株式ニュース バックナンバー 2000年1月分
2000/01/31(月)
 先週末のNY株急落を受け、朝方こそ自己の売りや個人の利食い売りが先行し、一時210円安まで値を下げた格好だが、大型投信の設定を控えて下値では買いがすかさず入り、急速に下げ渋る展開となった。
 NTT、NTTデータ、富士通などは小甘い展開となったが、ソフトバンク、ソニー、光通信など情報通信のコア銘柄が強張るなど「先週からの米国株離れの動きが鮮明になってきた」との指摘が見られる。また、米株安でも為替、債券を含めたトリプル安とはなっておらず、「米国からの急速な資金流出の兆候は見られない」とされ、NYダウが今後更に500ドルもの急落を演じることはないとの楽観視する意見が主流で、2月のFOMCの利上げ以降の米国株の動向を見極めたいとの声はあるものの、米株安による日本株の影響に対する極端な悲観論は陰を薄めている。
(日経平均前場・19395.08▲39.70 出来高2億4419万株)
2000/01/28(金)
 投信設定など好需給を背景に買い安心感が広がり、ハイテク、情報通信株に目先筋などの買いが入って日経平均は3日続伸し、昨年来高値を一時更新した。
 ソニー、松下のハイテク株が堅調で、信越化、キヤノンが上場来高値更新。
NTT、NTTデータ、ソフトバンクなど一連の情報通信関連のコア銘柄が人気を集めた。
 銀行、証券株にも人気が集まり上伸。ソフトバンクFとの提携が伝えられたスルガ銀が個別に買われた。
 一方で宝酒造、協和醗酵などの先駆したバイオ関連が一服。新日鉄など低位素材株や不動産株の一角が軟調で、個別に最終赤字が伝えられたアラ石が売られた。
 値上がり銘柄数436に対して、値下り銘柄数は763となるなど、相場は投信の組入れ対象となりそうな銘柄への一極集中傾向が見られ、再び到来した二極化相場を懸念する向きも出ている。
(日経平均大引け19434.78△225.06 出来高 6億0569万株)

【来週の株式展望】
 米国株式はNYダウ、SP500、NASDAQ指数がこの1月相場でT・S波動週間VOLがエネルギーライン、人気ライン共々揃って80ポイント台乗せの警戒ゾーンに達した事から、一寸した調整を踏まえる可能性が強い。
 転換足も陰転を提示してしまった事から、NASDAQ総合指数は年初に示現した安値3711ポイント近辺までの調整が考えられる。
 昨日(27日)、今日(28日)とNASDAQの下落にも拘らず、東京株式はハイテク、情報通信関連株が堅調に推移しているが、日柄、値幅共に整理未了感が残り、2月2日の変化日に向けての自律反発と捉えたい。
 米国株式は2月1日、2日のFOMCまでは好決算発表や利上げは織り込んだといった観測から、高値圏で推移するものと思われるが、2月2日のFOMCでは利上げの打ち止め感が出ず、3月21日のFOMCに向けての再利上げ懸念が相場の足を引っ張る恐れがある。
 本日、野村グロース、エリアオープン「センターコート」等5本の投信設定がある他、来週2日に「ノムラ日本株戦略ファンド」が設定される事が相場の下支え材料となっている他、先回り的な買いが入り、日経平均は高値更新と相成ったが、TOPIXの高値抜けは難しそう。
 某有力外資系証券のトップディーラーの方は、1万9500円相場を口にしていたが強気はそこまで。相場が一旦調整を入れるのを待って買い出動と、キッパリ言い切っている事から来週中盤にかけ、利食いを優先させたいと考える。

2000/01/27(木)
 鉄鋼、造船などここに来て買われた低位バリュー銘柄に利益確定売りが出て、日経平均は反落の動き。米国株と相関性の高かった日本株だが、少しずつ米国離れの兆しが見え始めており、NASDAQが急落する中で本来ならハイテク株や情報通信株が利食い売りで下げても当然だが、ソニー、NTTドコモなどの主力株は、朝方から買い物を集めて堅調な展開となっており、NY相場に左右されることなく、良い銘柄は買おうという意欲は旺盛。
 日経平均は1万9000円を挟んでもみ合いとなってはいるが、前場の終値では大台を維持。強気筋は1万8000円台後半での値固めを終え、来週以降の1万9000円前半固めが視野に入ってきたとしている。
 また、野村の大型投信設定のための換金売りで下げ続けてきた店頭小型材料株の中には、S高する銘柄が散見され出した。
(日経平均前場・19020.50▲90.69 出来高2億6901万株)
2000/01/25(火)
 米国株の大幅続落を受け、前日まで上げていた値嵩情報通信銘柄を中心に、利益確定売りが出て、日経平均は200円以上安くなる場面があったが、売り一巡後は来月初めの大量の投信設定も意識され、情報通信株中心に買いが入り下げ渋った。
 鉄鋼、電線、化学、合繊、造船株など低位株の一角が軟調で、トヨタ、日産の自動車株や証券、銀行株も下押した。
 半面、ソニー、富士通、松下がしっかりでアドバンテスト、ファナックなどが上伸。NTTが6日ぶりに反発し、NTTドコモ、ソフトバンクなどが堅調に推移した。
 大量設定される投信を起爆剤とする本格反騰が期待される中で、高値から20〜30%程度調整している情報通信銘柄への押し目買い気運が高まっていることや、最近の需給悪化要因であった、投信の大量設定に伴う換金売りも一巡したことも支援材料となっている。
 米国株の大幅連続安にも関わらず、意外と底堅い動きを見せていることから、連動性を強めていた米国株からの自立を期待する声も高まり、NYダウが余程の下げが無い限り、東京市場の底堅い動きは続くとの見方は強い。
(日経平均前場・18993.27▲63.44 出来高2億8362万株)
2000/01/24(月)
 前週末開催のG7の共同声明に「円高懸念の共有」が盛り込まれたことで、急激な円高への懸念が後退して買い安心感が広がり、日経平均は反発。新日鉄、NKKなどの鉄鋼株が総じてしっかりであった他、ソニー、富士通、ソフトバンクなどのハイテク株が堅調。不動産、自動車、証券株が強含んだほか、個別に凸版、カルピスが人気を集めた。
 半面、大手銀行株や商社株、NTTなど情報通信株が軟調。ダイエー、東海観光などが個別に売られた。
 日本がG7各国に発した、金融・財政両面からのコミットメントは小さくないとの受け止め方から、市場関係者がもろ手を上げてG7の議論を好感している訳ではないが、年度末に向けての急激な円高への懸念が払拭されたことから、ひとまず買い安心感が広がった格好。
 28日の株式投信の設定(約4000億円)など、需給面での不安は少なく、前週末のNASDAQが高値更新したことを手掛りにハイテク株が買われ、円高回避から自動車株が賑わうなど、月末接近の中で平均株価は底堅く推移している。
(日経平均前場・19035.09△157.00 出来高2億7517万株)
2000/01/23(日) (1/21分)
 NY株式は、NASDAQ総合指数が2日連続して高値更新し、NYダウは3日連続続落とチグハグ。その中で東京株式の反応は、値嵩株の一角に下げ過ぎからリバウンドを狙う動きが見られたものの、全般は軟調な動きを強いられた。G7、ソニーの連結決算発表(26日)、投信の大量設定、米FOMCを控えて様子見気分を強めてしまっている。投信の解約対応の売りが機関投資家から出た他、個人投資家の売りが広範囲に出て相場の頭を重くし、日経平均は再び1万9000円を割り込んだ。証券会社の自己部門などはソニー、京セラや個別の材料株に買いの矛先を向けていたが、全体相場への波及効果は見られなかった。
 NTT、NTTドコモ、KDDの通信関連株が軒並み値を下げ、NEC、シャープ、日本電産のハイテク株の一角も軟調。市場では「NTTグループの下げの大きさが投信乗換の為の売り圧力の強さを象徴している」との声が出ていた。
(日経平均大引け18878.09▲129.92 出来高 6億4291万株)

【来週の株式展望】
 米国のインフレ動向を測る重要指標発表が多く、米国株式の動向に神経質にならざるを得ない。25日、26日はグリーンスパン米FRB議長の議会証言。27日は99年第4四半期コスト指数、28日は米GDPが発表される。一方、国内ではG7が開催。円高懸念の共有が共同声明に盛り込まれるかどうか、現実として円高に歯止めが掛かる様であれば株式市場にとってプラス材料として働こう。26日のソニーの連結決算発表にも注目。減収減益だが来期以降は「プレステ2」等が業績に寄与する事になるので、アク抜け材料として捉えたい。チャート的にも、ソニーの株価はT・S波動日足VOLの人気ラインが24日、エネルギーラインが27日に各々売られ過ぎゾーンに達する予定であり、目先は一寸したリバウンド相場が期待される。
 ソニーのほか富士通、NTT、CSKなどが27日まで売られ過ぎゾーンに届く予定であり、2月SQに向けて全体相場も反発が期待できる。
 話題を集めている「ノムラ日本株戦略ファンド」は募集上限1兆円のビッグファンド。割安なバリュー株に運用資産の45%を振り向けるというから日本を代表する国際優良株に注目しておきたい。

2000/01/20(木)
 2日続落の後の日経平均は突っ込み警戒感が台頭した上、週末から投信の新規設定が相次ぐことから、押し目買いが先行し反発。NYダウは下落したが、NASDAQが終値ベースで史上最高値を更新したことも追風となった。
 ソニーが3日ぶりに反発、京セラ、日立が高い。東エレク、アドバンテストなどの半導体関連株がしっかり。NTTデータ、NTTドコモ、古河電工、トヨタも値を上げる。キリン、協和醗酵などバイオ関連が出直ったほか塩野義、北陸薬など薬品株が急伸。個別にダイセルがS高。東映が昨年来高値を更新した。
 半面、ソフトバンクが続落。富士通、東芝や東京三菱など主力銀行株や証券株、商社株が弱含んだ。
 米NASDAQが最高値を更新する中で、注目された情報通信・ハイテク株の人気は意外にも冷めており、昨日初の一株1億円という株価をつけたヤフー株がインターネットバブルへの警鐘を鳴らす格好で下げ止らずS安となったほか、全体まちまちの展開となり、自律反発の域から脱しきれていない。売買代金が17日以降漸減傾向にあることも物色意欲の衰えを示しており、全体相場が反発していると言ってもソニー株の反発に影響を受けてのもので、本格反発局面に入ったと見る向きは少ない。
 2月初旬に開かれる米FOMCを見極めるまでは、米国株に不安感が付きまとうだけに不安定な値動きがしばらくは続くとの見方が一般的だ。
(日経平均前場・19016.04△118.29 出来高2億8479万株)
2000/01/18(火)
 NYがお休みで材料難となり、見送り気分強まり4日ぶりに反落。鉄鋼、造船、電力・ガス株など低位大型株が冴えない展開のほか、ソニー、東芝、NTTドコモ、KDDなど情報通信、ハイテク株も軟調。
 半面、大手都銀株が堅調で、昨日売られた協和醗酵、宝酒造などバイオの一角が買われた。昨日に続いてエスエス薬がS高買い気配のほか、三共、塩野義などの薬品株が上伸。個別にソフトバンク、ダイエー、キリンが物色された。
 3日続伸後のNY休場、円相場が再び円高に向かうなど、見送りムードを醸し出す要因が揃い、一時日経平均は292円安と売り込まれたが、外国人投資家が引続き買い姿勢を継続するなど、需給面での下値不安は小さい。
 今後の投信設定など考慮すれば、ここでの安値圏でのもみ合いは相場の先行きにとってはむしろプラスと見られる。
(日経平均前場・19187.98▲249.25 出来高3億5419万株)
2000/01/17(月)
 インフレ懸念の後退で、先週末の米国株は大幅続伸。これを好感して幅広い 銘柄に買いが入り、日経平均は3日続伸し4日に付けた昨年来高値を更新した。
 ソニー、京セラ、NECなどハイテク株が確りのほか、NTT、NTTドコ モが値を上げ、4時から電子商取引関係の記者発表を行うと伝えられたソフト バンクはS高買い気配。証券、銀行株が高く、鉄鋼、化学、紙パルプ株などの 低位素材株が人気を集め、商社株も上伸。個別にIRIとの合弁会社に50% 出資すると伝えられた日本電話施設や、ドイツ企業がTOBすると伝えられた エスエス薬がS高買い気配となった。
 半面、宝酒造、協和醗酵、山之内など先駆したバイオ関連、薬品株が下押し たほか、トヨタ、本田の自動車関連が甘く、原油採掘権の更新を巡る交渉が不 調に終ったアラ石がS安売り気配となった。
 米国株の大幅続伸からハイテク・情報通信銘柄が堅調だが、外国人投資家の 利益確定売りが続いているのに加え、直近の大幅な下げから戻り売りは多く、 ソニー、京セラなどハイテク・情報ハイテク関連銘柄が完全に調整局面を抜け 切れた訳ではなく、当面は上値の重い展開が続くとの見方が一般的。
 一方で中低位株が先週に続いて物色されたことで、全体相場は全面高の様相。 ただ、中低位株物色が更に人気を集めるとの見方には懐疑的で、情報通信銘柄 の上値の重さと合わせて更なる上げのシナリオを描き切れていないのが実情だ。
(日経平均前場・19313.62△357.07 出来高3億8422万株)
2000/01/14(金)
 NASDAQ指数の上伸、円安など相場を取り巻く環境が好転したのを好感し、幅広い銘柄に買いが入り、日経平均は一時1万9000円台に乗せた。しかし、グリーンスパンFRB議長の「経済不均衡に直面し景気拡大が止まってしまう懸念がある。」といった講演会での発言内容が伝えられ、米国の利上げ観測が強まり値を消す局面があったが、引け間際に割安株を中心としたバスケット買いが入った事から、日経平均は再びプラスに転じ続伸しての引けとなった
。  新日鉄、川鉄が買われ、材料の出た帝人が終日堅調な動きとなり、三菱倉庫、富士重工、日通がS高まで買い進まれた。
 半面、ソニーが3日続落、NTT、NTTドコモがジリ安となり宝酒造、キリン、協和醗酵が利食い売りに値を下げた。
(日経平均大引け18956.55△123.26 出来高 8億5581万株)

【来週の株式展望】  来週の株式相場は、日経平均的には1万8500円〜1万9100円のボックス圏の動きと捉えている。主力の情報通信関連株に調整一巡感が出ておらず、NASDAQ指数の動向に一喜一憂の展開が予想される。
 ソニー、ソフトバンク、京セラといったコア銘柄は、T・S波動が年末警戒ゾーンに達し年明け早々波乱に見舞われたが、値幅はとも角日柄が浅く、本格的な出直りにはまだ時間を要する事になろう。この種銘柄は踊り場形成であり、押し目を拾う作戦で臨みたい。
 一方、中・低位株や内需株に資金がシフトし、投資意欲に衰えが見られないことから、回転を効かすならこの手出遅れ銘柄であろう。大半は水準訂正の域を出ないが、今週物色意欲が高まったバイオ関連は、政策関連でもあり今年のテーマでもある事から、急激な上げに対する調整があっても人気は継続することになろう。引続き注目といきましょう。
 不安材料は米国の利上げ懸念。2月のFOMCにおける利上げ0.25%は織り込み済みではあるが、米の30年物国債利回りが昨年11月の利上げから0.5%も上昇しており、債券相場が米株式相場の弱材料となってしまう事に対しての警戒は必要でしょう。尤も、利上げは予防的措置として受け止められる事になるので、流れに大きな変化を生じてしまうことはありませんですが、一時的な調整は頭に入れておく必要がありましょう。
 要はタイミング。効率良く押し目狙いで対処致しましょう。

2000/01/13(木)
 昨日のNYダウは続伸したものの、NASDAQが大幅続落したことでソニーを中心にした値嵩ハイテク株の一角は調整局面を続ける一方で、バイオ関連株や中低位株が循環物色され、日経平均は反発。
 協和醗酵がS高まで買い進まれ宝酒造、キリンが続伸。武田、山之内、中外などの薬品株も軒並み高となった。三菱化、住友化、旭化成、帝人、新日鉄など低位大型素材株がしっかりの動き。
 また、倉庫株、不動産株など軒並み上昇。情報通信関連株でも外資系証券の上値目標が18万円と伝えられたソフトバンクが個別にS高となるなど底堅い展開が続いた。
 半面、ソニー、富士通、NECなどのハイテク株や東電、JR東日本などが安く、古河電工も利食い売りに軟調。
 物色対象がバイオ関連や中低位株にうまくスイッチしたことで日経平均は朝方から堅調に推移し、一部にNY離れを指摘する声も聞かれ始めた。需給関係は来月上旬にかけての1兆円規模の大量の投信設定に伴い良好な上、経済のファンダメンタルズも日本は夜明け前との指摘もあり、株式相場は腰の強い展開となっている。
(日経平均前場・18796.16△118.74 出来高3億1250万株)
2000/01/11(火)
 日本市場が2日間の空白期間を過していた間に、NYダウは一気の市場最高値更新を演じたため、このところ調整売りに値を下げてきた情報通信関連株などのコア銘柄中心に大量買いが入り、日経平均は急反発の展開となった。
 ソニー、ソフトバンクが朝方から大量の買いを集め、S高買い気配のまま前場は引けたほか、NTT、NTTドコモ、NTTデータがそろって反発。京セラ、日立、NEC、富士通の輸出ハイテク株が、軒並みに買われる展開となった他、セガ、セブンイレブン、Fマート、日通、伊藤忠、丸紅などが値を飛ばした。また、バイオ人気の宝酒が急反発したほか、協和醗酵、ヤクルトが続伸。日産、トヨタの自動車株、新日鉄、三菱重工など大型の鉄鋼、造船なども締った。
 一方で三共、山之内など薬品株の一角が安く、東京海上、三井海上など損保株が小甘い展開。
 前日のNY市場でAOLとタイムワーナーの合併が発表されたことが、NYダウの一気の史上最高値更新につながった格好。NY波乱で幕を開けた日本の株式市場だが、NYの高値更新で早くも本来の強気の物色気運に戻れた状態だが、昨年から売り込まれてきた内需関連の低位株にも、年明けから一部の機関投資家などの買い物が継続しており、一極集中型からバランスの取れた相場への移行に期待感が高まっている。
(日経平均前場・18768.73△575.32 出来高3億2633万株)
2000/01/07(金)
 引続きハイテク、情報通信関連株への売り圧力は強いが、内需関連や素材株に小口の買いが入り、日経平均は3日ぶりに小反発を演じた。京セラ、ソニー、ソフトバンクが急落。日立、東芝、富士通、NECなどの情報通信、ハイテク株が総じて軟調な展開になった他、伊藤忠、住商などの商社株や、野村など証券株も軟調だった。
 半面、さくら、富士など大手銀行株がしっかりで日産自、トヨタの自動車株や三菱化、住友化の化学株が堅調に推移した。また鉄鋼、電力・ガス株やゼネコン株の一角など低位株が総じて強含んだ。
 行き過ぎた情報通信関連株の下げに関しては、当然の動きと冷静に眺める向きが多く、むしろ物色の方向が多少、素材株など低位材料株にも向かい出したことを好感する意見が大勢を占める。
 日経平均は1万8000円の大台を維持しており、14日以降2月上旬まで株式投信が計10本(設定上限約1兆4300億円)と本格化することへの期待感が底流に流れている。
(日経平均大引け18193.41△25.14 出来高 5億4756万株)

【来週の株式展望】
 先週30日の当欄では日経平均、TOPIXのT・S波動日足VOLが80ポイント台の警戒ゾーン入りに達したことから、短期的な調整を予測し、年末にかけ、上げピッチの速かったソニー、ソフトバンク、京セラの売りを主張しておきましたが、いずれも年明け早々の大発会に絶好の売り場を提供する事になりました。
 ソニーは大発会に3万2250円の高値を付けた後、3日連続してのS安を記録し、高値から26.5%の下げ(7日株価2万3700円)。
 京セラも、4日に2万8000円の高値を示現した後、S安を連発、何と本日(7日)で4日連続のS安を記録(7日株価1万8500円)。
 ソフトバンクも2日連続してのS安(7日株価7万6600円)で、3銘柄共今日は売り物を残している。
 新春早々大波乱を演じてしまったが、下げの背景は米国NASDAQ指数の大幅な下落と、日銀が予想より早くY2Kの余剰資金の吸い上げに動いた事、加えて円安の進行等が上げられる。
 売りは証券会社自己部門(ポジション調整)、個人(追証による投げとロスカット)、外人投資家(株価下落と為替差損発生で売り圧力強める)、投資信託(利食い)と多岐に渡っており、所謂総弱気であるが、どこまでも上げ続ける事がないと同様、いつまでも下げ続けることはない。テクニカル的に判断して、来週12日迄目先の底を形成する事になろう。年明け早々の下げは市場が理性を取り戻した結果と受け取れる。
 米国株式が本格調整局面入りなら、国際金融市場における資金の流れに大きな変化をもたらすが、現状ではファンダメンタルズに変化はなく、その懸念は要らない。
 情報通信のコア銘柄としての再評価は必至で、ソニー、ソフトバンク、京セラの株価復活の日は近いと判断する。主力銘柄が売り一巡から反騰体勢に入れば指標の上げに貢献するのは当然。
 日経平均は1万7800〜8000円が一寸したサポートラインであり、押し目買いを貫きたい。

2000/01/06(木)
 米国株式市場の大波乱を受けて、昨年末から年初にかけて急騰を演じてきた情報通信関連株に利益確定の売りが継続し、日経平均は続落の展開。年明けから2日連続の大幅安を演じたNY株は、昨日124ドル高と反発したものの、NASDAQは続落。金利の先高感に支配された米国市場の先行きを見守りたいとのムードも台頭し、これまでの相場の柱であったハイテク株や情報通信関連株が全面安の展開に。
 京セラ、ソフトバンクがS安まで売込まれた他、出井社長自らが適正株価は2万円と発言したと伝えられたソニーも続急落し、NTT、NTTドコモも値を下げた。
 一時上場来高値を更新した宝酒造は、利食い売りに値を消したが、代わって山之内、武田など薬品株が出遅れ感から買い人気を集めた。また、DKB、さくらBK、野村証などの銀行、証券株が上伸。セガ、住友商事などが個別に値を上げた。協和醗酵が継続人気に堅調だったほか、昨日大量の買い物を集め、比例配分で値をつけたヤクルトも、引続き人気を集めS高買い気配。
 これまでの相場の柱を演じてきた情報通信関連株については、上げが急ピッチだっただけに調整も止む無しとの感が強いが、これに代わって薬品、食品のバイオ関連株などディフェンシブ銘柄や、中低位材料株への見直し買いが入るなど物色意欲の強さは衰えていない点に注目する向きは多い。
 健全な調整を入れた情報通信関連株の出直りはNY株の再騰待ちであり、底割れを懸念する向きは少数で、「1万8000円は強力な下値目途」との見方が一般的となっている。
(日経平均前場・18345.19▲197.36 出来高2億7917万株)
2000/01/04(火)
 2000年問題をクリアした事、3日のNASDAQ指数がまたまた最高値を更新(NYダウは139ドル安)した事等から情報通信株や値嵩ハイテク株中心に買いが先行し、日経平均は昨年11月26日以来の1万9000円台乗せ。終値ベースでは97年8月21日以来、約2年4ヶ月ぶりの1万9000円台回復である。
 ソニーが上場来高値を更新した他、ソフトバンクが初の10万円台乗せ。日興証券、宝酒造、キンセキ、協和醗酵、セガ、日立ソフト、パイオニア、ダイエー、浜松ホト、新日本証券がS高まで買い進まれた。一方、興銀、さくら銀、東京三菱、の大手銀行株が下押し京セラは年末にかけて上げピッチが速かったことからの反動安でS安まで売られた。
(日経平均大発会終値・19002.86△68.52 出来高2億8597万株)

【庚辰(かのえたつ)相場について】
 株式市場は98年の「底打ち」、99年の「底値からの離脱」を経て2000年相場の幕開けとなった。2000年相場は世界経済も回復の方向にあり、世界同時株高が期待されているが、2000年相場を今年の干支である「庚辰(かのえたつ)」から傾向を探ってみよう。
 「庚辰」は中国の古典では「庚」は「更」に通じ「物更マリ堅強ナル形」、「辰」は「伸」に通じ「物ミナ伸ビ出ズル意」、又「震」に通じ「雷電ノ振フ象」を意味する。「庚」は継続、償う、更新の意味で、前年から引継いだものを断絶することなく継続し、思い切って更新しなければならない。又、「辰」は振、伸、震に通じ、陽気に震い立ち万物伸長の時となり、理想に向けて辛抱強く且つ慎重に抵抗、障害と戦いながら歩を進めていくといった意味合いがある。
 昨年明るさを見せた株式市場ですが、今年は更に拡大を示す年となるのかどうか過去の「庚辰相場」を検証してみよう。
 戦後東証が再開された昭和24年以降「庚辰相場」は4回有ったが、年間を通じての上昇率は平均43.1%と十二支中トップであり、戦歴も4勝0敗の好成績。月別で見ると高値が12月の3回、一方安値は1月の3回であり前半安、後半高を如実に表わしている。第2Qと第3Qが11勝13敗であるからN字型相場の上昇相場ということになり、「庚辰相場」は明るい相場といった位置付けが出来る。年前半は米国のインフレ予防的な金融スタンスと持合い解消売りに上値は抑制されることが予想されるが、年後半はバブル崩壊後の戻り高値である96年6月26日の2万2666円にチャレンジする展開を想定しておこう。


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投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
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