株式ニュース バックナンバー 1999年7月分
1999/7/30(金)
【本日の相場】
 日経平均は8円安と小反落も取引終了間際に投信などのインデックス買いに急速に値を戻す格好となった。朝方は円高、米国株安を受け売りが先行し日経平均は一時200円近く値を下げ1万6700円を割り込む場面があった。
 1ドル=115円台前半の円高が先行きの不安を醸し出したことと週末、月末と重なった証券自己のポジション調整売りも下げに拍車を掛けてしまった。しかし、本日30日は投信の大量設定日であり株価の下げ局面で買いを入れたことで急速に下げ渋り大引け間際に投信買いと外資系証券からのお化粧買いが舞い込んだことから日経平均は小幅安に留まった。ただ、225先物9月限は270円安は1万7690円と日経平均とは171円もの逆ザヤで取引きを終了したことで現物市場は実体を表していないとの声が挙がっていた。(日経平均大引け17861.86▲8.06)

【来週の株式展望】
 相場はいよいよ重要分岐点を迎える。大きなリスク要因は1ドル=115円を超える円高進行と米国株式の波乱である。円高に歯止めが掛からず111円30銭の次の大きな節目を目指す円高ともなれば1万7252円までの調整はあろうがその確率は低い。今週は週初め円高を嫌い売り物が継続し日経平均は一時1万7367円まで下落したが週半ばには円高への抵抗力がついたことで再び騰勢色を強めたことから鍵を握るのはやはり為替相場の動向ということになる。ドル円相場が穏健な動きで推移すれば売買代金の約4割を占める外国人投資家が戦列に復帰しつつあることから予想外の反騰が考えられる。市場の予想を上回ったソニーの4―6月期の好決算や高水準の伸びを示した6月の鉱工業生産など経済指標は景気が予想以上の底堅さを表しているのは注目に値する。
 企業業績に影響を与える為替相場については日本政府も「時期尚早な円高は望ましくない。」と明言していることから1ドル=115円を超える円高では介入警戒感も台頭するため一段の円高は考え難い。
 某有力外資系証券のトップディーラーの方は「NY株式が大幅安を演じ世界同時株安を引き起こすといった異常事態に陥らない限りは相場は上、日経平均は8月10日前後にかけ新値抜け」との見解を示していることからも週前半のもたつきは天与の買い場と考える。

1999/7/29(木)
 米国株式はNASDAQ指数が26.51ポイント高を演じる等底堅い動きで朝方発表の6月の鉱工業生産指数も上昇したことから買い安心感が拡がりハイテク株中心に買い物が入り、日経平均は続伸である。
 ソニーは一時1210円高の1万5230円、富士通が300円高の3490円の高値をつけるなど主力のハイテク株が総じて堅調。ソニーは99年度第一四半期決算で業績の底入れが確認されたことが刺激材料に。
 この他、大和、日興の証券株、さくら、富士の都銀株も買い物を集めた。ただ、株式市場にとっての最大関心事となっている為替相場は1ドル=115円台と引続き円高が強まっている為、株価指数の上げほど相場は盛り上ってはいない。
 6月の鉱工業生産は予想を上回る上昇となったがファンダメンタルズの好転が円高を引き起こすといった皮肉な一面にまだ戸惑いがある様だ。(日経平均引値・17869.92△290.01)
1999/7/27(火)
 朝方は円高傾向に歯止めが掛かりつつあることが好感され個人や一部機関投資家からの押し目買いが入り反発して始まったが前場引けにかけては月内最終売買日に絡む証券会社自己の整理売りが出て反落、日経平均は2月1日から2月5日にかけての5日連続安に続いての今年2度目の5連続安を記録である。
 一時1ドル=117円台前半で推移していた為替が再び円高に振れてしまったことが株価の足を引っ張ってしまっている。しかし、昨日のNY株式市場でダウ平均が続落し、NASDAQ指数も73.21ポイント安と大幅安を演じたにも関わらず東京市場の寄り付きは堅調だったことから「大きな下振れはないのでは」との声もあり押し目買い機運を指摘する向きも出てきている。(日経平均引値17462.72▲28.62)
1999/7/26(月)
 先週週末にかけての3日連続安で日経平均は1000円強も下げたことで買い戻しやら押し目買いが入り込み一応反発ではあるが出来高も2億株をやっとキープする程度で迫力は感じられない。為替レートが116円台後半の小幅円安水準で落着いていることもあって買い戻し機運が高まり日経平均は反発したが先週に引続き為替相場に注目が集まっており為替レートに敏感な展開を予想する向きが大半。
 225先物9月限は円高進行が一服したことや現物株がハイテク株などへの押し目買いに値を戻したことを受け4日ぶりに反発し前引けは160円高の1万7630円。急速な円高も116円台の後半から117円台へと若干円安になり今日前場は「売り込み要因がなくなった」との事。市場筋は「今晩の米国株の動向を見極めたい」といい積極的に買い進む材料も乏しいとあって後場も前場同様に大きな手口や仕掛ける動きも少ないと見られておりもみ合う展開が予想されている。(日経平均引値・17491.34△48.10)
1999/7/23(金)
 為替の警戒感の高まりから売り物が広範囲に出て日経平均は3日続落と相成った。225先物9月限は差引き1500枚もの売りを浴び寄り付きから170円安の1万7500円と安寄りしてのスタートを切り先物安に伴い現物市場も裁定解消売りが断続的に出て日経平均はザラバで1万7500円を割り込んだ。
 円高進行、米国株安を受けての下げだけに輸出関連のハイテク株の下げがきつくソニー、TDK、松下、京セラといった主力ハイテク株が3ケタ台の下げを演じた。これまで株式相場をリードして来た外国人投資家が昨日来売り越しに転じていることから「今までの良好な需給関係に陰りが出た。」といった悲観的な声も挙がっていた。日経平均が下げ止まるには上昇相場のリード役であったハイテク輸出株が切返していくことが必要となるが円高傾向に歯止めが掛かるかどうか不透明でありしばらくは外部環境を気にしながらの展開が続こうといった消極的な見方が増えてしまっている。(日経平均大引け17534.44▲195.90)

【来週の株式展望】
 日経平均は7月16日の高値1万8623円から立会い日数わずか4日間で1万7414円まで1200円強もの下げ。しかし、この下げも予想通りであり何も慌てることはないのです。7月19日、日経平均が1万8532円を付け年初来高値を更新した日の夕刻のテレホンでは「日経平均は1万7400円〜1万7500円まで押し目を入れよう。」といった旨のお話をしておきましたのでテレホンを聞かれた皆様は1万7400円までの下げも別段驚くに値しない筈です。当レポートでもT・S波動からの日経平均のターゲットは1万7436円としたためておきましたのでテレホンを聞かれなくても1万7500円割れの現実を目の当りにしても至極当然と受け止めてくれていると考えております。
 さて、来週の相場、本日の下げで日経平均の下値目途は1万7252円に決まった。大引けベースでありザラバでは1万7100円台即ち中勢波動が上げトレンドを維持する為の75日線(23日現在1万7081円)に接近したところで下げ止まる筈だ。来週は180Cあるいは185Cを二段構えで厚めに仕込む様にしたい。変化日27日の185Cの理論価格は1万7200円の水準で46円であるので40―50円がターゲットゾーンということになります。参考まで。
 市場筋は25日線を大きく下回ってしまった事や円高の不透明な事、外国人投資家の売り越し等々を悪材料視し「5月につけた1万5972円に向け調整」だとか「8月中旬までは日柄調整が必要」だとか随分と弱気に傾いて来ているがこの相場の下げは某有力外資系証券の意図する下げであり買う為の売りであることをよく肝に銘じなければなりません。事実、某有力外資系証券のトップディーラーの方は今回の1万7500円割れも19日に予告しておりましたし「1万7000円を割り込まなければ日経平均は早晩新値を抜く」とも言っていたことを報告しておきましょう。

1999/7/22(木)
 円高進行が嫌気され外国人投資家を中心に国際優良株など幅広い銘柄に売りが出され、日経平均は1万8000円を割り込んだ。為替レートが118円台前半で推移しており円高による輸出企業の収益悪化懸念から国際優良株が軒並み売られ日経平均は続落である。
 取引前の外資系証券13社の売買注文は6月7日以来約1ヶ月半ぶりの売り越しで利益確定売りが出ているという。相場の先行き不透明感を嫌気して先物が売られたことから現物市場も裁定解消売りを浴び日経平均は前場1万7879円まで値を下げている。「円高進行で積極的に押し目を拾いにくい。」と言い市場では先安感が強まってしまっている。
1999/7/19(月)
 過熱感が出ているハイテク、情報通信関連株が利食い売りに押された。米マイクロン・テクノロジー社の64MDRAM増産報道もハイテク株の株価の押し下げ要因に。しかし、外国人、個人投資家の買い意欲は引続き旺盛で今日は内需関連株に矛先が向かっている。
 急ピッチで値を上げてきたハイテク株は敬遠だが、中低位株を拾う動きが出てきており市場関係者は「循環物色がうまくいっている」と指摘し大きな下押しはないといった見方で一致している。休日の谷間でもあり後場は利食い売りが出る可能性もあるが「需給関係は良好であり確りした展開となるのでは」といった声が聞かれた。(日経平均前場・18426.70△178.40)
1999/7/16(金)
 朝方は米株式相場の堅調な動きを受け値嵩株に外国人投資家や個人投資家からの買いが先行して日経平均は3日続伸し年初来高値を更新した。後場中盤からは高値警戒感から証券会社自己を中心とした利益確定の売りが優勢となり大引けにかけて日経平均は急速に値を消した。
 富士通、日立、三菱電機、松下が反落する等先駆したハイテク株が利食い売りに値を消しキャノン、リコーなどの精密株も下押した。NTTデータ、NTTドコモ、ソフトバンクの情報通信の一角も冴えない動き。
 反面、野村証券、新日本証券等の証券株が軒並み買われ富士銀、住友銀、東京菱の銀行株が総じてしっかりであった。
 週末の為証券会社自己のポジション調整の売りが出たことや過熱感が高まっていた値嵩株に対する利食売り圧力が高まり後場は冴えない展開を強いられてしまったが直近に急伸した銘柄が多かっただけに利益確定の売りが出て当然と冷静に受け止められていた。(日経平均大引け18248.30▲183.56)
1999/7/15(木)
 NYダウは反落したがインテルやアップルなどのハイテク企業が好決算(99年度第2四半期決算)を発表したことからNASDAQ指数が新高値をつけハイテク株や情報通信銘柄に買い安心感を与えている。
 富士通が上場来高値を更新しNEC、日立の主力ハイテク株が軒並み堅調な他、NTT、NTTドコモ、ソフトバンクの情報通信関連株が確り。ただ国内機関投資家の利益確定売りや上げピッチの速さを意識した証券自己の利食い売りが出て全般は軟調で日経平均は小反落している。
 225先物はボラティリティーの低さを嫌気したディーラーの仕掛け的な売りが出て前場60円安とこちらも反落。しかし、売り込む材料も特に見当たらない為下値を大きく切り下げる見方はほとんどない。(日経平均前場・18293.63▲64.23)
1999/7/13(火)
 日経平均は一時1万8341円を付け昨日に続いて年初来高値を更新したものの方向感が定まらず結局は前引けにかけては弱含んだ。朝方は過熱感が見られるハイテク株を中心に利食い売りが出たことから日経平均は一時100円近い下げを演じたが押し目では外国人投資家がハイテク株中心に買いを入れたことから日経平均は切返し年初来高値を更新する局面があった。しかし、国内機関投資家などからの持ち合い解消売りや利食い売りなどが出て小反落して前場取引を終えた。
 1万8300円台では頭の重い展開を確認する格好となってしまったが、市場筋は「米国株の急落、日本の長期金利の上昇といった波乱要因がない限り相場は堅調に推移する」と指摘。好需給を背景にした先高期待は根強い。(日経平均18181.09 ▲93.09)

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