オプション バックナンバー 2000年5月分
2000/05/30(火)
  昨日報告しておいた16267円(日経平均)の転換の節は、16426円に変更となってしまいました。終値でこの節を抜けないと、転換足は陰転継続という事になりますのでご注意下さい。
 前場の東京株式は、経済企画庁長官の1)雇用条件の悪化止まる、2)消費は上向きの雰囲気、3)景気若干回復、等の発言から日経平均は上げ幅を拡大し、一時200円高に迫る上げとなりましたが、「米国株式の落ち着きや金融政策、国内では政局の動向など見極める必要がある」といった見方をする投資家が大半であり、本格的な反騰には時期尚早。
 6/1のNAPM指数、6/2の5月雇用統計(米国)と重要統計の発表を控えており、上値はまだ限定的。引続き押し目待ちのスタンスで…。
2000/05/29(月)
 前場の出来高は2億99万株、売買代金も2247億円と、極めて低水準であり、この分だと年初来最低水準更新間違いなし。海外勢がメモリアルデーでお休みであることから売りが極端に細っており、「閑散に売りなし」よろしく小口の買いで日経平均はプラス圏で推移しているが、今日の動きは余り参考にならない。
 強いて上げるなら、16267円を抜き4/18以来転換足が陽転を提示するのかどうか位なもの。まあ、慌てず冷静に相場の推移を見守ることに致しましょう。

 ということで今日はオプションの基本をお送りしましょう。
  1. タイムディケイ=時間の経過によるプレミアムの目減りに留意。対処法はロスカット。
  2. ナンピンの買いは原則的にしない。時間的価値=タイムバリューの目減りが大きくなることに注意。
  3. 権利行使目前の1週間前からは、当限月の買いは極力避ける。例外は日計り的商い。割り切ったスペキュレーション(一方通行)の場合であり、ハマリのモード(STC指数の10ポイント割れ)が見出せた時。
 以上がオプション取引のロング(買い)の大きな基本(留意点)となります。他、ボラティリティの水準、ATM、OTMの判断(レバレッジ効果)等のチェックが必要です。
2000/05/25(木)
  NY株式、特にNASDAQ指数との連動性が高まっており、7日ぶりの反発でも気が抜けない。米国は株高による過剰消費(GDPの80%を占める)で景気が過熱。インフレ懸念抑制の為、利上げ実施→株式下落の構図が出来つつあり、景気減速(=利上げ打ち止め)でインフレ懸念が収まるまで米国株は落ち着きを取り戻すことがない様に思われる。次回のFOMC(6月28日)の利上げまで、金利上昇を無視し株価が上昇するなら、更なる金利上昇に結び付き、ハードランディングの恐れも出て来る。

 当面NASDAQ指数は、2800〜3700ドルのレンジでの動きが予想されることから、オプションは押し目ロングコール、リバウンドでロングプットと、STC指数(ボックス圏で特に威力を発揮)をベースに忠実に行動を起こすことにしましょう。
2000/05/23(火)
 モルガンのAキンモント氏は、投資家向けレポートの中で、「米国投資家は日本株弱気に転換」としたためている。

  理由は、 1)日本のマクロ景気の低迷、2)郵貯の満期償還金の株式市場への流入が見られない、3)NASDAQとの連動性が高くなり日本株はへッジの対象とならない、の3点。日本の景気は着実に改善に向かっているが力強さに欠けることと、規制緩和など構造改革が思ったほど進んでいないことに懸念を抱いている。

  海外勢の日本株売りが嫌気され、日経平均は昨年6月4日以来の16100円台の水準まで値下りしているが、昨年9兆円買い付いた外人投資家のドルベースでの日経平均買いコストは149ドルであり、149ドル×107円=15943円が下値目途との指摘も。

  いずれにしてもNASDAQの落ち着き、TOPIXのT・S波動VOLの20ポイント割れを待って再度コールにトライすることにします。
2000/05/22(月)
 TOPIXは4/17の安値1511ポイント近辺で抵抗を示しているが、引続き不安定。先週19日に1598ポイントの重要な節を切り、転換足は再陰転を提示してしまったことと、200日移動平均線も同時に割り込んだ事で再度下値模索の展開を余儀なくされてしまっている。1510ポイントを下回ってしまうと、転換足は1460ポイント近辺まで節らしい節がないが、そこまで下落するかどうかはNASDAQ指数の展開次第。

 一応、TOPIXは今週23日に人気ライン、週末26日にエネルギーラインが各々20ポイント割れゾーンに達する事に注目。
2000/05/18(木)
 FRBは「米国経済は引続きインフレ圧力が高まりかねない方向に傾いているとの警戒を示し、次回(6/28FOMC)も大幅な利上げを行う可能性がある。」ことを示唆した事で、米国株式の上昇は一時的にならざるを得ないといった観測が強まってしまった。6月の利上げで打ち止め感が出るのかどうかが焦点。
 日経平均の連続性が失われ、指標としての価値が損なわれてしまったここはSN指数(225採用銘柄採用の寄与度の高い上位10銘柄の指数)の動向に注目。前場段階で13581ポイントを付け、5/11の13519ポイントに接近であることと、TOPIXの転換足の節1598ポイントを維持できるかどうかに注目。
2000/05/16(火)
 今週の最大の注目点は、今晩のFOMCでの利上げと利上げ後のNY株式が落ち着きを取り戻すかどうかである。一足先に公表される4月の米消費者物価は極めて重要な指数。前回NY株安の引き金となったいきさつがあることから、インフレ懸念本格化を示す数値ともなれば再び株価下落の悪夢が。しかし、今のところその懸念は薄い。前回3月の消費者物価指数は、原油価格の急騰を背景に+0.7%と高い伸びを示したことから、今回はその反動でマイナスが想定される。
 日経平均の銘柄入れ替え後の初のオプションSQを通過し、一つの懸念が解消。今週でFOMCも通過し、もう一つの不安が払拭されるとあらば、NASDAQ指数との連動性がより高まった日経平均は、NASDAQの堅調さを追い風に、大きく水準訂正するものと考えて良い。但し、亀裂が入った相場であり、まずは18000円台を回復し値固めから200日線までの反発と捉えることにします。
 80円どころで仕込みの185Cは、240〜250円のプレミアム3倍化が第一目標。
2000/05/15(月)
 日経平均は、4/12の高値20833円から5/11の安値16779円まで4054円安、下落率は19.5%を記録した。比較的短期でこれだけの下げは87年ブラックマンデー以来の事。日経平均は銘柄入れ替えで連続性が途切れてしまい全く別の指数となってしまったが、オプションは日経平均(=225日経先物)と連動性を持つ商品であり、ナマスを吹いてばかりはいられない。機関投資家のようにベンチマークをTOPIXに切り替える訳にはいかないのが辛いところですが、新日経平均指数を手懸りに頑張ることに致しましょう。
 新日経平均指数とは、日経平均の寄与率が高い値嵩ハイテク株を中心とした新規採用銘柄を中心に10銘柄をピックアップし指数化したもので、新しい試みとなります。今後はSN指数と略させて頂きますが、このSN指数は5/11に13519ポイントまで下落し、組入れ発表時の4/14の13598ポイントを割り込んだ事と、T・S波動日足VOLも20ポイント割れの売られ過ぎゾーンに達したことから、目先は良い水準まで下げたということになります。
 照準を当てていた185コールは、タイムディケイによる目減りと相交じって先週付けた安値80円を下回って来ておりますが、SQ明けの目減りは買いの基本に則り、4―5枚程度の打診的な買いを入れておくことに致しましょう。SN指数が4/17の13192ポイントまで下げる様なら、買い増しを計ります。まずは二段構えで。
2000/05/11(木)
 日経平均は転換足の重要な節を切ってしまった後、なし崩しの下げ。17972円は中勢波動である200日移動平均線に匹敵するチャート上の重要な節である為、節割れ後の急落もある意味では止むを得ないのである。お陰で5月限のコール買いは全滅。一旦3倍近くまでプレミアム価格が上昇したが利食って何ぼの世界であり、利食いの指示を出さなかったのは当方の責任。前回プットで資金10倍増を勝ち取ったことでもあり、ここは寛大な気持ちでお許し願いたい。
 一昨日の指示で6月限200Cを25円で10枚買えてしまったが、苦戦は必至。ナンピンは185Cとしましょう。T・S波動日足VOLは16916円にて再び20ポイント割れ(エネルギーライン)。転換足の節は16861円であることから明日の突っ込みで6月限185Cに買いを入れる事にしましょう。
2000/05/09(火)
 日経平均は転換足の重要な節17972円を切るどころか、4/28の安値17926円をも下回ってしまい、年初来安値を更新。下値が見えない状況となったが、残りは225先物が1/6の17850円が下支え線として作用するかどうか…。日経平均は値嵩の新規採用銘柄が集中的に売られ、足を引っ張られてしまったが、わずか5―6銘柄だけで200円も300円も変動を余儀なくされては、全体の指標としての機能を果たすべくもない。ハイテク・情報通信関連が売られる一方で、内需関連が物色されてはいるが、相場の実体と指標が余りにかけ離れていることが日経平均の動向を読み難くさせている。
 オプションは日経平均(先物)連動型の商品であり、無視出来ない存在。週末12日のSQに絡む持ち高調整の動きが活発化し、指数を押し下げているとの事だが、もしそうなら今週の下げは駄目押しという事になりますか。
 無理をせず6月限200コール30円で10枚程買いを入れておきましょう。
2000/05/08(月)
 5/5発表の4月の米失業率は3.9%と30年ぶりの低水準となったことから、5/16のFOMCでは0.5%の利上げが有望視されている。時間当たりの賃金上昇率も、事前予想を上回ったことでインフレ圧力が更に強まり、米株式市場は引続き乱高下するといった声が聞かれたが、週末5日のNY株式は、NYダウが165ドル高、NASDAQ指数も96ポイント高と大幅反発。株式市場では「悪材料出尽くし」「0.5%の利上げ織り込み済み」との見方が大勢を占めたが、0.5%の利上げで打ち止め感が出るかどうかがポイントで、予断は許さない。
 5/16に続き、6/28のFOMCでも利上げ観測が浮上する様なら、相場の頭は当然重くなる。しかし、日本と米国とでは景気のステージが違う。期待感だけで買われた景気関連指標の改善、企業業績の回復を背景とし、大きな下振れは考えなくて良いだろう。
 先駆したTOPIXは、1717ポイントに目先の節を従えていることと、STC指数のKラインが90ポイント台の警戒ゾーンに達したことなどから、1670ポイント前後までの押し目が考えられる。押し目ロングコール方針。
2000/05/02(火)
 NASDAQ指数については、4/17号にてT・S波動日足VOLが底値ゾーンに届いた旨を報告しておいた。4/17の3227ポイントを底値に、昨日は3957ポイントまでリバウンドを入れ、短期22.6%もの上昇。転換足も陽転を提示した事から、4223〜4283ポイントが次の目標に。
 TOPIXについては、4/18のテレフォン(0990―521―961)にて日経平均に先駆けて底入れ宣言。4/17の1511ポイントから本日の高値1712ポイントまで13.3%の値上がりを演じ、指摘しておいた1717ポイントにあと5ポイントまで迫った。
 日経平均は18500円が下値支持線、あったとしても18068円といった見通しを立てておいたが、こちらは予測通りとはならなかった。しかし、重要な節として指摘しておいた17972円を終値ベースで割り込むことがなかった。4/28に17973円まで下落した事で、特殊チャート日足VOLは人気ライン、エネルギーライン共々10ポイント割れの超売られ過ぎゾーンに達し、ようやく底打ち。転換足は目先18604円に節を従えているが、節抜けから5月相場では19200円、20220円の上の節までのチャレンジを考えておいていいでしょう。引続きコールの押し目狙い。
2000/05/01(月)
 1―3月期の米GDPの伸びは+5.4%と予想の範囲も、労働コスト指数は前期比+1.4%と+1.0〜+1.1%の予想を上回り、10年半ぶりの高い伸びを示したことから、5月16日のFOMCでは50ベーシスの利上げ観測も浮上。今後発表される4月雇用統計、生産者指数、消費者物価指数次第で、5月16日に続いて6月28日のFOMCで連続しての利上げの可能性を秘めており要注意。
 4/24からの225銘柄新規採用により、電機セクターの比重が42%に大幅アップ。電機株の動きに影響を受け易くなっており、米NASDAQ指数の動向には以前に増して注意が必要となりますが、現時点ではT・S波動日足VOLの売られ過ぎゾーン(4/28人気ライン、エネルギーライン共々10ポイント割れの超売られ過ぎゾーン入り)入りを重視し、5月限185コール、へッジを兼ね6月限200コールを仕込みしておきましょう。
あくまで投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり内容を保証したわけではありません。
投資に当たっては投資家自らの判断でお願いします。
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