株式ニュース バックナンバー 2000年5月分

2000/05/30(火)

 海外市場がお休みで材料難の中、主力のIT関連株に買いが入り、日経平均は一時190円高まで上伸。商いの回転は速く、買い一巡後は伸び悩む展開に。
 富士通、東芝などのハイテク電機株や造船・重機の一角がしっかり。銀行・証券株も値を上げる。個別にシントム、ニチレイが物色される。半面、NTT、ソフトバンクなどが軟調で、光通信が下落。個別に赤井電、鐘紡が売られる。

 週末の米雇用統計を控えて、米株価動向に神経質になっている機関投資家は押し目拾いに徹しており、出来高は低水準のまま。4月の完全雇用率が7カ月ぶりに改善したが、世帯主の失業率が過去最高を記録。足下の景気が改善傾向にあるとは言え、まだ予断を許さない状況とされ買い材料とはなっていない。

(日経平均前場・16367.61△122.17 出来高2億3991万株)

2000/05/29(月)

  手掛り材料難の中、実質6月相場入りで証券自己の商いを中心に、値嵩ハイテク株や中低位材料株などに幅広く押し目買い気運が広がり、日経平均は反発。
 値嵩の電機ハイテク株や薬品株が高く、証券、電線株の一角が強い。個別に旭硝子、宇部興産、三井金が年初来高値を更新。半面、NTT、ドコモが反落し、銀行、自動車の一角が続落。個別にハザマ、住商などが年初来安値を更新。ソフトバンクが3日続伸の一方で、光通信は続落。

 決算発表がほぼ終り、今期は4期ぶりに増収増益が見込まれるなど、ファンダメンタルズの良さを前向きに評価しようとの動きが相場の下支え要因として働くのではないかとの期待感も出てきた。しかしながら、安定すべき政局動向には不透明感が漂い、需給面を見ても国内機関投資家も銘柄を選別しながら押し目買いスタンスを継続。外国人投資家は売り越し基調を強めている他、個人投資家は一部の中低位株に食指を伸ばしている程度で、迫力に欠ける。平均株価の上値追いには、市場エネルギーの回復を待つ必要があろう。

(日経平均前場・16138.07△129.93 出来高2億99万株)

2000/05/26(金)

 米国株式の下落や第一ホテルの会社更生法申請が伝えられ、売り物が先行し日経平均は大幅反落。一時16000円の大台を割り込む場面もあったが、大引けにかけ多少小戻して終えた。
 調整一巡感のあった米国株だが、昨日再びNYダウが211ドル安を演じ、安心ムードは一気に後退。月内最終商いの週末で手控え気分も強く、証券自己や一部個人投資家の売りが嵩んだほか、第一ホテルが銀行からの債務免除の同意を得られず事実上倒産を余儀なくされたことから、バランスシート上の問題を抱える同類企業への警戒心を強めたこともあって、見送り気分が一層強まった。突っ込み警戒感が台頭したものの、投資マインドを高めるだけの材料に乏しく、安値圏での推移を続けた。
 鉄鋼、証券、銀行、電力、ガス株が安い半面、造船、商社の一角がしっかりでNTT、ソフトバンクなど情報通信関連株が上伸した。
(日経平均大引け16008.14△239.68 出来高5億3103万株)

【来週の株式展望】

 今週は日経平均が3日連続して年初来安値を更新した他、本日もザラバで16000円台を割り込む等、冴えない展開が続いた。日経平均のザラバ安値は本日(26日)の15870円。TOPIXの日柄観測では、3/13の安値(1552ポイント)から4/17の安値(1511ポイント)までと、3/30の高値(1751ポイント)から5/8の高値(1716ポイント)までいずれも24日間の期間を要していることから、24日が変化日といった見方が出来、目先は5/24の1504ポイントを維持できるかが重要なポイントに。

 日経平均は98年10月の安値から今年4月までの高値までの上げ幅の61.8%(黄金分割比)押しの15918円の水準まで下落した他、75日移動平均線からの乖離がバブル相場崩壊後最大の−17.2に達する等、値幅的には下げの最終局面と判断して良いのでは。  本日の日経平均は16008円であり、24日の16044円を下回り再び年初来安値を更新してしまったが、T・S波動日足VOLのエネルギーラインが19.9ポイント、STC指数のKラインが9.6ポイントと、共に底値ゾーンに達したことから、下値は限定的と考える。
 来週30日には人気ライン、STC指数のDラインも各々底値ゾーンに達する予定であり、ここからの下振れは買いに妙味有りと判断する。

 株価上昇の条件は、1)日本の景気回復の明確化、2)NY株式の落ち着き、となるが、一部機関投資家が下げ過ぎによる割安水準を見出した買いを入れ始めて来ており、ひとまず週後半からの自律反発に期待する事に致しましょう。

2000/05/25(木)

  米国株の反発を好感し、これまで売り込まれてきたハイテク・情報通信関連銘柄を中心に買われ、日経平均は7日ぶりに反発。

 ソニー、東芝、京セラなどのハイテク、国際優良株やNTT3社が買われ、ソフトバンク、光通信、オラクルなども高い。鉄鋼、繊維も堅調で証券株は大幅高。半面、これまでしっかりだった電力株の一角や流通の一角も安い。個別に減益見通しを出した三共、スズキが軟調。

 久方ぶりにNY、NASDAQがそろって反発に転じ、東京市場も買い安心ムードが出ている。日経平均は過去6日間で1500円以上も下落し、24日には16000円割れを演じるに至ったが、底入れ感が台頭。反発基調を確認した機関投資家や投信等の押し目買いが入ってきたことから、一時は小緩んだものの日経平均は前引けにかけ一段高となった。
  ただ、唯一の買い手掛り材料が米国株高とあって、一方的に買い上がっていく勢いには乏しく、依然として米国市場の先行き不透明感が払拭できない状況から、上値の重い展開を予測する向きが一般的だ。

(日経平均前場・16369.35△324.91 出来高3億1127万株)

2000/05/23(火)

 日経平均が昨日までの4日間で1000円以上も下げたことで、突っ込み警戒感が台頭してはいるが、米国株式市場の先行き不透明感から買い物が継続せず、5日続落の展開。

 一時反発の動きを示したNTTドコモ、ソフトバンク、光通信が前引けにかけ早くもだれ、ソニー、NEC、キヤノンなど主力ハイテク株が総じて軟調。一方でファナック、東エレなど売り込まれてきた値嵩株の一角が小じっかり。証券、損保株や電鉄・ガスなど公共株が物色された。

 朝方は機関投資家や証券自己からリバウンド狙いの買いが入ったものの、米国株式市場の先行き不透明感が払拭されない間は、積極的に上値を追ってまで買う状況にはないとの見方が根強く、買いの勢いが途切れると、日経平均は途端に続落歩調に転じた。
信用で痛手を追った個人投資家が市場に回帰するには、なお相当の時間を要するとされ、一部投資家の打診的な買い程度では本格的なリバウンドにつながる状況ではない。折角の企業業績回復期待はあっても、最悪16000円割れを覚悟する向きもあり、市場にはあきらめムードが漂っている。

(日経平均前場・16230.19▲155.82 出来高2億8196万株)

2000/05/22(月)
 米国株安に歯止めが掛からず、IT関連株を中心に売り物が継続。日経平均は大幅続落。連日の年初来安値更新となった。

 一連のハイテク・情報通信関連株が大幅安となったほか、証券・銀行、商社株が売られた。紙パルプ、化学などの素材関連の一角も軟化し三菱重工も値を消した。半面、鉄鋼株が軒並み高。電力、ガス株の一部が買われた他、東京海上、住友海上は年初来高値を更新。個別に井筒屋が賑わった。

 NY株の先行き不安の中で、これまで相場をリードしてきた外国人の投資マインドが冷え切っており、個人も追証に伴う整理売りを出して動くに動けない状況。機関投資家も下げ止まり確認までは静観姿勢を決め込んでおり、需給関係は最悪の状態。今回の株安は米ハイテク株安に端を発した連動安のため、NY株安に歯止めが掛からないとどうにもならないとの総悲観論が横行。東京市場は下値目途とされていたTOPIXの4/17の直近ザラバ安値1511.60を一時更新し、下値模索長期化の様相を呈してきた。

(日経平均前場・16319.84▲538.33 出来高3億478万株)
2000/05/19(金)
 NASDAQの大幅安を映し主力のIT関連株中心に下げ、日経平均は3日続落。年初来安値を更新した。
 鉄鋼、非鉄、化学など中低位素材株の一角がしっかりだったほか、個別に三菱電、井筒屋、京セラなどが買い人気を集めたが、ソニー、NECなど電機ハイテク株や一連の情報通信関連株が総じて軟調。証券・銀行、薬品株も安く、ソフトバンク、光通信がS安で引けるなど悪役を演じた。
 買い手不在の中でNADAQ安が伝えられ、日経平均は一時459円安まで売り込まれた。銘柄入れ替えで日経平均は成長銘柄の比重が上がり、NASDAQの下げに連動しやすくなったことから、中低位株が物色されてもほとんど影響しなくなっている。又、5月第2週に外人投資家が日本株を大幅に売り越していたことが明らかになり、先行きの需給に懸念が出てきたことから、見送り気分に拍車が掛かっている状況。突っ込み警戒感からそろそろ底打ちの可能性を指摘する声もあるが、総選挙を控え森首相の不穏当な発言などから政治動向にも不安要素が浮上。本格的な反発局面入りはなお先との意見が大勢を占めている。
(日経平均大引け16853.17△173.46 出来高6億7022万株)

【来週の株式展望】
 6月28日のFOMCに続いて、8月22日のFOMCでも追加利上げを実施すると見る市場関係者が多く、米経済のハードランディングに対する警戒感が台頭。米ブリッジの調査でも、次回のFOMCでの利上げも0.5%と答えた人が34%にも及んでいる。今回の利上げで打ち止め感が出るなら別だが、FFレート7月限は6.775%まで上昇しており、既に次回FOMCでの0.25%以上の利上げを織り込み始めており、追加利上げは避けられない状況にある。利上げ打ち止め感が出るまでは、米株式は金利に相場の頭が制圧され、当面不安定な展開を余儀なくされてしまい、米国株調整が強いては日本株売りを誘発してしまう懸念が更に高まってしまっている。
 折りも折り、5月第2週の投資主体別売買動向では外人投資家は4960億円の売り越し、売却代金は2兆347億円と報道され、海外勢の日本株売りに対する警戒感が一段と強まってしまい、週末の日経平均はあっさり17000円の大台を割り込んでしまった。
 売買代金の減少が顕著で市場エネルギーが大きく後退する中、投信は解約対応売りに追われ、個人投資家は評価損率16%を抱え、身動きができない状態。わずかに機関投資家が下値に押し目買いを入れている程度で、市場のセンチメント回復には至らない。しかし、大局的に見て17000円割れは株価水準的には調整十分であり、突っ込み買いの姿勢を貫きたい。経済のマクロ、ミクロの面から見て、ファンダメンタルズは改善方向にあり、株式市場は中期上昇局面にあると考えるのが妥当。本格化する2000年3月期の決算は、景気回復とリストラ効果で増益に転換。続く2001年3月期も、2桁増益が見込まれる。
 6月上旬の月例経済報告では景気回復宣言が予定され、6月10日前後に発表される1―3月期のGDPもプラス想定と、6月株式高を裏付けする経済指標が目白押し。何もかも悪材料視される夜明け前の一番暗い時こそ、絶好の買い場といった基本に則り、ここは悪目買いに徹することに致しましょう。

2000/05/18(木)
 米国株安を嫌気した売りが広範な銘柄に出たことで、日経平均は大幅続落。
 ハイテク銘柄、銀行・証券、商社株などが軒並み安。薬品、流通も甘い。CTC、ソフトバンクがS安売り気配となり、光通信も上場来安値を更新。半面、トヨタが4日ぶりに反発。住化、新日鉄、川鉄、住友鉱山などの素材株が堅調。個別に井筒屋、大平金が物色される。コマツは3日続伸。商工ファンドはS高買い気配。
 米国の追加利上げ懸念など相場を取り巻く環境が不透明なことから、東京市場は買い手不在の状態。国内機関投資家は様子見を決め込み、売買代金が減少傾向を強めるなど市場エネルギーは極端に減退。売買単価が1400円台まで低下し、中低位株物色の色彩が強まっているため、値嵩株の寄与度の高い平均株価は軟調にならざるを得ない。MSCIの採用銘柄入れ替えが見送られ、新規採用の期待で買われた銘柄も肩透かしにあった格好で、利益確定売りが後を絶たない状況だ。買い手掛りが全く見当たらない中で、しばらくは下値模索が続くというのが大方の見方のようだ。
(日経平均前場・17075.29△328.74 出来高3億287万株)
2000/05/16(火)
 FOMCを今晩に控え、引き続き様子見気分が強いものの、好業績のIT関連、ハイテク銘柄を中心に買われ、日経平均は反発。
 日立、東芝など電機ハイテク株の他NTT3社やソフトバンクが高い。大特鋼、シルバー精工は大幅高。個別に井筒屋、タンガロイの他、株式分割を発表した日本オラクルがストップ高買い気配。半面、ソニーが反落。本田は4日続落し、トヨタ、スズキも安い。食品、薬品の一角が売られた他、銀行株が軒並み安となり、電力、ガスの公共株も一斉に安くなった。
 NASDAQとNYダウは大幅高を演じたが、FOMC待ちで商いは薄い。東京市場は17200円近辺でのもみ合いを続けたが、引け際にIT、ハイテク関連で足下の業績が良い銘柄を中心に買いが入った。また、中低位でも業績への選別色は強まった。ただ引き続き市場の様子見ムードは強く、原油相場の上昇を懸念視する声も聞かれ商いは薄い。
(日経平均前場・17426.07△112.38 出来高3億3441万株)
2000/05/15(月)
 16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見気分が強まる中、値嵩株の一角に利益確定売りが続き、日経平均は小反落。
 NTT、ソフトバンクが売られ、京セラ、東エレなどの値嵩株も下落。不動産、食品、薬品など内需関連の一角も値を下げた。半面、光通信、ドコモが値を上げソニー、富士通、NEC、日立のハイテク株が確り。証券株や繊維、化学、紙パルプ、鉄鋼の素材関連株も総じて堅調。
 米市場との連動性が強まる中、米FOMCを控えて様子見気分が強く、薄商いの中神経質な展開が続いている。ただ、全体的には値上がり銘柄数の方が値下り銘柄数より多いことから、地合は堅調。下値への抵抗感は強いとの見方が一般的で、FOMCまでは個別銘柄の決算内容を見極めながらの神経質な売買が継続しそう。
(日経平均前場・17320.93▲36.93 出来高2億7879万株)
2000/05/12(金)

 短期間で急落した日経平均は米国株の急反発を受け、主力値嵩ハイテク株を中心に広範囲に押し目買いが入り、5日ぶりに急反発し17000円大台を回復。
 松下通信、京セラ、ソニーなどが軒並みに高く証券、流通株が上伸。三洋電、富山化、コニカなど中堅どころの銘柄が年初来高値を更新した他、ソフトバンクが値を飛ばし光通信がS高買い気配となった。半面、オラクルが7日連続して上場来高値を更新。自動車、精密の一角が軟化した他、個別に大和ハウス、富士写、東電が値を消した。
 日経平均は後場17100円前後での小幅レンジでのもみ合いとなったが、大引けにかけインデックス買いが入り上伸。今晩のNY株の動向や16日のFOMCでの金融政策の動向を見極めたいとのムードが根強く、上値追いには慎重にならざるを得ないが、日経平均の17000円割れ水準では年金や投信が押し目買いを入れている状況で、ここからのもう一段の株価下落懸念は後退。
 今回の株価急落がテクニカル面での影響が大きかったことから、米国市場の落ち着きとともに一気の水準訂正を想定する向きも。
(日経平均大引け17357.86△475.40 出来高7億2946万株)

【来週の株式展望】
 今週の東京株式は、外国人投資家の売りと週末のSQなど気懸かり材料が多く、手仕舞い売りが騰勢を強め調整色を濃くした。日経平均は連日の安値更新で、11日には17000円を割り込んだ。外国人投資家は4月第3週2兆8000億円の過去最大の売りを出し、月間ベースでも4月の売り越し額は8462億円を記録。1990年2月の1兆3131億円に次ぐ高水準となり、1年半ぶりの売り越しに。
 外人の売り要因は、1)NY株式の調整、2)円安、3)日本企業のリストラ進展の遅れ、4)郵貯資金流入期待に対する失望、5)森新政権への不信感(構造改革の遅れ)等が挙げられる。
 外人売りを吸収する投資主体もなく、先物主導で日経平均は大幅安を余儀なくされてしまった訳だが、昨年来の日本株上昇は年間9兆円買い付けた外国人投資家が牽引役を担ってきただけに、ここに来ての外国人投資家のスタンスの変更?は「楽観できない状況」との指摘がある。少なくとも昨年後半から外国人買いで株式市場をリードしてきたハイテク、情報通信関連株については需給悪懸念が残るので、選別買いが必要。今しばらくは外国人投資家の物色圏外にあった銘柄が物色の中心になると思われる。
 さて、日経平均のT・S波動だが、16916円を割り込んだ事で日足VOLは再び20ポイント割れの売られ過ぎゾーンに入った。前回4/28と違い、今度は週間VOLのエネルギーラインが17.9ポイントと20ポイント割れの売られ過ぎゾーン(週間VOLの20ポイント割れは98年10月9日以来1年半ぶり)に届いた事から、かなり高い確率で底入れが期待できる。
 3月の景気動向指数は、3指数とも3年4ヶ月ぶりに揃って50%を越し、景気は改善方向に。4月の卸売物価も0.5%上昇し、デフレ懸念も大きく後退。景気関連指標の改善、企業業績の回復が背景にあり、ここは戻り売りではなく押し目買いと判断する。

2000/05/11(木)
 NASDAQの急落を嫌気して幅広い銘柄に売り物が出て、日経平均は1万7000円割れ寸前まで急落。年初来安値を更新した。
 松下、富士通が売られソニーは年初来安値を更新。NTT、ドコモなどの情報通信関連株も軒並み安。トヨタ、京セラなど国際優良株の一角も軟調。ヨーカ堂、丸井が売られ証券株が一斉安に。ソフトバンクがS安となり光通信は安値更新、10000円割れを演じた。半面、食品、薬品、電力・ガス株などのディフェンシブストックが買われ鉄鋼、非鉄、造船など低位大型株の一角が買われた。
 海外株安から東京市場も不透明が漂い、ほぼ全面安となったが、日米とも悪材料に敏感に反応しやすくなっており、非常に地合が悪くなっているとの見方から17000円割れを覚悟する向きが多い。下落基調に歯止めがかからず個人の追証が膨らみ不安心理から、パニック的な売りも出ている状況だ。当面は明日のSQ、16日の米FOMCが節目となるとの見方が有力で、日経平均が来週以降もこのままのペースで下げると見る向きが主流を占めている訳ではなく、SQ明け後の展開に期待を寄せている格好だ。
(日経平均前場・17067.63▲633.84 出来高2億8627万株)
2000/05/09(火)
 昨日のNASDAQが急落したことを嫌気。IT関連銘柄に売り物が出て、日経平均は大幅続落。1万8000円台を割り込み、年初来安値を更新した。
 ハイテク電機株が総じて軟調。NTT、ドコモ、DDIなどの情報通信関連株が安く、光通信が再びS安売り気配に。大手証券株が下落し、個別にコマツ、マルハが売られた。半面、鉄鋼、造船、不動産、繊維など中低位株がしっかりとなったほか、自動車や液晶関連銘柄が人気を集めた。
 一方的に下げる地合ではないが、米国市場が不安定な地合な中で特段上げる材料もなく、見送り気分が台頭。銘柄入れ替えによって値嵩優良銘柄の変動に影響を受け易くなった日経平均は、4/28の年初来安値17973円70銭を更新した。出遅れ感の強い中低位株には買いが入ったものの、値嵩株の下落が大きく響き、日経平均は下げ足を速めた格好だ。
 連休前からの円安傾向も外人投資家の買い手控えに繋がるとの懸念もあり、下落に拍車を掛けてしまったとの見方がなされている。
(日経平均前場・17943.99▲255.97 出来高2億3628万株)
2000/05/08(月)
 連休明けの東京市場は、好需給を背景とした先高期待は根強いものの、値嵩ハイテクの一角が売り物に押され、日経平均は3営業日ぶりに反落。
 ソニー、TDKなど主力ハイテク株の他、本田、日テレコム、TBSなどが下落。ヨーカ堂、7―11、武田などが軟化した他、ソフトバンク、光通信が売られた。半面、NTT、ドコモ、アドバンテストが高く、松下通、三洋電などが堅調に推移。旭化成、資生堂が上伸した他、コマツ、オークマなど機械の一角が値を上げた。
 米失業率が30年ぶりの低水準となったことを受け、NYダウ、NASDAQともそろって上昇。米国市場は16日のFOMCでの0.5%利上げを既に織り込みつつあるということが買い安心感につながり、日経平均も寄り付きは小幅高でスタート。
 店頭指数も終始大幅高で推移するなど、年金や投信を通じて潤沢なマネーの流入が期待され、相場を下支えしていることに加え、個人や証券自己も買い意欲を高めていることから、好需給を背景に先高期待が根強く、市場では相場の底堅さを指摘する声が多い。
(日経平均前場・18366.89▲72.47 出来高2億5869万株)
2000/05/02(火)
 昨日の米株高を受け幅広い銘柄に押し目買いが入り、日経平均は小幅続伸。NTT、ドコモが堅調で東芝が年初来高値を更新。富士通、日立などのハイテク株も堅調。アドバンテスト、キャノンが上伸し証券、銀行、商社、ゼネコン株も確り。化学、繊維など素材株の一角が高く、旭硝子、スクリーン、松電工が個別物色されたほか、逆日歩のついたそごうが続伸。JTは6日ぶりに反発した。半面、ソニー、NECが小甘く、高寄りしたソフトBK、光通信が利食い売りに値を下げ、オラクルは続落。大日本製薬、山之内など薬品株も軟調。
 NASDAQが3連騰し、テクニカルで値頃調整一巡を示唆する水準まで戻したことで、東京市場にも買い安心感が広がった。この日は2000億円を超える投信が新規設定され、証券自己や個人などの先回り買いが入り、一時は前日比138円高まで値を上げたものの、大型連休の谷間ということに加え、大型連休中に米インフレ指数の発表を控えていること、連休明け後に2000年3月期の決算発表の本番を迎えるといったことから様子見気分が強く、利益確定売りも出て上値の重い展開となった。
(日経平均前場・18480.89△77.84 出来高2億7033万株)
2000/05/01(月)
 大型連休の間で市場参加者が少ない薄商いの中で、主力の好業績ハイテク銘柄中心に押し目買いが入り、日経平均は5日ぶりに反発し18000円大台を回復。
 富士通、日立など、前週末に好決算を発表した主力ハイテク銘柄を中心に買い物が集まったほか、NTT3社が強張り、自動車、商社の一角がしっかり。ソフトバンク、光通信が続伸し、そごうは反発。半面、証券、銀行が冴えずファナック、松下通信が下押し、日本オラクルがS安売り気配で引ける。
 企業業績に明るさが見え、景気の底打ちが実感され始めた現状から、このまま日経平均が18000円を大きく割り込み下落し続けると見る向きは少ないが、米国株が依然として不安定で、へッジファンドの破綻を不安視する向きもあり、大きな上げのシナリオも描き難い。取り敢えずは連休明けを待ちたいとのムードが漂っている。
(日経平均前場・18156.24△182.54 出来高2億6519万株)
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