株式ニュース バックナンバー 2000年4月分

2000/04/28(金)
 大型連休を控えて市場参加者は総じて様子見気分を強め、大引けにかけてポジション調整の売りに押され、日経平均は3日連続して年初来安値を更新。約半年ぶりに18000円大台割れを演じた。
 松下通がS安となりソニー、TDKなどハイテク株が下落。銀行、証券株が軟調で、自動車の一角が値を消した。半面、ソフトバンク、CTCが急伸。これまで悪役を演じてきた光通信も急伸。ドコモ、ミツミなどのほか日立、富士通、NECが堅調を持続した。ヨーカ堂、ジャスコの流通株が強張り、旭硝子、古河電工など光関連株が買われた。
 前日のNASDAQが反発し、東京市場でもIT関連銘柄を中心に底堅い展開を見せた。投信の新規設定(募集上限7350億円)や、光通信が前場に寄り付き乱高下の末、急反発に転じたことも投資家心理を明るくさせたが、週末と月末が重なったことや、大型連休控えとあって見送り気分が強まり、大引けの日経平均はあっさりと18000円の大台を割り込んでしまった。
(日経平均大引け17973.70▲45.47 出来高6億1295万株)

【来週の株式展望】
 今週の相場にあっては、日経平均は週末にかけ終値ベースで3日連続して年初来安値を更新し、18000円を割り込んだ。しかし、週間ベースでは日経平均は279円安と小幅安。加えて指摘の17972円の重要な節を下回らなかった事から、本日の18000円台割れは今の時点ではそう気に懸ける必要はありません。
 日経平均銘柄入れ替えといった特殊要因を除けば、東京株式は底堅く推移。この事は、TOPIXはもとより日経500種、2部総合指数、日経店頭平均等の動きからも推し測れるというものです。
 悪役を演じたソフトバンクの切り返しに続き、本日は光通信が3/30以来1ヶ月ぶりに反発。今まで損失を被っていた個人投資家のセンチメント改善に繋がることになろう。
 本日、東証1部に新規上場の日本オラクルは、公募を取得した個人投資家や機関投資家からの利益確定売りを浴び、2000円(S)安と不振だが、これとて新規組入れの投信、機関投資家にとっては取得株価が安い方がリバランスに伴う換金売りが減少するので、メリットの方が大きい。潤沢な資金を抱える投資信託は、今までのIT銘柄中心から国際優良株、小型成長株、消費関連株、コンテンツ株と構成銘柄に拡がりを見せ、物色対象動向に変化が出て来たのは相場の正常化にとって好ましい事である。
 不安定な状態が徐々に払拭されつつあり、2000年3月期の決算発表本格化を迎え、好業績成長期待銘柄中心に強気で対処すべきです。

2000/04/27(木)
 昨日のNY、NASDAQ株安の流れの中で、全体的に弱含みの展開となった。大型連休控え、3月決算発表待ち、米インフレ指数の発表待ちなど相場を模様眺め気分にさせる材料が目白押しで、投信設定など需給の良さもかき消されてしまっている。
 ソニー、富士通など情報通信・ハイテク株の一角が安い半面、ソフトバンクがS高。東芝、東電、東ガスが強い。
(日経平均終値・18019.17▲115.14 出来高5億423万株)
2000/04/25(火)
 225入替えに伴う売買が一巡。買い安心感が広がり日経平均は小幅続伸。鉄鋼、非鉄、不動産、住宅が堅調で繊維株、電力株が賑わう。フジTV、日テレの放送コンテンツ株が値を上げたほか、銀行株やTOTO、NECも個別物色された。半面、光通信がS安売り気配で引け、NTTなど情報通信関連株の一角が弱含んだ。又、富士通、東芝のハイテク電機株が軟調で、証券、ゼネコン株の一角は小安い。
 前日のNASDAQ指数は161ポイント安の大幅安となったが、27日のインフレ指標発表まで米国市場の変動幅が大きくなるのは予想通りで、ハイテク株には売りが出てはいたが、それほど気にされなくなった。日経平均採用銘柄の入れ替えに伴う前週からの全く予想外の売買注文が交錯する展開が一服し、市場には冷静さが戻ってきた。投信設定が相次ぐ上、年金が下値を拾っているとの思惑も出始め、下値不安を後退させている。ただ、日経平均への寄与度の高い値嵩株の一角が軟調なことが上昇幅を小幅に留めている。
(日経平均前場・18549.11△68.96 出来高2億3825万株)
2000/04/24(月)
 日経平均の銘柄入れ替えに伴い、前週末まで売り込まれた銘柄が買い戻され、日経平均は3日ぶりに反発。新規採用銘柄が売り物に押されるなど、利食い売り圧力も根強く、買い一巡後は伸び悩み。
 ソフトバンクがS高まで買い進まれ、ソニー、NTTデータが上伸。NEC、富士通がしっかり。大成建、明菓、日清紡など中低位の225銘柄が急伸。鉄鋼、造船、非鉄、繊維の一角が堅調。証券、銀行、商社も高い。半面、自動車の一角が安く、個別に赤井電が上場来安値を更新。光通信はザラバで売買成立し、一時小戻す場面もあったが再び売られストップ安。
 225の新規採用銘柄はアドバンテスト、松下通信が買われた一方、花王、ファナックなどは急落するなど、総じて軟調。225銘柄の入れ替えに伴う混乱は依然として尾を引いているが、ヤマ場は超えたとの見方から下値不安感は徐々に後退している。
 ただ、一本調子の上昇には懐疑的。27日には米国のインフレ状況を測る経済指数の発表もあり、「買い上がるにはリスクが大きい」との指摘も聞かれ、しばらくは様子見の強い展開が予想される。
(日経平均終値・18480.15△227.47 出来高6億5753万株)
2000/04/21(金)
 225銘柄の入れ替えに伴う売りが大引け間際に出され、日経平均は大幅続落。一時1月6日の年初来安値を下回る場面があり、大引けでも今年2番目の下げを演じた。この日で225採用銘柄から除外されることになった一連の銘柄が下落。ソニー、NEC、トヨタ、キヤノンなどの国際優良株が急落。銀行、証券、鉄鋼、造船、不動産株なども下げた。光通信は相変わらずのS安で引け、比例配分で商いが成立。半面、225に新規採用された銘柄のうちアドバンテスト、松下通信、TDKなどの13銘柄がS高となったほか、ソフトバンクも2日連続してS高を演じた。
 銘柄入れ替えとは無関係の店頭指数は、ネット関連銘柄の反発を背景に78ポイント高となり、実体相場の強さを表した。
 海外株安以上に振り回され続けてきた225銘柄の入れ替えだが、それに伴う売買はこれで完了。月末に向けては大量の投信設定が予定され、需給関係は改善してくるとの見方から、一時期の総悲観ムードは払拭されており、むしろ今後の企業決算発表の内容を前向きに評価しようというのが市場のコンセンサスになりつつある。
(日経平均大引け18252.68▲706.64 出来高11億1924万株)

【来週の株式展望】
 今週の株式市場は、先週末のNY株式の急落と日経平均構成銘柄の入れ替えによる需給悪化の発生により、大幅安を演じた。日経平均は先週週末の株価20434円から本日21日の安値18091円まで、2343円もの短期急落。下げ幅の3分の2は入れ替えによる影響と考えていいので、来週24日の入れ替え実施後は、日経平均的には3分の2以上のリバウンドが期待される事になる。
 本日引け間際に、採用銘柄の入れ替えに絡む大口のインデックス売りが出て、引けにかけ日経平均は急落したが、トラッキングエラー(技術的要因による予想外の指数変動)であり、下げも一時的。ここは下げの最終局面と捉え、果敢に買いの種を蒔かなければならない。
 本日の終値18252円で計測した日経平均のSTC指数は、Kラインが7.1ポイントと遂に10ポイント割れの売られ過ぎゾーンに入った。懸案のT・S波動日足VOLの人気ラインも、うまくすると来週26日に10ポイント割れの売られ過ぎゾーンに届く可能性あり。下値支持線と見ていた18500円は割り込んでしまったが、特殊要因による一時的なものであり、むしろ18068円目途に二段構えでコール拾いと指摘しておいた事が現実のものとなれば絶好の買い局面であり、チャンスも逃さない様にしたいものです。
 来週の投信設定は高水準。26日から28日にかけての6本の投信の募集上限は合計9000億円。それに来週から企業業績の決算発表が本格化する。ソニー、富士通、日立、東芝と、主力企業の今期を見据えた決算発表に注目しましょう。

2000/04/20(木)
 米株安やシカゴ先物安から安寄りして始まったが、後半から買い戻しや押し目買いが入り、日経平均は続伸。ハイテク、電機の一角が小じっかりのほか、三菱レ、東レの繊維株、自動車株が上伸。DDIなど情報通信株の一角が値を上げ、JAL、ANAの空運株が堅調。薬品株、大手商社株が上伸し、電力、ガス株が強含んだ。個別に安田信託、キヤノン、スタンレーが人気を集めた。半面、証券、銀行が冴えず鉄鋼の一角が軟調。トランスコスモスが昨日のボトムから本日も続伸し、朝方S安まで売り込まれたソフトバンクが、前引け前にS高を演じるなど、ようやく一連の売り込まれたIT関連株に反発の動きが見られた。ただ、依然として光通信には180万株という大量の売り物が続き、S安売り気配を続けている。
 3月決算の発表本格化を前に「個別銘柄の業績上方修正発表が比較的多くなっており、企業業績の回復傾向が見え始めた」との見方に加え、本日、明日と約5000億円の投信設定も予定され、需給環境は悪くないとの安心感も広がってきた。225銘柄入れ替えに伴うテクニカルな売り物も先が見えてきたことから、日経平均はIT関連銘柄のリバウンド狙いの買いも手伝い、切返しの展開となり、相場全体にようやく明るさを見せ始めた。
(日経平均前場・19168.34△81.72出来高2億8865万株)
2000/04/18(火)
 昨日の米株高から反発して始まった日経平均は、225採用銘柄の入れ替えに伴う売り物が出て続落。相変わらず光通信、ソフトバンクがS安売り気配を続け、CTC、トランスコスモスなどIT関連銘柄が、軒並みS安売り気配となった。このほか薬品、バイオの一角や電力株が安く、三井倉庫、ラサ工など225除外銘柄が売られた。半面、ソニー、NECなど値嵩ハイテクの一角は買われ、NTT、ドコモも高い。225新規採用銘柄である花王や第一製薬が年初来高値を更新。
 日経平均が安い一方でTOPIXは高く、今回の225採用銘柄の入れ替えに伴う影響がもろに市場に及んでいるほか、ソフトバンクや光通信株が値をつけないまま切り下げ、信用の追証問題や、IT関連銘柄への不透明感にもつながっている点が市場の雰囲気を悪化させてしまっている。
(日経平均前場・18904.65▲103.99 出来高3億6521万株)
2000/04/17(月)
 前週末のNASDAQ、NYダウとも急落したことを嫌気し、ほぼ全面安。日経平均は一時1800ポイント以上もの下げを演じ、史上3番目の下げ幅となった。
 前場にNEC、富士通などがS安となったほか、松下、東芝が売られソニーが年初来安値を更新。Sバンク、光通信が引続きS安売り気配となった。NTT、ドコモも安く鉄鋼、非鉄、銀行、証券株が売られCTC、ベル24もS安。半面、電力株の一角は確りで、第一製薬、エーザイなど225新規採用銘柄が年初来高値を更新。
 米国株への不透明感が高まり、寄り付きからハイテク、情報関連銘柄を筆頭に全面安となり、日経平均は一気に18000円台後半へと値を下げる大荒れの展開となったが、市場関係者の大方が想定していたよりも下げ幅が大きく、下値ラインが見えないとの懸念も広がった。
 日米間の事情の違いはあるが、明日の米国株の動向を見極めようという市場参加者が多いこともあり、後場かろうじて19000円台を回復したとは言え、戻りは鈍い。
(日経平均終値・19008.64▲1426.04 出来高8億7511万株)
2000/04/14(金)
 米国株の先行き不透明感が強く売りが先行したが、情報通信関連や国際優良銘柄の一角に押し目買いが入り、下げ渋って終えた。
 相変わらず光通信やソフトバンクがS安となり、CTCや富士通、NECなどが軟調。ソニー、NTTデータが安く、証券、銀行株やヨーカ堂、西友などの流通株も売られる。半面、ドコモが4日ぶりに反発しNTT、DDIも切返した。東芝、三洋電が確りとなり薬品、食品のバイオ関連株や非鉄の一角も高い。
 米国株に不安はあっても日本の景気回復への期待が徐々に高まる中、投信の新規設定など需給面の良さが相場を下支えており、ソフトバンクや光通信の下げの影響も薄れてきているとの指摘も出ている。また、相場の柱はトヨタ、本田などのオールドエコノミーの優良銘柄に移行しているとのコンセンサスもできつつある。
(日経平均大引け20434.68▲91.74 出来高6億8344万株)

【来週の株式展望】
 12日に日経平均は20833円を付け、年初来高値を更新した事で気の早い向きは新相場入りと強気だったが、残念ながら転換足は見えざる節20839円を抜く事が出来ず、引続き2万円買い2万800円売りのボックス圏での動きと考えなくてはいけない。日経平均は新値抜けと言ってもこの日、出来高は5億2000万株と今年3番目の低水準。売買代金も8600億円と1兆円に届かず。エネルギー不足は否めずであり裏付けの乏しい新値抜けでは盛り上りに欠けるのも至極当然ではなかろうか。
 12日の相場の上昇はSQに絡むテクニカル的な買いと優良株群に年金筋から新規配分された機関投資家の買い、新規設定の投信等が打診的な買いを入れた為。需給関係の好転を期待した買いが舞い込んでもあくまで打診買いであり需給の改善には至っていない。
 さて、来週の相場についてだが今週と同様引続き調整局面であり、日経平均は25日移動平均線(4/13現在 20061.28円)を下値支持線とし上値は転換足の節20839円に抑え付けられる事になりましょう。相場の頭を重くしてしまうのは需給悪。ソフトバンクの大幅株式分割による換金売り(担保価値が3分の1に目減りする動きを回避する為の現物売り→株価下落による追証の投げの悪循環に留意)、そして連続11日ストップ安の光通信が他の情報通信関連株に与える悪影響。株価下落により今後も投信の解約対応売りが継続する恐れがあるということ。3つ目の需給悪は日本オラクルの東証1部への上場である。
 28日の上場に伴いTOPIX型インデックスファンドの運用者は時価総額8位の同社株を組み入れる為、他の銘柄の処分売りに動く。NTTドコモ約252億円、トヨタ約135億円、ソニー約89億円、NTT約77億円が処分売りの対象になっている事に注意が怠れない。日本オラクルの公募25万株、売り出し945万株の払込み4月27日まではTOPIXの上昇は期待しにくい。

2000/04/13(木)
 昨日のNASDAQが大幅に続落したことを嫌気し、日経平均は急反落。ソフトバンク、光通信がS安売り気配。NTT、DDIなど情報通信関連株が総じて安い。ソニー、日立などハイテク株も軟調で商社、証券株が下落。半面、繊維、化学、住宅、不動産株が上伸。個別に東京ガス、コマツが買われる。
 NASDAQの急落に関しては、昨年来の上昇ピッチがあまりに速すぎたことの反動であり、ここでの調整は次の上昇に向けてのものと前向きに捉える向きもあるが、節目の4000ポイントがあっさりと割れたことで、次の落ち着きどころが読めないと目先不安視する向きが多い。また、前日の大引けが現物高、先物安の逆ザヤとなっていたことで、悪材料に反応しやすい状況にあったことも本日の下げを大きくした格好。
 個人や証券自己がハイテク、情報関連の値嵩株に売りを出した一方で、速水日銀総裁の発言から景気回復の足取りがしっかりとなってきたとの見方から、内需関連株が賑わい、相場を下支えしている。
(日経平均前場・20456.20▲377.01 出来高3億5335万株)
2000/04/11(火)
 昨日のNASDAQが急落し、情報通信関連銘柄中心に利益確定売りが優勢となったことから、相場全体に方向感に欠ける展開となり、日経平均は反落。ソニー、松下通、京セラなどが軒並み安となり、ドコモが引け間際に下げ幅を拡大。内需の一角も大林、地所、日通が下落したほか、銀行株が終日軟調となった。沖電気が利食い売りに反落し、丸井、味の素、王子紙、古河電など優良人気株の一角も安かった。ソフトバンクは一旦強張ったものの、引けにかけ反落。光通信はS安売り気配となった。半面、武田が急伸。富士通、TDKなどが高値圏で推移。個別に日テレが買われ、アラ石がS高となった。
 売買代金が11日間連続して1兆円を割りこむなど、全体相場が方向感を無くし、迫力に欠ける展開とはなっているが、年金、投信など国内機関投資家が押し目買い気運を強めている他、外国人投資家の買いも継続しており、日経平均の高値更新は射程圏にあると、相場の先行きを楽観視する向きが多い。ただ、情報通信関連株の調整未了感から、相場のリード役不在との印象も強く、目先の相場に限っては頭重い展開を余儀なくされそうとの見方が有力だ。
(日経平均終値・20522.52▲96.54 出来高5億8681万株)
2000/04/10(月)
 前週末のNASDAQが急伸したことを受け、広範囲に買いが入り、ほぼ全面高。ソフトバンクがS高まで買われソニーが5日ぶりに反発。NTT、NTTデータも値を上げる。富士通、NECなどのハイテクの一角が上伸。トヨタ、本田など国際優良株も確りの動き。三菱重が商いを伴いながら7日続伸し、三菱マテ、新日鉄など低位大型株が賑わう。個別にTOTO、アラ石がS高となった。半面、三菱化成、川鉄、武田、山之内などが安く、東電や丸紅、三井物産などが売られる展開となった。
 ソフトバンクやソニーなど、調整を続けてきた情報通信関連株の反発が、市場全般に買い安心感を与え、ほぼ全面大幅高とはなったが、光通信が依然としてS安売り気配のまま下値模索を続けており、手放しで買い上がるムードとはなっていないため、買い一巡後は上値が重くなっている。
 投信設定、新年度入りに伴う年金資金の流入期待や、償還予定の郵貯資金の流入期待など好需給を背景に、相場は下値の堅い展開とはなっているが、19日の楽天株公開や27日の日本オラクル株公募と売り出しで、約8500億円の資金が吸収される予定で、需給が一時的に悪化することも想定されるため、当面の相場は頭重い展開を見込む向きが一般的である。
(日経平均前場・20563.59△310.78 出来高3億7124万株)
2000/04/07(金)
 NASDAQの下止まりを好感。ハイテク銘柄中心に買われる展開となり、日経平均は4日ぶりに反発したが、引け際にインデックス売りが出て急速に伸び悩み、上げ幅は29円と小幅に留まった。
 光通信が6日連続で商い成立せず、S安売り気配のまま引けたほか、昨日連結経常赤字を発表したソフトバンクも、商いこそ成立したが続落し、これらが相変わらずの悪役を演じていたが、ドコモが急反発。KDDとの合併が伝えられたDDIがS高を演じるなど、情報通信関連の一角には再び物色気運が出てきた。ソニーも4日ぶりに反発し、NEC、日立などハイテクの一角も堅調。個別にCTC、トランスコスモスが値を飛ばした。銀行、証券株が上げ東エレ、アドバンテストの半導体関連の上げや宝酒造、協和醗酵などバイオ関連の上伸も目についた。
 IT関連銘柄中心に下げ続けてきた店頭株指数も6日ぶりに反発。オラクル、ジャフコ、THKなど、時価総額の大きなコア銘柄の上げに混じってヒューネットがS高したのが目についた。
(日経平均大引け20252.81△29.20 出来高5億8532万株)

【来週の株式展望】
 実質新年度入りした週初めの3日の株式市場は、日経平均が389円高と好調なスタートを切り、終値ベースでの昨年来高値を更新。ゼロ金利政策継続、景気底入れ感、郵貯の大量満期償還到来などを手掛り材料に、4月相場は上値指向を一段と強めるといったコンセンサスに支配され、買いが先行した週となったが大方の見方とは違い、その後株式市場は調整局面入りし、4月6日には日経平均は一時20171円まで値下りした。
 週末7日は前日のNASDAQが続伸。NYダウも反発に転じる等、米国株式市場が落ち着きを取り戻した事で売りが後退。スピード調整一巡感も台頭したことから買い物が入り、4日ぶりに反発して始まったが、日柄調整が不足していることと需給関係からはまだ戻り売り圧力が強く、引けにかけては急速に伸び悩んでしまった。
 短期資金がハイテク情報関連株にリバウンド狙いの買いを入れたが、今まで出遅れ感から買われた内需関連株には利益確定売りが出た事が、指数の頭を抑えつける結果となった。
 特殊チャートT・S波動分析でも、強力な買いシグナルが出ていない事と、20240円を下回る事により転換足が陰転を提示した事などから、基本的には25日移動平均線(4/6現在19931円12銭)近辺までの押しを待つのがベター。投信の解約対応売り、年金などの情報通信株の損失覚悟の売りは、利益の出ている国際優良株との合わせ切り。内需関連株の底上げ一巡感も台頭しており、需給関係の短期的な悪化に対し慎重な見方が浮上してしまう事になるのではないか。

2000/04/06(木)
 値嵩の情報通信関連銘柄の足取りが鈍く、本日も方向感が定まらない展開となった。光通信が相変わらずS安売り気配。ソフトバンクはザラバですんなり寄りつき、一時は4700円高まで買い進まれたものの、急速に伸び悩み一転してS安まで売られるなど、激しい値動きを示した。このほかNTT、ドコモ、ソニーなどの中核情報通信関連株が続落。富士通、シャープなども冴えない展開となり、銀行、証券株も軒並み安。半面、日立、東芝、NECなど主力ハイテク株が物色されたほか、ジャスコ、西友の流通株が値を上げた。
 当面は光通信やソフトバンクがどういう形で下げ止まるのかを市場では注目。特にソフトバンクが戻り歩調となるのを待とうという向きが多い。こうした中で、オールドエコノミー銘柄への見直しの流れは徐々に進みつつあり、機械、化学、食品株の一角には買いが入り始めた。また、これまで売り込まれた西友、日栄、商工ファンドなどには買い戻しの動きが活発化している。
(日経平均前場・20342.05▲120.72 出来高3億3231万株)
2000/04/04(火)
 マイクロソフトの急落からNASDAQが過去最大の下げを演じたことで、ハイテク・情報通信関連株に売り物が広がり、日経平均は反落。
 ソニー、富士通、NEC、京セラ、NTT3社などハイテク・情報通信関連株が下落。昨日急騰の積水ハウス、古河電工も利食い売りで反落。半面、トヨタ、武田が上場来高値を更新し、銀行、証券株も堅調。鉄鋼、電力の低位銘柄が一斉高となり、個別に宝酒造、リコーが急伸した。
 昨日の米国市場では、バリュー株中心のNYダウが上げた一方で、情報・ハイテク中心のNASDAQが急落を演じ、明暗を分けた格好だが、これを受けて日本市場も、上昇してきたハイテク・情報通信関連株をひとまず利食っておこうとのムードが台頭。ここでの下げは、新年度入り早々に年初来高値を更新したことへの行き過ぎ訂正として、むしろ歓迎すべき状況にあるとの意見が大半である。
 好需給を背景として押し目買い気運は継続しており、押し幅は比較的小さいものとなっている。小渕首相の後継総裁選びは森幹事長の線が濃厚で、当面は前首相の政策を踏襲するものとして、景気への影響も限定的との見方が一般的となっている。
(日経平均前場・20622.06▲104.91 出来高3億8047万株)
2000/04/03(月)
 名実ともに4月相場入りした株式市場だが、小渕首相の緊急入院という不測の出来事があったものの、景気回復期待や好需給を背景とした先高期待から中低位の素材株を中心に買い気が盛り上り、日経平均は3日ぶりに反発。
 鉄鋼、繊維、紙パルプ、化学、非鉄、機械の一角が人気を集めたほか、安寄りしたソニー、NEC、NTTドコモが切返し、富士通も上伸。建設、住宅、不動産や銀行株など軒並み上昇。半面、ソフトバンク、光通信がS安売り気配となり、値嵩の情報通信関連株の一角が売られる展開に。このほかトヨタ、本田や証券株が軟調な動きを示した。
 海外での急激な円高や自由党の連立離脱、小渕首相の緊急入院など外部環境の変化に戸惑う向きも多く、相場全体も不透明感を強めたものの日銀短観発表で景気動向に明るさが見えてきたことから、素材や内需関連中心に物色機運が高まってきたところに政府・日銀による為替介入から、為替が落ち着きを示したことも相場の基調を強気に傾かせた。
(日経平均終値・20726.99△389.67出来高6億9678万株)
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