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タイトル
執筆者
19
2002/08/30
為替相場動向
生涯遊人
18
2002/08/30
真夏のエステ体験(ラ・パルレ)
小野小町
17
2002/08/30
いすゞ(7202)の将来
億近産業調査部
16
2002/08/27
連載 負けない投資 その10
大原部長
15
2002/08/27
クインランド(2732)
海パン刑事
14
2002/08/26
ベンチャー企業特集
炎のファンドマネージャー
13
2002/08/16
為替相場動向
生涯遊人
12
2002/08/16
ハリマ化成(4410)
海パン刑事
11
2002/08/13
連載 負けない投資 その9
大原部長
10
2002/08/12
ユビキタス社会の到来で変わる貴方の生活
炎のファンドマネージャー
9
2002/08/12
今週の株式相場展望
炎のファンドマネージャー
8
2002/08/09
市場は夏休み?
生涯遊人
7
2002/08/09
フェアレディZ がんばれ日産
両津勘吉
6
2002/08/09
新規参入組が牽引する通販業界
小野小町
5
2002/08/06
ハードオフコーポレーション(2674)
海パン刑事
4
2002/08/06
連載 負けない投資 その8
大原部長
3
2002/08/05
八丁堀株式診療所便り
炎のファンドマネージャー
2
2002/08/02
億近執筆陣 このままでは早死?
両津勘吉
1
2002/08/02
ブランド価値評価について
駄洒落商会会長

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19
2002/08/30 為替相場動向
生涯遊人

 

 先週木曜日のニューヨークダウの高値9080ドルから反転して、8600ドル近辺まで下落してきました。
 このニューヨーク株式の下落をフォローするように、ドル円は120.32円近辺から118.00円より118.00円までドル売りが進みました。
 ダウが高値をつけたのが、先週の木曜日、ドル円が高値をつけたのが先週の金曜日で、今回ニューヨーク株式とドルの相場はコリレーション(相関性)が非常に高かったといえます。
 チャーティストの人達のなかには、違った種類のマーケットの相関性を探してきて推奨する人もいます。最近はチャートのシステムも進み、すぐに欲しいチャートを探し出してこれるのでこの作業は非常に楽になりました。割と外人はこういうのが好きな人が多く、為替と貴金属とかのチャートの相関性を推奨することもあります。

 昨日は米国の新規失業保険申請件数が、40万3千件と前回よりも18000件程増加し、またメドレーリポートで米国の利下げがないという記事がでたとの噂をきっかけにドル売りが進みましたが、117.45はサポートされました。
 メドレーリポートといのは、比較的政治ネタに強い経済、マーケットリポートでかつては数々のヒット(正しい見通しでマーケットをリードしてきた)をとばしてきましたが、最近はいまひとつパワー不足で人々の注目度も低下しています。

 また本日、日本のGDP4−6月期が発表されましたが、+0.5%と予想を上回りましたが1−3月期が0%と大幅に下方修正されたために、あまり良い数字ではありませんでした。
 数字の中身としては、依然、外需主導の成長で個人消費の堅調さは評価できるものの、デフレ傾向の継続、公的需要に依存した内需は力強い景気回復を予想できるものではありません。
 また7月の鉱工業生産は−0.4%ですが、7−9月期の予想は+2.9%となるもようで、4−6月期の+3.8%からは若干の減速になる見込みです。

 これらの数字はけっして力強い景気回復を裏付けるものではありませんでしたが、さりとて経済の失速を示すものではなく、景気回復の速度が鈍化しつつあるといったところでしょう。 しかし発表後、株高、債券高、円高とトリプル高になる局面もあり、終値ベースでもほとんど変わらずとなり、数字自体のインパクトはあまりありませんでした。

 本日、米国ではミシガン大学消費者信頼感指数が発表されます。これも米国の個人消費の動向をさぐるうえで重要な指標です。
 しかし月曜日はレーバーディーで米国市場がお休みのために、市場は閑散ムードとなり米国勢が帰ってくる火曜日以降に新たな展開となるでしょう。(生涯)

 

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18
2002/08/30 真夏のエステ体験(ラ・パルレ)
小野小町

 

 ●ラ・パルレ(4357)
 今年の5月1日にエステ業界で初めてナスダック・ジャパン(アメリカが撤退しましたが)に上場したということで以前から漠然と気になっていました。エステは欧米では文化として定着しているものの、日本では金銭トラブルが耐えないためか一種サラ金のような胡散臭さがつきまとっています。実際立地もドアを開けるにも勇気がいりそうな、都心の目立たないビルの一角にあることが多いようです。

 エステ業界の市場規模は約4,000億円、全国に約12,000店のサロンが存在するといわれます。99年に訪問販売法が改正され、クーリングオフ(契約日から8日以内なら無条件で解約)が可能になったもののトラブルは後を絶ちません。2000年の国民生活センター及び自治体の相談所に寄せられたエステに対する苦情は大手「エステ・de・ミロード」の破綻もあり前年比64%増、過去最高の17,757件に達しました。これは市場の成長というより、未だ消費者に有効な情報開示がなされていないのが要因と思われます。

 さて最近リクルートの発行する「ホットペッパー」という冊子をめくっていたところ、当社の広告が掲載されており、一回2,000円のお試しコースがあるとのこと。この手のエステには行ったことのなかった私ですが、実際本当に胡散臭いものなのか、ものは試しに行く決心を致しました(ちょうどおなかの脂肪も気になってきたし…)。

 早速TELしたところ、身長、体重、年齢の他、気になる部分について聞かれました。カウンセリングを重視しているらしくお試しコースなのにトータルで約3時間かかるとのこと。何か漠然とした不安を感じつつも予約当日を迎えました。

 場所は都内某ビルの一角。もっと明るく人目につきやすいところだったらなあと早くも気は重く。受付を済ませカウンセリング用紙に記入していると、チーフらしき女性が登場。その後1時間カウンセリング、厳しい食事制限や運動の義務はないものの(本当か?)施術を受けに定期的に通う必要があるとのこと。
 気になるお値段の方はというと…

「そうですねえ、お客様は5kgの減量をご希望とのことですから施術は30回くらい…手頃なコースで331,800円(一回11,000円)、今月中はホームケアの器具もお安くなってまして理想としてはこちらのコースがお勧めです(いろいろ足したら50万円超のコース)」

「…………」

「おいおい桁を間違えているんじゃないのか?何をどうしたらそんな数字になるんだ。5kg痩せるのに50万払う奴がどこにいるんだよ!(実際いるんですが)」

と心の中で叫んでいました。しかも業界大手に比べて料金は割安とのこと(基準は一体?)。

 まあ後はとりあえず体験ということで、更衣室で紙の下着をつけバスローブをはおり、体重や気になる部位の測定を行ってから施術室に入りました。初めのフットバスは気持ちよかったのですが、マッサージや低周波(アブトロニックの強力版)は私には少々痛かったです(効いているといわれましたが)。
 その後またカウンセリング。今日契約すれば割引になりますよといわれましたが元々契約する気が無い上、私のような貧乏OLが30〜50万円もの買い物を即決できるわけもなく早々に退散致しました。しかし中には学生やOL、主婦でもローンを組んで通う人がいるそうで、ダイエット薬で死亡などという事件は氷山の一角にすぎないのかなと思いました。

 何かネガティブな話ばかり書いてしまいましたが、個人的に業界そのものに対しては期待をしています。というのも従来とは違ったタイプのサロンが登場しているからです。

 上場はしていませんが、訪販化粧品会社のソニーCPラボラトリーのサロンはフェイシャル(45分)とメイクアップ(15分)の2種類のサービスを一回2,000円と低価格で提供し成功を納めています。また仏の高級ブランド「ゲラン」が日本橋三越内に出店するサロンも、一回8,000〜18,000円という値頃感が支持され若い女性客を増やしています。

 美容業界は一般に個人事業主が多く、チェーン化に成功するケースはきわめて稀でした。しかし最近は美容院の「田谷」のような例も出ていますし、サービス内容もヘアからメイク、ネイル、美白、脱毛、更にはメンズと従来に比べ多様化が進んでいます。料金体系等の情報開示が適切になされ、消費者が納得できるサービスを提供できれば、成長企業が誕生する土壌は十分あると思います。

* 参考までに
ラ・パルレ(4357:ナスダックジャパン)
1978年に現社長の大石洋子氏が設立。全国に約80店舗のエステサロンを運営する他、美容機器や化粧品の販売を手掛ける。最近はリピート率の高い美顔や男性客獲得にも注力。部門別売上構成比(2002.3期)は技術67%、商品30%、その他3%技術売上高の内訳は美顔84%、痩身11%、脱毛1%、他4%
【今期業績予想:非連結】
売上高73億円(前期比8%増)、経常利益11億円(同12%増)、EPS22,660円株価:150,000円(8月22日現在):単位は一株
(小野小町)

 

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17
2002/08/30 いすゞ(7202)の将来
億近産業調査部

 

 8月14日、いすゞ再建に関するニュースが流れ一時売買停止に。

 ゼネラルモータース(以下GM)、みずほフィナンシャルグループがいすゞの再建に合意した。内容はGMがいすゞに出資する48.5%分を全額減資したうえで第3者割当て増資100億円を引き受け、更に500億円の資金援助を行うというもの。
 このニュースを受けて株価は急激に上昇したが、この話は手放しで喜べない内容だ。GMとみずほグループは計2000億円の支援をして、いすゞの約2100億円に上る累損を2年かけて解消する計画。つまり倒産リスクはゼロになった訳だが、それは累損解消の2004年まで。米国及びポーランドのディーゼルエンジン工場をGMが買収するが、これはGMにとってメリット発生となるが、いすゞ既存株主にとっては完全にネガティブな話だ。

 トラック事業はディーゼルエンジン部門と車体部門に大きく分けられるが、ディーゼルエンジンメーカーとしていすゞの評価は高い。地球温暖化からディーゼルエンジンが注目されだしており、ガソリン強くディーゼルに弱いメーカーにとってディーゼルエンジンメーカーや技術者は喉から手が出るほど欲しい存在。いすゞは会社が傾き出している状況でも新技術にチャレンジし、日本で初めてコモンレールを採用したメーカーでもある。当初は6トンクラスのごみ収集車クラスにノンターボで搭載したのが1995〜1996年頃かな。売れないRVもカタログスペックでは見劣りするものの(4JG2エンジン)、実際の走行性能はトヨタプラドの3リッターインタークーラーには敵わないものの、三菱パジェロは余裕で抜ける。このエンジン他社がOHCに変更したときでもOHVのまま。それでも充分速い。(分配型ポンプは遅いが・・・)

 もしいすゞに万が一の事があっても、GMグループへのエンジン供給が滞ることのないよう上述の工場をゲットした訳だがGMにとってはラッキー。
 しかし現在のいすゞ株主にとっては車体比率が上昇することを意味している。車体ビジネスに興味を抱くメーカーはなく、重荷であるのが実状。つまりGMはオイシイところを取って車体比率の上昇するいすゞ株式の出資比率を12%に低下。自社分のみを減資することで責任を取る形となっているが、出資比率はわずか12%に低下し経営権を手放している。言い換えれば経営責任から逃れられる訳だし、なにかあってもミルク補給する必要もない。

 かつての名門いすゞの将来はますます厳しくなってといえよう。(億近産業調査部)

 

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16
2002/08/27 連載 負けない投資 その10
大原部長

 

 ○○○経営の質の議論の補助となるポイントの列挙○○○
長期的な視点で投資をするためのチェックポイント

【負けない投資の結論】

○個々人の毎月のキャッシュフローを大幅なプラスにする
○投資対象には、高い利益率を維持できる競争力の続く企業を選ぶ
○購入タイミングは、市場環境が悪いときに、競争優位性の高い企業を購入する
○競争力、健全な財務、よい経営と3拍子揃っている企業は、相応のPEを払う必要がある
○低PEはそれだけでは購入する理由にはならない

【経営の質を議論する】

経営力さえあれば、日本企業は競争力を取り戻せる分野が数多くある。
未曾有の金融危機と長期デフレ不況下で喘ぐ日本企業。
技術力のある企業でさえ、本来の力を発揮できない。
その根本には、経営不在がある。

日本企業の多くは、技術力がありながらも、リーダーシップの欠如により、組織運営が効率的にできていない。
会社の宝である人材を奮い立たせるビジョンが経営者によって示されていない。
ビジョンがなければ従業員の士気は高まらない。
士気が低ければ、競争に敗れ、市場から退出しなければならない。

よい経営者ほど、危機感をもち経営している。
よい企業の定義とは、「従業員が危機感をもって仕事をしている企業」ということかもしれない。

どうしたら、投資家として、よい経営者を見分けられるようになるのか、その点をまず説明したい。
そして、会社が、技術的な優位性を保ちながら発展していくためには、よい技術があるだけでは不十分だ。
技術力が業績に反映されるためには、ここでも経営力が必要とされる。
なぜなら、技術は流出していくからだ。
よい人材の流出に伴い重要なノウハウまでもが流出してしまう。
よい人材をいかに引き止めるのか。
やはり経営にかかってくる。

1)経営を判断するポイントその1 事業選択のセンス

【どの事業を選択するのか〜 戦いは戦わずして勝たなければならない〜厳しい競合を避けるセンス】

優秀な企業でも競争の厳しい市場では意図した結果がでないこともある。
普通の会社であっても、競争相手に恵まれた市場では抜群の成績を残すこともある。

経営力とは事業を選択・運営するスピードです。
どの事業をどの事業に優先させるのか、どの事業にどれだけ投資するのか。
どの事業にどのような戦略を当てはめるのか。
競争の少ないビジネスをどう選んでくるのか。
それが経営のセンスだ。

2)経営を判断するポイントその2 経営者の資質

経営者の資質として重要な点を以下の表にまとめてみた。

表: 【経営者を選ぶポイント】
経営者として以下の質問にすべてイエスと答えられるでしょうか?

●社会貢献の意思があるか 社会のニーズを特定できているか
●産業の成長性をしっかり述べているか
●参入の難易度についてしっかり述べているか
●価値観や経営理念を述べているか(ありきたりでなく心に残るものかどうか)
●簡明で理解しやすい言葉で産業を説明できているか
●市場シェアはどの程度が好ましいのか述べているか
●10年先20年先の自社の像を述べているか
●簡潔に事業ドメインを述べることができるか
●売上より利益率を重視しているか 
●理想的なB/SとP/Lについて述べられているか
●新規事業は1つか2つに集中して推進しているか
●経営理念を従業員が共有できるように具体的な方策を実施しているか
●研究開発や設備投資の優先順位を明確に述べられるか

3)経営を判断するポイントその3 組織の息吹

経営者に卓越したビジョンがあっても、組織に命が吹き込まれていなければ、事業運営はままなりません。
以下は、組織をチェックするポイントです。

表:【組織の状態と会社の技術力はシステムとして機能しているか】

●意思決定過程は文化となっているか(風通しはよいか)
●特許戦略は述べられているか
●人材の質は高いか
●人材のモチベーションは保たれているか
●適正な設備と適正な雇用の水準について基準があるか
●過大な人員増を伴わないで売上が増やせるシステムか
●過大な設備投資増を伴わないで売上が増やせるシステムか


〜評価できる組織運営〜

企業が社員に責任を与え、その責任を果たしたとき、十分に報いるシステムがあるかどうか。
上司が責任を明確にとる企業かどうか
長時間労働の慣習を廃止する
働いた時間だけが評価に結びつくような職場の雰囲気を改善する

プロジェクトごとの評価を明確に行う
一人一人の評価は明確になされるべき
評価が落ちてくれば、しっかりと相談にのり、評価を上げていくインセンティブや助け合うサポートシステムを確立すること

給料に見合う市場価値を身につける
企業は社員に専門性とビジネスセンスを身につけさせる。
やる気や向上心のある者には、昼休みや5時以降の時間を大切にさせる

職場の上司は経営のプロを選ぶ。
違う意見のものを受け入れるような寛大なもの、そして力量のある人物を経営者が各職場に上司として選ぶこと。上司がだめだと雰囲気が悪くなる。悪い雰囲気の会社はいい人材から辞めて行く。

〜評価できない組織運営〜

仕事の責任があいまい
仕事の責任の基準があいまいで、事業の失敗にだれも責任をとらない。
失敗をとがめないため、仕事ができないグループが生きのびる。

意味のない仕事が多すぎる
意味のある仕事が埋没して評価ができなくなる。
意味のない仕事と意味のある仕事を区別できない上司がいるため、みんなが意味のないことをやらされている

社外の努力を評価しないステップアップしてスキルを向上させていくような文化がない
評価が働いた時間に比例
みんなが長時間労働する。そのため、仕事ができない人がいない。みんなすごく働くので、序列がつけられなくなる

〜採用に関して〜

●会社はビジネスユニットごとに最適なリーダーを採用しているか
●リーダーは必要最低限の人員だけを申請しているか
●定期採用は好ましくない

あなたが何か事業を始めるとき、まず毎年人を一定数雇ってから、どのような事業をやるか考えるだろうか。
そうではなく、事業の性格や特徴を把握して、最低限の人数で運営しなければ、最初から勝てない。
⇒定期採用は理に合わない

●努力した量と能力に合わせて仕事は与えるべき
●ポスト=仕事にするべき 仕事(ポスト)は勝ち取るものである

採用がルーズだと⇒不要な人員が紛れ込む⇒チームプレーが乱される(せっかくよいチームをつくっても、へんなやつが突然チームに入ってきてしまうので、リーダーがよいチームをつくれない)⇒業績拡大期に「事業機会を失う」といって、大人数を雇いすぎる。(人は一番じっくりと選ぶべき、必要な人間であれば、何年も何年もアタックすべき)

4)経営を判断するポイント4 経営から見る技術評価

【高い技術力が生まれ、その技術力で他社をリードできる環境が生まれ、その好循環が継続する基礎的な条件】

よい経営、よい組織、そして最後に重要なのは、よい技術。
よい経営によい技術が結びつくと、傑出した会社となるだろう。

表:【よい技術力かどうかの判断ポイント】

●ユーザーのニーズを満足させる技術かどうか
●コストを劇的にさげる見通しが立つ技術かどうか
●利害関係者の気分を害せずに実行可能な技術か(すんなりと実行できるスキームがあるか)
●技術陣が金銭的に大きく報われる仕組みがあるか


企業統治形態を判断するポイント

多角化企業の悪い面
●ひとつひとつの事業規模は専業企業より小さい
●時間の経過とともに上記の事業規模の差は拡大する
●好況期には限界企業として高い利益率を出し、収益は急回復する
●不況期には低いシェアの事業ほど固定費をまかないほどの悪い収益状態が続く
●多角化の当初の目的である景気変動に対する免疫がかえってなくなる
●資源を集中させないため、資産効率が中途半端となり、バランスシートが改善されない
●事業規模が小さいこと、資源が分散されていること、拠点が複数あること、組織が複雑であることから、事業の売却が困難になる
●不振事業は不況期に清算の対象となる
●清算される事業の従業員は他の部門に移管されるため、全社の生産性が向上しない
●好況期に事業数を拡大し、不況期に事業数を削減する

専業企業のよい面
●シェア1位を目指すために努力する
●シェア1位を獲得できれば、不況期にシェアを上げ、好況期にシェアを下げる戦略をとる
●そのため、景気サイクルの影響を比較的受けない
●専業であるため、不況は避けられないと悟る
●不況期に耐えられる体力を温存するため、バランスシートの改善を怠らない
●不況期にライバルの資源を安く買い取ることをねらう
●不況期に設備投資を敢行する
●資源が集中している、拠点がひとつかふたつである、組織が単純である、そのため、事業を売却することも容易にできる(事業再構築のために特別損失を出さない)
●人員は専業のため、絶えず適正規模になり、社内の他の部門から余剰人員を押しつけられることもない

「よい企業は不況をしっかりと利用するしたたかさを持っている」

【逃げと甘えのない経営 − 不況が来たときの経営の考え方の違い】

強い企業は、最悪の事態を基準にして物事を考えている。
そうできるのは精神上に甘えや逃げがないからだ。

不況が来たとき、設備投資は安く済ませることができる。
不況が来たとき、ライバルに採算の悪いものを取らせることができる。
不況は友達なのだ。

ところがそうではない経営者が多すぎる。
事業を営んでいれば、誰でも安定的に儲かることを望むだろう。
好況のとき、生産は上がっていく。
不況になれば、生産は落ちていく。

需要と供給の関係は、誰でも知っている常識である。
需要が供給より大きいなら、好況といえるだろうし、需要が供給より小さいなら、不況といえるだろう。

この簡単なひとつの常識から、どうして企業はいろいろな態度を見せるのか。
わたしは興味深く思っている。

多数の事業を営む複合体であることが多い大企業で、生産拠点が分散していくメカニズムは多分、こういうことだろう。
好況。ある事業で生産が追いつかなくなる。一方で、比較的暇な部門が存在する。

暇な部門は、わたしたちにもその事業をやらせてくれないかと懇願する。
生産拠点は一個所で拡張していくべきだが、分散していってしまう。

暇な部門には仕事がない。
仕事がないということは、やることがないということだ。
なにもやらないわけにはいかない。
遊んでいるわけにはいかないからだ。

リスクを分散する、取引先からの距離が近くなる、製品の質を変えている、などとそれらしい理由がつけられていく。

不況になる。
どちらの生産拠点をどちらから先に落とすべきか。顧客から見ればくだらない議論が社内の政治になっていく。
不況。生産が下がっていく。どうしたらいいのか。

社内をみる。比較的好調な事業がある。そして、新規事業が企画に上がっていく。
また、新しい事業が生まれていく。

どこで生産するべきか。社内の政治が熱く始まる。

不況。儲からない。やめたい事業がある。
しかし、顧客がやめないでくれと懇願してくる。やめられない。
だめな事業をやめないうちに、新しい事業が始まる。そうなると、事業の数や製品の種類がどんどん多くなっていく。

競争力がない。いくつもの拠点が小さな沢山のものを生産しているからだ。
しかし、小さなものの中には、儲かっているものもある。事業をやめると、他の生産拠点にとられてしまう。だからやめたくない。

暇になることを恐れて、不況を恐れている。

恐れてしまう本当の理由は、ひとつしかない。
競争力がないからだ。弱いから、恐い。

一方、違うスタンスをとる企業もある。
不況をチャンスとみる。
不況にあって、その事業をてこ入れしていく。
不況だから、設備投資が安くなる。
中古で他社から買うことができる。
人材も優秀なものを採用することができる。
生産ラインは暇である。
だから、勉強できる。
従業員は、機械や生産システムを一から見直すことができる。
試してみたかったやり方を試験的に試すことが可能になる。

生産拠点は徐々に整備されていく。
設備が整備され、従業員が勉強していくため、士気がかえって上がることさえある。
飛躍を誓う。

統合を推し進める。
お金はある。
そういうときのために、好況のとき、バランスシートを改善していた。
他のことを始めない。
いままでやってきたことを大切にしているから。
いくつものことができるほど、そんなに器用じゃない。
ひとつのことを極めること。
ひとつのことにこだわりをもって取り組んできた自分たちを誇りに思っている。
誰にも負けない。
不況だから、手間暇をかけ、よい製品が出来る。
特別なサービスが顧客にできる。
好況のとき、気がつかなかった顧客への思いやりができるようになる。
人間的に成長していく自分に気がつく。
幸せだ。

また、好況がくる。
そのとき、自分たちは強くなっている。
不況が自分たちを大きくしてくれたということに気がつく。

生産拠点はひとつのところでじっくり拡張していっている。
世界中から見学者がくる。
大きくなるだけではない。内容もともなった組織になっている。

やることがない。そう思ったことは一度もない。
全員が戦う意識をもった諦めない会社が最後は勝つ。

【連載9回目と10回目は経営のチェックポイントの列挙だった】

企業の質や経営の質を議論することの重要性がわかってもらえただろうか。
どうして経営の質や企業の競争力を議論しなければならないのか。
それはそれがE(Earnings、収益)の見通しに必要だからだ。

将来のEの予測には、本質的で定性的な議論が必要だ。
シェアの差はEの差となるばかりではない。
現状のEの差は、投資余力の差となり、将来のEの差となる。(大原)

 

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15
2002/08/27 クインランド(2732)
海パン刑事

 

 【ここ最近の連結売上高】

2001.6期 4168百万円(前年同期比+63%)
2002.6期5112百万円(+23%)
2003.3期(会社計画)5683百万円(+11%)

【ここ最近の連結営業利益】

2001.6期 142百万円(前年同期比+39%、営業利益率3.4%)
2002.6期410百万円(+187%、同8.0%)
2003.6期(会社計画)809百万円(+97%、同14.2%)
株価 198,000円(8/26日)
 連結予想PER 10.3倍

【部門別売上高(2002.6期)】

DMES(Digital Marketing Engineering Service)事業781百万円(構成比15%)
・・・Webサイトの構築、営業支援ツールの提供
TCLA(Total Car Life Agent)事業4208百万円(同83%)
・・・ガリバーのフランチャイズ事業と中古車販売の「O−RUSH」事業
外食事業124百万円(同2%)
・・・具だくさんスープ専門店「ディアスープ」の経営および冷凍スープのネット通販事業

【要約】

1)創業者はコンサルタント会社出身。サンマルクやサブウェイなどを立ち上げた人物。日本LCAの最年少取締役に抜擢されるなど実力者。
2)中古車事業、Web事業、外食事業とバラバラな事業構成
3)一見、中古車事業が主力と思いきや実は主力はウェーブコンサルタント事業。
4)このウェーブコンサルタントビジネス(DMES事業)はやたらと利益率が高い
5)利益成長率、予想PERは10倍と株価は割安

【創業者はコンサルタント会社出身】

 クインランドの創業者は日本LCA(4798・東証2部)でコンサルタントを経験した人物。数多くの企業を見てきた中でどうすれば企業が成長するのか、どうすると企業がつぶれるのかといった経営の原理原則を学んできた。手掛けてきたビジネスではサンマルクやサブウェイなど。こうした実績を買われ、30歳に最年少で取締役に就任した。
 その後、父の病気により、父の経営を継ぐため、同社を退職。父親の回復とともに、自ら事業を立ち上げる。

【中古車事業、Web事業、外食事業とバラバラな事業構成】

 同社が展開しているビジネスはそれぞれバラバラ。これはパレートの法則(2:8の原則)から、1つの基幹事業を確立するには最低5の事業領域を持たねばならず、こうした事業領域を持つことにより、企業経営の基本である継続性を実現できるためである。
 そして、家計支出でウエイトの大きい食、交通、娯楽教養、住居、教育など巨大マーケットに事業の的を絞り、その中から、成長が見込める分野に進出するというのがこの会社の考え方である。すでに同社では食(スープ)、娯楽教養(DMES)、交通(中古車)の3事業を展開しいるため、パレートの法則から残る2事業も展開する方針。経営コンサルタント時代に経営難に陥っていった企業をたくさん見てきたからこそ、あえてこうした事業ポートフォリオで経営しているのだろう。

【DMES事業の営業利益率は全部の本社費用含めても43%】

 同社が主力としているDMES事業は売上高では全売上高の15%程度(2002.6期)しか占めないが、営業利益では全体の83%を占める(本社費用など配賦不能利益を差し引いてない)。仮に、本社費用など配賦不能利益をこの事業に全部含めても43%の営業利益率(含めないベースだと何と74%)にもなる。利益率が高いのは既にソフトの基礎的モデルが出来上がっており、それを改造すればできてしまうこと、またソフト開発を外注しているなどから、原価率はかなり安くできてしまう。付加価値はソフトというよりも、クライアントに応じて組み込んだシステムにある。

【DMES事業】

 Webを中心としたITをベースにクライアント(事業会社)に対しマーケティング戦略を「企画・開発・運営」を行っていくというもの。同社が企画・開発・提案したシステムを利用することでクライアントの収益拡大化が図れる。Webについては、クライアントのホームページ(HP)の分析を行い、これまで成功してきたノウハウをWebに導入。クライアントのHPアクセス件数の飛躍的な拡大や資料請求、受注の増加に効果を上げている。また、パソコンによる指示のみで、クライアントのスタッフは最適な営業戦略、顧客とのリレーションシップ、受注の機会損失を実現することができ、企業の収益拡大に貢献。受注件数を伸ばし、売上を拡大させている。
 このシステムは創業者のコンサルタント時代に様々なビジネスを経ちあげてきたノウハウやTCLA事業、ディアスープなどの接客現場で得られたノウハウなどを組み込んだシステムで一件あたり4000万円前後の単価となっている。
 会社側ではテレフォンアポインターを利用していた住宅リフォーム会社は同社のシステムを利用することにより、1件当りのアポイントコストを20分の1に削減できた・・・などを成功例として掲げている。ちなみに、急成長企業として注目されているセラーテムテクノロジー(4330)のVFZショールームは同社が手掛けたサイトである。
 DMESの最近の採用例としてはワタベウエディングのエージェント支援システムやアウトプレースメント会社向けのエキスパートエンジン。
 ワタベのエージェント支援システムでは、このシステムの導入により、スタッフがパソコンによる指示に従うだけで1)能力や経験によらない高品質なウエディングサポート、2)セールスすべき商品とタイミングの指示による受注機会の回避、3)多数の顧客を担当してもヌケやモレのないフォロー体制の構築、4)挙式後のお客にも記念日や七五三などの衣装や写真のお勧めなど、一生涯のフォローを実現する・・・といったことが期待でき、クライアントの収益拡大に貢献することができる。

【利益成長率、予想PERは10倍と株価は割安】

 同社が手掛ける事業形態がバラバラ(ウェーブコンサルタントやったり、中古車やったり、スープやったり)のため、投資家サイドから見ると「方向性が見えていない」といった見方やナスダックジャパンに所属しているといった面から株価は安値圏で放置されているが、1)前期の業績ではコンセンサスを上回る業績を達成できた2)今期も2倍程度の利益成長が見込める3)高い利益成長にもかかわらず今期PERは10倍程度と割安感がある4)今年公開した新規公開企業の株価動向を見ると直近ではIT系(ソフト・システム関連)企業の上昇しているといった理由から株価は割安と考える。

ちなみに明日28日にはアナリスト向け説明会を予定している。(海パン)

 

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2002/08/26 ベンチャー企業特集
炎のファンドマネージャー

 

 株式市場には現在、東証、大証、名証、地方市場、JASDAQ、NASDAQジャパン、マザーズなどあわせて3600社以上が上場している。
 会社四季報や会社情報にはそうした企業の内容が掲載されているので、投資情報としては概略を掴むことが可能である。私は昭和40年代から会社四季報を買って読んできたが、最初に手にした会社四季報は上場企業数が少なかったために薄っぺらいものであった。大きさも今のようなサイズではなく、もっと小さいものであった。何回も何回も読むので(見るといった方が良い)すぐに背表紙が取れてしまったり、手垢で汚れてしまうことは日常茶飯事で、それは使いこなした証でもあった。
 四季報は投資のバイブルとして、多くの皆さんが株式投資をスタートされる際の必須アイテムと言うことができる。簡単にその企業の内容がわかるのだから、まずは発売日に逸早く購入して、株価の出遅れを確認して投資していれば短期に成果が上がることもよくあった。
 私も発売日にまずは徹夜で全て調べて、株価が割安な水準にあるものを仲間に教えて上げたりしたこともあった。学生時代には時間があったのでそうした作戦で結構パフォーマスを稼いでいた。今となっては良い思い出である。

 そうした時代は既に過去のものとなり、企業情報は様々に流れているので情報の変化は株価に既に織り込まれている状態となっている。つまり効率的な市場になっているのだ。
 しかも上場企業数はその当時から飛躍的に増加し、一つ一つを人の力でチェックするのに1日では済まない状態になっている。それでもコンピュータの発達で簡単にスクリーニングする仕組みができているので、PERのランキングなどは容易になってきた点は有り難い。ただ、複雑な世の中の経済情勢から、今コンセンサスを得られている業績見通しはもう過去のものとなり、信頼性が既に無くなっているという変化の激しい時代にもなっているのだ。

 既に株式を上場させた企業は効率性を高めていけるチャンスなのだが、日本では多くの企業がROEの低下に悩み、世界の企業と比べた効率性は悪い。人件費の高騰が販売費一般管理費のコスト上昇に繋がり、その引き下げに必要なIT化投資もまだ遅れているといった状態にあると言える。
 日本経済を取巻く環境は、IT化で先行し労働生産性を高める米国の景気停滞と、労働コストが日本に比べて圧倒的に安い中国の急速な台頭で厳しさを増しているというのが一般的な見方だろう。

 独創的なアイデアや技術を背景にした新たな成長企業が登場し、株式市場に新たな旋風を巻き起こす好循環が経済を活性化すると考えられるのだが、日本に起きている不幸は、そうした元気のある企業に門戸を開く筈の市場が機能しなくなっている点だ。
 先般、NASDAQは日本のナスダックジャパン市場からの撤退を発表したが、IPO銘柄(新規に上場する銘柄)の数がこのところの市場の不振と業績悪化懸念から減少してきているのは、好循環の道を断ち切ってしまうものだ。

 先日IPO専門のサイトを開いている東京IPOの社長であるSATO氏と面談したが、彼にとってもIPO銘柄が減ることはビジネス上の問題だろう。私はこうしたIPOの専門家などとも交流を持っているが、証券会社やベンチャーキャピタルなど、IPOの減少は彼らの手数料やキャピタルゲインの減少につながるだけに、由々しき問題となりそうだ。
 私はこうした状況の中で、敢えてベンチャー企業を読者の皆さんにお知らせしていこうと思っている。
 今回は以下の3社。これから紹介していく企業がすぐに上場できるという訳ではないが、成長の可能性のある事業かどうかを皆さんにもぜひ吟味して頂こうと考えている。

 なお、今回のベンチャー企業紹介は、ベンチャー支援をコア事業としておりますジェービィック証券のご案内に基づいて私がプレゼンに出席し、その内容を聞いた後の感想をまとめておいたものです。エンゼルとしての活動を希望されている方には、更に詳細のレポートを送って貰えるように手配したいと思いますので、ぜひ連絡を賜れば幸いです。
 次回はベンチャー支援事業で実績をお持ちのアンビシャスネットの藤井社長にも登場願い、ベンチャー支援の難しさなどをコメントして頂く予定です。(炎)


1.株式会社スマートデポ

 大学(早稲田)発のベンチャー企業ということで、興味を持たれる方は多いのではないだろうか?
 最近の新聞で「ニッセンが通販で購入された商品をファミリーマートで受け取れるというシステムを構築した」との記事を見られた方もお見えかと思いますが、このシステムは同社が開発したものだ。
 現在、リクルート出身の今野社長は若手の経営者で日興證券出身の役員を迎え、2005年の上場に向けて積極的な活動を行っている。今後、ニッセン以外の通販会社にもこの仕組みをアピールし、普及に努める意向である。
 通販業者の悩みは顧客が不在であったり、配達されたものを受け取って貰えない時。コンビニが物流の担い手となりうる試みともなる訳で、今後の普及の確率は高いと考えられる。2兆円以上の通販市場が当面のターゲット。消費者としても利便性が高いのでビジネス成功の可能性も高いと思われる。
 技術的な背景は早稲田大学の認証技術。株主でもある日立との連携がポイントでもある。(炎)

【主力商品】
・日立製作所ネットビジネスソリューション「スマートデポ」の企画・提供・認証システムの販売・運用および情報システムの開発・販売
【会社概要】
社名 株式会社スマートデポ
会社所在地 〒105−0013東京都港区浜松町1−21−5
 電話代表 03−6402−1536
 代表FAX03−6402−1539
設立 平成13年3月16日
資本金 147,750,000円
資本準備金会社役員 70,250,000円
代表取締役 今野 徹
 取締役 今城 純一
 取締役 喜藤 憲一
 監査役 網谷 充弘(弁護士)
 監査役 加藤 うたみ(公認会計士)
 顧問 岩村 充(早稲田大学教授)
 顧問 松田 修一(早稲田大学教授)
株主 日立製作所・岩村充 松田修一 等
【事業概略】
 インターネットで購入する商品を、コンビニエンスストアなどの様々な店舗で授受ができる物流管理と、認証システムを組み合わせたスマートデポシステム(日立製作所と共同開発)のサービスを展開する。その認証技術には早稲田大学と日立製作所と現経営陣が関わる『ID埋め込み型電子証明技術』の特許を活用している。
 この夏からコンビニのファミリーマート全国6000店で、大手通販のニッセンで購入した商品を受け取るサービスを開始した。秋には他の大手通販も導入を決定している。
 また、受渡店舗の拡大と物流の拡大連携も来年まで順次実現する予定で、今後の電子商取引の物流と流通管理、顧客サービスのシステムとして、機能拡大を予定している。


2.株式会社ブレインリンクス〈通信費を限りなくゼロにする電話機を主力としての事業展開〉

 1台10万円以下でIP電話を提供することで、本社と地方間の社内会議をスムーズに行う試みを実行しようとしている。大学との連携による事業化という点に特色がある。交通費、出張費などの販売管理費削減に注力する企業にとって、こうした製品やシステムの導入は不可欠だろうから、事業拡大の可能性は高いと思われる。
 問題はこうした製品の普及のための体制作りであるので、今後は販売増に向けた有力企業とのアライアンスなどが重要になると思われる。以下の概要を参照願いたい。(炎)

【主力商品】
〇IP電話機端末(NetTalkシリーズ)
  2000年8月に主力製品としてIP電話機(NetTalk)を発表
  セコム様全国サービスセンターへの納入実績
  NTT−ME様へIP電話サービスの端末として供給を開始(年間5万台契約)
  他、大手企業20数社への導入実績
〇動画と音声同時配信可能なビデオ端末
  豊富な実績と経験からIPビデオ電話機端末を開発
  実用性を図るため、企業用会議システムと教育、老人介護システムに特化したBLC−CCR(ネット上の貸会議室システム)の開発を開始
  徳島大学工学部、知能情報工学科森井昌克教授とBLC−CCR共同開発を開始
  セキュリティー保護のため、徳島大学と暗号化Boxも同時開発開始

【会社概要】
社名 株式会社ブレインリンクス
会社所在地 〒150−0001東京都渋谷区神宮前6−19−16
 電話代表 03−5766−1872
 代表FAX03−5766−1839
設立 1999年12月24日
資本金 138,250,000円
会社役員
 取締役会長 前田 成人
代表取締役 前田 正人
常務取締役 梅林 邦彦
非常勤取締役 Daisy Chen
監査役 冨松 佑二郎

【事業概略】
〇株式会社ブレインリンクスはVoIPといわれる、インターネットによる音声通話方式を使用した電話機端末であるNeTalkの販売を行う。VoIPはインターネット回線を利用するために、通信料がインターネット接続料だけで済むため、通常の電話に比べ、廉価で通話が行えることが特長である。特に、国内や海外に、多くの拠点を持つ企業にとって、通信料のコストパフォーマンス向上に期待できる。


3.便利屋トータルサービス株式会社〈便利屋フランチャイズ事業展開〉

 ユニホームを着た社長がプレゼンを行った。ニッチな分野ではあるが高齢化社会の中で必要なサービス業態であるに違いない。問題はスタッフの質的な問題である。事業内容そのものは理解し易いが、実際に活動するのは人間だから、人の教育が大きな課題と考えられる。失業者対策の事業とも思われるが、実際に40代〜50代の開業希望者が同社を訪れているそうだ。今後、住宅会社などとのアライアンスが組んでいければ、ある程度の発展が期待できると思われる。なお、今後資本増強のニーズを持っているそうだ。(炎)

【主力商品】
便利屋の仕事は日常生活のちょっとした雑用をなんでも気軽に引き受けて、お客様に重宝がられる仕事です。
(サービス)
・住まいの修理25%
・庭の手入れ25%
・ハウスクリーニング25%
・その他家庭内の雑仕事25%

【会社概要】
社名 便利屋トータルサービス株式会社
会社所在地 187−0043東京都小平市学園東町448−3
 電話代表 042−347−5006
 代表FAX042−347−5008
設立 2000年5月10日
資本金 12,500,000円
会社役員
 代表取締役 緒方 正
 取締役 佐藤 一則
 取締役 大橋 衛
 監査役 緒方 恵美

【事業概要】
 お客様の構成は新規の70%、リピーターの90%が、お年よりです。便利屋サービスを当社では「まかせて安心 とっても親切 ほんとうに便利」に提供します。お客様・加盟店・当社の皆の心と生活を豊にすること<−Total Win−>を目指し、フランチャイズ制を採用することにより、個人事業主を組織化し情報装備の強化をはかり、お客様にとって適切な価格で問題を解決します。また、やりがいのある仕事を求めている人々に仕事の場を提供します。

 

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2002/08/16 為替相場動向
生涯遊人

 

 今週は、$の売りが続いた1週間でした。

 121.37銭の戻り高値をつけたドル円は、今週116.30銭まで下落した。ユーロも0.9622の安値をつけたあと0.9900まで買い戻された。
 先週も述べたように、米国の経済状況、株式市場、為替市場とも弱気一辺倒から、徐々に中立かあるいは、小康状態という認識に傾きつつある。
 株式市場、債権市場、為替市場は、ここのところ米国売りが進み、これが中長期的な米国売りにつながるのかどうか、レベル的にも時間的にも微妙なところにきていると思う。

 その意味では、ここから出てくる経済指標は、買いにしろ売りにしろ、マーケットが注目していくだろう。
 今週は、FOMCの決定会合で、金利の据え置きがあり、先週FRBの利下げ3回、合計0.75%の利下げ観測により、株、ドルが戻った分のメッキがはがれたともいえる。俗にいう、Buy on Rumor,Sell on Fact(噂で買って、真実で売る)になってしまった。
 ただFOMCでは、政策金利を1.75%に据えおいたものの、運営姿勢を中立から景気重視型に変更したため、次回9月24日のFOMCでは、利下げの可能性がある。

 この他の指標は以下の通り。

7月の米国小売売上高+1.2%(前月と変わらず)
6月の企業在庫+0.2%(前月と変わらず)
先々週の新規失業保険申請件数 388000件(18000件増加)
8月のフィラデルフィア製造業景況指数−3.1(前回+7.2)
7月の鉱工業生産 +0.2%(変わらず)
7月の設備稼働率 76.1(変わらず)

 このように今週発表された米国の指標は、良いものと悪いものがミックスした。本日発表のミシガン大学消費者心理指数が消費者の購買意欲を計るという意味で注目されている。

 今週はお盆ということもあり、東京マーケットは参加者が少なく、非常に流動性が低いマーケットだった。
 一昨日あたりは、ロッシュの中外製薬株取得の話で、スイスフラン売り円買いのフローがマーケットを動かし、円は対欧州通貨で円高が進んだ。実際この買収にからむスイス売りがでたかどうかは不明であるが、マーケットはそれをネタにスイス円を売っていた。これも Buy on Rumor,Sell on Factの類である。

 また8月15日は米国債の四半期ごとの利払いがあるために、利金の円転が起こった。これは米国債に投資している投資家は、$で債権の金利を受け取るが、これを日本円に換える動きが集中する。この為に2月、5月、8月、11月のこの時期はこのような円買いの需要がおこる。

 ドル円は、まだ115−122のなかの動きで、そのなかで116−119というレンジで取引されている。
 来週は、118円を超えた場合は、120−121を試す展開となろうが、118.00を抜けられないようなら115円台をもう一度確認しに行くだろう。(生涯)

 

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2002/08/16 ハリマ化成(4410)
海パン刑事

 

 【概要】

 「松」から得られる有効物質を化学製品に加工し(パインケミカル「松脂化学」)、応用製品を展開している企業。塗料や印刷インキ、製紙用、タイヤ用などに使用されている。 事業は主力3事業でほとんどを占めており、2002.3期連結ベースの売上構成比は樹脂事業33.8%、製紙用薬品事業35%、工業用油剤事業18.1%、観光事業5.4%、その他7.7%となっている。

【セグメント別営業利益】

 樹脂事業9.51億円(利益率10.3%)、製紙用薬品事業3.4億円(利益率3.5%)、工業用油剤事業5.1億円(利益率 10.4%)、観光事業−1.65億円(利益率 −11.2%)、その他事業3.55億円(利益率 17.4%)、消去又は全社13.19億円(総務や管理部門の経費など配賦不能費用 対売上比4.9%)と3事業で大半を占める。
 ライバルは製紙用薬品、工業用樹脂でそれぞれ荒川化学(4968)や星光化学(4964)など。
 シェアは製紙用薬品で約2割(荒川化学に次いで2位)、工業用樹脂で約4割(トップ)となっている。

【業績】

連結の直近過去3年間の業績は
連結売上高00.3期 283.37億円→01.3期285.08億円→02.3期 270.82億円
連結営業利益00.3期 16.56億円→01.3期9.85億円→02.3期 6.72億円
と売上高、利益ともに減少傾向。営業利益の減少は主力3事業の売上低迷が要因である。

 主力3事業のセグメント利益を見ると製紙用薬品事業が2000.3期10.42億円→2001.3期5.35億円→2002.3期3.4億円と2000.3期対比7億円のマイナス。

 同様に工業用油剤事業が8.77億円→6.42億円→5.1億円と同約3.7億円のマイナス。 樹脂事業が12.05億円→11.52億円→9.51億円と同2.5億円のマイナス。などから3主力事業の低迷が目立つ。これらの主因は単価下落の影響によるもの。

 クイックコンセンサスによる連結の今期(2003.3期)業績は売上高前期比+1.5%(275億円)、営業利益+33.9%(9億円)、経常利益+49.3%(8億円)、当期利益は黒字転換の4.1億円。2003.3期連結予想EPSは15.7円と今期は大幅に利益が改善する見通し。とはいえ、会社計画では経常利益の計画は8.6億円となっており、会社計画をやや下回るコンセンサスとなっている。
 同じくクイックコンセンサスの来期(2004.3期)は売上高+1.1%(278億円)、営業利益+11.1%(10億円)、経常利益+12.5%(9億円)、当期利益+12.2%(4.6億円)2004.3期連結予想EPSは17.6円とのことで今来期ともに2ケタ増益見通しとなっている。

【期待は導電性銀ペースト】

 既存事業の成長性は見込めないが、今後期待されるのが「金属ナノ粒子ペースト」。
 アルバック・コーポレートセンターと共同で開発した。これは携帯電話やノートPC、デジカメなど小型・高性能化が要求される中、基板に対する高密度化のニーズから開発された。これまでの導電性ペーストでは線幅及びラインスペースはペーストに含まれる金属粒子が大きいため、それぞれ50μmが限界。 こうした中、同社とアルバック社ではペーストに混ぜる金属粒子を5ナノメートル(従来の500分の1〜1000分の1)に微細化。粒子の表面を特殊な分散剤を使い、一定のところに集まることなくペースト内の粒子を安定的に分散させることができた。また基板などの製造工程でも粒子が細かいため、ペーストを焼き付ける温度も低くて済むなどの利点もある。

【産業技術総合研究所と共同開発】

 産業技術総合研究所が2002年4月に従来のインクジェットの1/1000以下となる微細吐出量の独自のインクジェット方式(サブミクロンインクジェット技術)を開発したと発表したが、これもハリマ化成が金属ナノ粒子ペーストをインクとして用いて共同研究したもの。
 このインクジェット技術を使用すると直接ガラスやセラミック、ポリイミド基板に回路を直接描画でき、数μmの線幅描画が可能となる。このほか、直接描画により、露光工程を中心とした製造工程の簡素化、材料使用量の削減などコストや時間の削減につながることが期待される。ちなみに、部品と回路の接合部分、プリント回路間のスルーホールにも使用できるとのこと。
参考としてはwww.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2002/pr20020401/pr20020401.htmlここにアクセスするとわかりやすく書いてあります。

 現状、観光事業の赤字を縮小させること、3大事業の売上利益とも減少傾向に歯止を掛けることが当面の課題となりそう。
 金属ナノ粒子ペーストは現在サンプル段階で業績寄与は来期以降となる。3大事業の低迷は無視できないが、当面株価のバリュエーションはこの金属ナノ粒子ペーストの売上がいつどれくらいの規模となるか、いつどこに納入が決まるかで変わってきそう。金属ナノ粒子ペーストの動向に注視したい。(海パン)

 

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2002/08/13 連載 負けない投資 その9
大原部長

 

 =競争力の判断基準、競合条件の分類、企業の強みに関わるポイントの列挙=

☆☆企業の競争力と競合条件の判断となるポイントの列挙☆☆

【企業の質を見分ける →シェアの議論の復習】

 シェアが高い企業は、シェアが高いということだけで差別化が可能になると述べた。研究開発費などの固定費は売上と比例しない。固定費率(固定費÷売上高)は売上規模が大きくなれば下がる。

 お客が入るレストランとさっぱり人気のないレストランとでは固定費率が違う。また、売上規模が違えば、材料費などの変動比率も違ってくる。 大量に購買できるメリットが現れてくる。これは「スケール・メリット」と呼ばれている。
 事業の性格を見定めるのは、このスケールメリットが重要になる。

 結局は、シェアが高い企業は、スケールメリットを享受することになる。

(固定費比率=固定費÷売上、変動費比率=変動費÷売上)
(固定費=人件費、償却費、研究費など)
(変動費=光熱費、材料費、外注費など)

 それでは、シェアが低い企業がシェアを向上させていくにはどうしたらいいのだろうか。

 カギは、経営にある。
 タイミングよく景気の波の底で最適な設備投資を最も効率的に行えば、一歩一歩他社との距離を詰めたり、引き離したりすることになる。

 設備投資の内容とタイミングは、もっとも重要な経営判断ということになる。

 結局、PEを議論するためには、その企業の経営のスピードや経営者の考え方を理解する必要がある。
 経営陣が投資家にとって、十分信頼に足ると判断できないなら、危なくて株なんか買っていられない。

 このシリーズの前半で議論したように、企業の質、経営の質を見極めるという作業がどうしても必要になる。

【競争力はシェア シェアは価格を安定させる 価格が安定する事業はPEの 議論がなりたつ】

シェアを向上させるためには、
1)専業に専念した方がいい。
2)生産拠点は集約した方がいい。
3)公正な組織運営がいい。
4)重要なことと重要でないことのメリハリ。自由闊達な会社の雰囲気がいい。
5)強い意志。勝つんだという意気込みがなければならない。
6)バランスシートが健全でなければ不況期にタイミングよく投資ができない。
シェアをとるということは、シェアをとるという意思がなければ絶対にとれない。

ひとつの市場で圧倒的なシェアをとった企業が現れる。そうするとその市場は安定する。
インテルの商品はインテルが値下げを決める。DRAMが市場が価格を決める。

高いシェアをとれば、ライバルだってハッピーなわけだ。
そのしわ寄せは、他の製品や他の部品に波及はするだろうが。

【ニーズの分類】

ある企業を思い浮かべよう。
そして、その企業が満たす顧客ニーズは分類してみよう。

ニーズの対象者数










遊び 趣味 雑貨
生活インフラ
オタク的市場
マイノリティの切実なニーズ
→→→→→→→→→→→→→→ニーズの度合い

縦軸に対象マーケット規模に当たる対象者数を横軸にはそのニーズの切実さの度合いをとる。
 潜在的なニーズを感じることができる、マイノテリティの切実なニーズに取り組む企業が成功するだろう。

 切実なニーズをしっかりと吸い上げる仕組みが経営にあるのかどうか。
高いシェアをとるということは、世の中が人と違って見えているということが大切だ。

 金属探知機のように、局所、局所でしっかりとニーズが探知できるセンスが経営力を形つくる。

 マイノリティーの非常に強く、そして切実なニーズさえわからない企業が大多数であることが日本凋落の一因であろう。

【競合条件の分類】

企業の競合条件を分類してみよう。

競合者の数
↑ 差別化失敗のレンジ




↑         差別化成功のレンジ
↑ →→→→→→→→→→→

 自社のシェア競合が多いのに、自社のシェアは低い。
マイノリティーの切実なニーズに取り組む企業は少ない。
競合も少なく、ニーズの度合いも高い。

100万人の市場のシェア1%と1万人の市場のシェア100%はどちらがいいだろうか。
シェアの%ではなく、シェアの%の差が重要である。

ある企業Aのシェア÷ある企業Bのシェア。
倍率が大きければ大きいほどよいだろう。
競争力とはシェアの「差」が一番重要だということを認識しよう。

そしてその差は、利益率の差に反映されなければならない。
利益率の差は、再投資の効率の差に反映されなければならない。

そして再投資の額の差は、将来のシェアのさらなる格差に反映されなければならない。
そういう再投資モデルを自分で構築しなければならない。

−−−−つづく−−−−(大原)

 

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2002/08/12 ユビキタス社会の到来で変わる貴方の生活
炎のファンドマネージャー

 

 〜ユビキタスは投資テーマとしても重要〜

 7月25日に明治記念館で開催された内田洋行主催のウチダソリューションフェアでは多くのIT関連の発表があり、大勢の方々が熱心に聞き入っていた。私はそこに招待され、あるテーマについて話を聞く機会を得た。

 そのテーマとは「ユビキタス社会の現在と近未来」というものであった。講演者はこの分野で実績のある野村総研の横井正紀氏。
 このほかにも同ソリューションフェアでは様々なテーマで講演があったのだが、なぜ私が敢えてこのテーマを選んだかと言うと、ITバブル崩壊で停滞している現状が、いつになったら再び活気を取り戻すかが知りたいと思っていたこと。これからの社会にとって不可欠な投資テーマとなると思われたことである。

 私はこのセミナーへ招待を受ける前に某大手電子部品メーカー系のベンチャー企業を訪ね、今後の事業展開等について詳しく説明を受けていた。そこで耳にしたのがRFIDというチップの話であった。
 RFIDチップを使うと物流の効率化に貢献したり、本物と偽物を見分けることが可能となるという話も、このところ新聞が取り上げてきていたので関心を持っていた。また、私も使っているが、JR東日本が普及させようという「SUICA」なる定期カードもこのチップ(ソニー製)が埋め込まれていることは常識となっている。どこがディファクトスタンダードを取るのか、今や早いもん勝ちの世界となっているのだ。
 この話を余り細かくすると差し障りがあるのでこれ以上のコメントは控えたいが、その後も大手信販会社の友人が「今後今までのカードをICカードに変えていく」との話を聞いたりもしたし、つい最近ではユビキタスと非常に関係のあるウェアラブルコンピュータを開発し、多くの特許を取得した米ザイブナー社の日本法人のプレゼンを聞く機会もあったり、ユビキタスの基本技術を特許取得した日本の研究開発型企業の会長にもお目にかかったりして、どうやらユビキタスが本当に株式市場の新たなテーマになるのではないかと思いを強くしたのだ。
 この他でもオーデリック(6889・J)という照明器具の会社は、普通の電灯線を活用した家庭内の監視システムを開発。PCや携帯電話から家の中が監視でき、防犯等に役立つセコムに対抗する新たなシステムとのことで、何かと物騒な世の中となってきた中で注目すべき製品及びシステム開発を行ったことを発表。11月からの発売に備えているところだ。

 今やユビキタスというテーマは企業だけでなく、政治・経済等のあらゆる世界でも話題になり始めているが、多くの読者にとって些か判りにくいかも知れないので今日は解説を加えておきたい。

 ユビキタスというのは1989年にXEROX社の研究者が予言した21世紀の情報環境を指している。つまり、いつでもどこでもネットワークに繋がっている状態のことを言うらしい。
 私たちのネットワーク社会は近代革命を支えてきたことは明白だが、そのネットワーク革命の最初は18世紀の運河開通であった。これによって流通経費が10分の1〜20分の1にまで削減された。
 この後は19世紀の鉄道、更に自動車によるモータリゼーションというフレキシブルネットワークの時代が到来。自動車から始まって道路、街、土地、サービスという新たな産業を興した。

 これに続く通信によるネットワークインフラが、様々なメディアや情報端末機器によって構築され、新たな未来潮流をなそうとしている。地上波放送や衛星放送、CATV、FTTH、銅線通信、無線通信などそれぞれのメディアで変化が見られ、デジタル化、ブロードバンド化で私たちの生活は大きく変化しようとしているのだ。
 野村総研の横井氏によると、テレコム産業の今後の成長性は国内インターネット人口が年率16%程度の伸びを続ける一方で、全体では27%の成長を見込み、Eコマース、コミュニティ、ポータル、個別プラットフォームなどでは年平均成長率が60%以上に達すると試算している。家庭内においてもホームサーバーが普及することによって蓄積型の放送が可能となり、時間に縛られる生活から解放されると見ている。
 また、電子政府サービスのスタートでICカードが普及し、認証の仕組みが構築されることで、携帯電話でお金が下ろせる時代になっている。ブロードバンド化によっていつでもどこでもネットワークに繋がる時代。ざっと簡単に情報通信機器を上げただけでもカーナビ、情報家電、デジタルTV、STBサーバ、ビデオゲーム、PDA、インテリジェント自販機、ブルートゥース、IEEE1394、電灯線ネットワーク、モバイルPC携帯電話、メインフレーム、あらゆる機器が何でもネットワークに繋がる時代を想像してみて下さい。
 単に繋げるだけの時代であったコンピューティングの時代から、知らず知らずのうちにネットワークに繋がっているコンピューティングパワーの時代では私たちはいつでも繋がっているという感覚を持つに違いない。こうしたユビキタス化によって企業へのインパクトも相当なものがある。

 製品の高付加価値化や開発や生産の効率化、在庫圧縮などのコスト削減、サービス化による収入源確保、環境対策を図ろうとする製造業では知恵の伝達、共有によるR&D生産性の向上、エンドユーザーとの協働、ネットワーク化による製品の新たな価値創造、SCMの高度化によるコスト削減、環境対策コストの削減が可能となる。また、流通業においてもブランドなどの伝達向上、ベンチマーク型マーケッティング、RFIDによるカウンターの革新、SCMの高度化によるコスト削減、ユビキタス広告、コミュニティマーケティング推進などのインパクトがもたらされると、横井氏は主張する。

 これはベンツで実際にやっていることだが、車のパーツ一つ一つにRFIDをつけることで解体がスムーズにいくような仕組みができているとの話もあった。また、SUICAと携帯が連動することで下りた駅の情報が入る仕組みなど、コンシェルジェ型の事業モデルが今後さまざまに考えられてくるに違いない。このほかでも日本にいながらにして海外現地生産の状況がわかる仕組みも興味深かった。

 このようにまだまだ漠然とはしているが、ユビキタス社会の到来する中で私たちの生活も大きく変化しようとしているのです。
 これに関連した企業の株を今のうちに見つけて投資しておくことが「億の近道」かも知れませんよ。私は今後も大いにユビキタス社会に貢献する有望関連企業を見出すように努力していきたいと思っております。(炎)

 

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2002/08/12 今週の株式相場展望
炎のファンドマネージャー

 

 【先週の株式相場を振り返って】

 前週末の地合を引継ぎ、週初においてはNYダウの下落からもたつく場面が見られたが、日経平均の2月安値9420円に接近してからは再び反転の動きとなり、週末にかけてはNYダウの大幅な反転上昇と歩調を合わせる格好で日経平均もザラ場では1万円に乗せるなど、明るいムードが漂ってきた。それでも引けは1万円乗せならず、上昇ムードは来週に引き継がれる格好となった。
 NYダウは、ブラジルの経済危機が回避されるとの見方から金融株がリードする格好で下げ止まったが、NASDAQの反発力はNYダウに比べればやや鈍いとの印象があるため、引き続きIT関連のハイテク株を中心として先行き不透明感が依然として残ったままである状況にある点は否定できない。ただ、NYダウは8000ドル接近場面では反転上昇に転じるなど、当面は7月24日の安値がボトムであったとの認識を市場に植付けつつある。今後のNY株が順調にこのまま上昇するとは考え難いが、株価下落の要因となった企業会計への不信感を払拭するための施策が早期に打ち出されたことは、前向きに評価すべきだろう。しかも、NYダウ、NASDAQともに底練りの状態となり、相場にリズムが出てきたことは明るい点だと言える。
 週末の株式相場はほぼ全面高となったが、ひとまずは海外株の反転から買戻しの動き、信用買いの動きが見られ、主力株中心に買いが入ったものと考えられる。このところの下落局面では多くの主力株が売り込まれてきたが、一旦全体相場のムードが変わると今度は全く逆の現象が見られるようになることは想像に難くない。ひとまずは買い安心感のある銘柄に買いが入り、それが一巡すれば、個別株に戻るといった好循環が形成されるのかどうかが当面のポイントとなりそうだ。
 主力株が堅調に推移する一方で、流動性に乏しいJASDAQ銘柄については依然として勢いに欠け、換金売りで値を消す銘柄も増加している。この結果、日経店頭平均は前週末に比べ、まだマイナスのままとなって週末を終えた。
 個別に大きく売り込まれた日本ハムは、偽装工作への本社関与の疑惑から先行きの業績不安が一気に高まってきた。

日経平均週末株価
 9999.79円  前週末比△290円 (△3.0%)

TOPIX
 980.79ポイント  同△26ポイント(△2.7%)

日経店頭平均
 1158.82ポイント 同▲19ポイント(▲1.6%)

NYダウの株価水準
 7月24日のボトム 7532ドル 直近戻り高値 8762ドル(7月30日) ボトム比 +16.3%
 週末終値 8745ドル 前週末比 △432ドル(+5.2%)

NASDAQの株価水準
 7月24日のボトム 1192ポイント 直近戻り高値 1354ポイント(7月30日) ボトム比 +13.6%
 週末終値 1306ポイント 前週末比 △58ポイント(+4.6%)

 

【今週の株式相場展望】

 今週は先週の流れを受けて日経平均が1万円台に乗せてくる格好で、やや明るい地合を想定していたが、意に反して週明け相場は反落の動き。お盆休みで市場参加者は限定的で相場の迫力に欠けている。閑散に売りなしとの格言は見事に裏切られ、閑散に買いなしとなってしまった点が下げの要因となったことは明白だ。
 当メルマガでは既に7月29日付けの相場展望において「日本の株式相場は世界に冠たる優良企業の集積の場でもある。米国市場における影響を全く無視する訳にはいかないが、発展するアジア経済に最も近い日本企業が評価されることは理に叶っている。全体相場反転となれば日本を代表するテクノロジー系の有力企業への突込み買いが効果を表すだろう。キヤノン、京セラ、ローム、村田、信越化、トヨタなどの底力を信じて、買いタイミングを図る局面が接近しているように思われる。」との指摘をしておいたが、全体相場のリード役を担うこれらの銘柄のトレンドが上昇傾向にならないと、相場のムードは明るくはならない。
 売買作戦としてはまずはトヨタ、ホンダといった自動車株、自社株買いの発表を行ったファナックやソニー、信越化などの主力国際優良株の押し目買いスタンスの継続が一つの方法。
 但し、これらの多くが先週において既に買い進まれている点には留意したい。個別銘柄においても割安感の出てきた材料株が買いのタイミングを迎えていることから、ここからは余り弱気しないで基本的には押し目買いスタンスで取り組むこととしたい。
 大幅な売り越しに転じてきた外国人投資家の売りは、ここにきてやや縮小。ほぼ一巡してきたと考えられるが、依然として株式持合い解消売りの継続は続くものと見られる。これに対して、多くの企業が自社株買いを行うことが明らかになっている。また、株価水準が低くなっていることがM&Aの環境にも繋がっており、個別銘柄もこうした企業価値から評価されることも想定できる。2兆円の先行減税に続いて、金融庁が打ち出した証券市場改革では、税理士や会計士への代理店制度を導入するなど、個人投資家の裾野を広げるための方策も打ち出されるなど、多少は評価すべき政策が見られるようになった。
 既に前週において金融庁から、機関投資家に対する信用取引の空売り規制が打ち出されたことや、新紙幣の発行が正式に発表されたことなど、多少は前向きの材料が見出されるようになってきた点もこれまでとは若干異なっている。
 今週の相場展開が仮に力強い展開となっても、まだ多くの投資家は疑心暗鬼に違いない。株式相場が一段と明るさを増すためには、11000円以上に日経平均の水準が高まらないとならない。 このためには、NASDAQの更なる上昇で日本のハイテク株が連れ高する必要がある。
 銀行の不良債権処理がより一層スムーズにいくためにはITバブル崩壊で値を消してきた通信関連をはじめとしたハイテク株の上昇が不可欠であることを改めて認識しておきたい。

**本日は薄商いの中で反落の動き。本日のNY株次第ではあるが基本的には押し目買いスタンスで臨みたい。(炎)

 

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2002/08/09 市場は夏休み?
生涯遊人

 

 昨日は、IMF(国際通貨基金)がブラジルに対する300億$強にのぼる新規融資枠に設定に合意したことをうけ、$が安定した。ブラジルのソブリン債の発行残高は2500億$にのぼり、デフォルトの懸念がささやかれていたが、その懸念も新規融資枠の設定により後退した。
 米国の経済が不調になったり、金融マーケットが動揺すると、その影響は、必ずラテンアメリカ諸国に飛び火する。これはもともと米国とラテンアメリカ諸国が政治的にも、経済的にも強く結びついており、実際米国の銀行はラテンアメリカ諸国の債権を多く保有している。
 そのためにお互いの国の金融市場の動きに影響を受けるとともに、もともと経済的に脆弱なこの地域は、対外債務が多いために、世界経済の悪化、対外債務の返済不能懸念、それによる金融市場の動揺、それがまた米国金融市場に伝播し、世界の金融市場を動揺させるといったスパイラルを繰り返してきた。

 今週はドルは、対円、対ユーロともに買い戻された。
 前回、9.11のテロのあとの安値115.00台は今回もサポートされ、そこから$の買戻しがはじまったが、一部には、海外投資をしていた米国の投資家のリパトリエーションともいわれている。
 当面118.00円台は、グッドサポートになり118−123.00ののレンジの動きになっている。

 ユーロもいったんパリティ(等価値)である1$=1.0000ユーロをクリアーし1.0200までいったが、そこからは、米国株式市場の安定をうけて、ドルの買戻しが先行している。
 しばらくは0.95−1.0000のレンジ相場になるだろう。

 米国株式のダウ平均8000ドル、日経の9500円、ドル円の115円といったところが、サポートとして機能し、金融市場は一時的に落ち着きをとりもどした。
 しかしこのレベルが通過点となり、さらに株式市場の下落するようであれば、ドル円も115.00円を試す展開も考えられる。(生涯)

 

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2002/08/09 フェアレディZ がんばれ日産
両津勘吉

 

 フェアレディZが蘇った。

 旧日産自動車体制時に新型モデル開発ストップがストップと伝えられ、Zファンにとっては悲しい出来事であった。しかし追浜工場に勤務する友人から電話があり、開発が再スタートと聞いたのだが、その後の日産は企業として再生出来ず、ルノーの支援を受けることになった。しかしゴーン社長はGTRを北米投入することと、Z復活をアナウンス。

 昨年、そして今年の頭に日産のトップライン成長を信じない向きから日産株の売りが聞かれましたが、私はゴーン社長のアナウンスを聞いた時点で日産の再生間違いなしと判断しました。

 現在、30歳以下の方は日産の全盛期とも言えるS30や、KPGCをご存知ないかもしれない。KPGCはスカイラインの箱型、いわゆる箱スカで、S30は同時期のフェアレディZである。
 箱スカには直列6気筒のL20エンジンと、同6気筒4バルブDOHCエンジンであるS20を搭載したGTRに大きく分かれる(ケンメリは省略します)。
 一方、ZはL20搭載のS30と同L型の2400CCを搭載した240Z、そしてGTRと同じエンジンを搭載したZ432に分かれる。 この中でも若者のハートを熱くさせたのは、なんといっても240Zだ。ロングノーズに小豆色のボディカラーは最高で、アフターでワタナベのホイールを履いたら、もうこれ以上の車はないほどだ。30代、40代の方は勿論、当時免許を取得する年齢に達しない層まで、お金があったら又は社会人になったら日産車を買うというのが夢であったのだ。

 当時、10歳にも満たない年齢の私でしたが、Zや箱スカに憧れ、大きくなったら絶対乗ると夢を抱いていたものです。
 その熱狂なる日産ファンも次第に年をとったが、反対に収入も増えており、金銭的には余裕がある。ところがその後の日産はトヨタとの消耗戦に陥っていく。技術者の乗りたい、作りたい車ばかりで、性能的には優秀、しかし価格は決して安く収まらず、結果、工場稼働率維持のために販売インセンティブをガンガン積む。国内ではトヨタとの消耗戦に陥り、日産は技術を追い求めるばかりでデザインや内装はトヨタの方がはるか上。おまけにトヨタ車は故障が少なく、金持ちになった日産ファンも次第にセドリック、グロリアからクラウンに乗り換えていった。

 日産のブランドはスカイラインジャパンで間違いなくピークを迎えた。
 しかしながら、若い時の日産に対する憧れはなかなか消えるものではない。その証拠として、GTRをなかなか復活させない日産の行動に苛立ちさえ感じたものだ。しかし日産はファンの気持ちを裏切るかのように、どんどんと奈落の底へと突き進んでいったが唯一、最高のスポーツカーを送り込んでいた。
 それがR32,33,34GTR。
 特別なスポーツカーを除き公道では世界トップクラスの動力性能を、たかが500万円で提供。技術の日産としての底力は、会社が潰れそうになっても健在でした。これは日産エンジニアの方の情熱以外の何物でもない。

 フェアレディZといえば最近マスコミに登場してくる片山氏。現在、92歳だそうだが、片山氏が旧Zの立役者と宣伝されている。しかし私はそう思わない。
 Z誕生から既に40年の歳月が経過しているが、当時でも片山氏は50歳前後で、社内では完全に課長より上の管理職だ。本当にZを開発した人たちは当時20〜40歳代前半で、現在60〜80歳の方々だ。つまり当時の課長クラス以下が情熱をもってZを開発していた訳だ。

 その1人が1995or1996年頃まで副社長を努めていた園田善三氏。当時、園田さんはシャシ設計第?課の課長で、ブルーバードとZの設計を担当。そこに車好きな若いエンジニア達が日夜図面を引いていた。隣りは(隣りかどうかわからないが)あの有名な桜井真一郎氏率いる旧プリンスのスカイラインチームで、両チームは火花を散らしていた話は有名。日産=ブル&Zの時代でしたから。
 ライバルメーカーの古いエンジニアともなりますと、Z=片山氏とは言いませんで、当時課長クラスの園田氏などの名前が今だに出てきます。
 その若いエンジニアは、自分が設計した部品を試作に依頼し、人が少ない状況でしたから時には自分で取り付け、設計速度の低い追浜テストコースを200キロオーバーで走り捲くり、時には箱根ターンパイクに持ち込んでレーシングしておりました。その熱き情熱から完成したマシンがZです。

 それから20年経過した時、当時のエンジニアと深夜まで語る機会があり、酒の勢いから元開発チームのメンバーに深夜電話し出し、Z開発の苦労話しに花が咲いていたのを覚えております。開発チームは記念にネクタイピンとカウスを持っており、きっと一生使わず最後は墓場まで持っていくことでしょう。開発者のZに対する自信と誇りは部外者にとって想像を絶するものがありますが、その結果が人々のハートを熱くさせたのも事実です。

 新型Zは月産販売台数など国内1000台、米国2000〜3000台で充分。Zを出すという意味は売上利益よりも、ブランド以外の何物でもありません。ゴーン社長はコストカッターの異名を取り、コストで利益を出したとのレポートを多く見かけ、売上成長を疑問視する見方が多かった。しかしゴーン社長は単なるコストカット屋ではない。
 前に自動車を知らないアナリストが多いと記載しましたが、ゴーン社長は車の事を良く存じておる。車好きなのだ。

 「両津さん Zを見に行った?」良く聞かれるのですが、私がZを見にいったらヤバイ。モーターショーでは見ましたが、市販車を見たら衝動買いをしてしまうかも?
 けれどNEW Zではありません。買うなら30年前のS30。2800ccのL28を3.0もしくは3.2リッターにボアアップしメカチューン。当然、電子制御燃料噴射は取り外し、短いファンネルのキャブレター仕様で、音と振動を楽しみます。

 いくらVQの3.5リッターでもNAのままならL型のフルチューンの方が断然速い。なぜか?
 旧日産とトヨタの違いはチューニングの自由度にあり、シリンダーを見たら一発でわかりますが、日産のL型はトヨタのM型に比べ肉厚に余裕があり、まさに改造してくださいといわんばかりのエンジンです(コスト高)。現在のエンジンはメカチューンでの自由度がかつて程ないのです。
 女房にナイショでGTR中古をゲットし、フルチューンを考えておりましたが、Z発売でメカチューンに心が傾いています。まずいことに走り屋をとっくの昔に辞めましたが、先週は家族を乗せて少しスピードを出しすぎてしまった。
 館山までアベレージ1*0キロで1台にも抜かれず、中央高速ではポルシェカレラ4を煽り。ポルシェなのにチンタラ1*0〜1*0キロで走って、1*5キロまで追いかけましたが、私の車は重量がヘビーかつディーゼルエンジンでそれ以上出ない。最低でも250キロは出せ! それでないとポルシェの名が泣くぞ(冗談)。
 日産車ならポルシェなんぞ簡単に抜けるのだが…最近走りが若い頃に戻りつつあり、反省しなくてはいけないな!

 ブランド力向上はモデルチェンジ1回もしくは2回しないと出てこない長期戦です。しかし今回のZ復活は世界中の元日産ファンが日産車に注目しだすことでしょう。

 いつの日か、上述した元日産エンジニアに登場していただこうと考えておりますが、頑固な方なのでOKするかどうか?(両津)

 

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2002/08/09 新規参入組が牽引する通販業界
小野小町

 

 近年、通販業界が活気を取り戻しています。80〜90年代前半に2ケタ増で成長し96年にピークを迎えた後は低迷していましたが、99年度から再びプラス成長に転じています。 日本通信販売協会の調べによれば、2000年度の通販市場の売上高は推計2兆3,900億円、前期比5%増と報告されています。2001年度の数字はまだ発表されていませんが、おそらく3年連続のプラス成長になると予想されます。
 こうした背景には専門分野に特化した新規参入組の成長が挙げられます。

 例えば97年に文具メーカー「プラス」から独立したアスクル(2678)は中小企業を中心に法人向けのネットによる受注サービスを開始。顧客開拓や代金回収を「エージェント」と呼ばれる街の文房具屋に代行させるという独自のビジネスモデルを構築し前期の単独経常益は前期比2.2倍と過去最高を更新しました。今期からは江東区にある新物流センターも稼動し運営費削減に取り組むなどコスト削減にも意欲的です。

 また95年に創業した「アブトロニック」でおなじみのプライム(2684)も深夜や早朝の低価格のテレビ広告枠を取得し、繰り返し宣伝を流すことで着実に顧客をつかんでいます。コールセンターもアウトソーサーを積極的に活用し高効率の経営を進めています。2002.6期は大幅増益となった模様ですが、今期は「アブトロ」に次ぐヒットが出るのか、はたまた反動が来るのか注目されるところです。

 これら新規参入組に共通しているのは専門分野に特化し、効率性を重視した経営を行っている点です。加えて近年のインターネットやCATV等通信インフラの普及を追い風に顧客と効率的なコミュニケーションを図っている点も挙げられます(ちなみにメールでの発注は電話やはがきよりもリピート率が高いそうです)。

 一方、総合カタログ企業は、ピークの96年度には上位10社で市場全体の売上高の50%を占めていましたが、2000年度には40%にまで低下するなど苦戦しています。
 しかしそうした中でもベルーナ(9997)の動向は注目されます。ヒアリングによれば4−6月期の売上高は前年同期比13.5%増と順調に伸びており、足元7月も好調でやや強めの数字が出そうとのことです。利益面でも今期は原価の上昇を見込んでいましたが販促費抑制等が予想以上に進み若干上ぶれて推移している模様です。
 商品面で他社とそれほど差別化されているわけではありませんが40〜60代の主層とターゲットを明確にし、カタログ以外にも折り込みチラシを効果的に投入するなど顧客基盤を順調に拡大しています。今秋からはネット上に全カタログ商品を掲載するなどネット通販にも本格的に参入する構えです。

 消費不況と言われて久しいですが、いつの時代にも新たなニーズは必ず存在します。 そもそも既にあり余るものを持つ日本人に大量消費を期待し続けるのは、満腹状態の胃袋に無理矢理食べ物を詰め込むようなものと思われます。通販業界も「何でも安く」から独自性を生かしてニーズにきめ細かく対応する経営へ方向転換を迫られています。

 新規参入者が次々に現れては消えるのもこの業界の特徴ですが、長期的な成長のためには顔の見えない顧客といかに上手にコミュニケーションをとるかが鍵となりそうです。

 ところで私事で恐縮ですが、最近某社の枕と枕カバー、ベッドカバーを購入しました。個人的に服や靴は試着しないと買わないのですが(というか試着しないと怖くて買えない)、インテリア用品等はかさばっても運んでもらえるし通販って結構いいなあと実感している今日この頃です。

* 参考までに今期業績予想(株価は8月8日終値、カッコ内は前期比、ベルーナのみ連結)

●アスクル(2678:店頭)
3,030円(100株単位)、EPS:108.59円売上高1,020億円(10%増)、経常利益47億円(19%増)

●プライム(2684:店頭)
286,000(1株単位)、EPS:46,723円売上高303億円(20%増)、経常利益39億円(10%増)

●ベルーナ(9997)
4,780円(50株単位)、EPS:281.54円売上高1,102億円(22%増)、経常利益104億円(14%増)
(小町)

 

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2002/08/06 ハードオフコーポレーション(2674)
海パン刑事

 

 AV機器やパソコン、ゲームソフトなど中古品の販売を行う企業。新潟を拠点として展開。店舗数は6月現在312店舗(うち直営が64店舗)となっている。

【部門別売上高】

 部門別の売上高はAV機器、PC、カメラなどの中古品を中心に扱うハードオフ事業が2002年3月期1658百万円(構成比32.5%)。
 家具や、生活雑貨、婦人服、ベビー&子供服などを中心に扱うオフハウス事業が同1043百万円(20.4%)。
 中古書籍を扱うブックオフ事業(ブックオフのフランチャイジー)が同1431百万円(28.0%)。
 加盟料やロイヤリティ、開店指導料などが中心であるFC事業が同976百万円(19.1%)となっている。

【業績】

 業績は2002年3月期(非連結)、売上高5108百万円(+8.9%)、営業利益1121百万円(+10.3、利益率21.9%)、経常利益1125百万円(+15.9%、利益率22.0%)、当期利益587百万円(+16.0)、EPS95.2円。
 四季報の2003年3月期予想は売上高5900百万円(+15.5%)、営業利益1300百万円(+16.0%、利益率22.0%)、経常利益1300百万円(+15.6%、利益率22.0%)、当期利益680百万円(+15.8%)。予想EPS110.1円。

【高収益のリサイクルショップ】

 同社はAV機器をはじめとしたリサイクルショップの全国展開を行う企業。営業利益率は前期ベースで22%と高い収益力を誇る。
 事業別の粗利率はハードオフ事業が55.9%、オフハウス事業が70.8%、ブックオフ事業が74.5%、ハードオフ・オフハウスFC事業が78.8%。全社ベースの粗利率は68.5%(2002年3月期)。
 粗利益の構成では2002年3月期ハードオフ事業26.5%、オフハウス事業21.1%、ブックオフ事業30.5%、ハードオフ・オフハウスFC事業21.9%とおよそバランスは取れている。

【中古ショップのイメージを一新】

 従来、中古ショップのイメージは 「店内が汚い」「陳列も適当」「壊れやすい」といったイメージがあるが同社は店内を清潔にし、普通のスーパーや専門店のように内装をきれいにし、陳列もきちんと並べ(ジャンク品は除く)、保証も付ける(同)といった、これまでの中古ショップの概念を変え、顧客層の拡大を図っている。このほかでは従来不透明な買取り価格を数多くの商品データベースにより、買取り価格の明瞭性と査定時間の短縮化により、他との差別化を図っている。
 こうしたことで商品をハードオフに売る顧客に対して売りやすい環境を提供し、良質の製品を集めることが可能にしている。一方、商品を買う顧客にとっては、店内がきれいで入りやすい、保証付きと中古品への安心感がある等、買いやすい環境をも提供している。

【買取査定システムの特許】

 特許を探すと、公開している特許が一件。「リサイクル商品の買取査定システム(特許公開2001−357107)」。担当者の知識や経験に拘わらず、的確に統一性の高いリサイクル商品の買取査定を簡単に行えるというシステム。
 データベースに中古品に関する商品データ(商品名、属性、付属部品、損傷データ、減額内容、減額基準価格)を記録し、ショップの店員が商品名や属性などを指定してデータベースにアクセスすれば基準買取り価格、減額基準金額を知ることができ、それに基づいて査定が行うことができるという。
 こうしたシステムを活用することで
1)買取り価格のどんぶり勘定回避
2)各店員、各直営店、各FC店との価格差回避
3)査定スピードの向上
4)多種多様の査定が可能
5)新たな直営店、FC店の出店が容易となる
6)システムの応用で中古品に関する他業態への参入が容易となる
−といったメリットがある。こうしたシステムが上手く運用されているからこそ、高い利益率を維持できるのだろう。

【中期経営計画】

 同社の中期経営計画では2005年3月期売上高で9000百万円、経常利益で2000百万円(利益率22%)を計画。店舗数は2002年3月期FCを含め295店舗から500店舗に引き上げる。オフハウス(モードオフ含む)をおよそおよそ2倍(145店)に、ハードオフを1.6倍(328店)、ブックオフを1.4倍(27店)にする。

【足元の状況】

 ハードオフコーポレーションではホームページで月次を公開しており、ハードオフ事業が既存店で4月−8.0%、5月−4.9%、6月−4.2%。(全店4月+9.9%、5月+12.6%、6月+10.4%)
 オフハウス事業が4月+0.2%、5月+6.1%、6月+10.4%(全店4月+40.8%、5月+44.7%、6月+42.1%)。
 ブックオフが4月−3.0%、5月−1%、6月−7.2%(全店4月+0.1%、5月+2.0%、6月−4.6%)。とオフハウス事業の好調が目立つ。

【店舗を拝見】

 とりあえず、私は店に行ったことが無かったので、とりあえず見学。場所は東京都練馬区の大泉学園店。おおよそ、西武池袋線の大泉学園から歩いて15分〜20分ぐらいのところにあり、駐車スペースも40台ほど置ける。自動車では高速の練馬インターからすぐと比較的交通の便は良い。お店の外観は普通の専門店という印象で、同店が入る前は「ワイルド・ワン」というアウトドアショップが入っていた模様。

【店内の印象】

 店に入るとまず印象的だったのはどこかで嗅いだ芳香剤の匂い。自分的にはいやな匂いではなかったが、出来ればプランタン銀座とか百貨店に入ったときの香り(香水とか)だともっと印象は良いかも。
 店内は確かに同社が売りにしているだけあって普通の中古屋のイメージとは違い、商品もきちんと並べられ、床もピカピカで清潔感のある雰囲気。近くでみると中古品だと思うが遠目でみると普通の専門店といった雰囲気。店内ではたまに店員さんがバレーボールの休憩時間で使っているでかいダスキンで床を拭くなど床の光り方にはこだわっているようだった。
 同店舗では1階がオフハウス、2階がハードオフとなっており、お客の入りは日曜日の昼時でまちまちに見えたが、駐車スペースがほぼ満席だったので客数としてはまあまあ。
 1階のオフハウスでは、中古の生活雑貨や家具、洋服、鞄、玩具などがおいてあり、2階のハードオフでは大型スピーカーやギター、AV機器、ゲームソフト、ビデオなどが置いてある。

【価格帯】

 オフハウスの価格イメージは商品にもよるが家具で数千円〜1万円程度、夏物衣料が200・300円程度〜、チャイルドシート数千円〜、など。生活雑貨関係は箱に入ったタオルとか毛布、グラスなどバザーで売られそうなものが多かった印象。
 2階のハードオフではエレキギター2〜3万円〜、ミニコンポ2〜3万円〜、高級大型スピーカー10万円〜・・・・など。大雑把、新古品は定価の半額ぐらいの価格イメージでおかれている。ジャンク品は保証無しのもので作動するかどうかわからない製品が多い。例えばビデオデッキ数百円〜、アルバムCD 50円〜、ゲーム機のコントローラー数百円〜など。ほぼ、ガラクタという感じ。ちなみに私はファミコンゲームの迷作「バンゲリングベイ」を100円で購入してしまいました。

【課題】

 中古ショップは汚い、壊れやすいといった印象が強いが、同社はこうしたイメージをなくし、店内はきれい、保証付など中古品に対して安心を持たせたという本来の中古ショップの概念を変えたことは意義深い。ただ、品揃えなど見学した印象から、今後は顧客が欲しがる人気商品の品揃え強化といった点に課題が有りそう。また、粗利率から推定しても価格面でやや割高な面も気にかかる。投資家からすると利益率が高い点ではすばらしいが、ユーザー(売り手、買い手)からするとやや不満も出るかもしれない。

【オフハウス事業の成長に期待】

 生活雑貨を扱うオフハウス事業は現状の既存店伸び率から見ても絶好調。品揃えの抱負さと割安感があること、日常使用する製品であること、仕入面でも良質の商品が集まりやすいなどから、この業態はしばらく高成長が見込めそうだ。このほか、新業態のガレージオフ(中古のカー製品の専門店)もハードオフ、オフハウス、ブックオフといったブランド力の活用と中古製品に対する潜在需要から高成長が期待できそう。
 ハードオフ事業に関してはニーズの変化早いものを扱っているため、今後の成長は既存店よりも新店舗数の増加に依存した成長にとどまろう。特にジャンク品などは出店数の増加で吸収できず、必要以上に在庫が増加した場合、処分費用がかかるなど廃棄リスクが大きくなる可能性もある。新古品に関しても、保証が付いているとはいえ、年代の割には割高感が否めない。

 中古ショップの醍醐味は安い商品を購入できるだけでなく掘り出し物を見つけたときの喜びを味わうことができるエンターテイメント性も兼備えている。
 現状、「店内がきれい」、「陳列が整っている」、「買取り価格が明瞭」といったコンセプトの中古ショップはそれほど浸透していなく、6月現在、ハードオフで206店舗(うち直営25店舗)、成長性が期待されるオフハウスで82店舗(同17店舗)、ガレージオフで3店舗(同2店舗)、モードオフで直営1店舗、ブックオフで19店舗と出店余地としては十分あり、高成長が見込めそうだ。 ただ、今後は品揃えに課題が残るため、これを強化すべく、今後は引越し業者との提携(不要な良質なものを仕入れやすくなる)、もしくはM&Aなどが必要となろう。(もう既にやっているかもしれないが・・・)

 ハードオフ事業に関してはやや成長性に疑問が残るが、その他オフハウス、ガレージハウスなど新業態の高成長が期待できるため押目買いとしたい。(海パン)

 

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2002/08/06 連載 負けない投資 その8
大原部長

 

 前回までの議論
○利益率の高い企業への長期に渡る投資が有効だった
○利益率の高さは、事業の性格、競合条件、市場占有率など複数の要因がある
○成長率の高さは利益率の高さに比例する

【PEを理解する】

Pは株価、Eは1株あたりの予想純利益である。
Eが継続的に見込める、長期的に展望できる会社のPは高い。
そういう企業は、将来のEの保証があるように思えるからだ。

 株式投資は、資本家(金持ち)の仕事である。
市場は、勝ち続ける人材や企業を選ぶ。
効率的な資産配分をしないと資本の蓄積がままならない。

 PEは市場のその企業に対する意見を集約したものである。
市場の考えるPEが間違っているということはない。
(結果としてみんなが考え違いをしていたということはある。だが、新しいコンセンサスが形成され、そのコンセンサスは当面維持されることになる)

自分だけが知っていて、他人が知らないということはありえない。

 たしかに、非常に限定された範囲では、自分が一番詳しいという分野があるかもしれない。

 だが、詳しく知っている分野は非常に狭く、むしろ、人間は知らないことが圧倒的に多い。

 知らないもの同士が、常識をフル活用して、「世の中はこうなっていくんじゃないかなあ」「そうなるとこの企業は強くなるだろうなあ」といった想像力で投資を決断するに過ぎない。

 「株のことは市場に聞け」という。生き抜くために勝ち続ける企業、勝てる人材、勝てる経営者が、負ける企業の取り分を全部取ってしまう。

 だから、利益がしっかり出ていて、しかもPEが高いということは、将来性があるということと同義である。

 単に高いPEに投資するのが得策とはいわない。
 だが、PEが高い企業を見て、その将来性の高さに同意できる素直さが投資には必要になってくる。

 また、景気のサイクルの底にあれば、Eが落ち込み、PEが上がってしまう。不況期にはPEは高くなる傾向もある。
 ここで、重要なことは、展望がもてなければ、企業は存続が危うくなる。存続が危うい企業の価値はゼロに近い。

 賢明な投資家が、そのような企業を買うとは思えない。

 投資家は、まず、利益率が高い事業に投資をする。
そして、経営者は、その高い利益率が長期的に確保できる市場環境をつくろうと努力する。

 投資家は、長期的な展望に立って投資できる企業に興味を持つ。

 PはEの何倍で取引されるべきなのか。

【PとEは何倍が正しいのか】

 株式投資の世界では、実用的な道具として、ほんの1年先の収益を予想して、その収益を基準に株価を論じるという慣行になっている。
 理論株価が適応できるのは、企業の長寿が前提になる。

 PEとは、株価収益率と呼ばれている。
●予想されるEPS(一株純利益)を株主に属する利益とみなそう
●株価÷予想EPS(1株純利益)が予想PE(=株価収益率)
●予想PE20倍なら1/20=5%のリターン、PE10倍なら1/10=10%のリターン、PE30倍なら1/30=3.33%のリターンが当面得られるだろうという意味
●当然、業績の波や景気の波があるわけで、予想PEはある程度のレンジの中に入る。10倍〜50倍のレンジに入る場合が多い
●業績の波や景気の波を考えるなら、景気の悪いときにPEが比較的高く、景気のよいときはPEが比較的低い

 ここで簡単なモデルを導入しよう。
 ROEが15%の企業がある。
 この企業はまだまだ成長余地があるとしよう。
 「成長余地」とは、将来の一定期間に渡りROEの水準を維持できることと定義する。

 さて、利益の100%が内部留保されるとする。ROE15%の企業のEの水準は現状のEを100とすると、
1年後 115 (1.15^1)
2年後 132 (1.15^2)
3年後 152 (1.15^3)
4年後 174
5年後 201

→ある一定の条件下では、ROEは成長率そのものである。

【問】
10年間一定の成長力のある企業のROEが20%であれば10年後のEはどうなっているだろうか?

【答】
 約6倍 (1.2^10)

【問】
それでは、益利回り(E/P)10%狙いなら、この企業の株価はいくらになるだろうか。

【答】
 益利回り10%=PE10倍。
 10年後のEを基準に考えれば現在のPEは62倍が希望購入価格。
 5年後のEを基準に考えるなら現在のPEは25倍が希望購入価格。
 現状のEを基準に考えるならPE10倍が希望購入価格。

【注意】
 ROEは市場が未開拓であり、普及率が低いときは維持される。
 しかし、市場の開拓余地がなくなるにつれて、低くなる。
 BPSは次第に積み重なるが、BPS自体が大きくなっていき、Eが一定であれば、ROEは下がってしまう。

【ケーススタディ】

SANKYO(6417)のROEは11%である。あなたの投資基準が益利回り10%(PE10倍)としよう。
現状のP(価格)3500円現状の予想E(1株純利益)220円

あなたの投資戦略を実行するためにはなにをどのように判断すればよいか?

〜投資意思決定のステップ〜

益利回り10%を確保するためにはEが350円必要。
現状のEは220円。
350÷220=1.59
1.11^n=1.59となるようなnを求める。
n*ln(1.11)=ln(1.59)n=ln(1.59)÷ln(1.11)n=4.4(4年5ヶ月)

さて、SANKYOのビジネスは今後5年間は安泰だろうか?
そして、10年後も20年後も収益を6年目から維持していくことができるだろうか?
そういうことがポイントになってくる。

→過去のトレンドを見てみる
→市場の飽和状態を見ている

 その結果、あなたは今後もROE10%を続けるのは無理かなあと思うかもしれない。
 または、今後はROE8%を基準に考えるなら成長余地があるかもしれない、そう考えるかもしれない。

 みんなの見方がそろう。そして市場で取引がされる。その結果、現状のPEがついているのだ。
−−−−つづく−−−−−−−−−−(大原)

 

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2002/08/05 八丁堀株式診療所便り
炎のファンドマネージャー

 

 所長:口八丁 堀子(29歳、独身、乙女座、千葉県出身)
 助手:手八丁 堀江(23歳、既婚、天秤座、京都府出身)

 こんにちは、皆さん。本日より八丁堀に株式診療所を開業しました口八丁 堀子と申します。毎日暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしですか?
 このところの株式市場は海外株安菌という病原菌に冒され、底割れ懸念病というこれまでにない深刻な病状が見られますが、もう皆様の予防対策はお済みですか?
 私の診療所では多くの患者さんのために処方箋を書いておりますが、このところも株価下落病に冒された多くの方々からの非常に多くの相談を受けております。
 時々は株価下落病に悩む国からも相談を受けたりしますが、私が独身でかわいいもんだから、それで結構近寄ってくる男性が多くて本当に困って相談されているのか悩むこともあるんですよ。皆さんも、質問したいことがあれば真剣に要領よくまとめて下さいね。それにしてもどこかに株価を上げてくれる勢いの良い男はいないかしら。

 私の先輩の大原部長が始められた株式銘柄相談所も大繁盛とのことですが、私も女性の視点でやさしく相談に乗りますから気軽に足を運んで下さいね。そうそう、今日は最初だから私の診療所の助手を紹介しておきますね。助手の手八丁 堀江さんです。リエちゃん、自己紹介をお願いね。

 合点承知しやした、リコ所長。
 いやー全国的にほんまに暑いでんねん!?今年の夏はどないなってんのか、いやほんまに暑いですわ。
 なんてしゃべっていたら吉本と間違われるのでちゃんと自己紹介します。
 八丁堀株式診療所 助手の手八丁 堀江と申します。所長と違うてもう結婚しています。
 手八丁家は昔から手が早くて、父も母も兄も妹も20歳以下で結婚してますんで、私も負けじと頑張って20歳で結婚しちゃいました。手が早いと言えば株式投資も同じことです。気にいった株が見つかると父も母もすぐに買ってしまって、口八丁先生のところによく駆け込んできます。
 かく言う私も手が早くて困っています。これはと思うといてもたってもおられなくなるんです。
 皆さんの中にもそうしたお方が大勢お見えじゃないどすか?
 まあ、いずれは私の家族も、それから私の旦那も紹介しますので楽しみに待っていてくれやす。
 あー、そうそう。私の愛する旦那さんは証券アナリストという仕事しています。仕事がら、結構良い情報が入るみたいで時々私に耳打ちしてくれます。それと親戚にあの近未来小説でおなじみの八丁堀同心さんがいます。
 さあ、そんなこんなで今日から皆さんと一緒に株にまつわる悩みや相談事を所長に聞きながら私も助手としての意見を言わせて貰いますさかい、よろしうお頼みします。

リエちゃん。私のことをリコなんて、私は決して利己主義じゃありませんよ。
「宣誓!!私、口八丁 堀子は全国の株式投資で困っている患者さんのために誠心誠意を尽くすことを誓います。」

 さて、今日は8月3日の土曜日。相も変わらずの相場低迷で患者さんの数も多いようです。最初の患者さん、お入り下さい。どうされました?

患者:「先生、私は自営でお店をやっているんですが、このところ不景気でお客さんの数も減って売上が落ちてますし、私自身この夏の暑さで食欲がなく、株式投資意欲が湧いてこないのですが、どうしたら良いでしょうか。」

所長:「そうですか。それはお困りですね。で、株式投資の軍資金はどれぐらいですか。それと何か困っている銘柄はありますか。」

患者:「投資資金は約300万円しかありません。従業員に給与を払う必要があって何か短期で儲かる銘柄はないですか。今、困っている銘柄は富士通デバイス(7582)です。購入単価は1800円でそのうち盛り返すだろうと今現在まで、塩漬けで持っています。最高値の6分の1まで下がったこの株に未来はあるのでしょうか。このほか、5銘柄を保有していますがいずれも値下がりしていて頭が痛い状態です。」

所長:「まず、株式投資は余裕資金でやるものです。ですから従業員の方に支払う予定の給与資金で株をやるなどもってのほかです。短期で儲かる銘柄が仮に見つかったとしても、そうした資金で株式投資は決してやらないで下さい。でも実際は全国の個人投資家の方々は、信用取引を使うなど余裕のない資金で売買されているケースが多いのでしょうね。日経に出てましたが、信用の空売り規制がまたまた金融庁から出てきました。3月に続く空売り規制や新紙幣発行などなど、政府も結構必至に株式市場の低迷を食い止めようとしていますね。9月にかけてまだまだ新たな対応が打ち出される可能性もあるので、患者さんも希望をもって下さいね。それと株式市場ではM&Aが底流に流れていて、個別では意外に強い展開になる銘柄もありそうですよ。先日、イオン系のジャスフォートが富士写真にM&Aされて大きく化けてましたが、このようなことは今後頻繁に起こる可能性がありそうです。そう言えば当診療所に出入りする薬品会社の方もどこかに買収されそうだとか言ってましたね。処方箋を書いておきましたので調剤薬局のクラフト(7440・株価880円)で受け取って帰って下さい。それじゃー、どうぞお大事に・・・。」

助手:「患者さん。ICカードはお持ちですか。あっ、持ってますね。持っておられたらこれに今日の相談内容と処方箋を記録しておきますので、自宅のコンピュータで開いて見て下さい。これで先生ともオンラインで結ばれたことになります。だからと言って勝手にメールでデートの約束などはしないで下さいね。」

患者:「有難うございました。また今度儲かったら先生をデートに誘いますから宜しく・・・。」

所長:「・・・・・!?」

●本日の患者(20020802A)の症状 資金枯渇、株価塩漬け症候群●
処方  100万円ポートフォリオによる、中期リターン戦略

  個別銘柄のチェック&ポートフォリオ診断

<モデルポートフォリオ>100万円コース

銘柄(コード)
株価
今後3ヶ月間の
予想株価レンジ
株数
ミニストップ(9946)
1746円
1650〜2000円
100株
沖電気(6703)
239円
230〜320円
1000株
なとり(2922)
715円
690〜750円
200株
ラ・パルレ(4357)
18.2万円
17〜22万円
1株
レントラックJ(2314)
1220円
1000〜1500円
200株

<患者の既存ポートフォリオ>

銘柄(コード)
時価
株数
時価評価
(万円)
買コスト
戻り目途
富士通デバ(7582)
811
2000
162.2
1800
1600
KOA(6999)
901
1000
90.0
1200
1500
イビデン(4062)
1483
1000
148.3
2000
2000
日産自(7201)
843
1000
84.3
890
1100
村田製作所(6981)
6150
200
123.0
7200
5800
(村田は長期持続)

 ポートとしてはそれほど悪くはないが、買いコストが高い銘柄が多い。このところの下落相場で痛手を受けていることが判る。ただ、いずれも買いコストへの挑戦は可能。戻り売りの目途をたてておきたい。また、村田など長期持続銘柄はむしろ下値目途でのナンピン買いが可能。

●個別株動向
富士通デバイス(7582)

 親会社富士通のイメージ悪で富士通系半導体商社の同社も株価低迷。これだけ株価低迷しているのだからさぞかし業績も悪いのかと思いきや、今期の連結経常利益は38億円と四季報の数字を上回っていることがわかりました。前期比25%の経常増益との見通しに7月24日に更新。にも拘らず株価は無反応。今期予想連結PER8.9倍で配当利回りも3%と高いことから、ここからの下値不安は小さいでしょう。むしろ余裕があれば買っておきたい水準です。(堀子)


次の患者さん!!
(遠々と続くコンサル活動堀子所長はもくもくとこなしていった。また、助手のリエちゃんも一生懸命にチャート分析に余念がありません。)

 あれれ、もうこんな時間。最後に皆さんには一銘柄だけ相談内容とその処方箋を披露しておきます。

患者:「先生、診断のほどよろしくお願いします。アルファ(4760)ですが、まだ、300円台の株価は上方修正してどのくらいまで行きそうですか?それと、利回りも3%台と良いので購入を考えています。よろしくお願いします。」

これに対して八丁堀株式診療所のアウトソーサーである炎氏は、自らの有料コンテンツで以下の通りに処方箋を出しておられます。氏の了解を得て皆さんにはご紹介しておきます。


復活なるかPOPのユニーク企業「アルファ(4760)」

 時価340円
 時価総額16億円
 配当利回り3.5%
 ROE7.0%

 先日、アルファ(4760)の業績説明会があり、浅野社長から第3Qの業績及び通期業績の上方修正発表があった。同社は、小売店舗で見かける販売促進のためののぼりや販促グッズなど、POPでユニークな活動を行っている企業である。
 今期は飛躍の年と睨んで新卒採用を積極的に行った結果、先行費用が発生した上、年末年始の売上高が前年を下回ったことを受けて業績の下方修正を行ったが、その後、2月以降の売上が回復。粗利率も3月以降前年を上回るなど、業績は好転してきた。
 これを受けて今期業績の上方修正を行った。新卒採用(4月より26名を採用)の効果が業績にも反映され、粗利率の高い自社企画製品の販売も拡大。販管費などの経費カット効果も顕著に表われてきた。

<業績推移>

決算期
売上高
経常利益
税引利益
01.8期
7291
577
272
02.8期期初予想
8100
630
355
第1回修正予想
7200
150
84
第2回修正予想
7220
280
156

<第3Q計画と実績値>

第1回修正時計画
1745
▲0.4
実績値
1756
78.7

*中間時の粗利率39.2%。これに対して計画値は35.8%。実績値は37.8%に大きく改善。販管費の削減効果も表われた。
*第4Qについて同社では第1回目の修正時に赤字を計画していたが、粗利率の改善効果から仮にこの計画通りとしても、通期業績は第2回目の修正値を更に大きくクリアする公算が大きい。

<第4Q計画>
売上高 1655 売上総利益 594 経常利益 ▲79.6

 仮に第3Q並みの粗利率が確保されたとして、粗利は625百万円が期待される。約3000万円分が利益にオンされる公算がある。
 このため、通期の業績は売上高が7220百万円として経常利益は3億1000万円程度までの可能性が考えられる。
 来期の収益についても営業力強化、メーカー向け流通タイアップキャンペーンの提案が効果をもたらすことで収益増が期待される。
 ここに来て、アルファ独自ルートによる輸入商品「電動スクーター Jonson」「ポータブルmini冷温庫」等のイベントセットが好調。これらによって4ヶ月で5600万円を売上げ、新規チャネルの開拓にも繋がったとしている。
 今後も中国を中心に直接買い付けを通じ、同社オリジナル商品の組み合わせによる独自イベントセットの開発を促進する計画。
 このほか、インターネット活用のいらっしゃいゲットとカスタマイズキャンペーン展開が連動し、業績貢献が見込まれる。
 来期の業績について同社ではまだ明確に示していないが、弊社の推定では売上高80億円 売上総利益30億円 営業利益 5.5億円 経常利益 5.5億円を予想している。
 税引利益 2.8億円としてEPSは61円余りが見込まれるが、これに対して300円台の時価は見直しの余地がある。
 但し、本格的な復活の確認を行うためには8月決算の結果を見てからでも遅くはないだろう。
 下方修正を行った実績が消え去るものではないので、投資家各位は慎重に対応する必要もあろうから、余り過度に期待を抱くこともなかろう。当面は8月の配当金年12円を獲得し、決算発表を待っておく姿勢が必要と判断する。(炎)

**上記のレポートは炎のファンドマネジャーの有料メルマガ7月29日号から抜粋しております。炎さんではこうしたメルマガを格安で作成配信しております。堀子も堀江も炎氏のファンですが、でも意外と購読までする方が少ないとのことで残念に思っております。皆さん、もっと応援して下さいね。(リコ&リエ)
(炎)

 

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2002/08/02 億近執筆陣 このままでは早死?
両津勘吉

 

 億近執筆陣は、生涯遊人氏を除き全員酒飲み。酒でカロリーを稼ぐ億近集団!

 筆頭はぢんぢ部長で、日本酒1升は当たり前。スキーの時や気分が良いと2升は空けてしまう。
ぢんぢとの最初の乾杯はどんなに大きいグラスでも一気飲みと決まっており、今までに何人の後輩が倒れたことか!
 そのまま寝込むと大変。マジックが登場し瞑っている目が開いているかの様に瞼に悪戯書き。当然、体は縞模様。次はハサミが登場しカットまでしてくれる。
 酒があまり好きでなかった私ですが、彼と大学で知り合ったせいで酒を飲む羽目になり、記録は1晩2人でビール4ケース。

 炎氏は自分からガンガン行くタイプではないが、最後まで絶対付き合うタイプで意外と飲む。しかしマイクを持ったらエンドレス。

 昔、酒が弱かった大原さんは少しのハシゴで酔っ払い、茅場町にある大和投信近くの道路の植え込みをベッド代わりにして寝るのがいつものパターン(そこから引き出すのが至難の業)。またウオールストリートの横にある川沿いの小さな公園は彼専用の場所(何をする場所かな?)。

 隠れた横綱は駄洒落会長。もともとラガーマンだけあって飲み方はぢんぢ部長並に豪快、しかし寝るのも早い。

 最近は皆で飲んでないのですが、本日のYAHOOトップページを見ていたら「<低カロリー食>人間も長寿に 米グループが動物で実証」の記事が…。
 私は24歳の頃からアルコール性脂肪肝となっており、ぢんぢ部長も同様。体重78〜79キロをウロチョロだが、ぢんぢ部長は100キロ以上の高原状態。良く飲む、食う2人ですが最近ともに体に変化が。酒があまり飲めなくなった、飲むと翌日が少し辛い、体にガタが来たなどなど。この傾向は大原さんも同様の様です。1ヶ月前ですが、いつもは酒を飲み捲くるぢんぢ&両津組が夜のファミレスに行って2人でサラダを食べているとは、昔では信じられない。

 大原さんが昼食を蕎麦、夜食を豆腐に。野菜をメインに変更した私ですが、この3日間は女房がいないこともあり、朝食&夜食は野菜、納豆、豆腐、にんにくに、御飯は茶碗に3分の1から半分程度、飲み物は牛乳。酒を飲んでないこともありますが、朝の目覚めは格段に良くなりました。腹8文目と言いますが、もともと大食漢でありましたので腹5文目以下に抑えております。肝臓を再生させ長生きするぞ!(両津)

 

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2002/08/02 ブランド価値評価について
駄洒落商会会長

 

 駄洒落商会会長です。

 経済産業省が昨年7月より開催してきた「ブランド価値評価研究会」(委員長・広瀬義州早稲田大学教授)の報告書がまとまりました。これは、バランスシート(貸借対照表)に記載されていないブランド価値、知的財産権などの無形資産の価値への注目度が急速に高まりつつあるなか、「ブランド価値」の会計的評価などに関して提言したものです。

 その骨子は、1)オンバランスに耐え得るブランド価値評価モデルの構築、2)ブランド使用料の考え方と、その算定方法、3)アンケートとブランド価値の分析を含めたブランド・マネジメント・モデルの考え方、です。

 ちなみに、現在「ブランド価値」をバランスシートに計上することを認めているのは英国のみですが、経済産業省は、同様に無形資産の開示手法について検討している米国財務会計基準審議会(FASB)に今回の評価モデルについて説明を行う予定です。「ブランド価値」オンバランス化の動きは具体化しつつあるようです。

 なお、「ブランド」に関する研究で著名であるのは、南カリフォルニア大学のデビッド・アーカー教授、国内では東京大学の片平秀貴先生、一橋大学の伊藤邦雄先生(コーポレート・ブランド)、慶応大学の和田充夫先生、法政大学の小川孔輔先生、田中洋先生などです(異論のある方もおありになるかもしれませんが)。
 初学者向けに平易な著書を書いておられるのは小川孔輔先生ですが、和田充夫先生の近著「ブランド価値共創」(同文館出版)は、「ブランド・マーケティング論の変遷」がわかりやすくまとめられています。「ブランド」に関してご興味のおありの方は、是非お読みいただきたいと考えています。
 なお、一橋大学の伊藤邦雄教授は、「コーポレートブランド価値の構成要素」として、1)コーポレートブランドに企業理念・ビジョンを象徴させる、2)コーポレートブランドを基軸とした仕組み・仕掛け作りを通じて顧客価値・従業員価値・株主価値の最大化を目指す、3)顧客起点のバリューチェーン・活力や結力・利益シェア向上により、顧客満足・従業員満足・株主満足の最大化を目指す、の3点を挙げておられます。つまり、高いブランド価値が顧客価値を高め、その結果、長期安定的なキャッシュフローを約束する。同時に、そのような長期安定的なキャッシュフローは、従業員への安定的な報酬の支払いを可能にし、かつ事業リスクの低減を通じて企業価値を高めることに寄与する。伊藤教授はこうした観点から、コーポレートブランドは企業価値創造の重要なドライバーであり、ヒト、モノ、カネ、情報に次ぐ「第5の経営資源」であるとしています。

 企業経営にとって「ブランド」の重要性が高まりつつある現状に照らして、今回「ブランド価値評価研究会」より提示された評価モデルでは、ブランド価値を、プレステージ・ドライバー(価格優位性)、ロイヤルティ・ドライバー(売上の安定性)、エクスパンション・ドライバー(海外等への拡張性)の3つの視点から測定しています。また、従来の企業の無形資産測定の方法は、株式時価総額から財務報告上の株主資本額を差し引くものでしたが、経済産業省のブランド価値評価モデルは、売上原価率の逆数や広告宣伝費等の財務指標をベースに、同業他社比較の軸を加えて、ブランド価値を算出している。売上原価1単位当たりの売上高が高く、売上高が安定的に推移し、海外等での売上高成長率が高い企業ほどブランド価値が高く算出される傾向になっています。

 なお、このモデルに基づく知的資産評価研究所の試算では、金融セクターを除く上場企業のブランド価値上位10社は、
 1)ソニー、4兆4276億円
 2)トヨタ、2兆161億円
 3)松下、1兆6613億円
 4)ホンダ、1兆6035億円
 5)花王、1兆4273億円
 6)日産自、1兆3473億円
 7)資生堂、1兆2899億円
 8)キヤノン、1兆2015億円
 9)セブンイレブ、1兆1138億円
10)任天堂、9055億円
となります。

 また、セクターごとにみてみますと、産業エレクトロニクス業界は、
 1)東芝、6936億円
 2)日立、5577億円
 3)NEC、4731億円
 4)富士通、3021億円
 5)三菱電機、2148億円
の順。

 また、医薬品業界の順位は、
 1)大正製薬、7867億円
 2)山之内製薬、5317億円
 3)武田薬品、4086億円
 4)エーザイ、4071億円
 5)三共、3790億円
となります。

 これは、あくまで「試算」ですが、時価総額との比較をしてみますと、非常に興味深いですね。
(駄洒落)

 

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