株式ニュース バックナンバー 1999年12月分
1999/12/30(木)
 年内最終商いでもあり、寄り直後は様子見気分が強く小安く始まったが、その後は来年の相場の中核と見られている情報通信、ハイテク株を中心に買いが入り、日経平均は持ち直し、大引けは11月26日の終値ベースでの高値を抜き、年初来高値を更新した。
 TOPIXは1722.20ポイントで引け、96年6月26日に付けたバブル崩壊後の高値である1722.13ポイントを3年半ぶりに更新。ソニー、京セラなど超値嵩ハイテク株への物色人気が継続し、時価総額の大きい銘柄に左右されやすいTOPIXの上げが目立っている。
 市場関係者からは「ミレニアムを迎え成長企業投資の新たなステージに入った」との声が出ていた。
(日経平均大納会・18934.34△123.76 出来高1億9310万株)

【西暦2000年相場の見通し】
 本日30日で1999年相場も幕を閉じ、いよいよ2000年相場を迎える。1990年代の相場は、バブル崩壊の不毛の10年であったが、後半は最悪期を脱する年となり、2000年に期待を繋ぐ相場となった事は好感される。
 西暦2000年の株式相場は自律的景気回復のシナリオが継続し、年間を通じては右肩上がりの相場展開が期待されることになる。年前半は、景気回復テンポの鈍化と米国のインフレ懸念=利上げにより一時的に波乱が予想されるが、そこが絶好の押し目買いの好機となりましょう。2000年度の政府見通しの1.0%の成長は達成可能。
 7―9月期以降は自律的回復が鮮明となり、年末に向けては日経平均株価も96年6月26日に示現した2万2666円の高値にトライする局面が想定される。注目すべき点は「好需給」と「実体経済の好転」である。
 「需給」は政府・日銀のゼロ金利政策により過剰流動性が発生。バブル時を彷彿させる様なカネ余り現象が起きつつあり、過剰な資金は株式、債券に流れ込むことになろう。
 それから個人マネー。郵貯の満期償還金が2001年にかけ106兆円もの高金利の償還がやって来る。ゼロ金利政策の継続で「貯める時代」から「運用の時代」へが強く意識され、個人金融資産が投信を通じて株式市場に流れ込む可能性が高い。
 「実体経済の好転」は、上場企業の経常利益が98年度の23.7%減益から99年度は11.1%の増益と持ち直し、2000年度も人件費などの経費削減や輸出増加が全体の利益を押し上げ、増益が見込まれる。円高や内需低迷に懸念はあるものの、回復基調に変化なしと考える。

 2000年相場をリードするのは、1)情報通信、2)ネットビジネス、3)携帯電話、の新成長の3本柱。インターネット革命は始まったばかりであり、中・長期的に拡大が見込まれ、引続き相場の中核を担うセクターであると考えたい。

【新春相場の見通し】
 日経平均、TOPIXのT・S波動日足VOLが本日(30日)80ポイント台に乗せ、警戒ゾーンに達したことから、短期的な調整を頭に入れて取組む必要がありましょう。
 年末にかけ上げピッチを速めたソニー、ソフトバンク、京セラ(本日いずれもS高)等は利の入れどころである。Y2K問題が一巡した後の流動性資金の動向に注目が集まろうが、「Y2Kユーフォリア」(Y2Kによる過剰資金の発生)効果を疑問視する声もある。
 米国では過度に供給された流動性資金の回収に動く公算が強いと見られており、米株式の高値波乱が日本株へ与える影響を考慮して取組む必要がありましょう。ただ、日本は金融引締めの局面にある米国と違い、金融緩和(ゼロ金利)を継続させており、急激な資金回収は避けられる筈。それにマネタリーベース(準備預金と流動通貨の合計)の増加がマネーサプライの拡充に繋がっておらず、余剰資金の存在は当面株式、債券市場の下支え材料になると考えられ、押し目は絶好の買い場を提供することになろう。

1999/12/28(火)
 年末控えで見送りムードが強い中、大幅な株式分割を発表したソニーを中心に情報通信関連株が買われ、日経平均は反発。ソニーが大量の買い物にS高買い気配で引け、ソフトバンクもS高で連日の高値追い。京セラ、富士通も上場来高値を更新した。日立、三菱電、松下などのハイテク株が軒並み上伸。CSKやトランスコスモスなどソフト関連株の一角が物色された。安寄りしたNTTドコモ、NTTデータなどの情報通信関連が切返し、ダイエー、イトーヨーカ堂の小売りの一角が値を上げ、日産、トヨタの自動車株もしっかりだった。
 半面、DKB、住銀、さくらの銀行株、日興、野村の証券株の一角が安く、新日鉄、川重、郵船も冴えない展開。 海外勢がクリスマス休暇、国内投資家も年末を控えて買い意欲が減退。昨日の売買代金、出来高が前週末に比べ半減するなど、エネルギー低下が顕著。こうした中、平均株価はソニー効果に助けられ反発。ソニーのS高による平均株価の押し上げ効果は約186円あり、市場全般の利益確定売り、ポジション調整売りを吸収し市場ムードを多少でも明るくしている。
 NASDAQが史上最高値圏にあるなど、情報通信関連株への物色は世界的な流れとし、新年の東京市場もソニー、ソフトバンクが主役を務めるというのが市場もコンセンサスとなりつつある。
(日経平均前場・18677.17△130.27 出来高1億5522株)
1999/12/27(月)
 実質年内最終売買日で様子見気分が強い中、目先筋の個別物色や国内機関投資家の押し目買いに日経平均は小幅続伸。前週末に日本版ナスダックの創設発表でソフトバンクが上場来高値を更新したほか、京セラ、キンセキなど携帯電話関連株が値を上げた。また、武田、山之内など薬品株やファナック、浜松フォトなどロボット、半導体関連のハイテクの一角も個別にしっかりの動き。
 半面、ソニー、富士通、NEC、東芝、NTTドコモなどの情報、ハイテク株が軟調。新日鉄、川鉄の鉄鋼株が売られ、銀行、証券株も軟化した。
 今日が株券受け渡しベースの年内最終売買日ということもあって、市場参加者は総じて様子見気分が強く、外国人投資家からの注文も細っており、証券会社の自己売買部門など目先筋中心の商いとなっていることから、極めて方向感に欠く展開となった。前引けにかけて相場のシンボルというべきソニー株が切返したことを映し、上げ足を速める場面もあったが、買い一巡後は伸び悩み。
 朝方発表された11月の鉱工業生産指数速報は、前月比3.8%増と「市場予想の範囲内」となり回復基調は続いているが自律的 なものではなく、景気敏感セクターへの物色の広がりは時期尚早との声が大勢を占める。このため、前週末までの地合を受け、携帯電話関連銘柄や好材料株などを個別物色する流れに変化は出ていない。
(日経平均前場・18593.04△8.09 出来高1億4516万株)
1999/12/24(金)
 朝方は欧米の株高から、世界同時株高のバスに乗り遅れまいとのムードが広がり、ハイテク株中心に買い一色の展開。圧巻はソニー。24980円は1890円高と値を飛ばし連日の高値追いとなり、相場の大きな牽引役を為すことになった。日経平均は一時315円高の1万8777円まで高値が入ったが、後場大引けにかけては利食い急ぎの売り物に押され、伸び悩んだ。出来高が4億6000万株と盛り上りに欠け、「買い意欲が強いというより、売り惜しみムードが強い」との声が出ていた。
 週末に加えて海外ではクリスマス休暇の為、「ポジションを持ち越したくない」といった証券会社自己部門の調整売りが出るのは止むを得ないところ。
(日経平均大引け18584.95△123.02 出来高4億6400万株)

【来週の株式展望】
 先週は11月相場に比べ市場エネルギーが細っており、調整も止むを得ないがただ、基本的な流れには変化がなく、押し目拾いに徹しなければならないとしたためておいたが、日経平均は1万8000円の心理的な抵抗ラインを割り込む事もなく、反発に転じてきた。指摘しておいた変化日27日より2日早く相場は反発体制に入ったが、情報通信関連や店頭主力の値嵩株の換金売りが、今週22日でほぼ出尽くしてしまった事と、コンピュータが誤作動を起こす2000年問題への不安も、「そうヒステリックになる必要はない」といったムードが広がった事などの理由が挙げられる。
 来週の相場についてであるが、年末接近であることと12月決算に絡んだ外資系証券のドレッシング買いも一巡し、市場参加者の減少が予想される。売り物、買い物薄の中、証券自己や個人投資家の短期売買が中心とならざるを得ず、個別では上下動の激しい動きが予想されるが、目先の動きに惑わされることなく新春相場を睨み、腰を据えて好望株の押し目を冷静に拾う様にしたい。
 日経平均の高値挑戦は新春相場で。早ければ1月14日のSQまで可能。いずれにしてもタイミング良く調整を入れた相場であり、1月相場高に期待を寄せる事に致しましょう。

1999/12/21(火)
 前日のNY株式が大幅に反落したことや、為替が102円台半ばまでの円高となったことで利益確定売りが優勢となり、日経平均は反落。NTT、NTTデータ、ソフトバンク、CTCが値を下げたほか、富士通、NEC、日立などのハイテク株も甘い展開。トヨタ、本田技の自動車株や興銀、富士銀など銀行株、伊藤忠、丸紅など大手商社株が売られる。個別に商工ファンドがS安。
 半面、NTTドコモ、光通信、トランスコスモスが切返しソニーが堅調。塩野義が年初来安値を更新したほか、三共、武田の薬品株の一角が値を上げた。個別に日産ディが大幅高となったほか、大平金、井筒屋の材料株が値を上げた。
 相場の柱である情報通信銘柄は、信用取引の買いポジションの整理が済むまで調整が必要とされ、年内は再度の高値追いは難しい状況である。市場の見送りムードは強いが、市場筋は年明け以降の先高期待を強めており、主力株調整の中でも材料株中心に買い意欲は旺盛。来年に向けて市場の関心は高まっており、年内は1万8000円の大台維持ができるかどうかにかかっている。
(日経平均前場・18024.64▲150.85 出来高2億2636万株)
1999/12/20(月)
 ハイテク優良株や将来性の期待が高まる個別材料株中心に、6日ぶりに反発の動き。ソニーが新値追いとなったほか、富士通、KDD、京セラが急伸。トヨタが一時S高まで買われた。シャープ、松下、三菱電、日立など情報家電絡みも高く、サンリオは個別にS高買い気配に。ヨーカ堂、セブンイレブンも堅調。古河電が強張り、三菱化、住友鉱など素材株や宝酒造、島津などバイオ関連もしっかり。
 半面、新日鉄、川鉄の鉄鋼株や帝人、東レの合繊株が下落。DKB、大和銀など銀行株や電力、ガス株が軟化し、個別に商工ファンドがS安に。
 前週末の米株高や円相場の落ち着きを映し、日経平均は一時177円高まで上伸したものの、買い一巡後は急速に伸び悩む展開となった。年末を控えて、外国人や国内機関投資家の動きが鈍く証券自己の逃げ足も速いため、上値を積極的に買い上がる投資家が見当たらず買い手不在の相場展開の中で、上値の重さが改めて気にされている。
 21日、24日に株式投信の設定を控えているほか、テクニカル的にもボトム圏にあるため、下値は限定的というのがコンセンサスだが、21日のFOMC開催、22日のマザーズでの2銘柄上場に関心が行きがちで、市場は模様眺めのムードが強い。
(日経平均前場・18172.35△77.23 出来高2億5602万株)
1999/12/17(金)
 朝方はNASDAQ指数が最高値を更新し、3700ポイント大台に乗せた事などを背景に情報通信株、ハイテク株に買いが先行し、反発しての始まりとなり、日経平均は一時、144円高の1万8255円まで高値が入ったが、コンピュータ2000年問題を懸念して国内の機関投資家の動きが鈍っている事や、保合い解消売りが出て朝方の後、伸び悩む展開に。
 後場は、週末に絡み証券会社の自己部門からのポジション調整の売りが出る事が予想され、頭が重い動きとなりそう。昨日、日経平均はザラバで1万8006円まで下落したが、1万8000円の心理的な節が意識され、投信と国内年金の買いが入り込む事などから下振れに対する警戒は薄れている。
 後場引けにかけては二極化が一段と進み、主力情報通信関連株中心に買い進まれ、ソニーや松下通信、京セラ、アドバンテストなどが一段高に。また、TBS、日本テレビなどデジタルコンテンツ関連株が賑わった。個別に日本アジア投資はS高に買われた。
(日経平均終値18095.12▲16.19 出来高 5億4117万株)

【来週の株式展望】
 今週に入り、日経平均は4日連続安(12/13〜12/16)。ザラバ安値も14、15、16日と3日連続して1万8000円トビ台を付ける始末。1日の平均売買代金が10年ぶりに1兆円を越えた11月相場に比べると市場エネルギーが細ってきており、今しばらくの調整は止むを得ないところ。ただ、基本的な流れには変化がなく、押し目拾いに徹しなければならない。政策的な意図が感じられ、1万8000円の大台を割り込むかどうかは微妙。
 12月決算とコンピュータ2000年問題(Y2K)を控えて、外国人投資家は利益確定売りを優先させていたが、今週は売り控えから若干買い越しに転じて来ており、大きな下振れは考え難い。STC指数や騰落レシオといった、短期テクニカル指標もボトム圏を示唆しており、T・S波動上の変化日に当る27日に焦点を当て1月高相場に備え、押し目買いと打って出たい。
 米国株式はインフレなき安定成長によって株高が支えられている。12月21日のFOMCでは、バイアスが引締めに変更される可能性が高いが、利上げはインフレ予防的措置であり、むしろ株価や景気の上昇を長期化させる結果となるのではないか。米国では90年以降情報通信分野が産業構造を大きく変化させ、現在の好景気に至ったが日本もこの潮流が明確化される事になりましょう。したがって、ソフトウェアを含め情報通信関連が引続き注目される事に異論を挟む必要はないと考える。

1999/12/16(木)
 昨日のNY株が堅調であったことから朝方は買いが入ったものの、材料難から手控えムードが強まり売り物がちの展開となり、前場の日経平均は4日続落。
 住金、NKKなどの鉄鋼株や、伊藤忠などの商社株が軟調。日立、東芝、富士通、NEC、ソニーなどハイテク株が甘い。東京三菱、富士銀など大手銀行株が売られた他、新潟鉄工、クラリオンが個別に売られた。
 半面、昨日初値をつけたCTC(4739)がS高買い気配となったほか、KDD、DDI、NTTなど情報通信関連株がしっかり。トヨタ、日産などの自動車株が堅調。大和、日興の証券株の一角や、カシオ、シチズン、ダーバンなどが個別に買われた。
 年末休暇を控えて外国人投資家の商いが細ってきているため、市場エネルギーが縮小気味との見方から投資マインドが後退し、全体相場は盛り上りに欠けるが、相変わらず投信買いの期待される情報通信株や、中小型成長株への物色気運のみが継続している状況である。
(日経平均前場・18069.25▲69.11 出来高2億8443万株)
1999/12/14(火)
 年末に向けて換金売りが継続。買い見送り気運が強い中、幅広い銘柄に外国人投資家などの利益確定売りが出され、日経平均株価は続落。
 富士通、東芝、日立などのハイテク株が安く、NTTデータ、NTTドコモ、ソフトバンク、CSK、伊藤忠、丸紅などが下押す。銀行・証券株も軟調で、新日鉄、川鉄の鉄鋼株が大幅安となり東海観光、新潟鉄工など低位材料株の一角が売られた。
 一方、ソニーが逆行高を演じ、ここに来て人気継続のトランスコスモスが上場来高値をつけた。また、三井不など不動産株が買われ同和火災、安田火災など損保株がしっかり。新規上場の伊藤忠テクノサイエンスが人気を集め、買い気配を切り上げている。
 2000年問題を控え、外国人が例年よりも早めのポジション整理を進める中で国内勢も積極買いに動かず調整局面が続いており、日経平均は1万8000円割れにあと40円程度までに迫った。ただ、仮に大台割れとなっても年末という季節要因を考えると当然の調整と見られ、市場には悲観ムードはない。大きく下押せば国内機関投資家などの押し目買い意欲が高まると見られ、市場では当面の下値目途を直近の上げ幅の半値押しの1万7800円台前半と想定する向きが多い。
(日経平均前場・18117.11▲87.97 出来高2億5419万株)
1999/12/13(月)
 前週末のNY株高はあったものの、寄り前に発表された日銀短観が事前予想の範囲内であったことから株式市場は材料難に陥り、弱含みの展開となった。
 物色の柱である情報通信関連株中心に利益確定売りが先行。日柄調整の動きが継続しているため、勢い物色の矛先は値動きの軽い店頭、東2部など小型材料株に向かいがちとなっている。
 NTTドコモ、NTTデータ、ソフトバンク、富士通の他、さくら、富士銀など銀行株の一角が安く、武田、ヨーカ堂など個人消費関連株も小甘い動き。JTが年初来安値を更新、三菱重は4日続落した。
 半面、日石三菱、Jエナジーなどの石油株や帝人、東レなどの合繊株が買われた。パイオニア、ファナックは年初来高値を更新。個別にトランスコスモス、東海観光がS高を演じた。
 クリスマスを控えて、外国人投資家の動きが一段と鈍っていることで市場はエネルギー不足の状態に陥っているため、これまでの主力銘柄に代わって中小型材料銘柄中心の展開にならざるを得ない状況になっている。
(日経平均前場・18171.72▲229.48 出来高2億7070万株)
1999/12/10(金)
 米国株高やソニーの銀行業参入、DDIとKDDの合併など、前向きなニュースが伝えられた事が支援材料となり買いが先行し、日経平均は一時155円高の1万8416円までの高値があったが、高値圏では週末特有のポジション調整売りが出て、伸び悩んでしまった。SQは無事に通過したが、更に買い上がるには材料不足で、ショートカバー一巡した後は方向感が乏しい展開となってしまった。来週13日には日銀短観の発表を控えている事も、様子見気分を強くしてしまった様だ。
 日銀短観の事前予想は、軒並み「改善傾向を示す」との見通しだが、ここに来て外人投資家の動きが鈍いことから、積極性に欠ける動きとなっている。
(日経平均大引け・18271.85△11.13 出来高12億9374万株)

【来週の株式展望】
 今週発表の7―9月期GDPはマイナス1.0%と、市場予想のマイナス0.2%成長を大幅に下回ってしまった事から、景気回復の足取りの鈍さが改めて指摘されてしまった。景気回復がスムーズに進まなかった事が嫌気され、内需関連株を含めた相場の底上げは難しいといった観点から、引続き相場の頭は重いと考えざるを得ない。日経平均は9日、転換足上の節1万8327円を下回ったことから、下値としては11月17日のザラバ安値1万8071円と、26週移動平均線の水準である1万7900円を考えておきたい。  注目のTOPIXの下値の節は1594ポイント。TOPIXがこの水準を下回ってしまう様だと調整が長引くので、特に注意が必要。懸念された12月上旬相場でのT・S波動週間VOLの警戒ゾーン入りは、12月相場インでの調整で回避されましたので先高相場に異論は無いが、調整の度合いがどこまでなのかといった点に留意が必要であるという事です。
 外国人投資家は来週からクリスマス休暇を取る連中が大半。コンピュータ2000年問題(Y2K)への懸念もあり、年内は商いのボリュームダウンを考えておきたいものです。Y2Kで設備投資が控えられましょうが、一時的な問題でありその後は爆発的に伸びる事になり、情報通信はネット社会の到来を背景に、中・長期的に拡大が見込まれ、またぞろ相場の中核を担うセクターであることに変化がないでしょう。生き残りを賭けたリストラ進展の素材セクターにも注目し、ポートフォリオの構築を考えてみては如何でしょう。

1999/12/09(木)
 10日のSQ算出日を前に、手掛り材料難から買い手控え気分が台頭。これまで人気を集めてきた情報通信関連株を中心に幅広く売られ、日経平均株価は229円安と大幅に続落した。
 NTTデータやNTTドコモのほか、ソフトバンク、ソニー、富士通など軒並み軟調で、三重工、東レなどが相変わらず下落歩調を辿っている。鉄鋼、化学の素材株や銀行、証券株も安く、個別に商工ファンドがS安となった。半面京セラ、パイオニア、トヨタが上げ、トランスコスモスは急伸、新値追いとなった。個別に東映、特殊陶が物色人気を集めた。
 2部では、一昨日上場のグローバルダイニングが大幅安となる一方、JBCCが人気を集めS高買い気配に。
 市場は上昇後の日柄調整が続いている状況であり、為替の円高是正が進まない中で、前日のNY株が動意薄なことが物色意欲の減退につながっている。
 頼みの外人投資家は、ファンドの決算を目前に買いが細り、買い手不在の中を小口の個人投資家の投げが出て、下げトレンドを描いている格好で、今しばらくの調整が必要だとの弱気の声が聞こえ出した。
(日経平均前場・18171.72▲229.48 出来高2億7070万株)
1999/12/07(火)
 前日のNASDAQ高を好感した買いが情報通信株などに入ったほか、ディーラー中心に個別株物色が盛り上り、日経平均は続伸。ソニー、富士通、NECなどのハイテク株が堅調。NTTドコモ、NTTデータ、ソフトバンク、日立ソフトなどソフト株の一角が買われ、コナミが続伸。半面、商社株の中で伊藤忠が一服。東レが年初来安値を更新した他、王子紙の下げがきつく三菱ガス化が軟調。さくら、東京三菱、富士銀、大和証券など銀行、証券の一角が値を下げた。
 朝高でスタートした日経平均は、10日に12月限のSQ算出を控え、情報通信株中心に利食い売りが出て、一時小緩む場面もあったが、投資家の買い意欲は依然として旺盛で、前場中頃にかけては押し目買いの気運が高まった。市場では「売り込む材料に乏しく、主力銘柄には押せばすかさず買いが入る状態」との見方が根強く、個別材料株や本日上場のグローバルダイニングの人気に見られるように、新規公開株などへの物色気運はまだまだ続くという見方が有力だ。
(日経平均前場・18627.15△119.95 出来高2億9308万株)
1999/12/06(月)
 寄り前に発表されたGDP統計は、マイナス1.0%と市場予想の下限に近い数値であったものの、前週末のNY株の急騰、とりわけNASDAQ指数の市場最高値更新を好感。主力の情報通信、ハイテク株銘柄中心に買われ、日経平均は前週末に比べ200円近い上げを演じた。
 NTT3社がそろって続伸したほか、ソフトバンク、光通信が上伸。セガ、セブンイレブン、セコムやNEC、富士通、ソニーの主力輸出ハイテク株が買われる一方、富士重が利食い売りに値を消し、さくら銀、住友銀など銀行株や三井不、地所の不動産株も冴えない。
 個別では商工ファンドがS安売り気配となった。一時、調整局面入りしていた情報通信関連株や、ハイテク銘柄が大きく切返したことで、市場では「主力銘柄の出直りを背景に年内にも日経平均は1万9000円をめざす」と強気の声が聞こえるようになってきた。
 先月のような情報通信への一極集中相場となる懸念もあるが、来週発表予定の日銀短観で景況感の改善は確実と見られ、「緩やかながら内需関連株にも物色が広がり、相場のバランスも改善される。」との見方も出てきた。
(日経平均前場・18561.37△193.23 出来高2億6426万株)
1999/12/03(金)
 前日のNASDAQの史上最高値更新を好感し、昨日まで売られてきた、NTT3社、光通信、ソフトバンクなど情報通信関連株や日立、富士通、ソニーなどハイテク株が買い直される一方、今週に入って人気化した化学、紙パルプ、石油などの内需中心の中低位株が利食い売りに小甘く、日経平均は反落。
 DKB、さくらなどの銀行株や日興、野村の証券株が売られ、個別に商工ファンドがS安。一方で前日下げた伊藤忠が反発。アドバンテスト、セブンイレブン、イトーヨーカ堂などが人気を集めた。
 週末で後場引けにかけては、ディーラーのポジション調整の売りが出た他、今夜発表の米11月の雇用統計、6日の7―9月GDP統計の控え、様子見気分が強まった。
 これまでの内需関連株への物色も、決して腰の入ったものではなく、情報通信株だけの相場展開の中では、上値が限定されるという見方が一般的となっている。
(日経平均大引け・18368.14▲146.27出来高5億8496万株)

【来週の株式展望】
 今週はこれまで上昇相場を牽引してきた情報通信関連がスピード調整し、造船、化学、鉄鋼など低位株へ物色の矛先を循環する場面もあったが、景気回復の先行きに、依然として確信が持てない状況の中、平均株価はジリ安傾向を見せた。来週もこうした地合を引継ぎ、好調な需給を背景とした押し目買いと利食い売り、持合い解消売りが交錯し、膠着感の強い相場となろう。
 NY株の動向や為替など、外部環境と国内景気の回復状況とが好悪交じりあい、日経平均は1万8500円を挟んで上下300円〜400円幅の変動が予想される。6日に発表される7―9月の実質GDP速報値は、概ね前期比ゼロ近辺の成長がコンセンサスだが、想定範囲を逸脱するなら相場にも影響しよう。7日には速水日銀総裁の講演が予定され、為替相場の変動が株式相場の波乱要因となることも考えられる。また、週末には12月限SQを迎え、乱高下する可能性も高い。また、外資系証券などの見方ではSQまでの日経平均を下落すると読む向きが多い。
 個別には引続き年末特有の慌ただしい動きが見られ、利益確定の売りと新たな銘柄物色気運とが入り交じる展開が予想される。少なくともこれまでのような情報通信関連株一辺倒の相場展開ではなく、新たなテーマ探しが底流に流れることになろう。

1999/12/02(木)
 円高が一服したことを好感して強張って始まったものの、情報通信関連株が利益確定売りに押され急速にだれる展開となり、前引けの日経平均は4日続落。
 NTT、ソニー、NECなどが下落、ソフトバンクがS安売り気配。商社、化学、鉄鋼、不動産などこのところの人気株も売られるなど、幅広い業種で安い銘柄が目立った。半面、GMとの提携が明らかになった富士重が大量の買い物を集めたほか、日産、トヨタ、本田などの自動車株が全般に上伸。
宝酒造、住友電工、古河電、キヤノンなどが個別に買われた。この他電力・ガス株、造船、鉄鋼など低位株の一角がしっかりした展開であった。
 今年一貫して値を上げてきたソフトバンク、光通信などの人気株が安い一方、これまで見送られてきた低位株が活躍するなど役者交代の感を強めている。
(日経平均前場・18352.41▲143.54 出来高3億1427万株)

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