多品種少量生産を志向する日本の半導体各社は、差別化をテーマに、設計力の向上を目指しているようだ。
 しかし、設計力を差別化しようとする方法論は説得力に欠ける。

 MOSというトランジスタの製造方法と設計力が結びついてしまっている。これまでは、それでよかった。
 MOS製造は各社各様で微妙に違っている。日本メーカーは、そのMOSの微妙な違いを前提としたまま、独自の設計ツールを構築していった。そして、その上流工程である最終セット製品の設計には、無関心なままであった。

 フローは、以下のようになっている。

(顧客側 上流工程)
◆顧客であるセットメーカーがセットのデザインをする
⇒顧客側でセットのアーキテクチャーを決定する
⇒ハードウエアとソフトウエアとの役割を決める
⇒ここでようやく半導体メーカーに話をもっていく

(半導体側 下流工程)
◆ハードウエアで実現する部分について半導体メーカーと相談する
⇒半導体メーカーが設計する(機械語)
⇒製造

 半導体メーカーは下請け的な地位にいることがわかる。

 少量多品種を生産するとき、半導体メーカーは以下の点をアドバイスする。

1)標準品でつくった方がいい場合
 ⇒半導体開発はしない
 ⇒あまりにも少量のケース

2)セミカスタム
 ⇒標準コアに部分的な改良を加える
 ⇒ある程度のロットがある

3)フルカスタム
 ⇒すべてのコアを開発する
 ⇒ロットが見込まれる

 半導体ビジネスのトレンドは、残念ながら、スループットの向上と大口径化と微細化であって、そのいずれもが少量多品種生産にとっては不利に働く。
 チップを開発するために、必要となるフォトマスクは数千万円もかかる。それを乗せるウエハーは大きすぎる。数千のウエハーの露光で終わってしまうなら、開発費用を吸収できない。

 そういうとき、顧客が考えるのは、次の2点である。

1)大ヒット製品(たとえばソニーのプレイステーション2)の心臓部は自分で開発し半導体も手がけたい

2)そうでない製品は、フルカスタムを避けて、できるだけ安くまかないたい

 残念ながら、この2点も、半導体メーカーには不利に働く。

 それならば、ということで、米国や台湾のビジネスマンは、当然の経営判断をすることになった。

◆MOS半導体はより高速、低電圧になる
◆MOS半導体はより多機能を担う(アナログ回路を実現していく)
◆ソフトウエアで処理できる部分がより多くなる
◆標準的な半導体(たとえばインテルのPC向けMPUなど)とソフトウエアの組み合わせがベストになる
◆標準的な半導体を安くつくることが可能になる(ファンドリーと製造装置の努力による)
◆設計だけを専門とするファブレス企業が乱立する
◆インドや中国のマンパワーがソフトウエア人材の不足を補う

 生き残れるのは、5つの分野だけだ。だが、どの分野もそれぞれ専業メーカーが覇権を争っている。

1)最大手スタンダードセルメーカー(ザイリンクスなどのFPGAなど)など、各機能品(MPUやメモリー)のトップメーカー
2)最大手ファウンドリー(TSMCなど)
3)大手設計サポートベンダー(SYNOPOSYS、CADENCE、VERISITY、CoWaveなど)
4)多数のデザインハウス(アナログCMOS⇒Broadcom、SiliconWaveなど)
5)最大手半導体製造装置メーカーと最大手部材メーカー(AMATや信越など)
(番外)多数のニッチェプレイヤー:アナログIC、ディスクリート、パッシブ

 日本は、製造装置で東京エレクトロン、アドバンテスト、ニコンなどが踏ん張っている。部材も強い。しかし、この1)〜4)までをすべて垂直統合でこなそうとした日本総合電気メーカーの入り込む余地はない。
 つまり、中国やインドで開発したソフトは、CADによって、スタンダードセルに変換され、多くの少量多品種を一同に集めた形で、スタンダードセルの需要が爆発する。スタンダードセルメーカーは最先端のファンドリー製造技術を利用して、ファンドリーの操業率を高める。その最先端技術を提供するのは製造装置メーカーである。

 汎用ソフトのMATLABが扱えれば、DSPの設計はできる。物理的な障害は、装置メーカーとファンドリーが解決する。無数のCADサポーターがそれぞれの機能をサポートする。デザイナーは、設計に専念できる。

 これは、単なる、経済原則にすぎない。
 非効率よりは効率的な方がいい −

 分業というのは、それぞれに得意な分野をそれぞれが担うということであり、半導体では、それは設計と製造を分離する必然性をいう。
 その必然性が理解できなかった日本は、ゲームへの参加資格を失おうとしている。

 国際的な分業は以下のようなフローである。

1/5のソフトウエアー技術者の給料で設計し
 ↓
3倍の生産設備をもち、2倍の生産性で装置を動かし
 ↓
1/10の品種を生産する。
 ↓
1/5の税金を納め
 ↓
有り余った利益の一部は、スタンダードセルメーカー、装置メーカー、CADメーカーやデザイナーに還元し、さらなる進化を目指す。

 その循環を1回繰り返し、2回繰り返し、3回繰り返すとどうなるのか。
 はっきりとした結果が出て、日本は敗退した。

 ソフトウエアーが分離すると、その矛先は、セットメーカーに及ぶ。 最終セットの上流工程から、抽象言語が絡んでくる。ソフトで実現する部分が多くなる。すると、どうなるか?

 セットは不要になる。半導体がセットになる。
 これはどういうことなのか。

 ソニーは半導体メーカーになる、いや、ならなければソニーは終わりだ、ということを意味する。
 それは日本の半導体メーカーを恐怖に陥れる。最大の顧客であるソニーが自社で最強の半導体メーカーを志向せざるを得ないとすれば。

【CoWare1996年設立】

 CoWare(米国)は、ARMをサポートするシステムを作り上げている。
 CoWareはHDLとのインターファイスをHDLのCADベンダーと協力してつくりあげた。
 また、多くのシミュレーターメーカーとの互換をとっている。

 社名のCoWaveとは、SoftwareチームとHardwareチームの共同(=Co)作業を可能にさせるという野心で作られた。
 世の中の趨勢が決まった1996年、ベンチャーキャピタルから出資を受け入れた。
 松下や三洋が自社のLSI開発のサポートとしてCoWareを選んだ。

 セットメーカーにとっては、どのようなアーキテクチャーを選択するかということが最大のポイントである。
 異なるアーキテクチャーをシミュレートできる作業環境が提供されれば、ソフトとハードの最適化が可能になり、作業効率が大幅に向上する。

フローは、以下のように変わる

【新しい手法 SoC システム オン チップ】

顧客側=半導体メーカー側
◆セットメーカーがセットのデザインをする
⇒多数のアーキテクチャーをシミュレートし、ハードとソフトの役割を決める
⇒機械語自動翻訳
⇒半導体設計終了

 随分と簡単になる。しかし、問題は山のようにある。それはあえて書かない。というのは、多くの努力を結集すれば、いずれ時間が解決できる問題だからだ。
 そして、これは業界全体のためにもなる。そして、世界の勢力地図からも、この方向になっていく。

 見習うべきは、その大胆な発想である。いや、理路整然とした説得力であろうか。
 このシステムの実現には、時間がかかる。しかし、やらねばならない。顧客が望んでいることは、やりとげなければならない。時代の風が吹いている。そういうときは、誰かが立ち上がらなければならない。

 自分がやらなくて、誰がやるのだ −

 パワーは自分の内からあふれているように見えても、実は、自分を支えてくれる関係者から与えられているものだ。
 そういう気概に燃えているから、仕事が楽しくなり、問題が山のようにあっても、ひとつひとつを乗り越えようという気になる。

 CoWareの挑戦が成功する保証はない。
 保証があるなら、やる価値はない (やる価値があるなら保証はない)
 保証がないもののために、価値があるもののために、投資家と株式市場がある。

(以上は、億の近道のクラブ ライコス掲示板 「大原の演習問題」セクションで連載中の小説 「完全なる投資」からの抜粋です)

(大原)

 

このページのトップへ

8
2002/04/08 証券アナリスト講座ガイダンスに出席して
炎のファンドマネージャー

 

 同志社大学商学部資格試験講座
  証券アナリスト講座「証券分析とポートフォリオ」ガイダンスに出席して

 4月13日からスタートする上記講座に対してのガイダンスを実施するために、私は母校である同志社大学を6日に訪れた。昨年秋の消費者金融サービス学会以来のキャンパスであったが、懐かしい思いには変わりはない。

 商学部の担当者である尾崎氏と開始前に打ち合わせを行い、13時15分から約1時間半の時間で説明に当たった。一体どのような方々が受講されようとしているのか心配ではあったが、それぞれに熱心に私の話に耳を傾けていたのが印象的であった。
 今後の講義内容や試験内容、証券アナリストの業務、目的など熱心な質問も交えてあっと言う間の1時間半が過ぎた。
 その講義内容については私のHPにも示してありますのでご覧頂くとして、終わった後に参加してくれた3名の学生さんたちとしばしの間、懇談する時間を得た。

 それぞれに思い入れがあるようで頼もしい学生さんたちであった。奈良から来ているというH氏は、ヘッジファンドのファンドマネジャーを志望。商学部ではなく経済学部にいて、計量分析や統計学の先生について勉強しているとのこと。また、名古屋出身のM氏は実家が自動車関係の仕事に従事しているとのことで、私は彼に思わず「松島さんの後を追って自動車セクターのアナリストになりなさい」と言ってしまった。もうひとりのO氏はなかなか温厚そうな人物で、時々話しかけてくる態度が朴訥ではあったが、内に秘めた闘志を感じることができた。皆さん大いに頑張って下さい。

 私のプロフィール紹介ではメールマガジンである「億の近道」についても解説。1万6000名の読者の存在を話しておいたが、彼らの中から新たな執筆陣に加わる仲間が出てくれることを期待している。
 こち亀の両津勘吉と大原部長の話は受けたし、私が松尾芭蕉の奥の細道にもじってつけた億の近道の話にも思わず笑いが出た。

 私はガイダンス出席に際して尾崎氏から「証券アナリストという職業についてお話して下さい」と依頼を受けていたので、それなりの準備はしておりましたが、ふと京都に着いてから書店に足を運び、証券アナリスト養成のための書籍コーナーを覗いてみると、あの一吉証券経済研究所の近藤さんが書かれた一冊の本に目がいった。題名は「アナリストの仕事」。アナリスト業30年のベテランである近藤社長が述べられている、アナリストという職業についての解説は興味深い。
 私自身も20年以上の経歴を持つベテランの域に達しつつあるが、冷静な近藤社長が簡潔にまとめられた同著書も参考にさせて頂いた。皆さんもぜひお読み頂くと良いかと思います。なお、近藤社長には先日、消費者金融サービス学会の資料提供でお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

 アナリストの仕事 (近藤一仁 著・日本能率協会マネジメントセンター 1500円)

 帰りの新幹線の中でこの著書をじっくり最後まで読むと、参考図書に私の恩師である杉江教授の証券論のほか、大原部長の著書・インベストメント(北星堂書店)が掲げてあったので驚いた。但し著者名に大原部長(山本潤氏)の名前はなく、残念だった。この著書はちょっと高いけど私の講義の副読本としても考えております。イノベータ−ズフォーラム様のご協力をお願い致します。

 さて、13日からは本講座の開始です。ガイダンスに出席された方はもとより、多くの証券分析や企業分析にご興味のある学生の方々、更にオクチカの読者の方で京都周辺にお住まいの方もぜひお申し込み願えれば幸いです。13日は本講座の目的と課題、日本の証券市場の構造と特色についてお話を始めます。

 なお、オクチカ学生連盟も近い将来発足できれば良いかと思います。学生の方でもし、ご希望があれば事務局までご連絡下さい。(炎)

 

このページのトップへ

7
2002/04/08 銘柄研究:ユニカフェ(2597・東証1部)
炎のファンドマネージャー

 

 本日は、ユニカフェを取り上げたい。本銘柄は3月29日付け(株)アイリス・ジャパン有料コンテンツに掲載されているが、その後のユニカフェへのヒアリング等をふまえて、新たに加筆・修正したものである。
 なお、同社の大武社長は、先代社長の遺志により、非同族にもかかわらず役員から社長に抜擢されたとの経緯があるという、凄腕の経営者だ。
時価1570円 時価総額83億円


【業界における同社の位置付け】

コーヒー焙煎業界は、大きく3種類に分類することができる。缶コーヒー向けが主流の「工業用焙煎」、喫茶店・スーパー向けが主流の「業務用焙煎」、そして「家庭用焙煎」である。ユニカフェは、サントリー、アサヒ飲料、ポッカコーポレーション等向けの工業用焙煎で業界トップのシェアを誇る。

 【缶コーヒー出荷量動向】

 今2002年3月末決算期では、コカ・コーラがシェアトップ。出荷量伸び率トップは「ルーツ」が貢献したJT(2914)の模様である。JTについては公式データがなく、出荷量推定1500から1700万ケース、伸び率は300%程度と推定される。

缶コーヒー出荷量の推定
企業名
出荷量(ケース)
コカ・コーラ
1億4700万
サントリー
4700万
ダイドーリミッテッド
4100万
アサヒ飲料
2100万
キリンビバレッジ
2100万
ポッカ
1700万
UCC
1400万
ネスレ
1100万
サッポロ
550万
伊藤園
480万
ヤクルト
450万
   
総計
3億3380万

▲2.5%(対前年比)

 上位の各社で対前年比伸びているのは、JT以外には、コカ・コーラの+200万ケースぐらいである。なお、サントリーが▲100万ケース、UCC▲200万ケース、アサヒ飲料▲400万ケースといずれも苦戦している。
 こうした中で上述のJTが大幅な伸びを示しているのは、ジャパン・ビバレッジを傘下に収めことが大きく寄与している。

【事業内容】

 工業用焙煎コーヒーを主力とした同社は、サントリーとの提携などにより業務用・家庭用の売上増に注力。 大型外食チェーンやファーストフードチェーンへの展開を図るほか、スペシャリティコーヒーで全国2500店舗の自家焙煎店の開拓に努める意向である。
 子会社にドラッグストア「株式会社いいの」を有し、大型ドラッグストアの展開など販売チャネルの拡大にも注力。中期経営計画では2005年9月期に連結売上高390億円(今期予想245億円)、経常利益30億円(今期予想14.5億円)を目指す。コーヒーを原料とした健康食品、化粧品、医薬品などへの進出等を図るほか、食品の酸化防止に有効なお茶エキスの開発・研究を強化。この分野での売上高40億円を目指すなど、特許を活用した新商品の開発でも新たな展開を図っていく方針。

【業績上の留意点】

 加工数量の未達や製品価格の下落、特損計上によって先般、今9月中間期の業績を下方修正したが、下期はコーヒー相場に下げ止まり傾向が見られるほか、上期からずれ込んだ新製品の寄与、若手スタッフによるスペシャリティコーヒープロジェクトの立ち上げ、サントリー系のサンカフェの本格稼働、営業組織の改革によって収益の回復を見込む。このため通期では7.2%の減収、7.9%の経常減益、EPS124円を確保する見込み。

【株価評価と投資視点】

 同社の神奈川総合工場は、世界一のコーヒー工場としてコーヒー原産国からも高い評価を受けている。
 アメリカではスターバックスなどよりも味の良い豆の表面を焦がさないスペシャリティコーヒーの時代に入っているようだが、日本においてもこの流れが強まると見ており、この分野で先行して焙煎マシンを導入した強みが発揮されようとしている。

 99年の上場以来、業績の停滞を反映して上場後に6100円という高値をつけた株価は、その後下落歩調を辿り、直近も1500〜1600円で下値模索を続けている。
 今期収益の下方修正は織り込まれてきた格好で、むしろ社長自らが陣頭指揮を取って営業活動に注力する姿勢を評価したい。また特許を数多く有している点は投資家に余り知られていないものと考えられる。ディフェンシブ銘柄で大きな株価変動は期待しにくいがPER12倍には評価の余地があろう。(炎)

 

このページのトップへ

6
2002/04/05 光ファイバー用のガラスの作り方(1)
海野六郎

 

 まず、ガラスとは・・・「結晶質でない固体無機物」としておきましょう。わかったようで、良くわからない表現ですが、ここで深入りをすると、出られなくなります。
 光ファイバーのガラスの主成分は、SiO2です。これが結晶質ですと石英であり、透明な石英だとそれは水晶と呼ばれ、紫色が買った水晶はアメシスト(amethyst)です。同じ化学組成でも、いろいろ変わります。

 SiO2のガラスは、石英ガラスと呼ばれ、熱膨張率が極端に小さいという性質をもっています。

1)良くあるガラスの作り方

 普通のガラスの作り方ですが、粉体の原料を混ぜ合わせて、加熱して溶かして、それを急冷します。古代オリエントのガラス製容器も、現代家屋の窓ガラスも製造方法はこの「熔融法」です。ガラスの特徴として、作ってしまったらそれを精製することができない…ということがあります。したがって、不純物を含まない高純度の原料が使われます。

2)MCVD法

 さて、光ファイバー用の石英ガラスでは、歴史上考えつかなかった高純度が要求されました。さらに、屈折率が微妙に高い中心部分をどう作るか。
 そこで考え出されたのが、「気相法」というガラス製法です。
 石英ガラス管の内側に、ガラスの原料となるガスを流し、ガラス管の外側からあぶる。簡単にいうとこうなります。詳しく説明しますと、

 

原料ガス SiCl4(四塩化ケイ素)
  GeCl4(四塩化ゲルマニウム)
  O2(酸素)

 SiCl4,GeCl4 ともに、空気中の水分と反応して分解してしまう厄介物です。常温では液体です。これらを暖め気化させて、酸素と共に石英ガラス管の内側に流します。そこを、外側から酸素水素バーナーで強烈に加熱しますと、以下のような熱反応が起きます。

SiCl4+O2 → SiO2+2Cl2
GeCl4+O2 → GeO2+2Cl2

 SiO2とGeO2は、ガラス化した固体として、石英ガラスの内側に付着します。GeO2はSiO2に比べて微量であり、ガラスの屈折率を高める働きをします。GeCl4の濃度を高めて、これらの一連の作業をすると、屈折率の高いガラス層ができます。
 こうして、はじめはGeの濃度を低くし、徐々に濃度を高め生成さてたガラスの屈折率を上げていき、マルチモードファイバー(MMF)のコア部分の作っていきます。石英ガラス管の内側に生成したガラスがある程度堆積したら、ちょっと高温にガラス管を加熱すると、中心の穴が潰れガラス棒となります。
 このガラス棒に、さらに石英ガラス管をかぶせて太らせて、光ファイバー用ガラスの母材とします。

 これが、USAのベル研究所で考え出された光ファイバーのガラス母材の製法です。MCVD法(Modified Chemical Vapor Diposition)と呼ばれ、原料系も反応系も閉鎖されており、不純物の混入は極力抑えられ、また、原料ガスの組成を変えることで生成されるガラスの屈折率を制御できるので、MMF用ガラスに適した製法です。 (続く)

注)化学式の半角数字は、右下の小さな数字と思って見てください。

次回は光ファイバー用のガラスの作り方(2)です(海野)

 

このページのトップへ

5
2002/04/05 勝負の分かれ目
駄洒落商会会長

 

 駄洒落商会会長です。

 今年1月25日に角川文庫から刊行されました「勝負の分かれ目」(下山進著 上・下)についてコメントしたいと思います(当初は99年11月講談社より刊行されました)。
 著者の下山さんは86年早大政経卒、同年文藝春秋入社。92〜93年コロンビア大学ジャーナリズムスクールに留学されています。滞米時に接した米国メディアのその後の衰退に対する衝撃をもとに本書は書かれました。

 登場するのは、英国のロイター、日本の時事通信社、日本経済新聞社、(株)QIUICK、米国のブルームバーグです。それぞれのメディアが伝統的なニュース提供業務と金融情報の提供を中心とする通信業務を巡って試行錯誤を繰り返しつつ、互いに熾烈な競争を演じながら、メディア自体が「マーケット」の主役になっていく様子が描かれています。

 現在はインターネットによる株式取引が一般化しておりますが、「市場のコンピュータ化」、「金融と情報の融合」がいかなる経緯で実現してきたのか、上記各社の経営がいかなる決断によりなされてきたのか、何が「勝負の分かれ目」になったのか、本書をひもといてみることで、ネット時代の情報の価値を考察してみるのもいいのではないでしょうか。 少し長いのですが、一読をお奨めしたいですね。(駄洒落)

 

このページのトップへ

4
2002/04/05 両津のつぶやき:スバルのインプレッサ
両津勘吉

 

 丸型ライトで日本の走り屋からソッポを向かれたように見えるインプレッサだが、実は良い走りをする。私の従兄弟が先月、旧型インプレッサを売却し、新型に乗り換えたが、走りはGOODとのこと。

 まず旧型の話から。旧型インプレッサを改造し、ノーマルの280馬力から約320−330馬力までフジツボのれん分けショップからのアドバイスを受けながらチューンしたEJ20ターボはとてもご機嫌。矢田部のテストで駆動系には手を付けず、ゼロヨンを13秒程度とレーサーも驚く腕を持つ私の従兄弟は、湾岸の帰りで海底トンネルを全快でカッ飛んでいます。
 メーターはフルスケール280キロだが、スバルEJ20はとても調子が良く、ほとんどストレス無しに280キロまで到達し湾岸を元気に走り回っていました。

 しかしこれより速い車はいくらでもある。その代表がRB26DETTという強力エンジンを搭載するスカイラインGTR。燃料系と排気系を少しいじっただけで400−450馬力は軽く出てしまい、湾岸を280キロで走るインプレッサを軽々と抜き去っていきます。320−330キロは出ていることでしょう。
 他に速い代表はトヨタの3リッター系エンジンで、スープラやアリスト。280キロで走るインプレッサを抜いて行ったアリストが、海底トンネルで急ブレーキを懸けスピン状態に陥り、200メーターほどボディーを擦りながらやっと止まった。ABSも300キロオーバーでは機能しないのでしょうか?
 やはり直線で速いのは3リッタークラス、つまりトヨタ、日産のターボですね。

 ところがもう1台走りの代表選手がいます。マツダのRX−7です。654cc×2ローターの13Bにターボを搭載。ロータリーはハウジング内をローターが回転運動することにより、動力を取り出すことがレシプロとの大きな違い。バルブ機構を持たず、サイドハウジングに設けられたポートをローターが回転することにより開け閉めしているため、サイドポートの表面積やその開け方で特性がガラリと変化する。大きく開ければ高回転まで気持ちの良いレスポンスが得られる反面、低回転はほとんどトルクがなく、ただ回っているだけの状態。このポートの加工が職人芸であり、チューナーの腕の見せ所。
 そのRX−7が湾岸13号から従兄弟のインプレッサに勝負を挑みだした。湾岸から横羽線に入り勝負が着かず、川崎から鶴見までの直線で240キロ出しても両者頑張る。このRX−7、大黒ふ頭に入ってしまい従兄弟も同じ場所へ。ところがこのRX−7のカラーリングは少し違う上、カッコ良いらしい。中から出てきたのは50歳越のおじさんで、パーマに髭。そう、あの有名なRE雨宮社長の雨宮さんだったのでる。直ぐに人が集まるが、インプレッサから降りたところで雨宮さんから声をかけられたそうだ。「いい腕してるな」「インプレッサのエンジン見せて」などなど20−30分語って友達になってしまったみたいだ。
 車好きでないとわからないと思いますが、RE雨宮とはロータリー車専門のチューニングショップで、富士サーキットを走っているRX−7でマツモトキヨシがスポンサーのあの車をチューンしているおじさんです。このおじさん、前述のポートを改造させたら日本ではトップクラスでしょう。

 話がそれましたが、スバルEJ20はロータリーのように低回転が苦手です。3000回転程度でもクラッチ操作に気を付けなくてはならず、トルクの少ない4A−G(レビン、トレノに搭載されたトヨタ初のDOHC4バルブエンジン:有名な話だがヤマハが腰上(ヘッド)を開発)よりはるかに運転し難い。
 従兄弟のインプレッサは急坂ですとサイドブレーキ必須で、クラッチミートは5000回転ないと発進しない。三菱のランサー(エボリューション)といい、スバルのインプレッサといい、過激すぎないか?

 …と思っていたら、新型がかなりマイルドなセッティングで登場。インテークにバルブをつけ低回転をカバーし、エンジンも補強。車体もフロントにサブフレームを入れてボディ剛性強化。ところがウエイトが重くなり、ドッカンパワーがなくなったとの意見が聞かれたが、それでも速い。特にスバルのボディ剛性は評判良く、コーナーリング派にとってはベストな車種であろう。
 従兄弟の新型インプレッサの改造はこれから開始されますが、今度はデフも変更するかもしれません。そうなれば300キロも夢ではない。

 丸型ライトで失敗したが、マイナー変更が1年以内にありそうです。がんばれ富士重工、三菱に負けるな!(両津)

 

このページのトップへ

3
2002/04/05 米国経済の死角
生涯遊人

 

昨年第4四半期のGDP成長率
1.7%
3月の消費者信頼感指数
110.2
2月の米耐久材受注
1.5%増
2月の米個人消費
0.5%増

 いずれも予想を上回る強い数字が発表され、米国経済の力強さが確認されている。しかし設備稼働率、設備投資などがまだ回復していないため、全面的景気回復とはいいきれない。
 ここらへんが、今回の景気回復が個人消費中心で、企業部門はまだ、ITバブルの後遺症からは完全には抜けきれていない。企業部門の回復の確認がない限り、市場で噂されている5月の利上げはないと予想する。
 企業部門の回復には、設備稼働率、設備投資の上昇が必要である。グリーンスパン議長も、個人消費の回復、鉱工業生産の拡大、新規の設備投資の拡大、雇用所得の増加、そしてさらなる消費の拡大というように順次、経済の好循環が続かないと景気回復が短命に終わる可能性があると述べている。
 今年10月の中間選挙も、利上げのタイミングに微妙に影響を与えるかもしれない。また、ここにきて鉄鋼の輸入制限の発動などは、選挙の影響をうけているだろう。
 個人消費の拡大による輸入の増加、経常赤字の拡大、さらなる$高、またそれによる貿易赤字の拡大が進んだ場合、ブッシュ政権が$高政策を転換するとは思わないが、微調整をしてくる可能性はある。
 2月の耐久財受注をみると、国防関連が78%と増加している、減税と国防費の増大により、米国の財政収支の悪化も懸念される。
 また原油高が継続した場合、これも米国経済に悪影響を与える(原油消費国いずれにとっても悪影響であり、これが世界経済の回復を遅らせる原因にもなる)。
 ここらへんが今週、米国政府がパレスティナ問題の仲介に本腰を入れ始めた原因かもしれない。

 ここから5,6月にかけて、米国経済の本格回復があるのか、また日本経済の回復があるのか、今年後半を占う重要な時期にさしかかっているかもしれない。(生涯)

 

このページのトップへ

2
2002/04/02 シリーズ キーワード
 『従業員の士気』
大原部長

 

経営者は、問題点を正す。
組織には絶えず問題がある。
問題は多岐にわたり、経営者の時間は限られる。

 結局のところ、経営者だけが叱咤激励したとしても、焼け石に水ということになる。
 従業員が経営者についてこなければ、会社は瞬く間に問題点で膨れ上がる。
 従業員が経営に無関心であるということは、本質的な大問題であり、こういう会社は、早かれ遅かれ行き詰まっていくものだ。

問題が小さいうちに、修正し、それを克服していく。
それが会社のもつ自浄作用である。
問題意識というものは、小学校の教育の現場では、常々、厳しく教えられている簡単な原則から導かれる。

他人の立場に自分を置いて考えてみなさい − 

みなが問題意識を高く持ったときに、現れる特有なもの、それが、「士気」という言葉である。
士気が高い組織は、会計上の言葉でいえば、効率や生産性が高くなる傾向にある。

他人に仕事を押し付け、自分の仕事を自分で制限していれば、組織は動かない。
動かない組織にあれば、逆に、個人が埋没してしまう。
これはパラドックスだ。

自分が埋没しないためには、自分の個性を埋没させないためには、他人のことを優先して考えなければならない。
それは、従業員にとって、納得のいかない話だろう。

どうして、給料を余計にもらっている経営者と同様に、給料の安い自分が、懸命に他人の心配までする必要があるのか。
それは、あくまでモラルの問題であって、法律上の問題ではない。
法律を守ればよいという社会には、よい会社は生まれない。

モラルが高い社会にこそ、一流の会社が生まれてくる。
給料が安いのは、上司が評価しないからだ。
上司が評価しないのは、上司が無能だからだ。
そう考えるとすっきりとするだろう。

しかし、無能なはずの上司が上司であるのはなぜか。

給料の高い、安いという他人との比較で、自己の行動が影響してしまうのは、はなはだ、情けないことである。
経営者には、こういう情けない集団のひとりひとりを説得するような無駄な時間は与えられていない。

社会人になったうえで、「あいつが評価され、自分は評価されないのはおかしい」といっているような人間を、組織に貢献できる人格者に変えることは無理な話である。

社員教育は、人格に影響を与えるようなことはできない。
人格はあくまで人格であって、それがどんなものであろうとも、尊重されなければならない。

従業員の士気を保つ秘訣は、実は、たった一つしかない。
それ以外の方法はないといっていい。
その唯一の方法は、「士気の高いものだけを入社させる」。
それしかない。

よって、中途・新卒採用こそ、企業の士気を決定つける経営の最重要課題のひとつになっている。

●他人がどうちゃらこうちゃらと他人の話ばかりするやつを組織には入れないこと − 従業員の士気を高める唯一の前提条件(もちろん、立派な経営者じゃないとだめだけどね)

※上記は、億の近道 オフィシャルクラブ ライコス 大原の演習問題に掲載されている「小説 完全なる投資 1〜17」の一部です。小説「完全なる投資」は、大原が朝、会社に行く前に、書いている日誌です。日本復活の課程を2010年まで追う予定です。(大原)

 

このページのトップへ

1
2002/04/01 当面の株式相場展望
炎のファンドマネージャー

 

 3月相場を終えたが、1−3月相場は意外性のある展開が見られた。
 昨年12月末の日経平均の終値は10542円。これに対して2月6日の安値は9420円。3月危機説が流れる中で売り方優位の展開に大半の方があきらめの境地に達していた矢先に相場は反転。3月11日には12000円台に乗せ安値から28%もの短期急騰を演じた。これは空売り規制が効果を発揮したことによるもの。売り方の買戻しが相場上昇の牽引役となった格好。加えて海外市場も堅調に推移。売り込みのきつかった銀行株や米国の景気回復期待から半導体関連などのハイテク株も堅調となり上昇に拍車をかけた。

 官製相場と揶揄された今回の相場も3月末で一区切り。ここからは景気の実体が気になる展開となる筈。4月1日からのペイオフ解禁による資金の行方がどうなるのか、不良債権処理が本当に進んでいるのか、構造改革の行方がどうなるのか、一連の政治スキャンダルから政治改革が進む可能性の示唆など注目すべき点は多い。株式市場にとって需給動向も鍵を握っているが新年度入りで年金資金をはじめとした公的資金の買いが期待されること。海外市場を中心に多少でも景気回復への兆しが見えてきそうなことなどから、ここでの調整局面はむしろ中長期的な買いチャンスが到来したと前向きに考えたい。

 6月あたりまでの相場展開においては、今後の政局動向や景気動向を睨んで新たな政策対応が打ち出されるのかどうかに焦点を当てておきたい。

 3月通過の安堵感が強まり、政策対応が緩慢だと一旦は10000円割れの攻防も覚悟する必要があろうが、既に大底は打っており、これまでの相場のリズムからは押し目買いスタンスが奏効しそうだ。
 余り悲観せず、前向きに対処する局面と言えよう。

 これからは3月決算銘柄の業績修正も相次ぐだろうが下方修正と上方修正銘柄とに二極化する公算もあって銘柄の選別色が強まることになろう。
 全体相場が調整を続けるとなればインデックスに連動した銘柄よりも個別材料株に頼らざるを得ない。また、このところ物色人気が薄れていたIPO銘柄などにも関心が移る可能性がある。成長性の高い好業績銘柄に焦点を当てて取り組むことが高い成果を得るポイントであることは言うまでもない。(炎)

(出所:アイリス有料メールマガジン「特別レポート」3月29日号より抜粋)

 

このページのトップへ