素朴な疑問−実践編−
「億の近道」創刊以来、人気コーナーだった読者から寄せられた「素朴な疑問」をまとめたものです。用語編も併せて参考にどうぞ。(回答者:両津勘吉)
No.

回答日

質問
回答
001
99/12/01
会社訪問すると業績など教えてもらえるのか? あくまでディスクローズの許される範囲内で。
但しその先を聞き出すのがテクニック。
002
99/12/01
外国証券を購入しましたが、普段の値動きがわかるサイトがあれば是非教えて下さい。 http://www.stockmaster.com/ に行くと、トップページに株価チャートやらフィナンシャル名、BS/PLなど取り出せます。但し株価はリアルタイムではないようで、さらに表現は英語ですので辞書片手に読むことになるでしょう。
 また登録画面があり、登録すると課金されますので注意して下さい。私の友人であるマクロアナリストはいつもこのサイトを使っているそうです。
003

99/12/20

ブックビルディングの当選確率は、銘柄によっても違うと思いますがどのくらいですか?  ブックの当選確率は調べたことはないですが、申し込みベースで10倍ということもあります。最近はかなり過熱というような状況でしたが、以前は1倍割れもありました(ただ以前と現状は入札の仕方が異なりますが)。
004
99/12/20
ファンドマネージャーや大口の投資家は、配当金の存在をどの程度意識して取引しているのですか?  グロースファンド(成長株ファンド)なら配当金をあまり気にしないでしょう。成長株であれば、お金を社外へ流出させず、再投資に回した方が利益が出るからです。
 大型株専用もしくは、パッシブ運用であれば配当金を考慮しているところもあると思いますが、ファンドやファンドマネージャーにより違います。
005
99/12/20
会社説明会の結果・日程をいち早く得るにはどうすればよいですか?また説明会に一般の人も出席できますか?  日程は直接会社に聞くか、証券会社にヒアリングしてみてください(ただ証券会社の支店がそこまで把握しているかどうかは疑問ですが)。
 説明会の結果は、参加したアナリストがレポートにするかしないかによって一般の投資家が得られるかどうか決まります。
  また、説明会は通常、機関投資家及び証券関係者対象で、一般の方用はあまりないようです。
  ただソフトバンクなどのように、一般の投資家に対しても前向きにIR活動をしているところも、今後増えていくことでしょう。
006
99/12/20
初心者が株取引をするとき、特に気をつけることはありますか?  詳しくは「投資Q&A」ページに譲りますが、簡単に言うと次の2点でしょう。
  1. 証券会社自体のクレジットリスク(信用リスク)
  2. 信頼できる営業マンかどうか(顧客本位かどうかも含む)
007
99/12/20
株の売買価格はどのようにして決定するのでしょう。
極端な例として、指値で1200円で買うという注文と、指値で1000円で売るという注文しかない場合、どちらに成立するのでしょうか?
 寄り後の場合では、例えば現在値が999円とすると、1000円に1万株の売りがあって、そこへ成り行き又は1000円だろうが1100円だろうが1万株までの買い注文をいれれば、1000円で1万株の買い約定になります。但し、11000株を成り行きで入れた場合は、1万株が1000円で、残り1000株は売りがなければ出てくるまで、気配を上げてしまいます。
 寄り前はちょっと違いまして、1200円で1000株の買い、1000円で1000株の売りの場合、前日引値が1100円なら1100円で寄りますし、引け値が1300円なら1200円と、前日の引け値により変わってきます。
008
99/12/20
株式分割予定や新規上場予定はどうやって調べれば良いのでしょうか?  株式分割は、四季報の各銘柄のページ左上、資本政策の欄に予想が記載されています。あくまで予想なので、参考程度です。会社訪問すれば大体の感触は掴めますが、実際やるかどうかは会社が発表するまでわかりません。
 新規公開予定も、会社が発表するまでわかりません。但し、証券会社に情報が入っておりますので、聞いてみると良いでしょう。しかし、支店の方がそこまで押さえているかどうかは保障の限りではありません。
他者より早く情報収集するためには、結局人脈でしょう。
009
99/12/24
上場(公開)後は株価の上下はその企業の資金とは関係ないですよね?  株式公開をするということは、公開後たとえオーナーの持ち株比率が高く とも、立派な“公”企業として世論では扱われます。見知らぬ人様から投 資を受ける訳ですから(他人資本)。
 かつては、増益見通しを立てておきながらファイナンスをし、その後減額修正するという、未公開のときと同じ感覚の経営者が行った信じられないことがあり、株主を馬鹿にしているとしか言いようがありませんでした。
 ところが時代は変わるもので、その様な会社はマーケットから相手にされなくなります。つまりディスクローズが悪い、IR面で問題のある等の会 社は、その後業績が上向いても株価は上がらず万年低PERになるでしょう。そうなればファイナンスもまともに出来ず、公開している意味がなくなり、費用だけがかかります。
 最近続々と体制を整え、株主寄りの経営にシフトしている企業が出ており、「時価総額拡大」ということを前面に出して経営する会社が増えてきております。株価が上がれば株主も喜ぶし、会社にとってもメリットが大きいからです。
 ちなみに、去年10月まで続いた下げ相場の要因として、ディスクローズ問題が指摘されておりました。
010
99/12/24
株式を公開するメリットは何ですか? 色々ありますが、大きなところですと
  1. 公開企業というステータス
  2. 営業面で有利になる
  3. 優秀な人材が集まる
  4. ストックオプションによる社員の士気向上
  5. ファンディングコストの低下
 こんな感じです。
011
99/12/24
配当金ですが、いつの時点で権利が確定して、お金がもらえるのですか?
また、権利確定以後売却しても大丈夫ですか?
 例えば、12月決算ものですと今年の場合、12月30日時点の株主に対して配当金は支払われます。具体的には、12月24日(30日の5営業日前)の時点までに購入し、名義書換を行えば配当を得ることができます(保振にしている場合はいちいち名義書換しなくとも配当金がでます)。

 次に、実際に配当金を得る時期ですが、株主確定してから2−3ヵ月後に信託銀行から連絡があり、振り込み指定をしていれば振り込まれ、してなければ金融機関に受け取りにいくことになると思われます。
 売却についてですが、もう既に名義書き換え済みもしくは保振ならば、12月27日以降なら売っても配当金は出ます。ところが、証券会社に保管(保振機構と間違わないでください)して、最近名義書き換えをしたとすると書き換えにかなり時間がかかりますので、その場合は、証券会社に書き換え完了日の確認を受けてからの売却となります。
012
00/01/07
来年の4月、個人の株取引の課税強化が図られるのは決定なのでしょうか?  平成13年3月31日(約定ベースか受け渡しベースかは、証券会社にヒアリングして下さい)で、今までの源泉分離課税選択はできなくなります。
013
00/01/07
課税強化が株式市場にどのような影響を与えると予想されますか?  1年を通じて利益の出ない方は源泉より申告分離の方がいいのは当然です。儲かっている人は源泉の方がいい。しかし、実際の比率がわかりませんのでコメントしようがないというのが正直なところです。
  採用後に心理的に売買が減少するかな…と個人的には思っていますが。(法人はニュートラルです)
014
00/01/07
現在所有している株式の購入金額の証明書を保管してないのですが、今後長期に保有するものは売却/買い直ししたり、クロスを打った方がいいのでしょうか?  簿価を証明できるものがない場合は、まず購入された証券会社に問い合わせて、再度証明書をもらえるかどうかですね。あまりにも年数が経過しておれば、証券会社も保管していないと思いますので、受け渡し時に銀行振り込みをしていれば、その時の預金通帳などで税務署と交渉になるのではないでしょうか。
 万が一証明手段がない場合、所得税基本通達48の8「有価証券の所得価格」というのがありまして、「譲渡価格の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に参入する金額は、収入金額の100分の5に相当する金額を所得価格とする」となっています。
  つまり売却代金が100万円なら、95万円に対して26%の課税がかかることになろうかと思います。
いずれにせよ、証明できなければ税務署もしくは法律専門家に相談してみて下さい。
015
00/01/12
株式分割のメリット、デメリットはなんですか?
また、ゲットした分割株はその後どうなるのですか?

 メリットですが、分割を実施し1株当り配当金を変えなければ、配当負担が増すので、逆に将来性に自信アリと積極性をアピールすることが出来ます。
また、値嵩株であれば分割後に価格が下がり、小口投資家を呼び込むことが出来ます。
 ただし、需給面で緩むことがデメリットですが、自社株買いと組み合わせて、財務戦略の一環としてメリット化することも可能です。

  ちなみにソニーなど(今日の個別情報の東栄住宅もそうですが)は今注目されているから分割を発表すると好感されるのであって、誰も見ていない銘柄は、分割を発表しても市場は無反応です。

 分割して受けた株ですが、単位未満株なら信託銀行から通知がきますので、納得のいく価格になったら買い取り請求を出して現金化できます。

 ただし、1:1、1:2の分割の場合で単位株を受け取るケースは、銘柄ごとに証券会社にヒアリングしてみてください。

016
00/01/18
株式指標で、外資系の売買情報が掲載されてますが、これはどこが発信して、一般の人間はどうすれば見ることが出来るのですか?

 これらの情報は、外資系証券からヒアリングし、情報企業のロイター・クイックに毎朝9時頃表示されます。一般の方が知るためには、証券会社にヒアリングするか、御自分でロイターを設置し見るかしかありません。

 ちなみに情報端末機器は毎月の使用料がとても高く、手が出ません。例えばブルーンバーグというのがありますが、毎月40万円。ロイターも多分最低でも30万はするのでしょうか?とにかく一般の方には全く手が出ない金額です。

 オンライン証券会社の中には、顧客サービスの一環でこれらの情報を提供しているところもあるようです。調べて口座開設するのも手でしょう。
なお、裏動向というのは外資系証券からプライベートで入手しているものです。

017
00/01/24
よく新聞やHPなどに「公募」という文言がありますが、公募などに当たると得なんでしょうか?  公募が当たると(特に新規公開)得かどうかは誰にもわかりません。

 一昨年年末から外資系機関投資家が日本株に対し強気に転じ、昨年から現在にいたる1年間は、情報通信やネット関連を中心にマネーが入り、新規公開株は公募が当たればほぼ間違いなく儲かるという異常ともいえるマーケットです。これが続くなら得ということになるでしょう。

 しかしながら閑古鳥が鳴くマーケットならどうでしょう。公募なんて誰も買いたくなくなるでしょう。
 つまり得かどうかは同じ銘柄でも、マーケットの地合いで大きく変化するということです。また、その銘柄のファンダメンタルズをおさえるのも当然です。
018
  先日のコラムに書かれていた「まぐクリック」について、もっと取り上げてもらえませんか?

 まぐクリックを取り上げてくださいというのは良くわかります。しかし証券市場にはルールがたくさんあります。まぐクリックのように公開間近になりますと、そのルールに則って動かざるを得ません。

  例えば、証券会社サイドにも新規公開株式には制約があり、目論見書以外のものを使用して株式申込のための勧誘をしてはいけないというルールが存在しているのです。メルマガ・Webの情報発信なら勧誘しているわけではないので気楽ですが、しかしながら周りに資料が全くない状態で情報提供をせざるを得ず、完全に推測・憶測の域を脱しないものになってしまうので我々のスタイルに反することになってしまいます。

 この前は、運良くインターQ及びまぐクリック社長である熊谷社長とお会いできる機会がありましたが、それでもまぐクリックのB/S・P/Lを見ることもできません。もう少し公開間近になるまでお待ちください。

019
00/01/24
S高、S安に伴う比例配分で、例えばS高で成行きと指値(ストップ値) で注文を出した場合、どちらが先に買えるのでしょうか?  取引所での比例配分における、ストップまでの指し値と成行きは同じ効果です。
  しかしながら、その配分された株数を今度は証券会社内で更に顧客に配分する事になり(複数の投資家がオーダーを入れている場合)時間優先などを含めて、証券会社によって社内配分ルールが異なります。
 お使いの証券会社に確認してみるのがよいでしょう。
020

00/01/24

買った株はその日の内に売れるものなのでしょうか?  もちろん可能です。公募増資など特殊なケースを除き、通常の売買であればすぐ売れます。
  極端な話、1秒後でもOKです。
021
00/01/25
ロンドンなどで、日本株が取り引きされているという話を聞きました。日本の投資家が売買するとき、手数料や税金が得なのでしょうか?あるいは、他にメリットがあるとか、ロンドンに日本株が上場しているのでしょうか?

 非居住者が、外−外もしくは外−内(海外−東京)で売買しても、手数料は以前から自由です。違うのは有価証券取引税が東京で売却するとかかることでしたが、今は撤廃されたので関係ありません。

 また国内において、上場株の手数料も自由化されましたので、わざわざ資産を海外に持っていくメリットは薄れました(以前は国内の資産を一旦海外に持ち出し、ロンドンにおいて売買をよく行っていたのは事実です)。

  ですから、その金融機関の思惑(不良債権など)もあるかと思いますが、コスト、それに自由化されたマーケットという意味合いが強いといえるでしょう。

  それとロンドンにおいて上場されていてもほとんど意味を持たないそうです。意味を持つのはSEAQ(シアック)です。これは50銘柄ありまして、マーケットメーカーが付いている銘柄です。日本は今まで取引所における市場集中義務が巾を利かせていましたが、ロンドンではOTC(用語編029参照)ですので、上場しても意味がありません。むしろマーケットメイクされているかどうかが重要です。

022

00/01/25

海外に貸株市場があると聞きましたが、どのようなものなのでしょうか?  日本株を運用・保管している業者が、株券を金庫に寝かせていてもマネーを生まないので、空売りしたい業者に貸し出し、手数料を取っているのです(ヘッジファンドなどは良く借りている)。
 日本の業者は海外において貸し株を行っていますが、国内においてはこれから本格化させる記事が、この前の日経に掲載されていました。
023

00/01/25

2001年の4月から、投資にまつわる税金が一律26%かかるそうですが、現状と比較してどうなのでしょうか?  約定金額が100億円とすれば、現状の源泉税なら1億円の税金ですが、2001年4月以降は申告分離の26%しか選べませんので、買い値がゼロに限りなく近い方は利益の26%で、約26億の税を払わなければならなくなります。
 上記の例は極端ですが、例えば50億の簿価で100億で売れば、50億に対し26%課税されます。
024

00/01/25

日本のマーケットは、3月に企業が決算のため持株を売ってくるので、株価が下がると聞きました。
米国では12月決算が多いと聞きましたが、昨年の12月は絶好調だったと思います。
日本と米国は違うのでしょうか?
 日本は3月、米は12月に決算の影響で下がるというのは全くのナンセンスです。事実、3月から上昇した年もあります。要は、その時の世界各国とのファンダメンタルズの関係です。米国とパラレルに動いたり、逆に動いたりするその時の情勢によります。
 銀行・法人は去年売りまくっていますが、相場は上昇しており、ファンダメンタルズを無視した需給だけの話をしてもあまり意味を持たないと思います。
025

00/01/25

今ソニー株を買うと決算時に株数が2倍になると聞いたのですが、ミニ株でも2倍になるのでしょうか?  もちろん、100株持っていれば200株となります。たとえそれが株の累積投資であっても割り当てられます。
  つまり名義書き換えしていない方を除き、株主名簿に記載されている方はすべて対象となります。
026

00/01/25

株の売買で、成り行きと指値がありますが、成り行きと指値で売買する使い分けと、そのメリットとデメリットを教えて下さい。  機関投資家の発注、特に外資系からですと、ディスクレッションオーダーといいまして、「1日かけて好きなように買ってくれ。但しVWAPターゲットだぞ。」というのがあります。VWAPとは、寄付いたプライスから大引けまでのすべての値動きを、出来高を考慮して計算するアベレージですが、そのプライス以下の平均単価で買う様にトレーダー(注文執行する人)は買い付けをしていきます。
 その場合、成行きやら指し値をうまく使い分けて行う訳ですが、これをここで説明したらキリがありません。それだけトレーディングというものはテクニックが必要なのです。

 よって簡単に説明しますと、成行きで買いに行けば、売りがあれば必ず買えるということです(S高で売りがなく、買いばかりの場合は除く)。
 しかしデメリットとしては、売りが全くなく、成行きで買いに行けば売りがあるところまで気配を上げ、昨日1000円だったが買いに行ったら1200円だったということも出てくるでしょう。
 よって、きちんと板状況(売りと買いの入っている状況)を把握した上で、成行き注文を出される事をお勧めします。
 ただし、新日鉄やらトヨタなど大型株の場合は違いますよ。板が厚いですから。
 指値は、自分の納得したプライスでないと買わないという意味ですからそれがメリットかな?デメリットは無しです。なぜならS高までの指値をすれば、成り行きと同じ効果になるからです。
027

00/01/25

私はある銀行に勤務しておりますが、株式投信のセールスポイントがイマイチ分かりません。
こういう風にセールスすれば良いというポイントがあれば教えて下さい。
 投信のセールスポイントは非常に難しいと思います。マネーの流れを読み、タイミングよく投資出来れば、それだけである程度のパフォーマンスが得られますが…。
 また、株式投信においてグロースファンドがいいと思って、A社の投信を薦めたら全然駄目だったというケースもあります。
 ファンドマネージャーというと、何か特別な職種でスゴイ感じがしますが、ピンからキリまで居ます。かつて、見ていて「ファンタスティック!」の一言に尽きる方もいれば、株のことが何もわからないのに良く年金運用が出来るなと思った事も…。
 簡単に言えば、ヘタクソなファンドマネージャーもこの世にいますので凄腕ファンドマネージャーの投信をタイミングよく薦める。その為には日々、新聞でパフォーマンスが出ていますので、基準価格を追いかけて、時には運用しているファンドマネージャーに自ら電話し、質問するのも手でしょう。

 このメルマガに時々登場する秋本カトリーヌ麗子(現役フロントレディ)は、ファンドマネージャーとコンタクトを取りながら、顧客に薦めております。証券商品はリスクがありますので、投資家に納得して頂くのが基本ですからね(資金の質も把握しませんと)。
028
00/01/31
インターネットでトレードやってますが、近々、アメリカに留学をする 予定です。
現在取引している証券会社の口座を使い、インターネットで売買することに、何か問題はありますか?
 いくら日本人であっても、海外転勤・留学になりますと、日本国籍はあっても住民票はない状態になり、いわゆる“非居住者”となりますので、証券会社によっては、日本に常任代理人を置く事を条件にするかも知れません。
 あとは取引している証券会社が今まで通り、海外からのオーダーを技術面も含め、認めるかどうかでしょう。
 それと取引するということは、証券会社にとっても貴方に対して与信を与えていることになりますので、保護預りなど(ネットは通常保護預かりが条件だと思いますが)の制約がつくのも当然です。
029
00/01/31
投信(株式メイン型)の資金は設定日からどの位の期間で株式に流れるのですか?
相場の状況次第では設定日にいきなり大量に買いを入れる投 信もあるのでしょうか?
 設定日から買い付け可能です。
 集めた資金のうち若干はキャッシュ(実際はコールで運用)で持ちますが、そこまでファンドを安定させるにはファンドマネージャーおよびマーケットの状態にもよりますが、普通1〜3ヶ月はかけているようです。
 ノムラの巨艦ファンドは7000億と新聞に書いてありましたが、かなり乗り換えがあると見られ、解約された???投信のファンドマネージャーあたりは大変でしたでしょうね。
030
00/02/02
どの投資信託も、組み入れてる上位の銘柄が似たようなものに見えますが、その時々の上昇株を組み込むという原則からこうなっているのでしょうか?
また、購入の際の注意点などお聞かせ下さい。
 各運用会社の上位組み入れ銘柄が同じようであり、その時の上昇銘柄を組み込まなければならないという原則はありません。
 去年、情報通信が盛んに叫ばれ、そのテーマに沿ったファンドがだいぶあったこと、中小型成長株ファンドもかなり情報通信を組み込んだこと、またファンドの歌い文句が違っても、定款上はある範囲なら何でもOKというのが多いため、ファンドマネージャーは基準価格及びベンチマーク(TOPIX)を強く意識した行動が、だいぶ上げてはいるものの情報通信を買わざるを得ない結果になった面もあります。
 また、機関投資家に銘柄を薦めるほうの証券会社も、偏った行動であったよう感じもします。とはいっても、今年は情報通信でもかなり選別された銘柄が更に上昇する展開になるでしょう。

 投信を買うに当たっては、私個人の考えとしてですが、株式を買うより難しいのではないかと思います。投信の謳っているテーマを見て、押し目のスタンスで望めばそれだけである程度の利回りが期待できます。しかし、ファンドマネージャーといっても腕のいい方から、そうでない方までいらっしゃいますし、やはり投資するからにはファンドマネージャーの運用方針・スタンスをきちっと聞いてみて、納得してから投資したほうがいいのでは…と思います。
 私個人は、個別で「いい」と思ったら投資する、現物株式の方が気楽です。
031
00/02/02
アメリカ株と日本株は連動している様ですが、アメリカ株の取引時間は日本時間の何時から何時までなのでしょうか?
また、アメリカの株価の終値を知りたい場合、日本時間で何時であれば知る事が出来るのでしょうか?
 NYSE(ニューヨークストックエクスチェンジ)は、日本時間で夜の11:30にオープンし、クローズは朝の6時です(NASDAQは調べておりません)。ただ時間外取引もあります。
 米株価は、Yahooから「stockmaster」で検索すると出てくるそうです。リアルタイムでデータが取れるのか、それとも違うか試してください。なぜかというと私は朝弱く、6時過ぎは出社の支度で目茶苦茶ハードなのです。

 上記事項は、早稲田出身女性マクロアナリストに答えて頂きました。彼女はとても賢く、直接執筆はしていませんが、我々の縁の下の力持ちなのです。

  日本と米国の関係ですが、指数の動きでいけば今はパラレルですが、環境により逆の場合もあります。
032

00/02/07

そろそろ株を買おうと思っているのですが、3月の決算期に下がるような気がするのですがどうなのでしょうか?
また、現在の勝ち組はまだ勝ち続けるのでしょうか?
 需給だけ考えれば、決算前のファンドが果敢にアタックして積極運用を行うとも思えないし、むしろファンドを確定させる(安定させるという様なニュアンスで捉えて下さい)為に、今月・来月は確定売りを出すような気がします。ディーラーも当然締めますので売ってきましょう。

 しかしながら、ファンダメンタルズ抜きの相場観など無意味であると思いますが、全体の相場観についてはテクアナが得意ですので、バックナンバーそして今後の相場動向をご覧になり判断してみて下さい。

 なお昨年はほぼ1極集中となりましたが、去年の勝ち組が全て今年も勝つとは限りません。更に選別される事になりましょう。
033
00/02/17
ミニ株を買い足して、単位株を超えた数量になってます。
この場合、単位株の指し値で売ることは可能でしょうか?
 現在は登録株扱いとなっております。
 単位株に達した分については、証券会社に連絡して株券として引き出せば、通常の指し値売買が可能です。
034
00/02/17
ある店頭銘柄が8900円高の80000円となりましたが、値幅制限は5000円のはずです。
どうなっているのでしょうか?
 店頭登録銘柄の値幅制限が最近改正され、5万円から10万円未満までの銘柄は、従来の5千円から1万円へ変更になりました。
035
00/02/17
株式分割される場合、割り当て基準日で分配が確定されると思うのですが、配分前に売ってもOKなのでしょうか?  OKです。
 しかしながら、1000株で1:2の分割で2000株になりますが、増える分の1000株につきましては、新株が発行される日まで売れません。
 あくまで手元にある1000株のみ売却可能です。
 売却されるなら、証券会社にヒアリングされてからにして下さい。
036
00/02/17
新高値銘柄や値上げ率上位銘柄に、テレビ局や映画会社、吉本興業まで出てきますが、何が値上げさせる原因になっているのでしょうか?  なにも現在の業務内容だけで評価しているのではありません。今後発達するネット及び、放送の多チャンネル化によるコンテンツ(映画などの配給権・番組の権利)の重要さを先回り買いしているのです。
 他に例を出せば、アサツーDKは去年9月から本業が回復しましたが、同社のもつアニメ版権及びネットへの進出が評価されました。
037
00/02/17
申告分離課税と源泉分離課税を併用して使うことが税法上できるのでしょうか? 可能です。売却の都度、証券会社に相談してみて下さい。
038
00/02/17
株式売却の際、課税方式を源泉分離か総合を選べるようになっていますが、その選択の基準はどうして決めたらよいのでしょうか?  まず、株式現物売買における税金は、あくまで分離課税です。お間違いなく。
 申告分離は売買益の26%、源泉分離は売却代金の1%。年間を通じてこれらをうまく組み合わせれば良いのです。とはいっても、儲かり続けて源泉ばかり使い、後で大損し、申告にしとけばよかった…ということもあります。
 簡単なシミュレーションをし、証券会社にヒアリングしてみて下さい。
039
00/02/22
株式分割による単位未満株は、売却出来ないのでしょうか?  単位未満株(登録株といいます)は、通常のマーケットでは売却できません。
 証券会社に連絡し、買い取り請求という方法での売却となります。
040
00/02/22
私は海外在住ですが、日本株は買えないのでしょうか?  日本の証券会社でも海外現地法人はホールセールのみで、リティル営業しているところは少ないでしょう。日本株のオーダーを出されるなら、受けてくれる証券会社を探すしかないでしょう。
 またお金及び株券を保護預かり前提で日本に直接オーダーを出す方法もありますが、この方法でも本人確認が取れないなど、難しいようです。
 先行き、ネットを用いた方法なら出せるようになるかも知れないそうですが、まだ時間がかかりそうです。
041
00/02/24
先日会社更生法の申請をした長崎屋ですが、5/14の上場廃止まで株を持っていた場合、単なる紙切れになってしまうのでしょうか?  上場廃止後、支援者が現われて立て直しがうまくいけば、再上場もあるかもしれません。
 しかしながら、会社更生法を申請し債権カットが行われる時、減資をするのが一般的でしょう。しかも100%減資が多い様で、紙切れになる可能性はあります。

 では、更生法申請したが支援者が現われず、最終的に清算される場合、株主は残余財産を受ける権利を持ちますが、同社は債務超過のため、期待はしない方がいいようです。
042
00/02/24
複数の取引所に上場している会社の株価は、多少の違いはあっても大体同じ株価のようですが、なにか仕組みがあるのでしょうか?  優先市場という言い方があり、例えばオートバックスは東証1部と大証1部に上場していますが、同社の場合大阪がそれに当たります。
 優先市場は、複数の取引所の中で一番取引量の多いところです。
 当然メイン以外の市場は、メインの市場のプライスに完全一致はしませんが、ほぼパラレルです。
043
00/02/24
私はファンドマネージャーに興味を持っている学生です。どんな勉強をしてどうすればなれるのでしょうか?  ファンドマネージャーになる為の学校なんて聞いた事がありません。つまり、皆さん特殊な教育は受けていない訳です。

 ファンドマネージャーになる前に、通常はアナリストとしてリサーチ力をつけてからステップアップしていくのが通例です。

 ですから、今受けている教育をしっかり学ぶこと。英語は必須に近いです。また、アナリスト資格獲得の勉強もいいでしょう。
044
00/02/25
先日、海外在住者が日本株を買えないというQ&Aがありましたが、海外の運用会社で、大口の個人投資家と変わらない規模のところもあるのに、出来ないなんておかしくないですか?  先日の回答では、「全く出来ない」と申しておりません。非居住者の個人に対して与信を与えてくれる証券会社を見つければいいのです。
  但し日系証券はかなり海外から撤退しましたから、少ないとは思いますが…。
045
00/02/25
ネット証券会社では、法人や匿名組合での取り引きはできますか?
また、PTAなどの民法上、人格なき社団での取り引きはできますか?
 匿名組合の場合、どうなるか日経に記載されており、大手3社の一角が受けるような記事がありました。
  これを含め、ネット証券につきましても各証券にヒアリングされるべきです。法的な問題が存在するのかどうかわかりませんが、これも与信が絡んできますでしょう。
046
00/02/25
売買はだいたい指値で行ってますが、銘柄によって指値できる範囲が違うと思います。
範囲はどのようにして決まるのですか?
 指値できる範囲はストップ高・安の範囲です。
 これは銘柄毎でなく、価格帯によって取引所が定めております。
047
00/02/25
成行きで注文するととんでもない価格で売買される可能性はありますか? 成行きで買いに行き、全く売りがなければ最悪、ストップ高で買ってしまうケースもありますので、流動性のない銘柄の場合、注意が必要です。
048
00/02/25
ある会社が、2/23付でアナリストによる評価が行われたという情報を入手しましたが、市場がほとんど反応していません。
普通、市場に流れるにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
 アナリストによる評価とは何を指しているのでしょう?レーティングの変更ですか?大きなサプライズでしたらすぐに反応します。
 自分では貴重な情報と思っていたら、マーケットはとっくの昔に知っていたということも良くあります。その様な場合、折り込み済みなので、ほとんど反応はしないでしょう。
049
00/02/25
新規公開株の入手は極めて困難な様ですが、入手の可能性を高めるため、購入申し込みを複数の証券会社に同時に行っても良いのでしょうか? 複数の証券会社に申し込んでいるのがバレた場合、幹事団で協議されることになっております。
050
00/02/25
ブックビルディングで○○円〜△△円という仮条件が決まり、この上限の値段が売値になることが多いですが、「実際申し込んだ後に、値が吊り上げられることがある(上限の△△円よりも高い金額で販売されること場合がある)」という理解でよろしいのでしょうか?  実際申し込んだ後に値が釣り上がる…マザーズはそのケースがありますが、それ以外のマーケットではありません。
  詳しく誌上で説明するのは非常に難しいです。申し訳ございませんが、証券会社の店頭でご確認ください。
051
00/02/25
「寄り」の値段は、どういう仕組みで決められるのでしょうか?  寄付きというのは、前日の引け値をベースに寄り直前までのオーダーの指し値・数量で決まります。昨日1000円の銘柄が今日こういうオーダーが入っているとしますと、
売り
買い
50千株
成り行き
52千株
1千株
1010
 
1000
2千株
 
999
3千株
 この状況であればストップ高してしまいます。しかし、ここで貴方が成行きで1千株売りもしくは、1010円以下の売り指し値をすると、1010円で寄りつきます。
 このように、買いの方が多ければ成行きでもストップ安での売り指値をしても、安く寄ることはないのです。
 しかし、先程の例で売りが多ければ話しは違ってきます。とんでもない値段で寄るケースもございますので、流動性のない銘柄の成行きはご注意を…。そのときは指し値が有効になります。

 これ以上の詳細は証券会社の店頭でヒアリングして下さい。
052
00/02/25
最近、吉野家が、額面を5万円から5千円へと発表しました。
そのため、1株持ってたら、10株になります。
また、ピーシーデポコーポレーションが、額面を5万円から無額面と発表しました。
吉野家の例に倣うと、1株が5万株になるのでは?と思ったのですが、全然変わらないんだそうです。
これは一体どういうことですか?
 すごい質問です。1株当り純資産は5万円以上・及び発行済株式数の4倍までの授権資本という規定があるのですが、調べていくうちに疑問が湧いてきまして、ある証券会社の経済研究所に調査依頼を出したところ、グッドウイルなど、今の商法では説明のつかない分割が発生しているとのことで、更に調査を続けます。
  若い研究員が昨日から張り付きで調べており、かなりお金がかかりそうです(冗談です(笑))。

  以前から私に指導をしてくださるマクロアナリストも、「よく気付いたな」と感心しておりました。さらに疑問がありましたらお申しつけ下さい。
053
00/02/25
フィデリティ投信の日本成長株と日本小型株、ノムラの日経225の特徴と、今後の展望と、どんな人向きか教えてください。 どうも、難しいですね。
 漠然とするかもしれませんが、成長株と小型株は会社の規模の違いでしょう。目論見書を見ないとはっきりはわかりませんが…。
 どういう人に向いているかも難しい。強いて言えば、日経225は自分で動きのわかるものに投資したいと言う方向きでしょうか。ただ、今の日経225は、指標の役割を果たしていないのが問題ですが…。
答えにならず、すいません。
(秋本カトリーヌ麗子)
054
00/03/02
自社株買い発表は、株価にはどういう影響が出るのでしょうか。  通常、自社株買いの後、株券は償却することから発行済み株式数が減少し、1株当りの財務指標は良くなります。よって需給も考えれば、株価にプラス要因なのですが…。
 しかしながら、発表だけして実際自社株買いを実施しない、又はあまりしない会社が多いのも事実です。
 よって、これを発表する効果はアナウンスメント効果を狙っているというのが本音でしょう(行うという事を投資家にアピールする)。実際に実行している会社もございますが…。

 自社株買いをやるから「買い」であるとの判断はしない方がいいと思います。あくまで会社の内容が前提です。
055
00/03/23
株式の取引時間は15時で終了だと思うのですが、YAHOOの株価情報などを見ていると15時以降も値動きがあるのですが、何故ですか?
また、15時以降に動いた最終的な株価で売買は出来ないのでしょうか?
 株価は証券会社・証券会社のWEB・ヤフー・ブルーンバーグ等、色々なところで見ることができます。しかしながら、その各々の会社と取引所には、大まかに2つの契約形態があります。
 株価のデータは取引所の権利であり、そのデータを各々の企業が買っているのです。1つはリアルタイム表示の場合、リアルタイム用の特別高い料金が課されているようです。もう1つはリアルでない、実際のマーケットから約20分経過したデータのものです。ヤフーの表示が遅れているのはこのためでしょう。

 ただし、取引所はすべて3時に終了しません。大阪が3時10分、名古屋が3時15分、札幌が3時30分などです。
056
00/03/23
現在米国株を購入検討しようと思っていますが、米国株故に情報がないので困っています。外国株を買われる方はどういった方法で調査されているのでしょうか?また外国株の問題点・注意点などありますか?  海外株式を扱った事がないので良くわかりませんが、情報は証券会社にございます。大手証券なら海外にもリサーチャーを置いておりますので、海外株のレポートは自社で作成したものがあるかと思われます。
 問題点として何が存在するか即答できませんが、為替リスクが発生することが日本株と違うところです。
057
00/03/24
整理ポストという銘柄ですが、数字だけ見ると大変な値上がり、値下がりを繰り返していますが、一般投資家も買えるのでしょうか?それともそんなことしてはいけないのでしょうか?  整理ポストの売買は自由ですよ。ただ、今回の長崎屋のような銘柄のいくところで先行き、清算されるのか、更生法で立ち直るのかわからず、ほとんど博打の世界ですよ。
058
00/03/24
最近 ホームトレードを始めておりますが、売りのときに市場の指定を間違えたときはどうなりますか?(現物取引の場合)  東証単独上場銘柄で、間違って大阪、名古屋で発注しても上場されてないのでエラーが出て終わります。
 しかしながら、複数の市場に上場している銘柄で、優先市場以外に間違ってオーダーを成行きで出すと、トンでもないプライスで約定してしまうことがありますので注意が必要です。
059
00/03/24
分割されたらミニ株で買おうと思っているのですが、ソニーの株式分割はいつなのでしょうか?  3月末の株主に対してやりますので、3月28日に権利落ちとなります(実際新株券が出てくるのは約2ヵ月先です)。
060
00/03/27
株価が上がることによる企業のメリットという点がよく判りません。
時価総額が上昇しても具体的な運用資金が増大する訳でもありません。
株価がアップするメリットはその企業の市場からの信用確保ということだけなのでしょうか?
 株価上昇で信用力アップするメリットはあります。
 銀行との関係、取引先、そして優秀な人員確保といろいろあります。
 他に高株価を用い、株式交換制度によるM&A、または高株価により買収されるのを防止する、エクイティファイナンスの株式転換による手取金の増大、つまりコスト低下などメリットは大です。
061
00/03/27
最近、企業の合併の発表をよく耳にします。
そのときの株式の取り扱いなのですが、1:1や1:2や1:3などの合併比率の場合、それぞれ保有株1000株あったとしたら、株数や株価など、どのようになるのでしょうか?
 500円の株を1千株持っていたとし、相手方企業1000円と合併比率2:1で合併するとします。
 合併後は株数は500株に減少し、プライスはマーケットに動きがなければ1000円となりましょう。
 しかしながら、企業内容に対して一方の方が不利、または合併に疑問符がつくような場合、株価は上下します。
062
00/03/29
ソフトバンクですが、時価発行増資とはどういう意味ですか?
なぜそれで、株価が下がっているのですか?
今後も下がり続けるのですか?
 株券の券面金額で新株を発行するのなら額面発行、時価で新株を発行して資金調達する場合を時価発行、額面と時価の間の場合は中間発行増資といいます。
 ソフトバンクですが、3000億円増資を嫌気しましたが、結局発行は取り止めです。今後も下がるかどうかは相場次第です。
 私はソフトバンク株をファンダメンタルズで評価できないと判断、残念ながらフォローしておりません。
063
00/04/05
時価総額が100億円の会社の株を100万円所持してるとします。
この会社が将来、時価総額が100倍の1兆円になったとき、所持株の100万円も100倍の1億円になるんでしょうか?
ファイナンスを一切やらず、発行済株式数が一定のままならなりましょう。
064
00/04/05
信用買い残、信用売り残は、どうやって調べるのでしょうか?
朝日新聞を取っているのですが、株式欄にそのような項目はありません。
 信用残は毎週1回発表されます(かつては水曜日でしたが)。
 日経新聞に掲載されます。
065

00/04/20

現在就職活動中ですが、先日クレイフィッシュを受験した際、質問票に「営業を光通信に依存しすぎているのではないか」と書いたのですが、面接官の熊谷副社長はさらりと流すだけで答えてくれませんでした。
私は大株主の光通信以外に提携先を確保するのは難しいと考えているのですが、いかがでしょうか?
 ご指摘の通り、光通信がバックにあるというのは強みであったのですが、今はそれが弱みになってしまいました。光通信は現状資金繰りに問題があるとの噂もあり、彼らも正念場、相当厳しそうです。
 さて、光に替わる提携先となると、あったとしても、営業力という点では、相当劣るところにならざるをえません。
 具体的にはキャノン販売とか大塚商会とか、今まで中小企業にPCやプリンターを売っていた企業が提携先になるものと思われます。
 なぜなら、ASP事業は、これまで、PCを安くない値段で売っていた大塚商会などの業者の存続を危うくするからです。また、そうした企業にとってASP事業は在庫がなくても商売でき、営業コミッションが入る、うまい話だからです。
 ASPのコンテンツを売らざるを得ない業者はいくらでもあります。しかし、彼らにとってクレイフィッシュはジャスト・ワン・ノブ・ゼムです。
 彼らは、クレイフィッシュやNTTデータやユニシスなど、多数のASPコンテンツを売るはずです。
 提携先は光以外にあるけれど、光から離れた場合、クレイは、他の多くのASPに埋没してしまうでしょう。(大原部長)
066

00/06/01

強気相場弱気相場のコラムを読ませていただきましたが、その日の出来高は売買の参考になるのでしょうか。

 出来高とは市場全体のことを指しているのでしょうか?市場が強気か弱気かを端的に表すのは出来高よりは、むしろ証券株(大和證券とかの株価)でしょう。
 その日の出来高が多い、少ない、はそれほど重要ではなく、来週、来月の出来高がどうなるかが重要です。これから出来高が多くなるなら、証券株は上昇し、少なくなるなら下落します。証券株は、市場の心理をよく映しています。もちろん、強気相場は出来高が多いのが普通です。弱気相場では低水準の出来高が続くことが多いようです。とくにジリジリと下げる場合はそうですね。

 個別銘柄の出来高で注意していることは、クロスです。玉移動といって大株主が移動したりして、時間外に大きな取引が成立したらそれは要注意です。
 出来高はバリエーションとの関係がはっきりしています。出来高が少ない銘柄は、低PERで安値で放置されても仕方がありません。流動性がないためです。

 出来高を人間の生活の中にたとえるなら、しゃべっている時間のようなものです。多くしゃべる日は気持ちが比較的高揚しているときです。おしゃべりなときは軽率にもなります。思い切りもよくなるかもしれません。多分、よくしゃべっているときは身体の状態も比較的よいかもしれません。
 でも、明日よくしゃべるかどうかは、その人の健康状態や予定によって違ってきます。しゃべる日を予測するのはそんなに簡単ではありません。まして、しゃべった後に必ず幸せな気持ちになれるかどうかなんでわかりませんよね。
 いずれにしても、出来高を見て、それでタイミングを計るのは、あまりにも単純な売買モデルです。相場は、何十何百の要素が作用しています。

 人間は、しゃべったりするだけでなく、泣いたり笑ったり怒ったり落ち込んだりしますよね。でも、人生は泣いてばかりじゃない。逆に言うと今泣いている人は、いつかは泣き止むことが確実です。泣いているときに泣き止むことを予測することはできます。泣き方も違います。
 最初目に涙をためているだけだったのが、そのうち涙がこぼれてくる、そしてしくしくと泣き声にかわっていく。いつか泣き止むのは確実ですが、泣いている人に、泣いている最初の段階で泣き止むことを要求しても、よけい悲しくなるだけですよね。
 だから、わたしが言いたいのは、わんわんと大声で泣いていたのに、翌日にからっと大声で笑っているような人が、値上がり率が高いということです。

 出来高はしゃべる量だとすれば、泣き笑いはバリエーションです。やはりバリエーションの水準がもっとも重要です。

 でも、しーんとしているとき(出来高の少ないとき)に買って、しゃっべているとき(出来高の多いとき)に売っても、割とうまくいくかもね。多分、出来高だけ見ても、勝つ確率は50%以上でしょう。 (大原部長)

067
00/06/02
よく秋口に持ち合い解消といって、株が売り込まれるのですが、なぜですか?  日本は系列やらなんやらと株式の持ち合いを行い、高コスト構造を作ってしまいました。それがグローバル化の流れで、時代に合わなくなった。
 持ち合い解消は、当然の流れだと思います。
 ということで、持ち合い解消は自然な動きで、なおかつ銀行・生損保・メーカーなどの間で持ち合いを減らしている状況です。
 3・9月に多いのは、決算と睨めっこしながらやっているからです。
068
00/06/02
伊藤忠(8001)ですが、下げながら出来高が多くなってると言うことは売りも多い代わりに沢山買われているということのような気がしますが、こういう場合は底値の条件に当てはまるものなのでしょうか。
 本を読んだ記憶では、底値は出来高が極端に減っていると書いてありましたが、出来高が多いと言うことはまだ底値でないことになるんでしょうか?
 ご存知でしょうが、セリングクライマックスといって、底値で出来高がしっかり出来ることは反転の条件になるようです。しかし、2月高値時は1000万株を超えています(2月10日3279万株・引け値551円、2月14日1923万株・引け値564円)。それに比べるとまだ水準は低いですね。
 NYが立ち直り、新規公開株が公募価格を30%以上上回る時期には多分、反転しているでしょう。

 問題なのは、NYが立ち直る、新規公開が人気化する時期がいつかは誰もわからない。来年かもしれないし、明日かもしれないのです。
 このパターンは、光通信が何日も値がつかず、売り気配を続けていたパターンとは違います。4月28日340万株が出来ています。その日は11000円で始まり、引けは15000円台です。これがセリングクライマックスです。しかし、その反発も一時的でした。
 繰り返しになりますが、出来高だけで判断することは危険です。(大原部長)
069
00/06/05
EV/EBITDAの算出方法を教えて下さい。

 EVとは、エンタープライズバリュー(債権者と株主との持分)のことで時価総額と純負債総額(負債から現金を引いたもの)を足し合わせたもの。
 純負債は流動負債と固定負債を足して、現金や有価証券(必要なら含み益)を引きます。私は、含みは50%だけ引きます(含みは変動しますし、税金もかかるので)。

 EBITDA(Earnings Before Interest,Tax,Depreciation,Amortization)は、償却前・利払い前・税引き前の利益の合計(乱暴に言えば営業利益に減価償却費を足したもの)。

 EV/EBITDAは、EVをEBITDAで割ったものです。 企業価値と事業からのキャッシュフローとの倍率です。事業の性格上、減価償却負担や負債の多い会社を比較したりします。
 PERが低くても、負債が多い企業はこの比率が高いため、なかなか上昇しません。PERが高くても、EV/EBITDAが10倍程度であれば、下値はあまりありません。 (大原部長)

070
00/06/05
6/2の日経に「ジャパンエナジーと日鉱金属は上場を廃止し、持ち株会社を上場させる案が有力。統合比率は今後詰める。」と、ありましたが、上場廃止になった株式はどのようになるのでしょうか。また上記の場合、ジャパンエナジーや日鉱金属の株式は持ち株会社の株式へ振り替えられることになるのでしょうか。

 持ち株会社上場を行うということを前提に話しますと、旧株券は上場廃止し、流通市場において売買出来なくなりましょう。但し、大和證券グループ・NTTのように、比率を決めて持ち株会社の株券が配分されましょう。しかしながら、今回のケースは本当に持ち株会社に移行するのかはっきりされておらず、詳細はわかりません。

071
00/06/07
合併前の会社の株は、どのようになるのですか?新しい会社の株として、新たにもらえるのでしょうか?

 合併する場合、合併比率に合わせた形で新株が割り当てられます。

072
00/06/07
合併後の株価ですが、合併前の企業Aの株価が1000円、企業Bが900円、1対1の対等合併とした場合、合併後の株価は基準株価のようなものはあるのでしょうか?どのように決まるのでしょうか?単に市場に委ねるだけなのでしょうか?

 通常1:1の合併なら、A社株価がB社株価に、もしくはB社株価がA社株価にサヤ寄せする形となりましょう。しかし、そのときのマーケットの状況、あるいは合併をどう評価するかによって変わってきますので、一概には言えません。

073
00/06/07
様々なファンドの中で販売会社が複数あるものがあります。中には、そのファンドを運用している会社も含めて他の証券会社多数で販売されているファンドもありました。こういう場合、どこで売買するのがいいのでしょうか?手数料などに違いがあるのでしょうか?

 ファンドを買う場合、基本的にはどこで購入しても構わないでしょう。
 しかし、最近ではノーロードタイプ(販売手数料なし)やら3%まで、手数料に開きがあります。私もはっきりとはわかりませんが、同じファンドでも証券会社によって手数料が違うケースがあるのかもしれません。
 買われる場合、投信会社にヒアリングされた方がいいと思います。

074
00/06/07
配当金は、株を買うと必ずもらえるのでしょうか?配当の額は、決まっているのですか?時期はどうですか?例えば26円と書いてあった場合は、1株に対しての配当額ですか?

 配当金は確定したものではありません。企業は配当予想を出しますが、確定するのはその決算を締めてからです。株を買ったから必ず貰えるというものではありません。配当金は決算月ベース、中には中間期でも出す企業もあります。通常5円やら10円という数字は、1株当たりの金額です。

075
00/06/07
信用取引によって、運良く大きな利益を上げた時の精算の方法として、借り入れた金額を精算した後、残りの利益を買った株そのもので受け取ると言うことは可能なのでしょうか。また、株の本には信用取引の税金のことがあまり詳しく出ていないのですが、普通の取引とは異なるのでしょうか?

 信用取引で買い建てているとき、思惑通り大幅な上昇を見せたとします。そのとき建ち玉を反対売買で利食い決済すると、差益に対し税金が課せられます。
 しかし、この税率が高いようで(私も支店営業をしていた頃は税率を知っていたのですが…)、売る前に買い建玉を現引きし(信用買い建ちの場合、証券会社もしくは日本証券金融からお金を借りているわけですから、これを返済し現物の株券にすることを言います)、現物株式をマーケットで売却します。そうすれば、源泉分離の売却代金の1.05%が適用可能となります。
 そして、一つ気を付けなければならないことがあります。それは、現引きを証券会社に申請した途端、その日の内に売却した場合は証券会社がOKしないケースがあると思います。詳しくは取引証券にヒアリングされてみてください。

076
00/06/12
NTTドコモの株を持っています。外人に買い支えられているという話を過去に雑誌で見ましたが、それらも勢いが無くなっているように聞きますし、金利引き上げによる消費低下や満期郵貯の資金流入が低いなど、表面的な情報はマイナス要因が多いように思いますが、450万円以上の高値に戻るでしょうか?

  短刀直入にお答えします。過大な期待は禁物であると考えています。株価はすでに高い評価を受けています。私なら自己資金でこの銘柄は買いません。
 株式市場はまず、業績の可能性を問題視します。i-modeの可能性としては、日本で3000万人程度の加入者が将来的に期待できるとします。さて、平均的な加入者は、年間いくら程度そのサービスを利用するのかを考えてみてください。

  1. 地図、音楽、ゲーム、チケットなどのソフト配信にとどまらず、将来は、高額な商品も携帯から購入できるようになるでしょう。
  2. より重要なのは、ブランドです。将来は楽天のような、数千点もの商品を買えるようなサイトよりは、むしろ、500の厳選された商品を提示するサイトが消費者の支持を得ていくと思われます。どういう理由で、この商品を選んだかということがむしろ今後は重要になってくるからです。例えば、リクルート・イサイズを評価するときは、リクルートの商品に対する選別眼を投資家は評価するのであって、アクセス数は2次的な評価にすぎません。その点では、課金システムを押さえているドコモには、圧倒的な優位があります。なぜなら、消費者は、「ドコモが認めた商品だから安心」するからです。安心料が徴収できる企業は強いですよ、これからは(ソニーやトヨタはこれからは強い)。
  3. 以上の点から、業績の可能性を試算します。加入者が月に払う金額を縦軸にとり、加入者数は3000万人とします。
    一人当たり
    支払い額
    3000万
    人分
    うち、ドコモ
    の取り分(9%)
    5000円
    (年間6万円)
    1兆8000億円
    1620億円
    1万円
    (年間12万円)
    3兆6000億円
    3240億円
    2万円
    (年間24万円)
    7兆2000億円
    6480億円

    上記の1万円には、ゲームや音楽などのi-modeサービスの利用額です。
     例えば、平均的なケースとして、60分間分の音楽、1回分のコンサートチケットを購入する場合、月間1万円程度になるでしょう。その場合、ドコモは、課金手数料として、9%を徴収します。
  4. 既存の通信料
    既存の通信料金に基づく株主価値を15兆円程度と設定します。(ドコモの利益額や世界の通信会社の評価を参考にした結果)
  5. 株主価値を算出します。
     既存価値と3.の月2万円の電子取引の場合、ドコモの年間収益は6480億円。収益の20倍程度が適正な株主価値とすれば、新規事業価値は13兆円です。既存価値15兆円と13兆円で合計28兆円です。現在の時価増額31兆円ですから、あまり、上昇余地はないですね。
  6. 諸前提
     しかし、前提によっては、高株価はいくらでも正当化できます。例えば、ドコモは、世界に打って出たい。世界中の加入者の一定数が獲得できれば、株価は割安となります。i-modeは世界に類を見ないサービスです。その点に注目して、加入者の前提を1億人に置けば、理論株価は現在の数倍となります(将来、この論点が投資の勝敗を分ける)。
  7. 結論
     電力や水道のような役割を通信がする場合、通信の公共性が問われるのは目に見えています。携帯の爆発的普及の恩恵を一身に集めたドコモが高い評価を得ることは間違いではありません。しかし、長い目で見ると、携帯人口は飽和していきます。そして、将来は電力会社のような評価しか得られない可能性だってあります。したがって、バリエーションは切り下がっていきます。長期的にドコモが高い株価を維持できる可能性はあまりないでしょう。しかし、ここ1年や2年という期間では、株価が400万円に戻す可能性は30〜50%程度はあると思います。それは、ナスダックが立ち直ることが条件です。また、世界戦略が成功するかどうか、その進捗状況しだいでは、大きなコレクションも覚悟しなければならないでしょう(現時点では世界戦略は好意的に受け止められています。海外事業の潜在的なリスクは無視されています)。DDIなどの勢力がトヨタの資金力をバックに攻勢をかけてくるのは間違いありません。その際も、株価は影響を受けるでしょう。特に、ドコモは、経営者の評価が国際的に高くないため、それがネックになる可能性もあります。単に時流にのった企業であり、企業体質が洗練されていないからです。(大原部長)
077
00/06/20
ナスダックジャパンが開設されることで、日本の株式市場はどうなるんでしょうか?

 ベンチャー精神旺盛なオーナーにとり、ナスダックの開設はとてもプラスになったと思いますが、ナスダックについては人それぞれいろいろな考えがあるでしょう。「所詮、ソフトバンクに牛耳られた…」と言う方もいれば、「ナスダック銘柄は高成長だ」とか…。
 しかし、ナスダック自体が上場するわけではないのです。上場するのは、あくまでそこに公開する企業でありますから、私はあえてナスダックがオープンしたからといって特別な考えはもっておりません。

078
00/06/20
よく証券新聞等の記事で、連結EPSだったり、単独EPSだったり内容にバラツキがありますが、どういうことを踏まえて判断すればよろしいですか?

 昨年までは単体中心で語られておりました。連結対象は出資比率50%超で不良債権を抱える実質子会社を、連結業績に反映させないため、出資比率をわざと抑えておりましたが、この手が通用しなくなりました。出資比率は約20%で役員を派遣していれば子会社と扱われ、連結、つまりグループでの業績把握ができるようになりました。
 私は今年度から会社取材において、単体のことはほとんどヒアリングしておりません。

079
00/06/22
以前は株式分割後、上がっていたような気がしますが、最近株式分割を発表すると株価が下がることが多いように思いますが、なぜでしょうか?

 分割後の上げ下げは、その銘柄や相場環境によって変化するものです。しかも最近では、1:2もしくはそれ以上の大幅分割ですから、単位株として見た場合、1人の株主の単位株が増える訳ですから、新株が発行された場合は売り圧力となりましょう。
 マーケットでは分割を期待して株式を買われる方が多いと思いますが、私は分割期待で銘柄を選んでおりません。あくまでその銘柄の現状と成長性をメインにしており、そのうえ分割するのなら、それも一つの材料との程度です。

080
00/06/23
6/12NTTドコモの回答の、「既存の通信料金に基づく株主価値」や「現在の時価増額」などは、どうやって情報を得るのでしょうか?

 既存のビジネスとは、音声通話からの料金収入です。現在、ドコモのほとんどがそのような通話収入ですね。でも、将来はデータ送受信からの収入や商取引からの収入が増えていきます。既存のビジネスからの収入は安定的ですが、増えません。ですから横ばいと推定します。
 するとドコモの既存のビジネスからの収益は、例えば、純利益ベースで3000億円程度ですから、今後のキャッシュフローは、こうなります。

1年後
2年後
3年後
n年後
3000億
3000億
3000億
3000億

 しかし、この予想はかなりいい加減です。当てにできない。それは市場シェアや市場環境の変化を織り込んでいないためです。その不確定さのため、一種の安全弁として、プレミアムの金利を要求します。たとえば、銀行金利なら0.5%でも預けるのは元本が確実だからです(銀行が倒産しないとして)。わたしなら、ドコモに投資するなら、2%以上のリターンがほしいです。できれば4%。

 さて、3000億円の純利益が2%のリターンとなるための時価総額は、3000億円を2%で割ればよいのですが、それが15兆円です。
(永久にE円の収入がある債券の価値は、投資家が要求する金利で割ればよく、E÷r=債券価値となります。たとえば、毎年1円の収入に対して、要求される利回りが0.5%であれば、200円の価値があるということです。言い換えると、200円払って、毎年確実に1円の収入があれば、それは0.5%のリターンです。)

 今度は、ライバル企業です。ボーダフォーンエアータッチ(UK)などはドコモと同程度の収益水準と時価総額です。しかし、英国の金利は4%程度あります。これは明らかにドコモより高い。これは、電子商取引や買収などによって、その収入が今後飛躍的に伸びていくとみんなが信じているからです。
 国際比較から見ればドコモは高くはない。これをよりどころにするなら、まだドコモは買える(しかし、ドコモは買収に関して当初株式交換を選ばなかった。なんという無神経。)。

 お分かりの通り、どこまでの飛躍を信じることができるかによって、見方はまったく異なってきます。
 わたしは、やはり、PERで60倍を超えるものは自分で買う気になれない。PER60倍でも金利水準は1.7%と債券よりはましです。そうとはいえ、金利が今後上がっていくでしょう。ですから、長期的な投資としては、4%のリターンであるPER25倍が買いの水準でしょう。それが来期予想であってもよいですが、今期予想であればなおよいでしょう。
 国際的な企業のバリエーションは、各国のヤフーなどで検索してみるとよいでしょう(国際比較をするのは英語力が必要です)。(大原部長)

080
00/07/03
ある会社が複数の証券取引所で上場した場合、その会社の価値はどのように評価すれば良いのでしょうか?例えば、東証とNYの両方で上場した場合、東証における株価総額と、NYにおける株価総額を合計して考えるべきなのでしょうか?

 その会社の価値は、優先市場(メインの商い)のプライス×発行済株式数です。優先以外のマーケットは、優先とパラレルかつ、乖離は大きくありませ ん。時々乖離しますが、そうすると暇のあるディーラーが裁定でサヤを抜きにきますので、乖離は解消の方向となります。
先だって、NYで先に公開し、すごいプライスを付け、あとで日本に公開、全く評価されない銘柄がありましたが、その後NYも大きく値を下げたというのがありましたね!

081
00/07/06
含み資産も入れた意味での、1株純資産は調べる方法はありますか。

 まず、その企業の保有有価証券は、その会社の発行する有価証券報告書に記載されておりますので、時価を計算すればわかります。
次に、私募債の評価は、ちょっと難しいですね。また、土地は同じく有価証券報告書に記載されておりますので、一般の方には難しいでしょうが、現地に行って不動産鑑定士に見てもらえれば分かりましょう。ですが、無形固定資産の評価はかなり難しいでしょう。
従って、大企業の評価をご自分ですれば、莫大な時間がかかりましょう。

082
00/07/11
来年4月に源泉分離課税が廃止されて申告分離のみになりますが、素人目に考えると全体的に株価は確実に下がると思います。また、このことはほとんど話題にも上がっていませんが、大々的に話題にしたら、個人投資家が市場から逃げて行ってしまうと株式関係者(特に証券会社)は考えているので しょうか?プロの方の意見をお聞かせ下さい。

 この話題は、かつて我々も取り上げました(2000/02/03号コラム)。選挙前までは、国民に対するアピールで源泉廃止を言うかなと思っておりましたら、実際どうだったのでしょうか?
繰り返しになりますが、マスコミ・証券会社も今まで源泉廃止の裏側でまったく言わなかったことがあります。それは専業主婦である奥さん名義で株式をおやりになっていた方が、申告で儲かった場合、金額にもよりますが、旦那サンの扶養控除から外れる可能性があるということです。マスコミは知らないだけかも知れませんが、証券会社は知ってても言っておりません(現状もそうですが、皆さん源泉を使っておりますので)。
さて、申告1本になるかどうかですが、これは政治家と官僚が決めることですので、我々リサーチャー・アナリストにはわかりません。読者の方々から以前、「申告のみに反対」とたくさんのメールを頂きましたが、先進国で源泉税を採用している国も珍しいものです。銀行預金で少ない利子の中から20%も引かれているのを考えれば、26%は仕方がないとも思われます。
マーケットのインパクトは少なくともマイナスでしょう。しかしそれは個人投資家にとっての話であり、法人(機関投資家)は今でも総合課税ですから申告になってもナンのマイナスも発生しません。そのときのマーケットの環境次第ですが、強気の時に個人がその理由で売却すれば絶好の押し目買いになりましょうし、弱気の時であれば余計下げましょう。要はマーケット次第ということでしょう。

083
00/07/12
「今後は連結でのPERが重視されていくであろう」という記事を見ました。一般的にPERを用いた株価割安、割高の判断というものは、連結EPSと単独EPSのどちらで行うものでしょうか?。

 以前は単独PERを重視しておりましたが、不良債権をたくさん持つ会社がこれを子会社に移管し、単独ではクリーンだが、グループで見るととんでもない企業グループが結構ありました(そごうなどもそうです)。つまり、従来の出資比率5割超を子会社と定義していたのが、支配基準ベースとなり、しかも連結中心にシフトし、不良債権を隠しづらくなりました。昨年度決算から、各社連結中心に発表を行っております。

084
00/07/13
先日のイチオシ銘柄で、住友ベークはフェノールで強いと言うことですが、専業の群栄化学があります。四季報でも群栄のフェノールは世界的と評されてますが、両社を比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか。

 フェノールの群栄化学。超割安ですね。
しかし、住友ベークとの比較という点では、軸足にかなりの違いがあると思われます。フェノールは歴史のある熱硬化資材です。建設や自動車向け、内需中心です。
しかし、材料比率が売上の60%程度あり、成熟製品であり、利益率も悪い。住友ベークのシェアは30−40%といわれています。旭有機を傘下に入れたこともあり、ベークが優位でしょう。この分野での要素技術といっても、レジンの耐熱性ぐらいのものです。
半導体分野、封止材の市場においては、日東電工、松下電工、日立化成、東芝ケミカルなどが活躍していますが、やはり、住友ベークがシェア40%以上あって、ダントツです(成長分野、今後5年で年率8%程度)。プリント基板(フェノール)はAVの片面、両面では、やはり、ベークライトがCMKと組んでいる強みを発揮しています。この分野では日立化成、松下電工、ベークライトが3強といわれています(成熟分野)。
ですから、フェノールの要素技術といっても、群栄の場合は、産業材における技術がベースになっています。しかし、1)従業員の生産性、2)資産の回転率とも、住友ベークと比べると強烈に劣っています。
その結果、純資産倍率は大きく1倍を割り込んでいます。成熟産業の中で、平凡な経営というのは、目立たないものです。それどころか、プリンストン債への投資の失敗、今期の楽観的な利益計画など、経営の質の点では、最下位グループに属するでしょう。(大原部長)

085
00/07/26
以前「素朴な疑問」で掲載された群栄化学についてですが、四季報のコメントで「群栄のフェノールが世界有数」と書かれています。有数と いう言葉をどのように解釈したらいいのでしょうか?

 産業用途のフェノール樹脂で3強の一角。市場は寡占状態です。
四季報の表現についてですが、彼らは、単に、売上の市場占有率しか見ていません。「有数」の意味は、特許というよりは、寡占ということです。シェアトップと有数の違いですが、シェアトップなら、「なになにで首位」という記述になります。トップ企業と遜色ない場合、例えば、売上規模でトップの80%ぐらいの売上があれば、「首位級」という表現になります。
ですから、群栄については、首位級である、といえます。「世界有数」というのは、数社のうちの1社ということです。
群栄の売上規模は180億円程度です。時価総額は190億円。利益計画5億円の企業にしては、株価は高い評価を受けています。しかし、群栄のフェノール事業への評価というよりも、BPSなどの高さや低位といった側面の評価であると思われます。
群栄の半導体事業は、封止材メーカー(住友ベークや日立化成など)に封止材原料のベースレジンを卸しています。売上規模は全売上の10−15%ということなので、20億円程度と推定されます。半導体メーカーへの直販ですと、R&D負担など、かなりの資金力が必要ですから、群栄には無理ではないでしょうか。材料の外販メーカーとしての認知度が高まれば、株価も上昇するでしょうが、なにせ、時価総額がせめて300億円以上なければ、機関投資家が買いません。封止材メーカーはすべてベースレジンを内製しています。高機能品は内製で対応し、汎用品は外販メーカーに任せる、と考えなければなりません。群栄がいかに高付加価値品を手がけられるか、が今後のポイントでしょう。(大原部長)

086
00/08/02
最近、ストックオプションの為、株式購入や株価売買の単価を引き下げる企業が多くなりましたが、これらは株価にどういう影響があるのでしょうか?

 売買単価の引き下げでなく、売買単位の引き下げです(額面変更なら単価引き下げに繋がりますが)。
値嵩になると、一般投資家が購入しずらくなり、これを緩和する目的や、この効果で株主数を増やし、店頭から上場へ移行するケースが多いようです(上場の際は店頭市場より株主数を増やさないと移行できないのです。株主数の他、いろいろな条件があります)。
…とすれば、需給関係が以前より少しは変化しますでしょう。このとき株価が上または下にいくかは、銘柄ごとや、そのときのマーケットによって異なっており、一概には言えません。
ストックオプションは、従業員に業績連動型の甘味材を付与するわけですから、目先より先行きどう業績にプラスに働くかでしょう。
株券を集めている間の株価動向も、一概には言えません。毎日出来高が1千株しかない銘柄が自社株を1千万株集めるとなれば、インパクトはありましょう。

087
00/08/09
以前、株関係の雑誌で、なんかものすごい発明をして、10年後には世界を制する様なことが書かれていた、電動ステアリングの光洋精工6473)はどうでしょうか?

 光洋精工は電動パワステで国内トップ、世界で2番手の位置につけております。国内では他に独立系のNSK、本田系のショーワなどで、世界的には米国TRW社がリードしています。光洋精工の強みは何と言っても先駆者であり、特許を抑えまくっていること、並びにトヨタ系であることと言えましょう。
ではなぜTRWの方が世界シェアが高いかといえば、TRWはビッグ3と密接な関係があり、光洋精工がなかなか食い込めず、米国では苦戦しているという状況があるからです。欧州ではルノーに納め、足元、契約している企業は数社に上っており、今後2−3年でかなりの数量になりそうです。同社は欧州では複数の工場を持ち、フランスはリヨンの工場に、トヨタの前社長である奥田氏も2年前に工場を見学したそうです。供給のためのインフラは万全を期しています。
一方、国内では軽自動車向けにダイハツ、スズキ、三菱自動車、特に三菱には100%のシェアを誇っております。富士重工はどうかというと、シェアを取ったり奪われたりというのが現状のようです。
今後の電動パワステマーケットを予測する上で、現状を報告しましょう。国内では軽自動車(一部リッターカーに搭載されているかも)オンリーに近い状態です。海外では、特に環境対策に厳しい欧州で積極的に採用されていますが、1500−1600ccまでが実情です。
なぜ2000ccクラスまで拡大しないのか?それには理由があります。モーターのトルク不足です。2000ccクラスの車種ですとそれなりの車重がありますので、現状供給されているモーターではトルクが足りないのです。ではもっと大きいモーターを搭載すればと、我々素人は考えますが、そうすると機械損失が大きく、油圧からシフトする意味(効果)が減少してしまいます。
光洋精工ではこれを克服し、2000ccクラス対応の電動パワステを開発中です。その一つが「ダイレクトドライブ方式」です。現状はギアボックス(ボールナットでなくラック&ピ二オンだと思います が:この部分をヒアリングしませんでした)を介して両輪に伝達しているため、ロスが大きく出ますが、これを用いればかなり低減できるようです。しかしまだ開発が足りなく、マーケットに出てくるかは読めないそうです。ここで言う開発が足りないというのは、言葉のニュアンスが少し違います。2000ccクラスに堪える技術レベルはクリアーしています。自動車メーカーの要求するプライスに対応した納得できる製品が未だなのです。光洋では国内外メーカーの要求するスペックを満足出来るよう、エンジニアは日々努力を重ねております。またモーターは電機メーカーから100%仕入れておりますが、自社生産も考えております。
次に特許ですが、光洋は先駆者として良いポジションを掴んだといえます。しかし同業他社が同じようなことをやりだし、現在あちこちで特許戦争をしています。結果は勝ったり、負けたりでライセンス収入も入っております。面白いのはTRW社と特許で戦っているのに、そのライバルと光洋はなんと合弁会社を作っているのです(戦略上やっているそうです)。
今後の電動パワステマーケットは、現状国内が軽オンリー、海外が1千数百ccまでとなっていることから、技術力アップで対象車種は増えましょう。また有望なのはなんと言っても電気自動車・ハイブリットで、特に電気自動車は電気エネルギーをそのまま使えばいい訳ですから、油圧なんてナンセンスです。電動のメリットは扱いやすい上、油圧のようにステアリングを切らないときでも圧力をかけ続けなければならない(必要時以外でも油圧ポンプは常に回っておりエネルギーロス)運命にないことで、環境対策上メリットは大きいでしょう(しかし仕組み上、レスポンスは良くない)。
今後はかなりの数量アップが期待でき、売上も膨らんで行きましょう。しかし利益となると、メーカーエンジニアでも良く読めないのが実情。とはいえ、売上面での柱になるのは間違いありません。

088
00/08/10
住友特殊金属株を、掲載されてすぐ買いましたが、調整に我慢できず手放してしまいました。同社の現状はどうなのでしょうか?

 大原です。住友特殊金属の件ではご迷惑をおかけしました。
ハードディスク市場の回復期待。これが今年の焦点のひとつでした(今もそうですが)。ところが、7月下旬に発表されたカンタムの第2四半期の業績予想がきびしく、カンタムの株価は13ドルから8ドルまで下落しました。回復期待も水をさされた格好になってしまい、ハードディスク事業の難しさを株式市場が再認識しているのが現状です。
私は、寿(6783)のEV・EBITDA倍率(現状では6倍を切りそうです。携帯関連は15倍以上ついています)を見て、バリエーション上はこれ以上の切り下げ余地はないと信じています。6倍というものは時価総額2000億円以上の銘柄ではなかなかありません。建設株じゃあるまいし。
当面、価格面での厳しさから部材メーカーへの値下げ圧力も相当きついものになるでしょう。しかし、セットメーカーも部材がこれ以上下がらないことをよく認識しています。逆にいくつかの部材は値上げ要請が部材側からきていることも事実です。カンタムの赤字予想は、携帯におけるノキアやエリクソンなどと同じく、これ以上は部材費はさがらないという意味ですし、価格はこれからも下落するというメッセージです。逆に部材費が今後もどんどん下がるのであれば、これほどの赤字にはなることはないでしょう。セットメーカーの悪すぎる決算は、部品の付加価値が高いことの裏返しでもあります。需要も必ず底打ちします。これは必ずといってよい。低価格を武器に新しいアプリケーション(例えばゲーム機)などが広がっていくからです。たとえば、プレイステーション2向けに外付け用ハードディスクが今年中に発表されます。任天堂のドルフィンもハードディスク搭載型となります。2年後にはデジタルTVやセットトップボックスに搭載が始まります。そしてハイエンドもディスク中心のシステム構成がこれからは増えていくからです。
テクノロジーのハードルもTMR、そしてTMRになることで位置決めの精度もさらに求められます。スピンドルへは流体軸受けが主流になります。HDDメーカーの足元の開発コストが減らないのはこうした理由からです。
住友特殊金属ですが、再度、強気を確認させていただきます。相場の流れを読めば、ハードディスクの回復期待感は必ずこの1年のうちにくるでしょう。(大原)

089
00/08/11
初心者が銘柄選択するにあたって、業績推移などの公表されている数字材料だけで判断して、銘柄株式を購入するというのは危険でしょうか?
また、業績数字以外で気を付ける点は何かありますか。外食産業を注目しています。

 会社側の公表している数字は、既に株価に織り込まれています(誰も見ていない銘柄もありますが)。やはり、公表している数字よりも大きなサプライズをマーケットは欲しがっています。
では、公表数字だけでは駄目かと言うと、そうでもありません。私は成長株をターゲットにしておりますが、過去の利益推移は良く検討します。そして今後の利益成長が可能かどうか考えます。
外食産業など、店舗を見られる業種は、土・日にでも外出したら、注目している銘柄の環境はどうなっているのか? そしてその銘柄のマーケットでの位置付けはどうなっているか? というのを見てみることです。
それが理解できたら、充分でしょう。

090
00/08/17
信用取引で大きな利益を上げた場合の精算方法として、借り入れた金額を精算した後、残りの利益を買った株そのもので受け取ると言うことは可能なのでしょうか?
また、信用取引の税金は、普通の取引とは異なるのでしょうか?

 信用取引で買い建てし、大幅に値上がりした場合
1)そのまま売却する
2)一旦借り入れた資金を返済し、現物の株券(現引きといいます)としてから売却
の2通りあります。
大きく違うのは売却時の税金です。大幅に値上がりしたなら源泉税を利用したいところですが、信用取引のまま売却(信用決済)ですと源泉税が使えません。信用決済の場合、利益に対しキャピタルゲイン課税が20%かかります。