株式ニュース バックナンバー 2000年9月分

2000/09/29(金

【9月中間期末を意識、米株高もあって日経平均は4日ぶりに反発】

 米国株式の急反騰に加え9月中間期末を意識した買い注文が入り、日経平均は4日ぶりに反発。幅広い銘柄に買いが入り、ほぽ全面高の展開となった。
 外資系証券の買い推奨から日産自がS高となったほか自動車の一角が上伸。ドコモ、ソフトBKなどの情報通信関連株が買われNEC、ソニーなどのハイテク、電機株が総じて高い。銀行、電線、製紙、不動産株も堅調。半面、アドバンテスト、東エレなどの半導体関連株が売られ損保の一角が甘い。業績悪が伝えられたアイワはS安になった。

 一時270円幅の上昇を見せた日経平均だが、中間期末、月末、週末が重なり証券自己の動きが後場に入って見られなくなると伸び悩んだ。特に半導体関連株など、平均株価への寄与度の大きい銘柄の伸び悩みが目につき、日経平均の16000円台乗せは果たせなかった。

(日経平均終値・15747.26△120.30 出来高6億1826万株)

 

【来週の相場展望】
【日経平均は15300円までの下振れの余地、そこが絶好の狙い目に】

 今週の相場は日経平均が15950円の重要な節を終値で下回った後は、これまた終値で16000円の大台を回復することがなかった。米国ではインテルに続きイーストマンコダックと主要企業の下方修正が相次いだ他、ネット株も7―9月の業績下方修正から大きく売り込まれた。

 NY株安を受け東京株式も日経平均、TOPIXが共に27日、28日と年初来安値を更新したが、週末は前日のNY株高や投信の買いなどで反発した。
 来週からは名実とも下期相場入りとなるが、米国企業の業績不安による米国株式市場の波乱を想定する向きも多く、「東京株式も神経質な展開を余儀なくされそう。」がコンセンサスに。米国の主要企業の7―9月期決算発表は、10月4日のヤフー、マイクロテクノロジーを皮切りに第2週以降に本格化するが、米国企業の業績下方修正見通しはほぼ一巡したことから、今後は株価の下落で投資妙味が高まりつつある好業績株と割安株に注目が集まることになろう。
 NASDAQ指数は、9/27の3656ポイントが8/2の3658ポイントに対しての二番底となるのかどうかが鍵(Wボトム形成条件は3865ポイント抜け)。

 国内では10月3日の日銀短観に注目。大企業製造業業況判断DIの平均予想は7.9、非製造業のDIはマイナス8と改善が見込まれる。ただ、8月の鉱工業生産が過去最高を更新し景況感の改善を示すも株式市場の反応が鈍かったことから、日銀短観は株価の大きな刺激材料とはならないでしょう。
 日経平均のチャートは15800円を割り込み、転換足は再陰転を提示。27、28日とSTC指数が10ポイントを割り込み売られ過ぎゾーンに達したが、T・S波動日足VOLは40ポイント台と比較的高水準に位置しており、15300円までの下振れの可能性を残す。早晩16000円台を回復することができるのかどうかに焦点を当てておきたい。

2000/09/28(木

【米国離れを期待する声あるも商い低調で本格反騰の勢いはなし】

 期末株価を意識した押し目買いが先行。日経平均は3日ぶりに反発。
 NEC、松下などの主力ハイテク株が堅調に推移。電線、証券株が堅調でこのところ売り込まれたオリコや好業績発表の住友鉱山が個別に物色された。不動産、空運など内需セクターの一角もしっかり。半面、ソニー、NTTドコモが反落。ソフトBK、DDIも安い。

 大手銀行株の一角や東芝、シャープも軟調。前日に225、TOPIXとも年初来安値を更新した上、昨日の米国株が続落し本日の相場展開が注目されたが、明日が中間期末ということからドレッシング買い期待もあって、全体相場に底打ち感も台頭。企業業績などファンダメンタルズの良さを考えると、そろそろ米国離れが起きてもおかしくないと、久々に市場関係者からは強気の声も出ていたが出来高は薄く、本格反騰入りの勢いは感じられない。

(日経平均前場・15830.93△90.98 出来高2億0084万株)

2000/09/26(火

【期末接近で薄商いの中で日経平均は小反落、個別に明暗分かれる】

 期末接近で、機関投資家が様子見を決め込み出来高が細る中、日経平均は小反落。
 NTTが年初来安値を更新。DDIが値を下げ、日立、NECなどが甘い。京セラなどの値嵩株やアルプスも安くソフトBKは反落。薬品株の一角が利食われ川鉄、ANAも軟化。オリコが売り気配を切り下げ、業績の下方修正を発表したローランドが急落。半面、ソニーが小幅続伸。富士通、三菱電が小確り。ドコモ、松下通やトヨタ、日産自が堅調。住友不は年初来高値を更新。DNAチップの独自製法を開発したと伝えられた三菱レが買い気配を切上げたことから、宝酒造、三菱化のバイオ関連が買われた。

 昨日はこれまでの持合い解消売り懸念も払拭され、相場の本格反転期待も出ていたが、蓋を開けて見ると商いは超閑散。月末までは積極的な売買はしづらく、前場の売買代金が2626億円と細るなど手控えムードは強いが、個別には動意づくものもあり、買い材料の出た三菱レ、売り材料のあるオリコにそれぞれ大量の売買注文が入るなど、明暗を分けていたのが目についた。

(日経平均前場・15975.78▲17.12 出来高1億8032万株)

2000/09/25(月

【外部不透明要因後退で日経平均は3日ぶりに反発、国内要因に活路】

 ユーロ、原油相場の先行き不透明感が大きく後退。前週末の米国株式市場が乱高下の末に落着きを取戻したことが好感され、幅広い銘柄に買いが先行し、日経平均は3日ぶりに反発。
 ドコモ、ソニー、NECなどの情報通信や銀行、自動車、電力、証券が買われ薬品、電線も高い。半面、日石、帝石の資源関連株が続落。損保、信託BK、不動産、ゼネコン株が軟調。

 前週末の日経平均はインテルショックで8/10以来の16000円割れを演じてしまったが、ユーロ安是正のための協調介入、米国の戦略備蓄原油の放出決定から米株式市場が落着きを取戻したことが支援材料となり、先行き不透明要因が後退。週明けの本日はG7でのユーロ安懸念の共有、産油国への増産要請も好感され、突っ込み警戒感の台頭もあって寄り付きから値嵩ハイテク銘柄を中心にほぼ全面高となった。
 この日は9月中間期末の権利配当権利付き最終売買日のため、市場参加者も動き難い状況で出来高は薄いものの、これまでこうした外部要因で上値が抑えられていただけに、今後は売り圧力が後退する上、景気動向や企業収益など国内要因の明るさに目が向けられるとの見方が有力。

(日経平均前場・16144.19△325.94 出来高1億9763万株)

2000/09/22(金

【「インテルショック」で日経平均急落、機関投資家の様子見続く】

 米インテルの引け後の7―9月期売上見通しの下方修正を発表したことを嫌気し、ハイテク銘柄を中心に幅広い銘柄が売られ、日経平均は今年5番目の下げ幅を記録。「インテルショック」とも呼ぶべき相場展開となった。
 NTT3社、ソフトBK、ソニーなど情報通信関連銘柄の他、NEC、富士通などのコアのハイテク銘柄が幅広く売られ石油、自動車、証券の一角や横浜銀、新光証券など日経平均への新規採用銘柄が下落。半面、花王が6日ぶりに反発。宝酒、BSの他、空運、電力の一角も堅調。

 22日のNY市場下落を先取りする格好で先物にへッジ売りが続く一方で、現物にも幅広く売りが出て全面安に。この下げについて市場では、NASDAQ市場が落着けば東京市場も落着くとの見方も出てはいるが、23日のG7と25日の期末最終売買日を控え、来週も大きな材料が見当たらないことから、機関投資家の様子見姿勢は続きそうとの見方が主流となっている。

(日経平均終値・15818.25▲492.80 出来高5億3512万株)


【来週の相場展望】
【今晩のNY動向に注目、日経平均が底抜けなら15394円を意識】

 先週の当欄では、最大の注目点と指摘した原油価格の高騰によるインフレ懸念や、IT関連企業の業績悪化懸念からNASDAQ指数の下振れには注意が怠れないとし、3834ポイントを切ると「3750ポイント前後までの下げも頭に入れておきたい。」としておきましたが、ユーロ安、原油高騰、景気減速等が企業業績に与える影響が懸念された他、オラクルの売上の伸びが予想を下回る決算となった事などが嫌気され、NASDAQ指数は一時3702ポイントまで下落し、転換足の節目に当たる3749ポイントどころか早々と9/8号で指摘しておいた3700ポイントまでの下げを余儀なくされてしまった。

 東京株式はNASDAQ安の影響を受け、週前半日経平均は15774円の安値をつけるなど波乱の動きに見舞われたが、20日は企業業績や景気の回復傾向が鮮明になりつつあることや、中間決算に伴う売り圧力も一巡したといった見方から買い物を集め、日経平均は16523円まで急伸。しかし週末は「インテルショック」から大幅に値を下げ、遂に16000円の大台を割り込むこととなった。

 日経平均は15950円の重要な節を切り、転換足は陰転を提示し暗雲をもたらすことになった。これで次のサポートラインである15648円を引け値で割り込んでしまうとチャート上は底抜けとなってしまい、7/31のザラバ安値15394円が意識されてしまう。

 そうなるかどうかはNASDAQ次第。NY株安を先取りしてGLOBEXの株式先物はS安まで売込まれており、今晩の米国株式が大幅に下落するとの見方が広がっているが、NASDAQ指数については9/18のザラバ安値3702ポイントを維持できるかどうかに注目することに致しましょう。

 週末から来週にかけてのG7や、OPEC首脳会議に注目が集まろうが、各国の足並みが揃っていないことからマーケットを押し上げるような具体的な支援策が打ち出されることはあるまい。原油の高騰が企業収益に影響を与えることや、非産油国の経済に打撃を与えるとの懸念を確認するに留まるものと思われる。ユーロ安についてはどこまで踏み込んだ表現を声明に盛り込めるのかに市場の関心が集まっている。

2000/09/21(木

【外部環境不透明で日経平均は3日ぶりに小反落するも下値不安は後退】

 前日のNASDAQは小幅ながら上昇したが、NYダウは一時200ドル強の急落に見舞われ、95年以来の6日続落。こうした米国市場の不安定さなど外部環境の先行き不透明に加え、短期急騰後ということもあって利益確定売りが先行し、日経平均は3日ぶりに小反落。
 NTT、ドコモ、アドバンテスト、京セラ、NECなどが売られ電線、商社、石油、自動車の一角も軟化。半面、銀行株が続伸。ソニー、日立がジリ高となりキヤノン、リコー、三重工が物色された。

 ユーロ安、原油相場の高騰について、23日に開催されるG7での協議を見守りたいとのムードが強いが、16000円接近場面では投信や年金などの機関投資家の買いが入るため下値不安は後退しており、下げたとは言っても積極的に売り崩す動きにはなっていない。

(日経平均前場・16437.21▲21.10 出来高2億8966万株)

2000/09/19(火

【米株安、原油高など外部環境悪で日経平均は16000円台割れ】

 鉄鋼、電力などの低位銘柄やシャープ、日産自が個別に物色されたものの、米株安、原油高など外部環境悪から広範囲な銘柄が嫌気売りに押され、日経平均は続落、あっさりと16000円台を割り込んだ。
 NTT、ドコモ、NECなどが軟調で光関連の電線、硝子の一角が下落。化学、紙パルプなどの素材関連株が安い。

 実質月内最終売買日を25日に控え、益出し売りの最後のヤマ場を迎え、需給関係の厳しさは不変で、補正予算の内容への失望感やIT商品券構想など突拍子もない政策構想へ評価する声も無いなど、国内要因からの買い手掛りは見当たらず、海外市場の不透明要因の増幅から当面は不安定な展開から抜け出し難い状況だ。

(日経平均前場・15882.04▲179.12 出来高2億5507万株)

2000/09/18(月

【米株安、原油高を懸念し日経平均は3日ぶりに反落】

 運輸の一角やBSなど個別に買われる銘柄はあったが、米国株安、原油高に伴う先行き不安感から、ドコモ、ソフトBKなどの情報通信関連、NEC、富士通などのハイテク株、電線、証券、損保、薬品の一角などが売られ、日経平均は3日ぶりに反落。一時16000円台割れを演じる場面があったが、テクニカル上の押し目買いが入り始め下げ渋ったものの、市場では原油高から投機資金が原油市場に流れるのではとの見方もあり、日本株への影響を懸念する声もあった。

(日経平均終値・16061.16▲152.12 出来高4億9064万株)

2000/09/14(木

【3連休控えも日経平均は小幅続伸、来週後半以降の需給改善に期待】

 3連休控えで、証券自己のポジション調整売りや利益確定売りに押される場面はあったが、NEC、東芝などの半導体関連株などが物色され、日経平均は小幅ながら続伸。
 ソニーがジリ安を辿った半面、一連の半導体関連株やドコモなどがしっかりの動きとなった。銀行のほか建設、不動産、運輸の一角が高く一方で電線、薬品、電力株が軒並み安。

 米国市場の先行きに不透明感が出ていることや、相変わらずの決算対策売りで相場の頭を抑えてはいるが、需給面では来週前半で売り圧力も後退する上、補正予算の中身も見えてくることから、企業収益を評価する動きを期待する声が高まりつつある。

(日経平均終値・16213.28△22.76出来高5億7314万株)

 

【来週の相場展望】
【16000円近辺での押し目買い意向強く底堅い展開を予想】

 今週はNASDAQ総合指数の4000ポイント割れなどの下落を受け、週初から日経平均、TOPIX共々大幅安で始まり、12日には日経平均は8/4以来の16000円の大台割れとなった。終値ベースでは16000円台を維持したことから、目先の底打ち感が台頭し、13日、14日と相場は反発したが、9月中間期末の需給要因に対する懸念は根強く、反発力は鈍いものとなっている。企業の9月期決算を控えた持ち合い解消売りや利益確定売りは来週も継続することから、積極的な買いは控えられることになろう。ただ、16000円近辺での押し目買い意欲は強く、底堅い展開が予想される。

 最大の注目はNASDAQの動向である。米国は原油価格の高騰によるインフレ懸念やIT関連企業の業績悪化懸念があり、NASDAQ指数の下振れには注意が怠れない。12日の安値3834ポイントを切る様だと転換足のサポートラインである3750ポイント前後までの下げも頭に入れておきたい。

 日本株式の3連休中に、米国では小売売上高、鉱工業生産、消費者物価、卸売物価などの重要指標の発表が相次ぐ。いずれも落ち着きを示す内容となるものと思われるが、原油価格の高騰が全体の数値を押し上げてしまわないかどうかを見守る必要があろう。

 企業業績ではオラクルの決算発表に注目。22%の増益を更に上回る見通しにあり好決算が好感され、NASDAQ指数の4000ポイント回復を牽引する様なら日本企業のハイテク関連企業に好影響を及ぼすことになり、このケースでは日経平均は75日移動平均線(9/14現在16690円)近辺までの反騰も考えられる。

 国内では、20日の政府与党の財政首脳会議での2000年度補正予算案の中身に注目。総事業規模7兆円、真水(財政出動)分が3〜3.8兆円程度との観測であり、規模的にはやや少な目ではあるが、IT関連などにどの程度重点を置くかが注目される。

2000/09/12(火

【一時16000円割れとなるも売り一巡後は買い戻しの動き】

 米国株の先行き不安感や9月中間決算期末を控えた持合い解消売り、利益確定売りから日経平均は直近高値17210円と比べ、ザラ場で7%を越す下げを演じてしまった。
 ソニー、京セラなどのハイテク株やこれまで相場をリードしてきた電線株が軒並み安となった半面、ドコモ、ファナック、シャープが高く原油高から帝石、日揮、Jエナジーなどが年初来高値をつけるなど明暗を分けた。

 ザラバベースで日経平均は8/22以来の16000円台割れを演じる場面もあったが、売り一巡後は押し目買いが入り、下げ渋る格好に。景気動向や企業業績に明るさが見え始めたことから、この水準からの大きな下振れはないとの強気の見方も台頭。当面の需給環境は厳しいとしても、10月からの郵貯の償還資金の流入期待など需給悪の解決は時間の問題として、株式市場は足元を固める段階に入ってきたとの観測が一般的だ。

(日経平均終値・16040.23▲90.67 出来高4億9568万株)

2000/09/11(月

【NASDAQ4000ポイント割れを嫌気、日経平均は反落】

 寄り前に発表された4―6月期のGDPが2期連続のプラスとなり、事前の予想を上回ったものの、前週末の米国株式市場でハイテク株が売り込まれ、NASDAQが4000ポイント割れしたことを嫌気し、NEC、富士通など主力ハイテク銘柄を中心に売られ、日経平均は反落。
 NTT3社や証券株が冴えず、指数から除外されることになった鉄建、日証金や指数採用候補として先週末にかけ、買われたヤマト運、積水ハが下押した。半面、指数採用が決まったセコム、新光証券、アルプス、横浜銀が値を飛ばし銀行株の一角が堅調。

 先週末に全体相場はようやく下値抵抗力ができかけたものの、需給改善期待が後退し売り物を吸収する積極的な買い手が見当たらないまま、再び下値模索の動きに入ってきた。海外株安、断続的な持合い解消売りや新規公開株ラッシュによる需給悪に抗しきれず、当面は16000円台前半でのもみ合いが続くとの見方が多い。

(日経平均終値・16130.90▲370.65 出来高5億4089万株)

2000/09/08(金

【国債格下げで一時マイナスとなるも日経平均は9日ぶりに反発】

 ムーディーズの日本国債格下げから、一時前日比マイナスとなる場面はあったものの、8日続落後の日経平均は懸念されたSQの波乱もなく、NASDAQ高を好感し、ドコモ、ソニーなど情報通信のハイテク株を中心に幅広い銘柄に買い注文が集まり、9日ぶりに反発。
 富士通、NECなどのハイテク株が反発し精密、薬品、その他金融の一角がしっかり。半面、都銀株が値を下げ、流通、化学の一角が甘い動きとなった。

 市場では国債の格下げについて驚きは無く、影響は限定的とする見方が大勢を占め、11日の4―6月期の実質GDP発表までが絶好の買い場との強気の声が聞かれた。

(日経平均終値・16501.55△201.09 出来高9億710万株)


【来週の相場展望】
【NASDAQの動向に注意、一旦の戻りあっても再度の下値トライも】

 今週の株式相場は、先物・オプションのSQ算出を控えて見送りムードの強い中、持合い解消売りや利益確定売り圧力に押され、日経平均は9/7まで98年8月以来の8日連続安を記録した。SQを無事に乗り越えたことから、本日週末の相場は反発に転じたが、日本国債格下げが報じられる等今一つ盛り上りに欠ける格好となった。

 さて、来週は週明け早々4―6月期のGDPが発表されるが、事前予想は年率換算で1%台後半から3%台前半の伸びと見られ、2期連続してのプラス成長は間違いないところですが、この程度なら相場が既に織込んでしまっており、相場に与える影響は軽微となりましょう。
 懸念材料は、9月中間決算発表を控えて決算対策に向けての持ち合い解消売りと利益確定売り。「ピークは過ぎた」とは言うものの、債券相場の下落で運用損の出ている金融機関が、中間決算対策として株式売却で穴埋めに走る事への警戒が怠れない。
 又、原油高と米国長期金利の上昇が、米国株式市場に及ぼす影響にも留意。米国株安は、外国人投資家の日本株式の換金売りに繋がりかねず、注意が必要でしょう。

 NASDAQ総合指数のT・S波動日足VOLは、8/30から9/1にかけエネルギーライン、人気ライン、遅行ラインの全てが80ポイント台の警戒ゾーン入りを果たした他、転換足は4257ポイントに大きな節を作ってしまった。4000ポイントのサポートラインを割り込むと、転換足は陰転を提示してしまい、3700ポイントまでの下げが考えられてしまう。このケースでは、日経平均は16000円の攻防戦にステージが移される事になりましょう。

2000/09/07(木

【持合い解消売り継続、2年振りに日経平均は8日連続安を記録】

 ドコモなど時価総額の大きな値嵩株の一角が買われ、TOPIXこそ8日ぶりに反発したものの、半導体関連株などを中心に利益確定売りが続き、日経平均は2年ぶりに8日連続安を記録。
 NEC、富士通、アドバンテスト、ニコンなど半導体関連株が値を下げNTT、KDDが軟調。古河電は反落。電力株が総じて甘く新日鉄、川鉄などが年初来安値を更新。半面、ドコモ、ソニー、トランスコスモスなど情報通信関連や流通、薬品の一角が強く日経225へ採用が噂されたヤマト運、積水ハなどが個別物色された。

 中間決算を意識した利益確定売りや持合い解消売りが継続。また、SQ算出を控え、買い方の腰が引けている状況ではあるが企業業績は好調で、ファンダメンタルズの良さが下支え要因として働いており、波乱が懸念されているSQでは需給要因で売られている好業績株を拾うチャンスと前向きに捉える向きも見られる状況である。

(日経平均終値・16300.46▲99.41 出来高5億4450万株)

2000/09/05(火

【SQ控えで動意薄の展開、手掛り材料難で日経平均は6日続落】

 手掛り材料難から様子見気分が強まる中、一部の材料株が個別物色されるに留まり、日経平均は6日続落。
 京セラ、ソニー、松下などハイテク株が安く銀行株が下落。証券・損保が冴えず鉄鋼・造船が軟化。不動産、薬品、電線株が軒並み安となった。半面、BSが急反発。帝石、三井金、芝機などの材料株が個別物色され年初来高値を更新。NEC、ドコモ、富士通が強張り海運株の一角が買われ7―11、ヨーカ堂などの消費関連株や商社株が反発。

 週末のSQを控えて積極的なポジションを取り難いことから、動意に乏しい展開が続き、一部目先筋が材料株や足下収益良好なIT関連株などを物色しようという動きはあるが追随買いは入らず、前場の全体相場は迫力不足が目立った。

(日経平均前場・16536.27▲151.94 出来高2億5525万株)

2000/09/04(月

【前場反発するも円高進行、債券安から見送り商状で日経平均5日続落】

 米株高を好感して好業績銘柄への物色気運が広がり、日経平均は5日ぶりに反発して始まったが、4日の米国市場がお休みということもあり機関投資家の見送りムードが強まり、後場は一転して反落。結局5日続落となった。
 ソニー、東芝が売られソフトBKも安い。7―11などの小売り株が揃って年初来安値を更新。個別にBSが売り物を浴びた。半面、NTTドコモが4日ぶりに反発。日立が物色され東エレ、TDKが堅調。連結黒字が伝えられた神戸鋼が賑わい三井金は年初来高値を更新した。

 東京市場は8日のSQ算出日を前に、大量の裁定残が積み上がっていることへの懸念から上値は重く、半導体関連と好業績銘柄に物色の矛先が向いている他は、戻り売りに押され易い状況。又、円高の進行に加え、債券先物が下落基調にあるため、9月決算を控えた銀行が債券の損失カバーのために株に利益確定の売りを出すとの懸念から、見送りムードが強い。

(日経平均終値・16688.21▲51.57 出来高5億49万株)

2000/09/01(金

【利益確定売りや持合い解消売りで全面安商状、日経平均は4日続落】

 朝方こそ米株高を受けてハイテク、情報通信関連などに買いが入り、日経平均は一時17000円台を回復する場面があったものの、買い一巡後は利益確定売りや持合い解消売りに押され伸び悩み、4日続落となった。
 京セラ、松下通信など値嵩ハイテクの一角が下げ、新日鉄が連日の年初来安値を更新。BSも4日続落。流通、薬品、ゼネコンの一角が売られた。半面、古河電工が上場来高値を更新。協和醗酵、ユニシスがS高となりソニー、NEC、富士通などが上伸した。

 8月の米雇用統計の発表を控えているほか、4日の米国市場がレーバーデーで3連休、又、来週8日にはSQ算出を迎えることから全般に神経質な展開を余儀なくされる中、証券自己の手仕舞い売りも広がり、ほぼ全面安商状で週末の商いを終えた。

(日経平均終値・16739.78▲121.48 出来高6億3994万株)


【来週の相場展望】
【75日線、25日線を割らずに反騰なるか、8日のSQが気懸かり】

 日経平均の8月の月足は、1133円もの大陽線を立てた。8月の月足陽線は5年ぶりであり、余勢を買って9月相場に期待を寄せたいところであるが、9月の月足は近年10年間で2勝8敗と劣勢である事と、8月、9月の連続陽線は16年前まで見当たらず、データからは9月は分が悪い相場という事になります。逆に劣勢をハネのけ、連続陽線を立てる様だと相場の回復は本物という事になりましょう。

 今週の日経平均は4週間ぶりの陰線。17000円台では9月中間決算を控え、利益確定売りや持合い解消売り圧力が強く、頭が抑えつけられてしまったが、チャートの短期指標は過熱気味であっただけにむしろスピード調整は歓迎されて然るべきである。
 日経平均は先週22日に25日移動平均線を抜き、25日には中期波動線である75日線も抜いた。日経平均が75日線上に顔を覗かせたのは、4月14日以来の4ヶ月半ぶりの事。今後は75日線(9/1現在16686円)、最低でも25日線(同16322円)を割り込まず再騰に転じるかどうかがポイント。75日線が横バイから上向きに転じれば、7月31日の安値15394円が今年の底値という事がより明確になります。

 来週の相場の注目点は、8月の雇用統計の発表を受けた後の米国株式の動向と、8日のSQである。9月中間決算日のSQであり、裁定買い残が株数で22億3000万株、金額で3兆1806億円(8/25現在)と高水準である事が気に懸かる。
 8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が7000人増加、失業率4.0%が事前予想。景気の減速を示す内容なら、年内の利上げ観測が大きく後退し、株価の後押しを期待。

あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
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