No.
日付
タイトル
執筆者
25
2002/06/28
女性は消費の主役か?
小野小町
24
2002/06/28
為替相場動向
生涯遊人
23
2002/06/25
連載 負けない投資 その3
大原部長
22
2002/06/24
今週の株式相場
炎のファンドマネージャー
21
2002/06/24
炎の提言:下げた時こそビジネスチャンス!!
炎のファンドマネージャー
20
2002/06/24
クイズ!!この注目企業の意外な社名の由来(その2)
メルシー本田
19
2002/06/21
米国からの資金流出
生涯遊人
18
2002/06/21
本日は私の当番ではないが…
両津勘吉
17
2002/06/21
閑話休題
駄洒落商会会長
16
2002/06/18
連載 負けない投資 その2
大原部長
15
2002/06/18
株価診療所便り
大原部長
14
2002/06/17
今週の株式相場
炎のファンドマネージャー
13
2002/06/14
為替相場動向
生涯遊人
12
2002/06/14
ユニクロ夏の新商品
小野小町
11
2002/06/14
トヨタの国内販売に異変あり?
両津勘吉
10
2002/06/11
連載 負けない投資 その1
大原部長
9
2002/06/11
株価診療所便り
大原部長
8
2002/06/10
クイズ!!この注目企業の意外な社名の由来(その1)
メルシー本田
7
2002/06/10
今週の株式相場
炎のファンドマネージャー
6
2002/06/07
電線会社がガラスを作る理由
海野六郎
5
2002/06/07
為替相場動向
生涯遊人
4
2002/06/04
日産のエルグランド
両津勘吉
3
2002/06/04
日興ビーンズ主催の投資セミナーで言い忘れたこと
炎のファンドマネージャー
2
2002/06/04
先月の株式相場を振り返って
炎のファンドマネージャー
1
2002/06/03
株価診療所便り
大原部長

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25
2002/06/28 女性は消費の主役か?
小野小町

 

 先日、日経MJ主催の「女性がひらく マーケティング新世紀」というのに行って参りました。有楽町西武店長の松村はるみ氏やエルメス・ジャポン社長の斎藤峰明氏他複数の方がパネリストとして参加しており、話も大変面白いものでした。
 個人的に「女性が開発」とか「女性に人気」とかいう題目はあまり好きではないのですが、印象に残った点についてコメントしたいと思います。

1.世界最速で変貌する東京

 パネリストの中に川島蓉子氏という市場調査の専門家の方がいらっしゃいました。その調査方法がユニークで、実際に街を歩き定点観測や街頭インタビュー、更にリビング調査といって、お宅を訪問して茶の間や台所の写真を撮影するといったこともするそうです。
 その方が東京都心部の約1400ヵ所のテナント(ブティックやカフェ等)を調査すると一年で半数が入れ替わるとおっしゃっていました。これは他の先進国でも類を見ないスピードで、しかも年々そのスピードは加速しているそうです。
 毎年、東京の半分が入れ変わっているとは信じられませんが、最も速く変化するという意味では世界でこれほど面白い街もないのかもしれません。

2.団塊ジュニアのパラサイトシングルとDINKS

 有楽町西武店長の松村氏は同百貨店の顧客の消費行動について以下のようにコメントしていました。
 有楽町西武は95年に全館をリニューアルし、ターゲットを店舗周辺半径3kmのOLに絞った戦略を展開してきました。実際には有楽町だけでなく丸の内、日本橋、果ては新宿や品川から来るお客さんもいるそうで現在30万人の顧客会員を有しています。
 顧客層は28才(団塊ジュニア)を中心に25〜35才の女性客で売上げの6割を占めます。ちなみに団塊ジュニア世代の平均年収は400万円前後(契約社員等だと220万円という場合も)と決して高くありませんが、独身だと親元に住むいわゆるパラサイトシングルや結婚しても共稼ぎで子供のいないDINKSが多いため実質の可処分所得は多いそうです。
 衣料品売り場におけるここ1〜2年の変化として、以下の点を挙げていました。

1)SPAブランドからセレクトショップへの移行
 ワールドなどが展開するSPA(製造小売型)ブランドから、セオリーやビームス、ユナイテッドアローズといったセレクトショップに人気が集まっています。顧客が自分のテイストを重視する傾向にあり1ブランドで全身をコーディネイトするのではなく、単品ごとに複数ブランドを組み合わせるようになっています。アパレル側も需要→追加生産というパターンから、予めトレンドを取り入れた着こなしやすい商品を先行して投入しているようです。

2)前倒し需要の早期化
 ここ1〜2年、衣料品などで言われていますが、インターネットの普及等で海外のコレクション情報がいち早く伝わるようになりトレンドを先取りする傾向が加速しています。
 同店でも初夏にも拘わらず、例年より早く毛皮など秋物が売れています(ちなみに今秋のトレンドは従来のロマンティック路線に強さやセクシーさがプラスされるようです)。

3)売れる時間帯の変化
 場所が丸の内ということで従来は夕方18:00〜閉店(20:30か21:00)の時間帯に購入が集中していましたが、昨年から今年にかけて土曜日など休日の売上げが増えているそうです。おそらく女性も計画性を持ち始め買い物のパターンを使い分けており、じっくり選びたいときには休日に来ているのだろうという話でした。

3.世代別マーケティング戦略

 またエルメス・ジャポンの社長、斎藤氏の話も面白かったです。エルメスは周知の通り、ケリーバッグなど日本女性に人気の高いブランドの一つです。
 やはり顧客の半分以上は女性ですが、最近ではカップルの他、親子で買い物に来る光景も珍しくないそうです。消費者の目が肥えてきたのか、同じブランドを親子で受け継ぎ共有するケースも増えています。
 最近のバーバリーのヒットなど見ていますと団塊ジュニア世代と同時に親である団塊世代をターゲットにしていると思われるケースが増えています(将を射んとすばまず馬をということでしょうか)。
 現在、団塊ジュニア世代は結婚適齢期を迎え、子供を持ち始めています。つまり団塊世代にとっては孫です。バーバリーのベビー、トドラーなど子供服が売れているのは、おそらく祖父・祖母である団塊世代の財布の力によるところが大きいと思われます(だって、よだれかけが数千円…)。日本でも欧州のように、親子でブランドを受け継ぐ土壌ができつつあるのかもしれません。

4.女性は消費の真の主役ではない

 ワールドカップも終わり気づいたら7月…いよいよシーズン到来でございます。そうそれはバーゲン…年に2回の女のスポーツ(格闘系)でございます。普段はしおらしい女性も、この時ばかりはリゲインでも飲んでいるんじゃないかという勢いで売り場を物色しています。かくいう私もアフターファイブはリゲイン飲んで某百貨店のスパークリングセールに参戦する予定です(仕事もそれくらい気合入れてやれよ…)。
 まあバーゲン会場を覗けばおわかりの通り、消費の現場の主役は確かに女性といえるかもしれません。しかしその財布の出所はといえば、親にしろ旦那様にしろ基本的には未だ男性に依存しているのが実状です。そしてトレンドを発信する側も殆どが男性です。
 最近日経でも記事になっていましたが、共働きの夫婦が増え、子育てと仕事の両立の困難さから少子化が予想以上に進んでいます。実際私の職場にも結婚しても子供を持たない方が増えています。
 現代の女性は欲張りです。仕事がしたい、結婚したいし子供も欲しい、お洒落もしたいし旅行も行きたい…何もかも手に入れようというのは所詮無理な話と思われます。
 ただ高度成長もバブルも終わり、男女問わず個人としての生き方が問われている現在、○か×かでなく多様な選択肢を選べる社会に変わっていくといいなと思います(そのためには自戒の意味も込めて、足元で何ができるかを問う必要があると思いますが…)。
 個人の嗜好が多様化する中、従来型のマーケティングで大衆の流行を捉えるのは難しくなっています。ただその多様性の中に、従来とは違ったビジネスチャンスが生まれる可能性があるのではないかと思います。(小町)

 

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24
2002/06/28 為替相場動向
生涯遊人

 

 2000年以降のドル円の年間の動きをみると、だいたい年末から年初にかけて、その年のレンジをブレークして、新しいレンジに突入すると、それが1年間継続してきました。
 2000年は、1月に101円台でしたが、春までに111円台まで戻し、その後102−110円のレンジを1年間やりました。
 2001年は、2000年末から2001年初にかけて、前年のレンジの上限である、110−112円を円安方向にブレークして、その後1年間115−125円と、前年に比べ円安方向のレンジを継続しました。
 しかし今年は、2001年末から2002年初にかけて125−126円という去年のレンジの上限をブレークし、135円まで円安が進行しましたが、この円安相場を継続することなく去年のレンジに逆戻りしてしまいました。

 やはり125−127円という去年の上限を下回ってしまったということは、去年後半からの円安相場は一旦終了してしまったとみるべきでしょう。

 しかし、ここからさらなる円高相場が継続するというよりも、ここからは、ドルの底値をさぐる展開になるとおもいます。
 117−118円のどこかで底を打ち、短期的には、118−123円、中期的にも117−127円というレンジを、しばらくこなしていくのではないかと思います。今年前半までの、円安センチメントの修正をするために、2−3ヶ月から半年ぐらいはこのレンジをこなし、いわゆる時間の調整が必要になってくるとおもいます。

 ここまで円高というよりドル安相場でした。米国経済に対する不信感、テロに対する恐怖感、また最近の度重なる企業不祥事と会計に対する猜疑心などが、米国株の下落となり、それがドルを下落させるという構図でした。

 ユーロは0.99台まで戻しましたが、マーケットではとりあえずパリティである1ユーロ=1ドルをターゲットにしています。やはりパリティというのは、心理的にも大きな節目となるところで、前回ユーロが発足以来下落を続けたときも、1を割れるには1.0−1.04近辺で3ヶ月以上揉み合いました。
 今回もたとえ1を超えたとしても、すぐに1.03、1.05とユーロ高が継続していくとも思えません。

 ドル安相場の第1章はそろそろ終わりに近ずいてきたのではないでしょうか。かといってドルのV字回復というわけにもいかず、0.94−1.00のレンジとなるでしょう。(生涯)

 

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23
2002/06/25 連載 負けない投資 その3
大原部長

 

【株式投資の方法論の基本は、1に常識、2に常識、3,4がなくて、5に常 識 「感」を研ぎ澄ます】

「慣」から「感」へ。それから、ようやく株式投資の方法論に入ることになる。

株式投資の方法論は素朴なものだ。

⇒常識を使いましょう!

まず、身の回りの疑問に答えてみよう。

なぜ原価が数十円の食料品の定価が数百円なのか?
なぜ各国の平均的な給料は、一家がとりあえず食べていけるだけの水準に設定されているのか。
なぜ各国の間に物価の水準の違いがあるのか。

金持ちがおカネをいくら貯めこんでいるのか。
わずかな金持ちがどうして富の大部分を所有しているのか。
そして、おカネが貯め込まれた地域や国では生産性が高くのはなぜか。

その生産性に見合った給料が支給されているのに、支払われた給料は多くの家庭で全額消費されるようになっている。
それはなぜか。

このように、世の中は、貧乏人がいつまでも貧乏なままでいられるような配慮がいたるところになされている。

わたしなんかは生活していて、資本家の策略と感じる工夫をいたるところに嗅ぎ取っている。
その策略が見えないうちは、感性が完成されていないということだろう。

さて、「資本の蓄積」という難しい言葉をマルクスが説いている。
彼は難しい言葉を選んだが、簡単なことを言っているに過ぎない。

たとえば、素手の男とスコップの男の生産性はどちらが高いか?
 素手で土を掘る。そのスピードはスコップの場合と比べてどうなのか。

資本があれば、スコップを購入して、それを労働者に配ることができる。
それでは、ショベル・カーとスコップの生産性はどうか。
素手とショベル・カーの生産性はどう違うのか。

あるいは、定価500円の雑誌の印刷コストはどの程度なのか。
読者が色鉛筆で全ページを写譜すると何時間かかるのか。
教本などを全ページ写すという専門家はかつては存在した。
1冊の雑誌を全ページ写すのに1ヶ月かかるとする。
それから得られる収入は500円だ。
給料は500円以上払えるはずがない。

そういう生産性の目茶低い事業を株式市場は許さない。
1ヶ月ずっと雑誌の写譜。
現代では、即レッドカード退場だ。

印刷機械がない時代、あるいはない国の生産性は、10万分の1になるだろう。

だから歴史上、もっとも生産性向上に役立ったものが羅針盤、火薬、そして活版印刷と言われている3大発明なのだ。
それは今もなお真理だ。

土を素手で掘るよりも、火薬で一発で吹っ飛ばす。
迷路を進むよりも、羅針盤で最短距離を目指す。

要するに、人間には平等に1日24時間という時間が与えられている。
その有限で貴重な時間を意味のあるものに費やすことができる個人の生産性が高くなり、その生産性の高さが世界を制する。

世界を制するという仰々しい言い方が嫌であれば、輸出できる産業が生産性が高いといえようか。
輸出が出来なくなると、その国の成長率はずっと穏やかなものになるだろう。

人類が誕生して以来、どうして人口が増えてきたのか。財やサービスを効率的に提供するためには、まず、おカネがあって、事業用の設備がなければならない。
そのためには、資本(おカネ)がなければならない。
資本は集中しなければ効率が悪い。

たとえば、1億円を分配するときに、1人1円づつ国民全員に配るより、生産性の高い事業者1人だけに1億円使う方が経済効果は大きいだろう。
そして、実際、そのように世界の富は資本家に集中したのである。
富の集中が技術革新を可能にして、技術革新が人間の生産性を飛躍的に高め、さらなるおカネを呼び込む、そういう循環だった。

⇒GDPの成長、経済の成長とは、このような人口の増加と生産性の向上の2つの要素がベースになっている。

どれだけの人を雇うことができるのか、どれだけの設備を買うことができるのか。
それはマクロ的に見れば、資本の蓄積の度合いと技術力で大まかに判断できるはずである。

 

【サラ金はどうして存在し、どうして営業利益率が高いのか】

常識的に考えて、サラ金の金利25%は高いのか安いのか。
普通に考えて25%でおカネを借りて、それを大きく上回る投資案件はない。

なのにどうして借りる人がいるのか。
収入と支出のバランスが大きく崩れている人がいるからだろう。

それよりも重要なことは、社会的に見た場合、貧乏人が貧乏なままでいるカラクリ、金持ちがどんどん金持ちになるカラクリが見て取れないだろうか。

サラ金はこれからも生き続けるのだろうか。
答えはイエスだろう。
わたしたちが消費するように呪われている限り、消費の魅力が勝るに違いない。

社会的にみて、継続的に年率25%でお金を回していけるなら、おカネが自体が増殖するということを意味する。

おカネは増殖するのだろうか。
GDPの定義である人口増加と一人当たりの生産性の2つの要素に立ち返れば、人口が増えて、一人当たりの借金の額が大きくなっていけば、おカネは増殖していける。

人生が長くなり、働く期間が長くなれば、それだけ借金の額も膨らんでいくだろう。

いま、住宅ローンは30年が基本になってきた。
昔はもっと短かった。
ずっと昔は、家はわらぶきだった。
そのまた、ずっと昔は人は洞穴に住んでいた。
昔の家は、数日で出来た。
そして、一生借金を背負わなくてもよかった。

借金の額と消費の額が同じになり、一人一人へ消費の呪縛は益々強くかかるようになってきた。

武富士8564の売上の推移 (1988/3〜2002/3:億円)

88/3 1112.2
89/3 1184.6
90/3 1335.1
91/3 1507.6
92/3 1714.2
93/3 1813.5
94/3  617.4
95/3 2100.0
96/3 2468.5
97/3 2780.6
98/3 3092.6
99/3 3377.4
00/3 3719.0
01/3 4021.0
02/3 4254.2
売上成長率年率10%(過去15年)

武富士の総資産の成長の推移(88年〜02年:単位億円)

88/3  5433.5
89/3  6052.0
90/3  6825.8
91/3  7577.6
92/3  8123.8
93/3  9878.4
94/3 10402.2
95/3 11913.3
96/3 13183.0
97/3 14162.9
98/3 15598.6
99/3 17288.5
00/3 18991.7
01/3 20180.6
02/3 20170.7
資産の成長率年率 9.8%

しかし、有形固定資産(土地や建物などのハコモノ)のこの15年間の伸びは7%に過ぎない。
減価償却費は売上の1%程度に過ぎない。(半導体ビジネスの何十分の1!!)
彼らの歴史は、おカネがおカネを増やしていく増殖過程そのものだ。

さて、2兆円の資産を貸して、4250億円もの金利収入があり、経費を2100億円をかけて(あの品の悪い?TVのCMに何億円もかけて)、ROAが10%。それをきっちり過去数10年間やってきた。

これが資本主義のシステムであり、サラ金は世の中の基本的な事柄を沢山教えてくれるよい教材になるだろう。
サラ金がなぜ存在できるのか。

大ヒットしたナニワ金融道ではないが、世の中、自分の価値観とは違うところで動いているという認識が必要だ。
そして、そこで失望して人生を投げるか、世の中を変えていこうと燃えるか、やりたいことをしっかりと見つけて、惑わずにしっかり歩けるか、結局は、生き方の問題になってくる。

株式投資とは、社会の仕組みを観察する場であり、自分自身の夢を実現する場でもある。
長い間、サラリーマンとして、変な上司の下で、変な従業員根性を身につけてしまうと、発想そのものが貧困になり、当たり前の常識が通じない人間になる。
トルシェ監督ではないが、運用の世界の常識は、サラリーマン社会の常識とは違うからである。

−−−つづく−−−
(大原)

 

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22
2002/06/24 今週の株式相場展望
炎のファンドマネージャー

 

 【先週の株式相場】

 先々週の地合を受けて先週も株式相場は低迷。政治の混迷や米国株式市場の下落を映して、日経平均は6月21日に10327円の安値まで下落した。
 200日移動平均線を割り込んできたことから、市場心理は一段と弱気に傾いている。これで4週連続の陰線となってきた。 テクニカル上の節目を切ったことから、個人の信用の投げや機関投資家も先物でのヘッジ売りが相場の下落を一段と進める結果となった。
 ほぼ全面安の状態となる中で電力、ガスといったディフェンシブセクターの銘柄は週後半にかけ底堅く推移。ニッケル市況高が伝えられたことから住友鉱山、同和山などの非鉄株も週後半に反転の兆しを見せた。個別に材料の出たサンデンなども高かった。
 また、一部主力株が調整を続ける中で、店頭銘柄は個別に動意づくものも見られた。とりわけ低PER銘柄に人気が集中。直近上場のIPO銘柄にも物色人気を高めた。この結果、店頭株指数は他に比べ下落率は低かった。

日経平均
 週末株価10354円 前週末比▲566円(−5.2%)
 2月ボトムからの値上がり率 9.9%
 直近高値からの値下がり率 14.3%
 75日線からの乖離率 −9.6%(2月ボトム時の同乖離率−9.6%)

TOPIX
 1002ポイント 同▲52ポイント(−4.9%)
 2月ボトムからの値上がり率 8.8%
 直近高値からの値下がり率 12.4%
 75日線からの乖離率 −7.9%(2月ボトム時の同乖離率−10.3%)

日経店頭平均
 1209ポイント▲37ポイント (−3.0%)
 2月ボトムからの値上がり率 11.2%
 直近高値からの値下がり率 4.8%
 75日線からの乖離率 +0.2%(2月ボトム時の同乖離率−5.6%)

【今週の株式相場展望】

 全体相場は米国市場の株価低迷や政治の混乱を映して、引続き下値模索の動きを続けることになろうが、既に直近高値からの下落率が日経平均で14%を超え、75日線からの乖離率も−9.6%と、2月のボトム形成時点に匹敵。銀行の持株比率も10%程度に低下してきている現実や、自社株買いの増加などからすればそろそろ主力株に買いが入ってきてもおかしくはない水準である。市場では10000円割れを意識する声も聞かれ、まだ予断を許せないが、2月ボトムの9420円に対してどの水準で下げ止まるのかをジックリ見極める週となりそうだ。
 これ以上の下落場面は公的資金の買い出動も想定される上、個人中心にリバウンド狙いの買い資金にも期待。グローバル運用の外国人投資家も、着実に日本株を買ってくるものと期待。日経平均の変動レンジは10400円を挟んで上下500円。
 反転の主役は、大きく突込みを入れた電機・精密などのハイテクや自動車、商社、金融セクターなどになろうが、輸出関連銘柄については為替が円高に進んでおり、上値は限定されるだろう。全体指数は200日線を下回っているが、個別には業績面での下支えもあって、下回らずに推移している銘柄も見出すことができる。市況動向などから底堅い動きが見られる非鉄株や、化学株などがその代表である。

【炎の提言】

 今週は6月最後の週。今年の折り返し点でもある。ここに来て低迷する日本の株式市場では先行きが見え難い状況ではあるが、基本的には低金利下であり、行き場の無い資金がうごめいていることも事実。この下落局面では冷静にPER面や配当利回り面でのファンダメンタルズのチェックを怠らないで、次の投資タイミングを図ることだ。割安感が出てくれば自ずと新たな資金も流入してくる筈だろう。証券関係者は株価水準の低い時こそ、裾野の広い新たな投資家を集めるチャンスだという言うことを忘れてはならない。

【新興市場動向】

 調整相場の中で、JASDAQなどの新興市場銘柄ではIPOが続いており、ここに来ては概ね堅調な推移を見せている。
 高い成長期待と好需給に支えられて、注目されるだろうが銘柄によっては短期資金が集まり過ぎてかなり乱高下することが予想されるので注意も必要だろう。PER10倍以下で成長期待の高い割安感のある低PER銘柄が、引き続き物色の柱となろう。
 先週は想定した通り、IPO銘柄の中から大きく値を飛ばす銘柄が続出。CSS(2304)、TCC(2302)、スタジオアリス(2305)、ドーン(2303)など先々週に上場した銘柄に続いてシミック(2309)、クロスキャット(2307)、ビック東海(2306)が人気を集めた。
 とりわけ、クロスキャットは上場初値470円に対して高値は1300円。たった4日で約2.7倍となるなど異常人気を集めた。
 また穏健な推移を見せたTCCも、一旦の公募価格割れから一気に1150円まで2日間で40%以上もの急騰を演じるなど、すまじい人気ぶりとなった。今週は24日に森ビル関連のサンウッド(8903・公募価格50万円)、25日にSI事業を手掛けるイーシーワン(2310・同26.8万円)が上場。韓国サムスン電子関連の半導体企業であるトーメンデバイス(2737・同750円)は26日に上場予定。
 先週末にかけてここ2週間で上場した銘柄が異常人気となったことから、これらも引き続き注目されることになろう。但し、やや過熱感が出て反省気運が高まることも想定されるので注意しないとならないだろう。

**本日の日経平均は安値が10169円まであって引けは10471円と高値引け。突込み警戒感からリバウンド狙いの買いが入ってきています。
 明日も米国市場の動向次第ですが、底打ちを確認するまではなおも下値模索を続けることになるでしょうが、海外株がひとまずの反発の可能性があり、ハイテク株や金融株など主力株中心に資金が動いてくるかと思われます。サミット開催も相場を余り下げさせる訳にはいかない要因になるでしょう。
 本日上場のサンウッドは58万円と概ね妥当なところで初値がつきました。業績のブレはありそうですが、PER7.8倍は森ビルグループとしての評価としてはやや低い気がしますので、押し目は買いスタンスで良いかと思われます。同じ森ビル関連としてはコグレ(9820・時価165円)がありますので、この動きにも注目したいところです(コグレは10月よりエムティジェネックスに社名変更)。(炎)

 

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21
2002/06/24 炎の提言:下げた時こそビジネスチャンス!!
炎のファンドマネージャー

 

 つい先日、外資系(アジア)の東京支店支店長が強気のコメントを私の携帯に向けてぶつけてこられたが、結果としてその時が天井になった。その時のコメントは今でも私の脳裏に焼きついている。
「下値に凄い買いが入っています…。一気に12000円を抜けていくでしょう…。」
 このような考えの証券マンが5月ぐらいまでは圧倒的であり、大方の証券関係者が日経平均の10100円台は想定しなかったに違いないから、今日の安値10169円は想定しなかっただろう。

 でも、これも現実の姿。強気のコメントをしていた外資系支店長を含めて、外に害を撒き散らさずにいてくれたら良いが、高値圏で弱気して安値圏で弱気する愚を重ねていては困ったものだ。
 証券市場に関係して飯を食っている人とすれば、むしろスタンスを変えてもらいたい。
 上がってきて強気せずに、下がった時こそ頑張って、余りこれまで株式に縁のなかった方に株の面白さを説いてほしいのだ。

 株式市場に参画する人たちは、キャピタルゲイン狙いだけでなくインカムゲイン狙いだってある。下落トレンドではキャピタルロスが恐くて市場に参入できない方が多いだろうが、ここにインカムゲイン狙いが加わると下値を堅くしてくれるのだ。
 証券マンはこうした発想をぜひ投資家にアピールしてほしい。
 裾野の広い投資家にインカムゲインの面白さを説いてほしいのだ。

 方法論としては、この相場はいずれ近いうちに反転することを念頭に入れて取り組む。
 今売却している方々は止むを得ず換金のために株式の売却に動いている。これから買う方は2、3回に分けて主に配当取り目的で買っていくことで、目先の下げに惑わされずコツコツと買っていける。
 できるだけ配当利回りが高く、PERも低く、成長性も見込める銘柄を選定してリコメンドする。
 そうしたすぐにでもできる取り組みで、多くの投資家の資産増強に中期的に貢献する可能性がある。

 自ら考えられる個人投資家にとっては下落局面は嫌な場面であろうが、我慢して耐えに耐え、次の上昇トレンドを待つ姿勢が望ましい。
 思わず、誰かに俺の持っている株はどうだろう…とか、私の持っている株はもう駄目かしらなどと相談したくなるに違いないが、ポートフォリオの構築はこうした局面でこそ大切になる。

 時に耐えることも大事であるが、駄目株は潔く切って次の銘柄に掛けて見るべきだとも考える。
 時にロスカットも重要な要素である。

 私もこれまで有料メルマガで取り上げてきたJASDAQの電子部品株や、新興出版企業のロスカットを奨めたいと思っているが、強力にリコメンドした手前、なかなか勇気を持って言い難い。
 多くの読者も迷っておられるに違いない。自分の手持ち株を切るべきかどうか。ハムレットの心境で切るべきか切らざるべきか…と悩んでおられるに違いない。そうしたときに多くの答えは、思い切って切ることを奨めます。ここはひとまず割安感のない銘柄は現金化。次の相場展開のための軍資金にしておくことをお奨めします。

 私が株式市場全般に感じるのは、株価が下がるのは企業に魅力がない証拠。株主や新たな投資家に魅力のある経営をやれば、株価は大きく上がらないまでも安定した推移を辿るし、大きく下がることはない。キャピタルロスが恐くて既存株主も余りにあっさりと売却に走りすぎ。ジックリと研究して何回も分散して買っていく姿勢がないと本当のサポーターとは言えない。

 いみじくもFIFAワールドカップサッカーの準決勝、決勝が行われようとしている。俄か応援団も有り難いが、敗れた日本代表チームも含めてこれからもサッカーが本当にサポートしてもらえるのか興味深いところである。
 株式市場に欠けている大事な要素である、多くのサポーターの育成が着実に行われていることを期待する。
 これを行うべき証券界のビジネスチャンスの大きさを、改めて感じるのは筆者だけではあるまい。
(炎)

 

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20
2002/06/24 クイズ!!この注目企業の意外な社名の由来(その2)
メルシー本田

 

 じゃじゃーん!!先々週から登場したメルシー本田です。両津の旦那に負けじとおいらも頑張りますので宜しく!!(バイクモードの発言)
(本田、バイクを下りる。)

 「ところで、せ、せんぱいーす!先週はあんなんで良かったんですかね…?」(バイクから下りた本田の発言)

 両津:「あー、あれで良いぞ!!俺は結構マニアックに書いているが、お前は相変わらず判りやすくていいな。ところで、お前はいつからあんな趣味を持ったんだ?企業名を全部覚えるなんて?」

 メルシー本田:「いやだなー、先輩。私は日本全国をバイクで走り回りながら覚えちゃったんですよ。ですから社名と所在、ついでに歴史なんかはお安い御用ですぜ、旦那!!(俄かにバイクモードに変身!!)」

 メルシー本田は今日も皆さんに社名の由来をクイズ形式でぢんぢ部長にメールしたので宜しく!!と言い残して走り去ったのであった。(でも、このキャラは漫画を見てないと判りにくいですね。こち亀は毎日曜日7時からフジテレビ系で放映中。)


「クイズ!!この注目企業の意外な社名の由来(その2・旅日記編) おまけに株価解説もしちゃいました!!」

 前回に続いて今日も旅をしながら見つけた企業の社名の由来についてクイズを出してみましたので皆さんでも考えてみて下さい。それにしても今や世界に冠たる有名企業も創業時は社名一つつけるでも面白い出来事があったんですね。(メルシー)

第1問:
 バイクや車で全国を旅する前に一寸寄っていきたい企業と言えば自動車用品の店舗販売を行っているオートバックスセブン(9832・時価3400円)。この社名でセブンというのは一体何を表しているのでしょうか?

答え
 (1)ラッキーセブン (2)700店という目標 (3)7番目の海 (4)7番目の商品

解説:
 車を持っている方なら誰でも一度や二度は足を運んでいる筈。車社会にはなくてはならない業態として全国に500店舗を擁するまでに発展してきましたが、皆さんは行かれたことはありますか?私も愛車の点検や部品を買いに行きますのでもういつもお世話になっています。
 最近は大型店舗を出してライバルの攻勢に対抗しようとしていますが、その成果が現れたのか一寸停滞気味だった業績は好転してきているようです。
 今期の連結EPS231円。本日発売の新四季報によると来期の予想EPSは244円というから時価(3400円)のPERは今期14.7倍となります。
 さて、社名の由来ですが、オートバックス(AUTOBACS)というのはアピール(A)、ユニーク(U)、タイヤ(T)、オイル(O)、バッテリー(B)、アクセサリー(A)、カーオーディオ(C)、サービス(S)のそれぞれの頭文字をつないだ造語だそうだ。創業は昭和23年。創業者の住野利男氏が自動車部品の卸売りをする「末広商会」を設立したのが起こり。昭和53年に社名をオートバックスセブンと改称した際のセブンというのは、上記のT、O、B、A、C、Sの6つの商品の第7の商品、つまりフランチャイズチェーンの本部として常に業務開発を行うという「本部」の意志を表しているとされます。ですから答えは(4)。

株価解説:
 2−5月にかけて2800円台で低迷してきた株価は、5月22日の今期決算発表見通しを受けて5月後半にかけ3750円まで急騰。ただ、全体相場の調整から6月14日には3100円まで下落した。その後は戻してきて本日は3400円。中期スタンスなら、こうした押し目局面は買うべきだろうが、いかんせん全体相場が見え難い。
 もう少し落ち着いてからじっくりと狙うべきか…。


第2問:
 高収益の柄物パンストが好調持続で業績が良くなってきていると言われるアツギ(3529・時価105円)はどういう訳か本社は同じ神奈川県でも厚木市ではなく海老名市にあるが、これはなぜか?

答え
 (1)人の名前から取ったため (2)本社はもともとは厚木にあった(3)マッカーサーの降り立った厚木を社名にした

解説:
 昭和40年代のミニスカート全盛期の陰に同社の存在があった。昭和43年のパンストの発売が同社の業績を大きく向上させたのだ。同社は戦後、厚木編機として創業。当時は靴下ではなく捕鯨用ロープの生産が中心だった。昭和35年に厚木ナイロン工業に社名を改称。社名の厚木は地名であるが、会社の所在地は海老名市。なぜかというとGHQ総司令官マッカーサー元帥と関係がある。
敗戦直後、彼が降り立ったのは厚木基地だった。彼がパイプをくわえて飛行機を降りてくる映像は印象深い。同社創業者の堀録助氏の頭に、その時ひらめいたのは「世界中に知れ渡った厚木の名前を社名にすれば一から宣伝しなくても良い」ということだった。だから答えは(3)。
 同社は平成11年になって現社名のカタカナに変えて地名の名残をぬぐい去り、中国生産の拡大など業績回復に向けて進み出した。

株価解説:
 昨年12月の安値59円をボトムに株価はジリ高歩調を辿り、4月24日に121円の高値をつけた。その後やや調整含みとなり、先日は99円の安値をつけた。本日は105円と小戻している。


第3問:
 ファナックの株を売却するとして話題になっている富士通(6702・時価851円)の社名の由来で富士という名前はどこから来たのか?

答え
 (1)富士山から来ている (2)富士電機から来ている (3)古河のフと提携先のドイツシーメンス社(ドイツ語読みのジーメンス)のジを取ったもの

解説:
 古河財閥を築いた古河市兵衛は銅を原料とする「古河電気工業」を所有。明治20年にその古河のもとをドイツ最大の電気メーカーである「シーメンス社」の技師ケスレルが電気技術の売り込みに訪れたのがそもそもの始まり。提携交渉は大正12年にまとまり、古河電気工業はシーメンス社の技術を導入して富士電機製造(現・富士電機)を設立。この富士は古河の「フ」とシーメンスのドイツ語読みであるジーメンスの「ジ」をドッキングさせたフジのことである。そして日本の富士山にも通じる縁起の良い名前として採用された。
これが今日の富士通の母体となった企業になったことは言うまでもない。昭和10年に富士電機は電話機を手掛ける通信部門を分離し、富士通信機製造を設立。これが富士通の創業である。
昭和42年に現社名に改称したのはコンピューター、半導体分野の事業が拡大し、もはや通信機製造という社名が実態にそぐわなくなったためだった。
なお、NCの世界シェアで世界5割を占めるファナック(6954)はもともとは富士通ファナックという名前であり、同社の子会社であった。直近においても同社はファナック株を35.5%を所有するが、この一部を今回は手放すことになった。

株価解説:
 2月安値711円から3月11日に1102円の高値をつけたが、全体相場の調整を受け再び下値模索。本日は820円の安値があった。引けは851円までも戻してきたがこの先は…。業績悪化からリストラ中。ファナック株売却という思い切った策で打開の道を探るが、果たしてうまくいくか…。

参考:講談社「社名の由来」(著者:本間之英・定価1600円)

 

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2002/06/21 米国からの資金流出
生涯遊人

 

 昨日発表された、米国の4月の貿易赤字は、10.7%増加の359億3800万ドル、そのうち対日赤字が19.1%増加で、67億9200万ドル。第一四半期の経常赤字は、18.3%増加の1124億8700万ドル。これは市場の予想を大幅に上回る悪化となった。

 1999年以降、米国の経常赤字の対GDP比率は−3.5から−4.5%の間にいるが、今回この数字が再び−4.3%と悪化した。原油高、あるいは衰えない個人消費に支えられた輸入増とはいえ、米国の赤字体質が依然健在ということが確認された。

 この赤字体質を支えるのは、海外からの資本の流入である。米国は長くこのシステムを維持してきたが、それを可能にしてきたのは、基軸通貨国と優良な投資先を提供するといった経済の柔軟性と、海外の資金を十分に受け入れることができる資本、金融市場の存在と、それを仲介する金融機関の存在があげられる。

 米国債市場は世界ーの流動性をもち、また米国株式市場は玉石混合、さまざまな投資対象が存在する。

 このシステムをより洗練させたのが、クリントン政権のルービン財務長官だった。米国投資銀行のゴールドマンサックスの共同会長まで務めただけあり、金融マーケットを知り尽くした彼は、米国に資金を集めるパーフェクトなセールスマンだったといえる。
 彼が財務長官を務めた時代の株式市場が好調であったこと、またFRBのグリーンスパン議長という信頼できるパートナーがいたとはいえ、「強いドルは米国の国益」という表現を繰り返し、ドルの価値の維持に努めた手腕により、米国は多くの海外資金を集めることができた。
 またその資金の流入が株式市場を押し上げ、好調な株式市場により、さらに海外資金の流入が加速するという好循環が米国経済の好調を維持した。

 米国は、経常赤字をファイナンスのために、海外資金の流入が必要だが、現在の状態はルービン財務長官の時代とは大きく異なる。現在の、そしてさらなる下値リスクのある株価、低い債券の利回り水準では十分な海外資金を引き付けることは難しいかもしれない。
 そしてそのことが、さらに米国からの海外資金の流出を加速させ、ドルの下落に拍車をかけることになっている。

 特に米国から欧州への資金流出が激しく、ユーロは対ドルで上昇している。現在0.9650近辺だが、2−3ヶ月中には、1.000をめざしていくことになろう。

 $円に関しては、日本経済への信頼感の欠如、日本への資金流入が増加しない、あるいは、123円を割れる水準では、日銀の介入があるなどの理由で、さらなるドル安、円高は小休止という状態にある。
 もちろん円安に大きく振れる状態でもなく、122−127円のレンジを継続中とみることができる。
(生涯)

 

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2002/06/21 本日は私の当番ではないが…
両津勘吉

 

 花火や鉄砲に使われる火薬を昔の人々はどうやって作ったのだろうか?
 少しばかりネットで検索してみると、古い家の縁の下を掘って土を採取と書いてある。土を煮詰めて木灰を加えて硝石を作っていたらしいそうだ。子供達の間では縁の下に潜って白い結晶を集め炭火で美しい火花遊びも流行ったとか。

 先達て、某大学で無機化学の講師をされている先生と会談した時、この火薬の話になった。先生曰く、昔は火薬を作るために縁の下で小便をしたそうだ。小便をすることで尿素を好む菌が硝酸塩を作るのだという。日なただと雑草が生えるからボツだそうだ。

 昔の方々は化学記号も知らないのに、知らぬ内に合成技術を身に付けていった。人間の体はまさしく有機合成マシンであり、これを人工的に行うのはムリとされていたが、今や当たり前の技術。

 しかし無機化学を得意とする企業を中心に、菌の研究が盛んになっている。例えば鉄や銅を食べる菌など。CMPで有名な荏原は、0.5ミクロンの銅配線をバクテリアに食べさせて描くというパテントまで出願されている。

 純度を極限まで上げる技術が可能となり、無機化学に無限の可能性が出てきた。(両津)

 

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2002/06/21 閑話休題
駄洒落商会会長

 

 駄洒落商会会長です。

 当「億の近道」執筆陣では、大原部長がピアノ、ぢんぢ部長がドラムスと、それぞれプロフェッショナルはだしの名手であることは、一部の読者の皆さん、よくご存知のことと思います。また、あまり知られてはいませんが、両津勘吉氏もエリック・クラプトン、ミック・テイラーなどの系譜を受け継ぐブルース・ギタリストです。
 読者の皆さんは、若かりし頃の両津氏が、十二弦ギターを抱えてキャンパスを闊歩する姿をご想像できますでしょうか?私などは思い浮かべただけで何やら日本酒を過ごした翌朝のような胸苦しさを覚えるのでありますが、いずれにしても執筆陣の打ち合わせの席上でも過去、「億近バンド」結成の構想が何度か冗談交じりにせよ話題になっています。このような観点から、各執筆者にご注目いただくのも面白いでしょうね。

 私はといえば、ぢんぢ部長より「編集後記」などで再三にわたって紹介がありましたように、若年時より10数年にわたってラグビーに関わってきた「体育会系」ですので、楽器には縁がありません。
たまに、これも相棒であるブライアン・フェリー氏(仮名。W実業で、小室哲哉氏のサークルの後輩)と都内のジャズ・スポットに出没する程度です。

「Tokyo TUC」
(千代田区岩本町2-16-5 TUCビルB1 03-3866-8393
 http://www.tokyouniform.com/tokyotuc/

あるいは、

「SOMEDAY」
(新宿区天神町8-3 03-5261-2518
 http://someday.net/

など、お会いすることがありましたら、宜しくお願いいたします。(駄洒落)

 

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2002/06/18 連載 負けない投資 その2
大原部長

 

【1に継続、2に継続、3,4がなくて5に継続 「慣」を律する】

 投資家から受けるよくある質問は、このようなものだ。

「わたしは何年も投資していますが、報われていません。何が悪いのでしょうか」

 わたしの答えはこうだ。

 「何年も」ではだめです。短期過ぎる。「何十年も」投資し続ける、これが長期投資だと。

 投資の極意はなにか。それは継続である。「継続は力なり」。「1に継続、2に継続、3,4がなくて5に継続」だと。

 武田薬品は50年前50円だったが、いまは5000円を越えている。複利換算では年率10%になる。十分ではないか。

 TOPIXは50年前15ポイントだったが、いまは1000ポイントを超えている。インデックスであれば、9%程度になる。これでも十分だろう。

 もちろん、高度成長期を含む日本の過去50年と、これからの日本の50年とを同列に論じるのは無理があるだろう。しかし、持続的な実質経済成長率が例え2%だとしても、50年後にインフレ調整後で、日本のGDPは2.7倍に増える計算になる。仮に配当の成長率が5%の優良銘柄であれば、50年後は11倍以上になる。

 それで十分ではないのか?

 もちろん、株は一日に数%も動いている。その動きを何とか利用したいという気持ちもわかる。
 そして、短期的に見れば、安すぎるときに買い、高すぎるときに売ることで、リスクは回避できるように思える。実際、大多数の投資家は、あるときは非常に強気なのに、あるときは非常に弱気に傾いたりする。

 何か意味のあることを成そうというときに、そういう情緒不安定なものに人生を賭けていては駄目だ。
 攻撃は最大の防御という。
 株式投資におけるもっとも攻撃的な姿勢というのは、上がりそうな銘柄に誰よりも先に目をつける先見性を養うことではない。
 バリエーションの安い銘柄の中で、ファンダメンタルの改善が予想される銘柄を正確に当てる能力でもない。
 割高な銘柄を危険と察知できる能力でもない。

 株式投資におけるもっとも重要な資質とは、継続力。毎月、毎月、小額でもいい、とにかく投資を続けるという生活習慣である。

 そのためには、自己の生活を律しなければならない。どうしたら律することができるのか、それは各人の資質の問題だろう。
 キャッシュフローが毎月プラスになる。つまり、毎月給料前におカネがあまる。そういう生活を続けることが投資の成功の秘訣だ。

 継続が力。このことは、当たり前すぎて面白くないかもしれない。この当たり前のことさえ、できないのに、投資で成功するのは難しい。

 もちろん、運がよければ、数年で何倍にすることもできるだろう。しかし、そういう運で増えたおカネは運で無くなっていく。

 ⇒継続は力なり
 ⇒毎月、ミニ株を投資しよう。それがここでの結論だ。
 ⇒生活習慣を律することが成功の基礎(大原)

 

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2002/06/18 株価診療所便り
大原部長

 

億の近道オフィシャルクラブで開業している診断所に寄せられた相談です。

〜ご相談内容〜

マスプロ電工(6749)についてご教示下さい
財務内容が優良なだけで上がるとは思っていません。そして、W杯が始まったからといって上がるわけでもないと思っています。しかし、1100円台で放置されているのも素人の私には不思議な感じがします。大原部長のスカパ−の分析の中で、NHKの存在の大きさを指摘されていますが、この会社に関しては、NHKの存在はプラスに働くことはあってもマイナスに働くことはないような気がしますが、いかがでしょう?

〜診断結果〜

大原より
 最近のマーケットの特徴としては、
●決算発表が終わったため、会社予想ベースでの増益組みの中からいい会社を選ぼうという傾向
●しかし、下期に利益が偏っているケースは、逆に、楽観予想として無視する

楽観予想=下期偏り予算
 という図式でしょうか。
 マスプロの場合は、まさにそうで、年間を通して増益です。しかし、上期は大幅に減益。

 上と下に分けると
 昨年上期   今年上期予想
 経常利益 637百万 ⇒ 100百万予想(前年対比では大きく減益)

 昨年下期   今年の下期予想
 503百万 ⇒ 1500百万予想(前年対比で大きく増益)

 上:下の利益の出方
 昨年  上55%:下45% これはわかる
 今年予想 上6%:下94% これは説明が必要

 ということは、投資家が自信を取り戻すためには、下期が計画を上回ることが必要になるわけです。いずれにしても下期の状況を見るまでは、信用できない、そう取られる心配があります。

 だから、いくら上期がよくて、1億円の利益の予想だったのに、状況がよくて2億円になりました!といわれても、買えない。下期に想定以上によくないと買えない。そう考えるのが大多数の投資家でしょう。
バリエーションはPE26倍とそこそこのレベル。しかし、本当に下期大丈夫なの?と思われるうちは上がりません。

アップサイドは長期的にどうか。
下期仮に15億稼げるなら、上期も15億円稼げる年があると仮定します。
年間利益30億円。
そのときの利益の12倍程度が目標なら時価総額で360億円。
株価では1700円程度でしょう(PE20倍としても)。

 まあ、下期になって、足元が想定以上にいい、そういう展開がくるのか、わかりませんが、しばらく様子見の展開が続くでしょうね。

 だって、下期に景気が戻りますっていう言い訳をどれだけ投資家がいままで聞かされて、その結果どうだったかって、悲惨ですよ。

 「下期回復」これは投資家にとって禁句に近い。
それでもマスプロは頑張るでしょう。

 上がるといいですね。
 それではお大事に♪(大原)

 

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2002/06/17 今週の株式相場
炎のファンドマネージャー

 

●先週を振り返って

 先週の株式相場は、SQ算出や主要国首脳会議(カナナスキス・サミット)・財務相会合を控えて、前週に引き続いて見送りムードに支配された。米国市場ではN・Yダウ、NASDAQ総合指数共、年初来安値を更新するといった波乱に見舞われた。米国株式の下落を受け、日本株式も値下がり急となり、日経平均株価は4/12以来2カ月振りに心理的なフシ目である11,000円を割り込んでしまった。一週間を通じての日経平均の下げ幅は517円となり、昨年9月第3週(9/17〜9/21)以来の500円を上回る一寸した下げを演じた。
 先週の主要外資系証券会社12社の寄り前の売買注文は売り1億80万株、買い1億110万株の差引き30万株の買い越しも、日通しの売買・週合計は株数で3,700万株、売買代金で297億円の各々売り越しとなった。(日通しは6/10〜6/13まで)
(日経平均週末株価10,920円63銭前週比▼517円90銭。週間出来高41億4525万株)

●今週の株式相場展望

 引き続き不安定な動きが続き、米国株式の推移を見守りながらの展開に。政策への失望が広がっている上、市場心理の悪化に歯止めが掛かりそうになく、日経平均は「更に下値を試す」といった見方をする投資家が急増している。
 今週の日経平均株価のレンジは10,700円〜11,400円を予想。下限の10,700円台は中〜長期線である200日移動平均線の水準。
 一方、上限の11,400円台は転換足のフシ目や一目均衡表の上限の「雲」の水準であることと、25日MA、13週MAの重要移動平均線が収斂していることから。
 米国株式に対する不透明感が払拭されておらず、来週も米国株の動向に神経質にならざるを得ない。ただ肝心の米国株式であるが、今週NASDAQ総合指数が1,500ポイントを割り込むことにより、特殊チャートが売られ過ぎゾーンに達したことから、NASDAQ総合指数は目先の底入れから、取り敢えずは1,600ポイント程度を目指すリバウンドが期待できよう。連れて、東京株式も自律反発を期待。株主総会後の持ち合い解消売り、JR株の政府保有株放出に伴う需給関係悪化が気掛かり材料であるが、11,000円以下での突っ込み局面ではショートカバーの他、26日−27日に主要国首脳会議(サミット)を控えていることから、年金などの機関投資家の押し目買いが入る為、ここからの下値は限定的と考えられる。

●主力電子部品、半導体関連株には反転の動き

 上記のコメントは週末現在のもの。本日は早速に上記の予想通り、日経平均は10700円を割り込んで終えた。
 追証が発生したなどという声から、弱気ムード一色の展開になってきたが、こういう局面では冷静に対処することが肝心。一部の弱気筋からは、日経平均10000円割れの意見まで出始めるなど、再び弱気の声が高らかに出始めているが、果たして結果はどうだろうか?
 どこで下げ止まるのか不安な時は、とにかく一旦売っておくとのスタンスになるだろうが、個々の銘柄のファンダメンタルズ面を考えれば、自ずと買いが入ることも想定される。
 個別に見ると、ここまで下げ続けてきた村田、東京エレク、アドバンテストなどの電子部品、半導体関連株が強張ったのが目についた。
 週末のNY株が下ヒゲをつけ、一応の下げ止まり期待もあることから、明日の動向が注目される。

 

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2002/06/14 為替相場動向
生涯遊人

 

 やったね日本代表という今日のチュニジア戦でした。しかし株式市場も為替市場も、サッカーのようにすっきりとはしない展開の1週間でした。

 米国株式市場は、旺盛な個人消費にかかわらず、企業業績の下方修正、企業会計の不正の続発、更なるテロへの警戒感、インド、パキスタン間の緊張を材料に下落し、そのことがまた$売りに拍車をかけることとなった。
 $は対ユーロで0.95まで下落したが、このレベルではさすがに一服感により$売りのスピードは鈍っている。

 対円に関しては、122円台まで下落したドルは度重なる日銀の介入により122−123円台で底打ちし、徐々に円安方向に向かいだした。一時は、米国株式の下落にもかかわらず日本株式は堅調で、円高の進行とともに外国人の日本株買いによる円買いなどといわれたが、ここにきて日本株が12000円で折り返すとともに、円安も進行してきた。

 先週までの財務省発表の『対内対外証券投資』のデータをみると、
5月13日の週 3270億円の資本流入(うち株式は3590億円の買い越し)
5月20日の週 7240億円の資本流出(うち株式は4350億円の買い越し)
5月27日の週 630億円 の資本流出(うち株式は600億円の買い越し)
6月 3日の週 5970億円の資本流入(うち株式は1370億円の買い越し)

 5月20日と27日の週が資本流出となったのは、国内投資家の海外債券投資が拡大したことと、海外投資家が日本の債券を売り越したことが原因となっている。
 このように、先週までは海外投資家からコンスタントに日本株買いが入り、そのことが円高の一因となっていたこともデータとして裏付けられた。しかし海外投資家も足の速い資金が中心で、中長期のリアルマネーの投資家の買いではない模様である。

 そうなると、ここからは私の予想ですが、今週の株式の下落をみるとそれらの資金の流入が止まったり、あるいは逆に売りに転じたのではないかという疑問がわいてくる。また円安もじわじわと進行した1週間だった。
 しかし126円、ユーロ円の119円を境に昨日は$円の売りがでた。今週末はG7が開かれるが、為替に関してはとくにコメントは出ない模様です。

 日米ともに経済状況あるいは安全保障の面で不安定な中、ドル円のレンジは122−128円の動きと見ることができる。(生涯)

<お詫び>
 先週の文章の中で『日本対ハンガリー戦のあとで介入したと』とありましたが、賢明な読者の方はお気づきだとおもいますが、日本対ベルギー戦の間違いです。

 

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2002/06/14 ユニクロ夏の新商品
小野小町

 

  ファーストリテイリングの5月の既存店売上高は前年同月比44%減と8ヵ月連続で減少しています。会社側の前提が前期比25%減(上期実績21%減、下期計画31%減)であることを考慮しても依然厳しい数字と思われます。直営店全体の客数も今年に入りマイナスに転じるなど、消費者の「ユニクロ」離れが進んでいるようです。

 理由として「飽きられた」とか「ブランド力の低下」などいろいろ言われていますが、一つには単純に「消費者の欲しいものがない」のが要因と思われます。

 少し流行の話をさせて頂きますが、婦人服は今年も昨年同様レースやフリルを多用したフェミニンなラインが主流です。具体的にはマーメードやフレアといった裾広がりのスカート、レースのついたブラウス、更にボヘミアン調のスモック風ブラウスが「必須アイテム」として宣伝されています。また小物ではアクセントとして腰に巻くタイプのベルトも人気のようです。色は白やベ−ジュを基調にパステルカラーなど綺麗な色・柄を組み合わせた着こなしが目に付きます。まあおしゃれ下手な私が説明するより実際に街を歩く女性をじっくりご覧になって頂いた方が早いかと思いますが…(注:見るのは女性でなくてあくまで服の方ですよ!)。

 話が逸れましたが、当社の商品は最近トレンドから外れる傾向にありました。今春のカタログを見ても流行とマッチした商品が殆どなく、個人的にもあまり欲しいと感じませんでした。
 ところが先日ホームページを覗いたところ、やや流行を取り入れた夏の新作が出始めました。4月からデザイン研究室を設置した甲斐あってかフリルのついたカットソーやスモック風のブラウスなどインターネット販売では一部品切れの商品も出ていました。知識が乏しい分、情報は足で稼がねばということで早速上野ABABの6Fにある店舗を見物して参りました(単に買い物したいだけでは・・・)。

 実際店舗に行ってみると昔に比べて人が少なく買い物しやすくなったな(ほめているのか?)という気がします。気に入ったのがあったら買おうと思いつつ、実際商品を見てみると、ギャザーのついたカットソー、スモック風ブラウス・・・正直な処、かわいいけれどデザインはいま一歩という印象です(で、結局買わず…)。

 価格も昔は安いという驚きがありましたが、なにしろ最近はイトーヨーカ堂とかダイエーなど大手量販店の衣料品が異様に安い!。しかも以前に比べるとデザインにも流行を取り入れ、かつ季節前倒しで半額セールを実施しています。ちなみに私の近所のDマート(ダイエー系)では流行のスモックブラウスは今月から早くも半額(2900円→1500円)で売られておりました。

 そうした競合も激しくなったためか、今期から生産調整のため販売計画の50%を目標に初期投入を行っています(まだ足元は60〜70%の水準だそうですが)。店頭に出した後、売れ筋かどうかを判断して追加生産をかけるそうです。ちなみにTシャツなどは早ければ2〜3日で完成するそうですが、その後中国工場から日本の店頭に置かれるまでに10日かかります(結局2週間くらい?)。ただ10日も経ったら店頭の売れ筋が変化しないのか、流行に対する機動力には若干不安を感じます。

 現在業績の底を模索している状態ですが、足元のドライキャンペーンが好調の他、初期投入50%という生産調整も来期から本格化するようです。秋のカタログでかつてのように消費者ニーズをつかむ商品が開発できれば、改めて株も(服も)買うタイミングがあると思われます。(小町)

 

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2002/06/14 トヨタの国内販売に異変あり?
両津勘吉

 

 6月7日の日経産業新聞に”好調なスタートを切ったイスト”なる記事が掲載されている。イストとはビッツの兄弟車、2週間で26000台、4週間で42000台と受注は大変好調な推移を見せている。また、日産エルグランドの対抗馬として発売されたアルファードも、2週間で12000台の受注を確保している。
 さすがトヨタだけあって素晴らしい受注実績と考えてしまうのだが……果たしてどうなのか?

 新型車を出したプラス効果の反面、ビッツの販売は4月8952台、5月7871台。一方、エスティマは3月15041台、4月6582台、5月7478台です(3月は期末の特殊要因です)。
 若干ながら既存の車種に影響が出ておりますが、トータルではプラス効果。しかしこの2台を見ていると、トヨタ経営陣の危機意識の高さからマトリクスを点で埋め尽くす従来の戦略が、若干行き過ぎているのではないかと考えてしまう。

 トヨタは国内空洞化による従業員はカットしない、つまり工場稼働率を確保するためにシェア42%ではえらい不満なようで、50%を狙っていくとしている。しかし国内販売市況の不透明感強い中で、ナンバーワン企業がシェア至上主義をとるというのは果たしていかがなものか?
 従来、日本企業はシェア重視戦略であったが、今では時代遅れも甚だしいのでは?

 上記紙面ではイストの販売を誉めている内容ではなく、むしろトヨタの迷走を掲載しており、これを書いた記者はポイントを突いている。トヨタはかつてのような乱売には絶対移行しないと明言しているが、イストは価格を下げてきているのが事実。日産、ホンダは馬鹿げた安売りに走るとは思わないが、コンパクトカーにこれから力を入れる三菱自動車のプライシングが非常に気にかかる。
 平形さん曰く、三菱自動車はとにかく稼働率を上げたい様子で、eKワゴンもそうだが少し下の価格帯で台数を稼ごうとする。つまりいつになってもブランド力は向上しない訳だ。ブランド最強のトヨタが価格帯を下げれば当然、下位クラスは価格戦略を取って来ると想定する。つまりトヨタの価格は業界秩序を乱す結果になることを私は危惧する(心配し過ぎかな?)。

 トヨタが安い車を作るに当って、部品メーカーに困惑の動きが出ている。コスト削減では日産のイメージが先行するものの、トヨタも負けじと部品メーカー泣かせに走っている。
 ところが部品メーカーにヒアリングすると、どうも企業によって言うことが違う。どうやら一律の削減でなく、系列と系列外に分けている模様。また系列でも直系とそれ以外でまた異なるようだ。

 某企業が泣きながら説明してくれた。
「トヨタグループの某企業の製品よりはるかに高性能な部品を開発したが、納入価格はグループ企業より安い価格でないと買ってくれない。」だから、その企業の自動車部品事業は増収大幅減益なんだとさ。

 日産が部品メーカーの株式を売却し、技術アドバンテージを指摘したアナリストもいたが、先週訪問した企業は一風変わったことを言っていた。かなり前のことらしいが、日産単体とトヨタ自動車単体を比較すると、材料技術では明らかに日産に軍配が上がったという。しかし日産グループが束になっても敵わないのがデンソーだという。デンソーの素材技術は抜群の一言に尽きるらしく、今のトヨタはデンソー無しに語れないとか。

 私もデンソーという企業は大好きで、技術者の対応も非常にグッド。技術的に分からないことがあって、直通電話かけてもきちんと説明してくれますからね。しかも「この技術は某企業のものを少しはパクってますね?」と聞いても思わず苦笑いしながらジョークで濁す余裕もさすがデンソー。デンソーはトヨタなしでも生きていくことが出来る、世界ナンバーワンであると私は考えていますし、トヨタがデンソー株式を買い増す理由も頷けます。

 トヨタ、ホンダの2強をどんな局面でもストロングバイとしているブローカーアナリストが散見されるが、そのような指示に従って株式売買していたら、あっという間に資産が半分になることでしょう。

 今回は国内販売のみについて書きましたが、ワールドワイドな視点から、かなり前の時点で強気は間違っていると指摘していたモルガンスタンレーの平形アナリストと、ドイツ証券の吉田アナリストは正にお見事。
 前回指摘した、私が自動車セクターで信頼しているアナリストはこのお二方です。

 話が脱線しますが、自動車技術に詳しいのは唯一、ドイツ証券松本氏。
 この松本さん、かつて値嵩株に変身した豊田合成の売りレポートを書いた方ですが、いまだに弱気継続中のようです。但し、当時と理由が違います。
 4月の段階で某外資系と日系準大手証券から強気レポートが出ておりましたが、ポイントは白色ダイオード出荷開始で利益アップ、つまり自動車部品事業の利益にLEDの利益が乗っかると言っている訳だが、松本さんは全く違うことを言う。
 彼は最近取材した訳でないが、トヨタの車の変化を知っていて、その影響がトヨタ合成に現われているという。トヨタはビッツから樹脂を多用化しているのだ。

 読者の方に是非ともご覧になって頂きたい。日産新型マーチのボンネットを開けるとエンジンの上に黒い箱が載っているが、この箱からエンジン後方側面に同じ黒いパイプが伸びている。これが吸気のパイプで、インテークマニホールドと呼ばれ、エンジンブロックに直結している、つまり熱くなる訳だが、従来は金属だった。マーチは化学メーカーの技術革新によって樹脂が使われた、初めての例じゃないかな。

 次にトヨタビッツ。ディーラーに行ったらビッツのドアを開けてみてください。更に窓を開けていくと窓枠の周りに黒いシーリングが見えます。窓を閉めたときに雨や風が入らないためのもので、ゴム製のシーリングが使われておりますが、トヨタはビッツから樹脂製に変更しており、日本で唯一です。しかしトヨタがコスト削減効果を狙って樹脂に変更したことで、豊田合成自動車部品事業中のボディシーリングの売上&利益に大きな変化が現われていることでしょう。

 「樹脂にしたたけでなんで利益が減少するのか」と思われましょうが、ゴムの場合だと付加価値が付け易いのだ。同社が納めるビッツ用窓枠樹脂は、材料を買ってきて押し出し成型&暖めてくっ付けるのみ。トヨタは2000cc以下の車に樹脂を多様化する方向にあるようで、現在、この方式を用いた車種はたった3車種のみ(樹脂の方が安いがデメリットは温度や紫外線の影響から経時変化が現われ、密閉効果や空気の流れの変化から風切り音が大きくなること。だから今の樹脂技術ではセルシオやクラウンなどの高級車には搭載されないが、2000cc以下の車では樹脂を増やす方向にある)。
 この傾向はもっと拡大していくことでしょう。しかし樹脂化の流れはまだまだ序の口、カーボンナノチューブを樹脂に混ぜて、金属やゴムの代替を狙う技術は、今後自動車部品企業に大きな変革をもたらすことだろう。

 豊田合成と化学企業では、その技術力に大きな違いがある。自動車に力を入れている石油化学王手の三井化学や住友化学がこの分野で本気になったら、既存の自動車部品企業はひとたまりもないだろう。
 「電子部品と比較したら自動車メーカーからの値引きになんて気にならない」と豪語する企業も存在する。化学企業の設備投資なんてエチレンセンターや誘導品のプラントを除けば、非常に安価。原材料だってとんでもないくらい安いはずだから、限界利益率は非常に高い。だから化学企業に注目しております。(化学技術に詳しいセルサイドアナリストはなんといっても大和総研の斎藤さん。推奨する銘柄をみても昭和電工を入れているくらいですから、その技術調査も半端ではありません。またゴールドマンサックスに在籍されていた山田さんは究極です。前職が研究員ですからね)

 最後に鉄板メーカー、特に川鉄が日産やトヨタなどのコスト削減に反対の意見を派手にぶちまけている様だ。某アナリストも自動車企業の値下げは通らず、鉄鋼メーカーの勝ちと言われていたが、今回は仕様の変更や種類の減少などで対応することになるが、確かに値上げを飲むかもしれない。

 しかし鉄鋼メーカーがあまりにも強情な立場を取るのは辞めたほうが良さそう。自動車メーカーに知り合い多い某氏に依頼し、今回の件がどうなるか教えてもらった。2社購買する理由は値下げ競争させる意味合いもあるが、最悪のケースなら1社にする可能性もあるらしい。つまり自動車メーカーにしてみれば強情な企業との付き合いを辞めて、新日鉄1社に絞って量の約束をするというパターン。要は縁切りだ。日本の鉄鋼技術は素晴らしく、その技術のお陰で微妙な曲線や素晴らしい塗装が可能となっているだろうと鉄鋼メーカーは主張するし、それも事実であろう。しかしながらその理論からすれば、悪い鉄板を使っているダイムラーベンツやBMW、アウディーのボディーや塗装が貧弱か?いや違う。 鉄鋼メーカーが駄目な分、塗装メーカーが頑張っているようなのだ。ボディー形状について私はわかりませんが、最近挙って導入されているコマツの6000トンプレスなどは好影響を与えていないのであろうか?…今度調べてみることにしよう。

 しかし、川鉄が突っ張れば突っ張るほど、塗装メーカーにチャンスが回ってくるのか?
 だいたい水性塗料の普及で利益率はどうなるのだろう?塗料技術者の方がおられましたら、教えてください。(両津)

 

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2002/06/11 連載 負けない投資 その1
大原部長

 

 大原です。
 今年に入り、3本目の連載です。「アナリストが失敗するとき」「特別損失の研究」に続き、「負けない投資」を始めます。

 前々回連載「アナリストが失敗するとき」では、市場の熱狂と落胆のギャップに翻弄されるアナリストの浮き足立った姿を描こうとしました。
 前回連載「特別損失の研究」では、日本企業の競争力の低下は、経営者と組織の逃げと甘えの構造にあることを指摘してきました。
 今回連載「負けない投資」では、投資の基本は守り。守り抜くイングランド型サッカーをお手本にしました。攻めることを考える前に、現状の投資で、守りがいかにおろそかになっているか、投資における守りとは何なのか、守りを固めた上で、カウンターの波状攻撃はいつ行うべきなのかなどを前々回、前回の連載の内容を踏まえた上で提案させていただきます。

 逃げない、甘えない、浮き足立たない。特損と無縁の企業を選び抜き、市場の落胆をむしろ逆手にとる。そして、負けない鉄壁の守り。水を漏らさぬ運用力はどうしたら身につくのだろうか。理想の投資のあり方を自分なりに描くことにトライしてみます。


ひとつの知識だけをもって、株式投資に望めといわれたら、どの知識を選ぶだろうか。

数字は嘘をつかないという事実だろうか。

競争力があれば、勝ち抜くことができる。
勝ち抜くことができる企業が生き残る。負けない投資には、負けない企業を選ぶことである。
それは数字に表れる。

負けない企業は、結果として、財務内容もよく、業界の地位も高く、利益率も高く、資本効率もよい。

コスト競争力が備わっているかどうかは、なにを見ればわかるのか。
売上と資産内容を比べて見る。
あるいは売上と純負債との関係でもよいだろう。

売上とバランスシートを比べる作業を「回転率」を算出するという。
資産回転率といえば、売上÷総資産で算出できる。
目安は1倍以上だ。高いほうがいい。
回転率が高いということは、もう、競争力があるということとほとんど同義だ。

利益額と資産を比べることをリターン オン アッセット(ROA)という。
ROAが高い。
これは競争力のあることの裏返しである。
競争力がある。勝ち抜くことができる。
競争力がない。負ける。ビジネスにおける負けは、損失につながる。

利益率が低い。
たとえば売上高利益率が3%以下であれば、これは競争力どころの騒ぎではない。
生きるか死ぬかの瀬戸際に立っているといっていい。
利益率が3%であれば、死が間近に迫っている。

利益率が低い企業については、株価を一株あたりの利益で割って求めるPERなどのバリエーションの議論は、1−2年の短期のものになる。
この1年が勝負、この2年が勝負、そういう「死」に近い企業のPER5倍と、競争力がある企業の50倍とどちらが安いか?

 そういう議論をまずしたい。

競争力の有無は、PERの議論の先に来る。
リンゴの皮のような利益率しかない企業のPERが安く、営業利益率で20%以上を恒常的に稼げる企業のPERが高い。
PERが低いということは、リスクもその分だけ高いということになろう。

利益率の低い企業は、付加価値が創造できていないのだから、将来のキャッシュフローを予測する作業は無意味になる。
将来存続するかどうかわからないからである。

しかるに、理論株価は、企業は永遠に続くという前提に立つ。
株価は理論株価ではなかなか説明できない。

だから、株式投資の世界では、実用的な道具として、ほんの1年先の収益を予想して、その収益を基準に株価を論じるという慣行になっている。
それがPERの議論である。

PERの議論は、来期ベース、今期ベースの予想と基にされる。
しかし、それは理論的に裏付けられた投資のメソッドではなく、単なる経験則によるカンの勝負になる。

「負けない投資」では、負けないためのメソッドを提供していきたい。
負けない企業に共通の項をくくり、その共通項を理解するなら、投資において、負けない実力が身についていく。

 

【負けない企業の業績の落ち込みは最大の買いチャンス、負ける企業の業績の落ち込みは企業存続のピンチ】

業績の落ち込みを歓迎できるだけの余裕のある企業の方が買う価値があるだろう。
競争力のある企業であっても、市場環境全般が芳しくなければ、一時的に業績は落ち込む。

競争力のある企業の利益率が高いのは、おおむね、売上に変動する性質の費用が少ないからである。
材料費などの変動費と売上との対比である変動費率が低い。
変動比率が低いため、売上のちょっとした増加や減少によって、収益の額が大きく変わってしまう。

【モデルケース】

営業利益率20%の企業で変動比率が20%の企業を考える。
売上が10%増えると40%増益
売上 100⇒110
利益  20⇒ 28

売上が20%増えると80%増益
売上 100⇒120
利益  20⇒ 36

売上が10%減ると40%減益
売上 100⇒90
利益  20⇒12

売上20%減なら80%減益
売上 100⇒80
利益  20⇒ 4

となる。

【モデルケース2 利益率が極めて高いと収益のブレが小さい】

営業利益率50%、変動比率20%の企業を考える。
売上が10%増えると
売上100⇒110
利益 50⇒ 58
16%増益になる。
利益率が極めて高い企業においては、売上の変化に対して、収益が比較的安定的である。
そして、利益率が極めて高いということ自体が、競争力が圧倒的にある、ということである。

競争力で他社を圧倒するなら、1)利益率が高く、2)収益も比較的安定し、3)長期的な展望も立てやすいだろう。

問題は、売上の見通しの一点に絞られる。
売上の見通しとは、製品・財の最終市場の見通しである。
最終市場の見通しをどう考えるか。
それを補強していけば、理屈では、株は勝てる。

理屈で勝てそうな株をプロは選ぶ。
競争力のない会社が一時的なリストラでコストをカットしても、理屈上は、勝てない。
どれだけ市場が成長するかという需要動向、どれだけ競合がいるかという供給動向、そして他社と比べて、どの程度のコスト競争力があるのかというコスト競争力、他社とくらべた品質などの製品の質、そういうモノサシで、収益動向を予測し、理論的な株価を算出する。

理論株価が適応できるのは、企業の長寿が前提になる。

 

【理論株価が適応できるような長寿が確約されている企業は、株の勝率が高くなる】

5年後のビジョンが描けない会社は、PER5倍を基準に株価を考えなければならない。
10年間しかもたない会社は、PER10倍を基準に考えなければならない。

そして、収益を無理して出していると、財務内容が悪化していく。
財務内容が悪化しているということは、収益を無理にだしているということである。
財務が悪くなっている会社は、理論株価が当てはまらないだろう。

【演習】

今後の最終損益予想が以下の企業の価値を求める
ただし、金利はゼロとする。
BPSは0円とする。

1年目
2年目
3年目(倒産)
4年目以降
10円
10円
0円
0円

最終損益、1年目と2年目の合計は20円。
PER 2倍なら、株価は20円。株価20円が適正。

企業がつぶれるとする。つぶれる企業は財務が悪い。
財務が悪いのは、利益率が低い事業を行っていたからだ。
利益率が低いのは、競争力がないからだ。

【演習】

競争力のある企業の最終損益が10円だとしよう。
1年目〜1000年目までの10円の純利益を上げる企業の価値はどうなるか。
当初のBPSはゼロ、金利もゼロとする。

1000年×10円=10000円。
PERは1000倍である。

PER1000倍とPER2倍は、どちらも理論的に正しく、どちらもフェアバリューである。

=つづく=(大原)

 

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2002/06/11 企業健康診療所便り
大原部長

 

 企業健康診療所便り(読者からの質問コーナー)

【Re: セコム&武田薬品工業 2002/06/06  知の利さんからご質問】

こんにちは、初夏という事で暑い日が続きますね。社内から一歩も出ないので、一応、快適な日々を過ごしておりますが。3年ほど前に”相場が悪い時には良い会社に長期的に投資していこう”と考えて、株式累投でコツコツためてきたものです。残念ながら、買い始めた頃が高い時期だったようで多少含み損。本などでも常に取り上げられる銘柄で、”優良企業で、相場回復期にはこのような銘柄から上がっていくでしょう…”なんてコメントを見かけたりして、そのうち上がるのかなー?などと期待しています。・セコム”ATMへの入金”などを請け負っていて今後は期待できるかな?しかし、事業を広げすぎている??この一社で複数の事業に分散投資!って感じでしょうか?・武田投資を始めた頃は、”優良企業で業界トップの企業に投資しておけば、きっと・・・”なんて思っていたのですが、今となっては、比較する相手が世界になってしまって、気がつけば2桁順位?株式交換で武田を買収可能な製薬会社も世界にはいたりして・・・いろいろ考えてしまいます。大原部長はこの銘柄どう判断されますか?

【返信 大原より】
【安いなあと思うときに、優良企業を買うというスタンスについて】

その通りだと思います。3年前ほどからコツコツとありますね。
 日経平均: 3年前16000円 いま 11500円 ⇒ 30%下落 ×
 武田  : 3年前 5600円 いま  5360円 ⇒ 5%下落  △そして配当3年分⇒120円あり
 セコム : 3年前 6000円 いま  6160円 ⇒ 3%上昇  ○そして配当3年分⇒120円あり

結果としては上々ではないでしょうか。まあ、絶対金額でいうならば、コツコツと3年ではだめです。
⇒投資はやはり50年ぐらい続けないと… 3年は超短期ですね。

50年前 TOPIX 15 ポイント ⇒ いま 1108ポイント
50年前 武田  50円     ⇒ いま 5360円

ちなみに負け組の代表として神戸製鋼(すみません)を上げるなら

40年前 26円 いま63円

 おいおい、40年たってまだ2桁かよ!!!

事業環境も長期で見れば良好でした。
50年前 医薬品の輸入比率 90% ⇒ いま 35% (そして医療費は10兆円を大きく超えてきた)

さて、海外大手と引けをとるか、うーん。ちょっと、心配な面もあります。規模的にはね。武田の研究開発費1000億円。営業利益2900億円。海外大手のR/D 平均1500億円。

【リストラは継続してやるべきというお手本が武田さん】

96/3従業員数17000人⇒いま14000人
96/3営業利益1000億円⇒いま2900億円
武田さんの診断:☆☆☆☆☆
生活習慣病薬やバイオ創薬などについては、とりあげませんが、まあ、大丈夫ですよ。

さて、セコム さんに移ります。わたしは、警察なんかも、民営化したらいいなあと。(笑)
官僚的組織は、もうやめにしたい。金持ちは自分で警備員を雇うべきです。
貧乏なら、凶悪犯も泥棒もだいたい狙わないはずなんだけど。
貧乏なら本来、警察なんかいらんでしょう。(変質者? そりゃ、どこにもいるけど、要は、警察の費用対効果)
貧乏は気楽な面もあるはず。まあ、これは極論ですから。

金持ちと法人だけですね。この会社の狙いは。
金持ち。こりゃ、絶対数としては増えます。
サラリーマンだって、ちらほら年収1億円が出てきている。(うちの会社にもいるよ 年収1億円のファンドマネージャーが!なにせ経験20年)
年収1億円ぐらいあれば、ちょっと防犯考えますね。(でも防犯以上に節税を真剣に考え抜くだろう)

昔:警備員⇒無愛想
いま:警備員⇒教育を受けて愛想がいい
(昔:警察⇒感じ悪い いま;警察⇒やはり感じは悪い)

警察関係の方、すみません! いや、感じのよい警察官さんも沢山います!西葛西の交番の警察は感じがいい!

おカネはらって安心を買う。うーん。しっくりきませんね。
いなかで暮らす方が安全でしょう。
そうはできないって? そりゃそうだ。
でも、あまり、流行ってほしくない会社です。
でも、流行るでしょう。
凶悪犯罪は増えるでしょうし…これだけ社会が殺伐としていれば、やっぱりニーズはあるでしょうし…うーん。
セコム。伸びるんでしょうな。やっぱり。
じゃあ ☆は4つぐらいか。
減点部分は、警察という「無料」事業と一部バッティングしているから。
ちなみに警察官24万人いるそうです。パトカー29094台あるそうです。
船舶 230隻
ヘリコプタ 72機(昭和43年導入)
無線局 16万(50年前は800局)
刑務所 1284 
留置所は、9000人/日収容できる(トイレ改善。冷暖房付き、食事改善、新聞あり ラジオあり)

1世帯あたり負担料金はわたしの勝手な試算では、20万円。
月に2万円はらっていることに。
ハイ、警察代です。銀行自動引き落としにしてください!

しかし、貧乏な方は、税金を払っていない。
金持ちが税金を払っている。
ということは、金持ちは、自分たちだけをExclusiveに守ってくれる民間の個々の契約の方が、いい。

世帯当たり20万円/年間の費用といえども、10%の金持ちが、年間200万円はらっていて、90%の貧乏人が、負担していないという現状だ。
なんでも、そうだ。
税金を年間数千万円も払っている人が、保育園では別途、月々10万円以上を払う。
税金をしこたま納めて、その上に、別途、保育園に年間120万円もかかる。
どうして!!??

一方、税金を払っていない人が、月々保育園には別途数千円。
なんじゃこりゃ。
だから、貧乏人は、もともと警察は金持ちほどは、いらないのだから、格安の民間サービスで月々300円くらいは負担してもよいかも。
だって、今、負担ゼロですから。

金持ちは、いままで年間200万以上警察に納めているのだから、その負担を自分たちだけを守るという契約にすれば、サービスの質は向上する。

今後、この国は、広く薄く課税するという方向が望ましい。
結局、低所得者層は、税金なんにも払わないで、警察のサービスを受けることができる。
税金払わずに、図書館で本を読む。
著作権払わずに不法コピーをする。
なんでもただ。
金持ちは大損している。そう考えるのは一方的だろうか…

一方、警察権力の急拡大とともに、やくざは激減。
やくざは、一般人を巻き込まないとされている。
最近は、お祭りなどでのテキヤなど、まじめに仕事をしているやくざも多い。
ジョークだが、やくざを用心棒にするほうが、警察雇うよりも安上がりかもしれない。

やくざ 昭和38年 18万人 ⇒ いま 8万人
その中で山口組(勝ち組)5000人 ⇒ いま3万人

やくざは、ちょっと衰退産業ですな。(やくざさん、ごめんさない。)その中の山口は、勝ち組。やーさんの世界も、勝ち組へのシェアの集中が起こっている。


【質問 今話題のスカパーはいかがでしょうか? 2002/06/04 so16さんより】

初めて、書き込みします。よろしくお願い致します。W杯が世の中的に盛り上がっていますが、関連銘柄であるスカパーの株価は一向に上がってません。もうこれ以上、上がる見込みはないのでしょうか?

【返信 大原より】

so16さま初めての書き込みということですね。まことにありがとうございます。大原と申します。
米系の投資顧問で、欧米の年金を運用する仕事に関わっています。テクノロジー全般を見ています。最近は、アジアや欧州のテクノロジー企業も分析対象にしています。
億の近道というメールマガジンで火曜日に執筆しています。この掲示板を活用して、みなさんのご意見の交換の場にできればいいと思っています。
わたしがどんな銘柄でも、それなりにですが、ちょっとした意見を書き込んでいます。
そのちょっとした意見を参考に、なお深くご自身で分析を進めていただければ幸いです。
そして、これを読んで、「それは違うぞ!!」という方も、「うん、そうかもしれないなあ」という方も、「いやいや、こういう考えもあるぞ」という方も、気軽に参加していただける、そういう掲示板を目指しています。
ですから、今後も、お気軽にどうぞ。
多少、荒っぽい言い方をするときもありますが、ご了承ください。
本音を隠せない性格なものですから。

【スカパ】

とりあえず、株価の議論はやめます。企業の中身のお話をさせていただきます。

さて、今日のワールドカップの日本対ベルギー見られましたか?
どのチャンネルで観戦しましたか?(多くの人はNHKだったのでは?)
なぜ! いつもNHK!!!
日本はNHKが支配している国です。
テレビを保有しているという理由だけで、強制的に受信料なるものを取られる。
それは一体どういうこと??
衛星放送のBSを見る。
いったい幾らとられるの?
いや、第一放送&教育テレビ、地上波だけでもおカネがとられる。
強制的に集められた巨額のおカネが大量に使われる。
オリンピックやワールドカップへと。
宣伝がない。
だから、視聴者は思う。
「やっぱり、宣伝がないから、NHKはいいねえ」。
宣伝はある。BS!BS!BS! 
NHKは国民からカネを集めてNHKの宣伝をしている。
これってアリですか?

普通に考えると、NHKの罠にみんなやられるのではないでしょうか。
NHKがちょこっとまじめそうなドキュメンタリーをつくり、お茶を濁す。
民放のバラエティ番組やトレンディー?なドラマが鬱憤を晴らす。
この民放&NHKの鉄壁の守りを、スカパがどう崩せるのか? 

高価なアンテナと工事が必要になり、見たい番組はオタッキーなものばかりという民間のスカパがどれだけがんばれるのだろうか??
わたしは心配です。

たとえば、民放の番組の場合、スワップ?が(SMOPでしたっけ?)が4−5人で出ていると、それだけで10%程度の視聴率が稼げる。
一体、何人見とるんや!4000万世帯の10%は、400万世帯やんけ!
じゃあ、CSが「大原部長の銘柄電話相談室!」を放送したら、何%視聴率とれるんや! 
⇒多分、SMOPの1/1000以下ですわ。2000人程度でしょうな。

それじゃ、新宿や渋谷でビラ配ったほうが安いわ。
企業が広告をドカっと出す。
それで番組ができる。
NHKは強制労働を国民にさせて寄付させ、それで番組ができる。
スカパは、ビラ配りの費用で番組つくらなアカンのですよ。
数万円のコストですわ。
そっけないスタジオでさびしく、銘柄相談の電話の応対をするわたしを想像してください。

それがスカパの現実ですね。
オリンピック、ワールドカップ、大相撲、大リーグ、おいおい、お前ら、独占しとるやんけ! 
NHKは支配者だ。
そういう不平等条約の中で、戦うのは、あまりにもかわいそう。

でも、誰も文句を言わない。
NHKの受信料がただになり、NHKの職員が1/100になり、番組の質が圧倒的に低下して、そうなれば、スカパのチャンスです。
スカパの命運はNHKつぶしにかかっているのでしょう。

でも、そうなると思います?? ならないんじゃないかなあ。
宣伝がない、それってやっぱりいいもん。

TVを見る目的は何でしょうか。
考える人は見ません。演習問題をやったり、本を読んだりして学びますね。
ながら族はラジオ。
TVはやはり、「ちょっと息抜き」でしょう。それか、オタク。それか語学を勉強したいとかで、BBCをやたら流しているやつとか。
TVの目的の80%以上は民放地上波とNHKでカバーできるでしょう。将来的にも。

高価なアンテナを買わせた上に、契約料金をとり、企業の宣伝が入りまくるわりには、番組が「大原の銘柄相談」じゃ、こりゃあきません。地上波の視聴率とスカパの視聴率の差は、埋まらないでしょう。

スカパのせいじゃないけど。NHKのせいですね。
TVの宣伝枠って、供給が限られるんです。
時間は24時間しかない。
だから、供給過剰になるということはない。
需要があれば、スポット広告の値上がりはすごいことになる。

でも、スカパのように何十とチャンネルがあること自体がビジネスモデルの最大の欠陥になっているということは、知っておく必要があると思います。
双方向とか言いますがね。
国民は双方向なんて無関心ですよ。
そういう疲れるやつは受けない。
ガハハと笑ってすっきり、それでTV。

本当の需要だけを追っかけるなら、それなりのビジネスプランが必要になる。
それは、インターネットと競合することになり、やはり、勝てない。
どん詰まりです。

どうして、勇ましく、海外のわけのわからんおっちゃんが、日本という国を選んで、あえて、沈没したのか、理解に苦しむところです。
インフラを整えただけで、ビジネスにはならない。

ビジネスとは文化を理解しなければならないでしょう。
NHKは日本の文化です。
それも、無意識化しているというところが、もう怖い。

わたしなんか、NHKのドキュメンタリーみたって、全然、本当だとは思いませんよ。
まあ、見ませんね。基本的には。
でも、見る人は「勉強になった」とかいう。それってあんまりですね。
都合よく作っているに決まっている。もう、滅茶苦茶都合よく作成されているに決まっている。
真実があっても、真実はその番組のメッセージの中にはない。

新聞だってそうですね。
あんないい加減な雑学の集まり、意味があるとは考えにくい。
あんなものに、一日数十分も浪費しているとしたら、それは人生最大の汚点ですよ!

 しかし、サッカーで勝った後は、じっくりと記事を読んでしまう私… 矛盾ですね…

銘柄相談は、PERとか、バリエーションだとか、言う前に、「そもそもこの企業は誰と戦っているんや、誰のために戦うんや、どうしてこういうことしとるんや」そういう考えを、一度、まとめんとアカンのですわ。
それから、業績のお話ですわ。

今日は、業績に入れません。
業績に入る前に、NHKとスカパのことを比較する必要がありますね。
スカパをとことん応援する気なら、NHKが凍りつく秘策を考えないとだめです。

どうしたらNHKをぶっ倒せるか????????? この?の数だけ、考えて、スカパにチャンスがあるとわかれば、あなた、そりゃ、スカパの社長になれますよ。マジで。

ごめんなさい。初めての投稿で、こんなに「攻撃」してしまって…
すみません。

では、お大事に♪(大原)

 

 

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2002/06/10 クイズ!!この注目企業の意外な社名の由来(その1)
メルシー本田

 

 突然ですが、本日から新たなキャラクターの登場です。
 その名もメルシー本田。企業の歴史や社名の由来、ブランド価値などを調べるのが好きな中年探偵団のような大変にユニークな人物です。時々ですが、この欄に登場しては、皆さんに面白おかしくクイズを出してもらう予定です。
 今日はこのコーナーで、熱気あふれるサッカーの応援で疲れた頭を冷やしてみて下さい。ニッポンチャチャチャ!!メルシー本田もチャチャチャ!!


 はじめまして。メルシー本田です。
 私の趣味は四季報に載っている企業名と企業内容を全部覚えること。
 第1回目の今日は、私が(株価的に)注目しています企業について、社名の由来をクイズにして皆さんに考えて貰おうと思っております。いつも億の近道には難しそうなことが結構出ていますが、たまにはこんなコーナーがあっても良いかなと思って、これから皆さんにこのコーナーでご提供したいと思っておりますので宜しくお願いしますね。それでは早速に参りましょう。

「クイズ!!この注目企業の意外な社名の由来(その1)
 おまけに株価解説もしちゃいました!!」

 今日はいつもと違って多少面白おかしく企業の社名の由来についてクイズを出してみましたので皆さんでも考えてみて下さい。(メルシー)


第1問:
 化粧品会社のノエビア(4916・時価1140円)の社名は何語から来たのでしょうか?

答え (1)英語  (2)日本語 (3)スペイン語 (4)ロシア語

解説:
 NOEVIRという社名はよくTVコマーシャルで見ますが、一体どういう意味があるのでしょう?
 それは恋人を意味するスペイン語の女性名詞「ノビア(NOVIA)」と男性名詞「ノビオ(NOVIO)」を平等に組み合わせて、恋人たちという意味を与えた造語とのこと。同社の男女平等の精神が社名にも反映されているらしい。答えは(3)でした。

株価解説:
 年2回40000円相当の株主優待制度に基づく製品が魅力で、9月の年1回決算の配当(年18円)取りの時期に向けて注目度は高まる。1000株単位がたまにキズ。1140円(時価総額398円)の時価はボックスの上限にあるため、投資するなら1100円か1120円で買い指値を入れておくこと。上場来安値は99年の980円。高値は90年の5230円。


第2問:
 かつらで有名なアデランス(8170・時価4020円)の命名者の職業は次のうちどれ?

答え
 (1)俳優  (2)国会議員 (3)医者 (4)大学教授

解説:
 男性用かつらの代名詞となったアデランスー!!のCMには、有名な意外な俳優さん(はげなのかどうかは未だに不明)が登場してくるので、もしかしたら俳優さんが名前をつけたかと思われた方もいるかも知れない。
 でも答えは(4)の大学教授なのです。
 同社の創業者は根本信男、平川邦彦、大北春男の3氏。昭和40年代はじめに彼らは男性かつらの会社を立ち上げたのである。同社が上場した頃に私も彼らの話を聞きにいきましたが、確か創業陣のどなたかも頭の悩みをお持ちだったかと思います。社名については横浜国立大学教授の早瀬利雄氏に考案して貰ったそうだ。 フランス語で「くっついていること」という意味のアデランス(adherence)が命名され、今日の代名詞にまでなった。

株価解説:
 今や時価総額1643億円の企業となり、経常利益も今期168億円にまで成長。但し安定はしているが、成長のピッチそのものは鈍化。連結PERは18倍前後。安定成長株のため上下変動は小さい。一昨年に2670円の安値があったが、その後は3400〜4700円でのボックス圏での推移が続いている。この変動の特徴をうまく捉えて頂くことが、個人投資家にとってのポイント。総合毛髪業として世界的な展開が見込める点や、女性用の成長などがなおも期待できるのが魅力。


第3問:
 ヒューマンヘルスケアのTVCMでおなじみのエーザイ(4523・時価3270円)の変更前の社名は以下のうちどれ?

答え
 (1)日本栄剤 (2)日本衛材 (3)日本栄材 (4)日本永財

解説:
 同社の前身は「桜ヶ岡研究所」。この会社の製品第1号が婦人衛生用品であったことにちなんでつけられたのが、日本衛材という社名である。ですから答えは(2)であります。ただ、この社名は包帯の材料のようなイメージをもたれるということや、頭についている日本という名前では電話帳で調べ難いとの判断から、昭和30年に今のカタカナの社名に変更された。因みに、コマーシャルなどで使われているヒューマンヘルスケア(hhc)のロゴは、ナイチンゲ−ルの直筆だそうです。

株価解説:
 収益の安定から株価は堅調に推移。昨年7月のボトム2445円から約1年近い上昇トレンドを描いている。時価総額は既に9500億円に達しているが、今期連結経常利益予想は800億円と着実に伸びてきており、なおも上値余地は残っている。今期予想連結PERは22.2倍。


第4問:
 駅前留学で有名なNOVA(4655・時価310円)の社名はラテン語から来たものだが、その意味は以下のどれか?

答え
 (1)交流 (2)愛情 (3)教養 (4)新星

解説:
 同社の創業は平成2年。本物の留学経験がある創業者の猿橋望氏が留学から帰国した後、自宅に多勢の外国人が出入りするようになり、しまいに居候まで現れるようになったことから、いっそのこと異文化交流のための語学スクールをやろうと思いたって事業を開始。その後、創業からわずか10年を経て業界最大手に成長。社名のNOVAはラテン語の「新星」の意味。
 同社は業界の新星として成長を遂げたことになる。日本国中今はサッカーで熱気むんむん。今日もどこかで異文化コミュニケーションが図られているに違いない。答えは(4)でした。

株価解説:
 成長してきたとは言っても、収益的には苦しい状態が続いてきた。携帯電話販売などの事業が足かせになって、本業の売上拡大はあっても収益が思うように上ってきなかったのが株価にも反映され、長期下落傾向が続いてきた。ただ、前期からはようやく収益浮上の兆しが出てきたので、株価的には注目しても良い水準かと思われる。直近は260円〜370円で大きく変動しはじめた。 300円前後で止まって次の上昇タイミングを図る局面が到来している。


第5問:
 チャルメラで有名な即席麺大手の明星食品(2900・時価227円)の社名の由来は以下のどれ?

答え
 (1)星の名前 (2)週刊誌 (3)学校の名前 (4)人の名前

解説:
 一般的に明星という社名からは明けの明星、宵の明星という金星のことを連想してしまう。チャルメラは夜鳴きそばを連想させるが、このこととも特に関係はなく、同社の社名は同社の創業の地である武蔵野市吉祥寺と関係がある。大正13年に、この地に成城学園を離れた一人の教育者が私立の学校を設立。子供たちの心の明星になるとの夢を込めて、新校名を「明星学園」としたが、それ以来、この地は「明星台」と呼ばれるようになった。同社の創業者である奥井清澄氏は、麺類の市場の大きさを信じて昭和24年に有志を募って製麺業を行うための準備会社「協和商会」を設立。翌25年に新たに製麺会社を設立するにあたって、協和食品とする案と、創業の地である「明星台」の名称から明星食品とする案が出たが、結局は麺業界で大きくなるとの決意を託すには明星食品の方が夢があるとのことで現在の社名が採用された。答えは(3)。

株価解説:
 麺の総合メーカーとして着実に成長してきたが、業績の安定性はあっても成長性に欠ける点が株価の低落に繋がってきた。このところようやく株価は上向き基調に変わってきたが、これは生産性改善効果などによる収益改善の傾向が見られるためだろう。 9月まで持てば配当金(5円)のほか株主優待制度(1000株で最大15000円相当の外食レストランの割引)も受けられることから、下値不安には乏しい筈だ。5月高値242円からの調整場面が続いている現状は、中期スタンスで押し目買いの好機と言えよう。

参考:講談社「社名の由来」(著者:本間之英・定価1600円)

 

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7
2002/06/10 今週の株式相場
炎のファンドマネージャー

 

 「微妙な段階に差し掛かってきた東京株式市場 その中で大胆に予測する今週の株式相場」

 先週末の地合を受けて、今週も軟弱なスタートとなりました。これで今晩のNY市場が安いと明日の東京市場も続落の可能性がありますが、オプションを見ている方は一寸したチャンスを想定する向きもあります。
 仮に、明日にでも11308円という強力な節目を引値で切って終えるようなら、11000円という水準が想定されますので、注意が必要となります。この場合はロスカットですが、常識的には一旦の反発場面があるとの見方ができますので、オプションでは期近の115コールが50円以下という水準になれば、3日以内でかなりの成果が期待できる可能性があります。果たして結果はいかに・・・。


【今週の株式展望】

 下値目途とされてきた11500円を割り込んできたことから、今週の東京株式もなお弱気の声が力を増すことになろうが、ここからの押し目水準には買い意欲も出る筈で、今週は先週末にあったザラ場安値11365円を仮に下回ってくれば絶好の買い場との見方が可能。
 テク二カル上は11308円に強力な節目があり、仮にザラ場中にこの節目を割り込むような押し目が週初にあったら、そこはしっかり拾っておきたいところである。

 気になる米国市場についても、ファンダメンタルズでは不透明要因を抱えていると言っても、テク二カル上は今週前半が買いタイミングを迎えるとの見方が可能で、日米ともに週前半の押し目買いスタンスで奏効すると考えられる。

 日経平均を見ると、2月ボトムからの相場の流れからは3月高値12034円を頭にボックスゾーンでの展開を余儀なくされていることが明確。
 確かに12000円台の壁は厚いが、5月に一旦この高値を抜けており、依然として上昇傾向を辿っていることに注目したい。
 どういう訳か、ついこの前まで強気していた多くの投資家が11500円割れで弱気の声に変わり始めたが、買い方にとってはむしろチャンスと考えている。ここでの調整はむしろ相場の延命に繋がるとすれば歓迎すべきだろう。

 今週は週末にSQを迎えることから、週前半での指数反転はオプションの波乱につながることが予想される。外国人投資家を中心にリバウンド狙いの買いが入ることになれば、思わぬ展開になることもあろう。そういう意味でも要注目の週となるだろう。
 指数の反転には値嵩ハイテク銘柄の反発が不可欠。先週3月高値を抜けてきた銀行、紙・パルプなどの出遅れセクターや、上昇トレンドが崩れていない小売、その他金融などのほか、造船、鉄鋼、海運といった低位銘柄が多いセクターの動向にも注目したい。(株式展望は6月9日付アイリス・ジャパン有料メルマガより転載しました。)(炎)

 

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6
2002/06/07 電線会社がガラスを作る理由
海野六郎

 

 前回まで、光ファイバー用のガラスの製法について述べてきましたが、日本ではこれらのガラスを作っているのは、電線製造会社であって、ガラス製造が本業の大手ガラス製造会社ではありません。これは外国では見られなことです。ちなみに、世界最大の光ファイバー製造会社は、USAのガラス製造会社であるコーニング社です。

●電電ファミリー

 光ファイバーの製法を研究していたのは、電電公社(当時)でした。光ファイバーを使って電話線を将来購入するのも電電公社でした。しかし、その製造はできません。そこで、電電ファミリー企業の一員であった電線メーカーが共同研究をするという形を取り、VAD法による光ファイバー用ガラス製造方法の開発が進められました。
 作ったモノは電電が全部買う。他に競争相手はいない。電線会社としても、おいしい商売でしたし、「電電様」の言うことには逆らえません。
 公営企業体という形は崩れ、NTTと名前を変えましたが、「電電ファミリー」は健在です。電線会社では通信ケーブルの出荷先を、NTT,民需,外需と分けております。

 もしも、ガラスメーカーが光ファイバーを作ったら・・・・。VAD法に優る低損失の光ファイバーを製造するのは困難ですから、あくまで机上の空論ですが、光ファイバーを作ってもそれを電線会社に売り、そこで通信ケーブルと言う製品が作られない限り使えません。ケーブルを製造できるのは、電線会社だけです。その電線会社が自社生産で光ファイバーを作っているんですから、ガラス会社から買う訳がありません。
 ということで、ガラス会はガラス製の光ファイバーには手を出さなくなりました。意地を張っての結果なのかはわかりませんが、旭硝子ではプラスチック製の光ファイバーを製造販売しています。
 [参照]http://www.agc.co.jp/lucina/

●おまけの話

 電線と呼ばれるものには2種類あります。電気を送る電線と、通信用の電話線が「電線」と呼ばれています。その中には電気を良く通す銅(Cu)が使われております。電線を作るには、その材料価格のほとんどの部分を占める銅をどのように手に入れるかにかかっていました。

 従って、銅山から掘り出された銅の多くは電線に使われました。日本の銅山の有名なところは、足尾(栃木県),別子(愛媛県),日立(茨城県)といったところです。いずれも古河電工,住友電工,日立電線といったところに直結しています。

 電力線や電話線の他に、導線は「巻線」としてモーターや発電器に使われます。これらのものを作る重電の会社は、電線会社の子会社として作られ、企業グループを形成していきました。

 古河電工を例にしますと、

  足尾銅山(古河鉱業)
   ↓
  古河電気工業  電線製造
   ↓
  富士電機    重電部門 当初はジーメンスとの合弁
   ↓
  富士通     弱電・通信機部門
   ↓
  富士通ファナック他

といった流れになります。

 フジクラ(旧社名は藤倉電線)は銅山を持たない独立系ですが、資本系列は三井系でした。近頃、大株主のさくら銀行が住友銀行とくっついてしまい、ライバル会社の名前の銀行が、社内のATMとして使われているそうです。

 業界第1位の住友電工は、バックが日立製作所の日立電線と仲良くなったため、残った古河電工とフジクラが手をつなごうとしている、銀行や生保とは違った再編がありそうなのが電線業界です。
(海野)

 

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5
2002/06/07 為替相場動向
生涯遊人

 

 本日、1−3月期の日本のGDPが+1.4%と発表された。マーケットの事前予想は1−1.5%だったので、為替マーケットでは、大きな動きはなかった。
 GDPの内容をみると、民間消費(+1.6%)と輸出(+5.2%)で押し上げられた数字で、依然、設備投資には火が点かない状態であることがはっきりした。

 このGDPの内容をみると、日銀による介入もうなずける。輸出頼みの景気回復にとって、120.00円を死守することは、景気失速を防ぐ数少ない手段のひとつだ。
 前回ワールドカップの、日本VSハンガリー戦が終わった直後に(彼らも試合をみていたのだろうか?)介入するという技をみせた日銀だが、まだ本気で介入しているとは思えない。
 122−123.00円近辺では、介入のアマントこそ多いものの、相場は押し上げていくというよりも、ただ122.00円以下にしないようにしているだけだろう。まだ123円では、本気で円高対策をするレベルではないと考えていると思う。

 理由はふたつ。
 一つ目は、123−126円のレンジ内の動きであり、125−130.00よりは円高だが、このレベルでは、輸出企業に大きな打撃はないだろう。
 二つ目は、介入手法が単純すぎて(短期戦としてここの介入は非常にうまいが)総合的な円高対策とはなっていない。

 一つ目はお分かりになると思うが、二つ目の総合対策というのは、過去の例をみると、日銀の単独介入のみで$安円高を止められたケースは少ないことからくる。
 今回単なる円高ではなく、$全面安のなかでの円高であるため、単独介入のみでは、たとえその手法が巧妙でも、多勢に無勢、いずれ切り崩されるのは目に見えている。

 これを防ぐには、金融緩和、あるいは協調介入といった手法が必要であるが、このレベルでの協調介入は、各国の同意が得られないだろう。
 また、さらなる金融緩和、あるいは非不胎化介入でも実質的効果は限られているが、少なくともアナウスメント効果はある。
 また120.00を超えるような場合は協調介入は無理でも、委託介入を駆使するなどの方法もある。
 おそらく当局も、そこらへんのことはわかっているため120.00円を割れてくると本気の介入をしてくるのではないか。

 当面$円のレンジは122.50−126.50、 126.50−127.00を超えられない場合は、120.00円割れを試す局面があるでしょう。(生涯)

 

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4
2002/06/04 日産のエルグランド
両津勘吉

 

 日産のNEWエルグランドが好調のようだ。

 旧型と同様、VQ35を登載しているがトルコンを4速から5速に、そして足回りを変更している。米国スカイラインと同様のエンジンだから、レスポンスもスポーツ仕様。240馬力の余裕は重い車体を軽々と200キロ以上に導いてくれることでしょう。ノーマルデフのレシオを把握しておりませんが、リミッター解除で220キロはでるのではないでしょうか。

 ボディは従来型より若干低くしたが最低地上高も低くなったため、キャビン内の前高は旧モデルよりアップし130cmに。身長132cmの息子がほんの少し前傾姿勢をとるだけで充分車内を歩ける。車高を少し低くしたせいか、バックから見たときのワイド感が出ている。

 気になる価格だが、旧モデルとほとんど変りはない。最上級モデルXLが2WDで400万円オーバー、Xが?、VGが308万円、最低グレードのVが289万円。量はVGが一番でると思うが、表面上安いVに人気が集まるかも。しかしながら最近の車には珍しくVはオーディオレスなのである。ラジオも付かないのに289万円とは!!!

 私はVGで見積もりを出してもらったが、なんだかんだ含め400万円オーバー。「どうしてこんなに高いんだ!」と営業マンに文句言ったら、ツインナビやら色々なものを含めたようで、
「表面上の金額を高くしたら客は逃げるぞ!」
「最低限の装備で見積もりを出して、後でオプションを提案するもんだ!」
「それが営業ってもんだろ!」
…と店のなかで怒りまくってしまったが…。

 ブランド力アップが課題の日産ですが、値引きはしません。最後の折衝になったらある程度は可能でしょうが、10万円は不可能な模様。なんでも日産経営者曰く、今度のエルグランドは原価が高いそうで、それを値引きしない口実にしております。しかしながらディーラー営業マン曰く、今度の経営者は外人なので(ゴーン社長のこと)値引きしてはならないと固く言われているようだ。購買コストカットも含め、値引き販売しないことによる利益改善は大きい。

 メーカー系ディーラーは中古車屋より常に下取り価格が低かったですが、私の車の査定は信じられないような価格を提示してきた。ディーゼル規制を口実に、5年落ちRVを二束三文扱い。千都日産を退散後、ガリバーに直行。担当者に「まだ3万キロも走ってないぞ」「オレの車は2年前に70万円かけてオールペンしてあるぞ」と言いまくったら、日産より20万円以上高い値段を提示してきた。

 なんでも日本はディーゼル車の人気が低下し、在庫がダブついている。ところが中東では人気があるそうで、RVの半分くらいは中東に流れるそうだ。

 日産で下取りしたらガリバーとの差額20万円+日産はそれに10〜20万円を上乗せしてオークションで販売(最終ユーザーに直接売るならもっと高い価格)するであろうから、中古車で30〜40万円の利益が転がり込んだうえに新車の利益も入ってくる(千都日産は日産直系)。
 従来は下取りした利益をある程度オプションでおまけにするケースがほとんどであったが、それがない分、丸儲けだ。日産が想定以上に利益が出る仕組みはこうした裏もあろう。

絶対に値切ってエルグランドをゲットするぞ。(両津)

 

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3
2002/06/04 日興ビーンズ主催の投資セミナーで言い忘れたこと
炎のファンドマネージャ

 

 【一挙公開!! 特盛りワールドカップ日本初戦の日に送る、日興ビーンズ主催の投資セミナーで言い忘れたこと】

 私は5月29日に開催された日興ビーンズ証券、ゴールドマンサックス証券主催のセミナーに講師として出席させて頂いた。その際にお話した内容については、メールマガジン「億の近道」を開始した経緯や、私の有料コンテンツの内容などのほか、全体相場の流れや注目されるテーマやセクターなどであった。時間が限定されていたので全てをお話できずに終わってしまったが、その際に言い忘れた点を改めて披露しておきたい。

 とにかく、大勢の皆さんの前でどの程度踏み込んで話が可能なのか明確ではなかったので、私の話も尻切れトンボになってしまった感があるが、こうした問題をカバーするためにもメールマガジン「億の近道」は有効と考えている。(私としては投資セミナー&億の近道をうまく活用して頂きたいと考えている)
 お集まり頂いた方々は96名と主催者から聞いたが、いずれも熱心に話に耳を傾けておられた。
会場もゴールドマンサックス証券のセミナールームということで、素晴らしい舞台環境であった。
この場を借りてこうした機会を与えて頂いたことに感謝申し上げたいし、お集まり願った方々にも合わせて御礼申し上げたい。

 さて、集まってこられたすべての方に100%満足いく話をすることは不可能に近い。長期スタンスなのか短期スタンスなのかがそれぞれの方によって異なっているし、それに対して、私の考え方は人となりなども理解してもらいながら話を進めるのであるから大変である。

 出席者は、私のレクチャーから少しでも即結論に至る話を聞きだそうと考えているだろうし、私はその前提となる話を多少でもしておきたいと、様々に話をしようと試みて、時間が限定されてしまう結果となるのだ。

 私は今回のセミナーで「ずばりこの株を買えば儲かるぞ!!」などという話はしなかった。
 株の一般論、つまり株は上がる時もあれば下がる時もあるし、常に変化するものだから、せめて私の有料メールマガジンをガイド役として活用して、一緒に楽しみましょうという、一般論を披露しておいた。この点は恐らく物足らなかったに違いない。
 セミナー後のアンケート調査の結果を見ても、こうした物足らなさが残ったに違いないことは容易に推察できる。

 私はこれで良いと思っている。セミナーは大きな流れを掴むための場。私の考え方や人となりを理解して貰えれば良いとの思いがあるからだ。
 なお、このセミナーで私が訴えたかったことは、日本の置かれている状況からして、今後は知的財産の有効活用が課題となるし、投資のキーワードにもなるということであった。成熟期・高齢化社会の到来する中で、2005年以降の人口減少が予測されているが、そうした労働人口の減少が想定される中で日本経済の復活には、これまで蓄積されてきた知的財産の有効活用が国の命題となっている点を指摘しておいた。この点はこのメルマガでも改めて強調しておきたい。

 私は、特許の事業化やマッチング事業を推進するNPO団体であるJPRA(日本パテントリサーチアソシエイツ)と提携し、特許の事業化、資産評価についての研究を始めているが、株式相場においてもこうした知的財産権の評価や事業化が大きな話題になるに違いない。私が講義している同志社大学証券アナリスト講座においても、タンジブルアセットだけでなくブランドや著作権、特許権などを含めた知的財産権などの目に見えないインタンジブルアセットの評価が時価総額の決定要因、事業戦略の大事な要素になる時代が訪れていると思い、学生の皆さんには課題としてインタンジブルアセットの評価をどうするかを考えて貰おうと計画している。
 知的財産基本法が来年の国会に提出される見通しとなるなど、国を挙げての知的財産戦略が打ち出されようとしているが、このことが相場に大きなインパクトを与えるものと考えている。

 知的財産の評価は極めて難しいことであるが、米国ではplxという企業が取り組んでおり、日本企業もそのシステムの取り込まれるような情勢にある。私たちはこうした米国企業任せの流れについて、決して歓迎している訳ではなく、もっと日本の持っている技術や特許などを大事にして、確たる戦略をもつべきだと主張し、実際に行動に移ろうとしているのだ。
 出願ばかりで事業化がなされない現状を変革し、取引が活発になることで企業が所有している特許がある一定の理論に基づいて資産として計上される(実際に取引があれば資産計上が可能)時代になれば、株式市場において新たな価格形成の可能性が開かれるというのが私の考えである。

 逆を言えば、これからの企業においては、知的財産への戦略がなければ生き残れないとすら思えるのだ。
 また、企業の財務諸表として、現状は貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などが義務付けられているが、今後はこれに加えて知的財産の評価書(仮名称)が加わることになるだろう。
 将来のキャッシュフローを生む資産として、知的財産が極めて重要になってきていることを理解すれば、自ずと予測できることである。このことは会計士レベルでも議論されているだろうが、企業や担当者などには知的財産の評価など無理だとして笑う方が多いのも事実である。


さて結論から言うと、ここに来て堅調な展開を見せる株式相場は、なおも中期的な上昇余地を手掛かりに上値指向が続くというもの。目先の調整が多少ある方が、相場の息は長いとの考えを示しておいた。この点はこのメルマガの相場展望などでも示したことである。

 また、セクター毎に動きが異なっている点を強調。全体相場は恐らく7月第4週にかけて(セミナーでは中期的な天井の時期をもう少し前にお話したのかも知れないが…)内需セクターを中心にヒト山形成され、目先の天井を打つだろうが、その後は9月までは調整し、年末高に向かうというのが言い足りなかったが結論としてお話したかった点である。

 個別株についてはほとんど触れることができなかったが、セクター毎に動きが違っているように、個別においても動きが異なっている。今回のセミナーでは主催者の要望から村田、キャノン任天堂、NEC、ソニー、ファナック、トヨタといった輸出関連のハイテク、国際優良銘柄、IT関連、ブロードバンド関連銘柄としてのソフトバンク、内需関連セクターとしての武田、セブンイレブン、みずほHD、野村HDなどを取り上げて説明しようとしたが、時間がなく実現できなかった。

まず、特許戦略に注力している企業との観点から村田(6981)、キャノン(7751)、NEC(6701)、ソニー(6758)などを資料では取り上げておいた。結論から言うとこれらは当分はボックス圏の動きを続けるだろうが、天井を打つのも当分先になりそう。ソニーとNECでは異なった動きが見られ、NECは日経平均に連動している。全体相場が高値突破の動きを見せるきっかけになるセクターの中核となりそうな銘柄群である。

 実は、セミナーの前にJPRAに依頼して、最近の特許公開数などを出して貰ったのだが、このことはセミナーで触れることができなかった。
 また、大原部長にも村田とソニーについて調べて貰っていたので、せっかくですからここで改めて紹介しておきたい。


<JPRA調べによる主要ハイテク企業の特許公開数、公告・特許数>

調査方法:(株)日本特許情報システムズの「楽々PAT」より(平成14年5月29日データ採り)

◆村田製作所
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
334
231
2001
1,046
750
2000
997
495
1999
1,064
366
1998
937
262

 

◆キヤノン
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
3,131
987
2001
9,635
3,247
2000
10,916
2,993
1999
9,592
3,433
1998
7,629
3,879

 

◆任天堂
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
28
2001
38
2000
17
1999
24
1998
13
15

 

◆NEC
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
2,273
1,037
2001
8,954
5,233
2000
12,740
7,817
1999
11,671
11,869
1998
11,561
11,531

 

◆ソニー
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
3,055
998
2001
8,520
2,597
2000
8,999
2,054
1999
8,707
1,884
1998
9,159
2,033

 

◆ファナック
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
14
13
2001
39
55
2000
69
78
1999
147
88
1998
164
213

 

◆トヨタ
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
953
382
2001
2,712
1,608
2000
3,588
1,452
1999
3,034
1,446
1998
3,218
1,263

 

◆武田薬品
公開(申請は1年半前)
公告・特許
2002
50
22
2001
225
78
2000
221
100
1999
170
129
1998
218
119

 業種の違いにより、特許の件数に違いが見られるが、NEC,ソニー、キャノンは年間1万件くらい特許を出願している。任天堂は特許出願数は二桁で少ないといえる。
 公開と特許登録では数年のタイムラグがあるが、NECはソニーやキャノンに比べて、登録されている割合が多いように思われる。
 ファナックはここ5年間、特許公開数も特許登録数も減少している。
 2002年は5ヶ月弱だが、それを考慮しても、NECと武田薬品の公開数や特許数は前年の半分くらいの水準である。5月24日付の日経新聞記事で、NECは特許戦略を変更し、特許申請を成長分野に絞って行うとあったが、そのことが数字にも表れている。


【大原部長による有望2社の特許公開内容に見る今後の事業戦略動向】

表1:ソニーの特許公開件数とその傾向公開年(暦年)

 
全公開件数
うち半導体関連
うちネットワーキング
1995
7020
1829
119
1996
7798
1919
209
1997
7997
2132
296
2000
8546
2482
1206
2001
7881
2616
1716
2002
3428
1206
933
(2002年は1月から昨日まで)

⇒特許のうち、半導体の占める割合が95年当時の25%から35%まで上昇している
⇒ネットワーキング関連特許が急拡大

ソニーは、特許の数は企業規模にくらべて多いとはいえません。
内容的には、PS2向けシステムLSIへの投資へ傾斜しているように、半導体重視の姿勢が特許からもはっきりと現れています。
半導体の中でも単なるバイポーラなどのアナログ機能からシステムLSIへ中味が変わってきているはずです。
それにもまして、ネットワーキングという言葉を経営者が連発していますが、それなりにネットワーキングの時代を意識して、その関連特許も多くおさえていることがわかります。
わかりやすい会社です。(注意:上記はそれぞれ「ネットワーク」、「半導体」をキーワードにして検索した結果です。)

表2: 村田製作所の特許公開件数とその傾向

 
95

96

97
00
01
02
全公開数
1358
1221
946
995
1046
430
「膜厚」を含む
76
121
71
136
134
75
「組成」を含む
174
147
111
161
212
77
「モジュール」
19
22
13
68
100
39
「デュプレクサ」
80
122
65
(2002年は昨日まで)

村田の場合、トータルの特許件数はステディです。
はっきりといえることは、モジュールとかデュプレクサ(携帯電話の無線部分に必要なアンテナ関連機能)など、コンデンサなどの単品からの脱却意向が強い。
コンデンサは容量を蓄えるだけですが、無線関連の機能全体を包括しようとしているため、モジュールとかデュプレクサというキーワードで拾うとやっぱり増えていることがわかる。
より多機能志向を強めている。

 とはいえ、膜厚、組成というような量産対応能力、コスト競争力に多大な影響を与えるものについては、しっかりと安定的に特許を申請しています。

1)プロセス関連の特許⇒安定的に申請
2)無線モジュールに関する特許⇒急増

 95年と今とを比べると、95年当時の方が、フォーカスが定まっていません。
半導体を研究したりしていた。
でも、今は、ナノテクでも話題になります、
分子レベルの膜の制御が問題になるほどですから、昔からの研究成果が生きています。
そういえば、村田はモジュール基盤では、他社がやっていない真空中で銅配線を前から量産していました。


 生涯遊人によると、円高はこの先1ドル=120円まではありそうとコメントしておられたが、円高傾向を背景に、このところ内需関連株への人気が継続している。その中でも3月高値を抜けないセクターと抜けたセクターに2分されるが、大方が3月高値を抜けたセクターとして指数の上昇に貢献している姿が読み取れる。

参考データ【主要セクター別インデックスの動向】

TOPIXの2月ボトムからの上昇率 +24.2%
日経平均の2月ボトムから5月27日高値までの上昇率 +28.2%
日経店頭平均の2月ボトムからの6月3日高値までの上昇率 +16.3%
 同 9月ボトムから6月3日高値までの上昇率 +23.6%

1)輸出関連及びハイテク系セクターの動向・・・9月をボトムに長期上昇トレンドに入る
@自動車 9.21 1126P → 5.17 1760P +56.4%
@電機 9.21 2071P → 3.11 3172P +53.2%  3月高値抜け未了
@精密 9.26 1452P → 4.24 2642P +82.0%
 造船セクターは低位株中心で12月のボトムから一貫上昇し、5月高値まで+72.7%の上昇率を記録

2)内需関連セクターの動向・・・3月高値を抜けないセクターと抜けたセクターに2分

◆3月高値を抜けないセクター
@銀行 2.6 1013P → 3.11 1231P → 5.24 1199P ・・・+21.5% 
@紙パルプ 1.16 232P → 3.11 321P → 5.24 303P ・・・+38.4%
@医薬品 2.6 3191P → 3.7 3705P → 5.13 3650P ・・・+16.1%
@サービス 2.5 1182P → 3.12 1511P → 5.24 1482P ・・・+27.8%

◆3月高値を抜けてきたセクター
@証券 2.5 1722P → 3.11 2861P → 5.24 3045P ・・・+76.8%
@不動産 2.5 516P → 3.11 727P → 5.24 773P ・・・+49.8%
@通信 2.6 1660P → 3.11 2513P → 5.23 2578P ・・・+55.3%
@保険 2.20 1684P → 3.11 2036P → 5.24 2066P ・・・+22.7%
このほか化学、繊維、食品、建設、石油、非鉄などのセクターが3月高値を更新

◆2月ボトムから一貫上昇を描くセクター・・・一貫上昇だが率ではなお穏健
 陸運(+38.6%)、その他金融(+38.5%)、小売(+31.9%)、その他製造(+26.1%)、商社はハイテクセクターと同様に9月のボトムから一貫上昇。昨年9月の740ポイントから5月高値1108ポイントまで+49.7%の上昇率となった。

**為替が円高に向かう中で、このところは内需関連銘柄に人気がシフトしてきた。但し、今後は為替の介入警戒やボトムからの上昇率が50%を超えてきたセクターなどには利益確定売りも想定される。

【JASDAQ相場展望】

 セミナーではJASDAQ市場についてもお話しておいた。1部市場が動き出すと相対的にJASDAQ銘柄は不利となる傾向にあるが、このところの日経平均の12000円大台を前にした頭重い展開から、JASDAQはむしろ動きが良くなってきた。但し、人気を集めているのは日本トリムやグッドマンなどのヘルスケア関連の好業績銘柄に集中しており、銘柄人気に偏りが見られる点には注意が必要。
このところの日経店頭平均は、11月高値抜けを果たしてから一気に上昇傾向を見せている。指数は当面1300ポイント台乗せが目標。前期の業績停滞から今期の回復を想定できる銘柄が人気化するものと期待。

 高成長、好業績で低PER銘柄群に注目。以下のJASDAQ参考銘柄をセミナーでは掲げておいたが、先週からはシンワ(6880)など、かつての注目銘柄が動意含みとなってきた。業績変動は激しいが、下期の業績を慎重に見た上で今期予想連結EPS110円を見込み、割安感が台頭して急騰を演じてしまった。

参考銘柄(株価は6月4日現在)

@第一興商(7458・株価 1990円 連結PER9.1倍)
 ・・・セミナー後に値を下げていたが本日は急騰!!その心は?

@サン電子(6736・同1030円 同6.2倍)
 ・・・いまだに1000円台前半の動き。今期営業利益が実質20%増益と言っても誰も見向きもしてくれないのは企業担当者の責任か?

@セミナーではナスダックジャパン銘柄も紹介したが
 ・・・新聞報道でナスダックジャパンがごたごたしているとの話から人気がない。でもそうした時こそ投資チャンスなのだ。企業サイドの対応がポイント。

@CVSベイエリア(2687・同620円 PER8.7倍)
 ・・・NJからどこかに鞍替えも検討

@日本ロングライフ(4355・同40.7万円 PER28.2倍)
 ・・・シルバー事業の成長期待大、但しPERの低下は来10月期業績の向上があってから

@アパマンショップ(8889・同44.4万円 連結PER29.1倍)
 ・・・急成長期待高まる。但し事業モデルへの理解が不足気味

●セミナーでは50万円ポートフォリオを紹介
 8月までを目途にした50万円で買えるポートフォリオとして

銘柄(コード)
時価(5月24日時点)
下値目途
日本ライトン(2703)
585円
200株
570円
サン電子(6736)
1060円
100株
1010円
エコス(7520)
600円
100株
580円
アトラス(7866)
889円
100株
850円
オークネット(9669)
1240円
100株
1200円
投資金額
495900円
 

としておいたが、アトラスが紹介時より約100円値下がりした一方で、オークネットが紹介時より約100円上昇した(ポートフォリオとしてはイーブンの状態)ほかは、概ね安定した推移を続けている。

●このほか、セミナーでは配当利回りの高いいくつかの銘柄を紹介する予定であったが、時間切れとなって紹介できなかった。
 特に最近の決算発表後に興味が出てきたのは以下の銘柄。皆さんもご一緒にお考え下さい。

【琉球銀行(8399・時価1330円)】
・・・銀行セクターの中の小型株=沖縄最大の銀行。県内貸し出しシェアは30%=

 沖縄経済の要である同行も他の銀行と同様の問題を抱えている点は変わりないが、今回発表された決算では、連結ベースでの経常利益118億円(+357.7%)、税引利益80億円(+33.0%)としている。特別利益段階でのやりくりがあっての業績であろうが、EPSは257円という高水準である。
 詳細の分析はまだ終えていないが、同時に50円配当(配当利回りで3.7%)を実施すると公表した点と、連結PERが5.2倍となる点からして、中期的な株価上昇が想定される可能性を考慮。時価総額390億円というレベルと、沖縄という日本の中で最も中国に近い地理的な感覚から、意外性と更なる評価の余地を感じることができる。

 株価は4月12日と5月10日の1220円で同値の2番底を形成。その後順調に株価は上昇してきたが、出来高が薄く一般にはなじみもないことから、それほど話題にはなっていないようだ。
 短期上昇を見せた格好だが、1220円からの上昇率は9%にしか過ぎない。
 昨年11月の安値1099円から見ても21%の上昇であり、100株単位で買いやすいこともあって、この水準なら電力株と同様の感覚で買っておいても良いのではないだろうか?
 但し流動性の問題には留意のこと。配当利回り狙いなので上値も限定的である点には注意。

 政府の施策としての経済特区が具体化される時に沖縄がクローズアップされるのなら、より注目度は増すだろう。

=長期トレンド=
 1990年3月の10700円高値から一貫して株価は下落。既に配当利回りの採算に乗る水準まで株価は下落してきた。無配ならともかく、有配企業と見れば銀行株と言えども馬鹿にされ過ぎではないか?

=他の沖縄企業との比較=
 沖縄電力(9511)
 株価2520円(6月3日現在)
 連結PER7.0倍
 配当利回り 2.4%
 時価総額 382億円
 沖縄電力と比較してみると、それほどの極端な割安感はないが、1300円前後の株価水準であれば、配当狙いからは買い対象となるだろう。まずは沖縄の投資家に関心を持って頂く必要がありそう。(炎)

 

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2
2002/06/04 先月の株式相場を振り返って
炎のファンドマネージャー

 

 今回の億の近道は6月月初ということもあって、特別に今月の相場展望と題してお送りしますのでご参照下さい。(炎)

【先月の株式相場を振り返って】

 4月12日の10886円をボトムに、4月23日の高値11812円まで8.4%の上昇を示した日経平均は、5月相場においてはゴールデンウィーク入りから月の前半こそ調整色を強め、5月7日には11250円の安値をつけたが、景気回復期待や円高傾向を背景に外国人投資家の買いが入り、反転上昇の動きを見せた。
 5月27日には3月11日の高値12034円をザラ場で抜けたが、引けでは12000円台乗せが叶わず、月末にかけてはやや頭重い展開を余儀なくされた。

 この間、セクター別の動向を見ると、円高傾向から値嵩ハイテク株など輸出関連株は頭重い展開となったが、不動産、化学、造船、金融株など中低位の内需関連銘柄を中心に人気を集めた。
 また、JASDAQ市場の銘柄も値嵩好業績株を中心に人気を集め、指数の上昇に繋がった。
 結果として、今月のウィナーは日経店頭平均、ついでTOPIXであったが、2月ボトムからの上昇率を見ると依然として値嵩ハイテク株の上昇が貢献した日経平均であることは明らか。現状はその修正運動が起きていると見るのが素直なところだろう。

◆日経平均 4月末終値11492円 5月末終値11763円(+271円)(+2.4%) 同2月のボトムからの値上がり率 +24.9%
◆TOPIX 4月末終値1082ポイント 5月末終値1120ポイント(+38ポイント)(+3.5%) 同2月のボトムからの値上がり率 +21.6%
◆日経店頭平均 4月末終値1203ポイント 5月末終値1257ポイント(+54ポイント)(4.5%) 同2月のボトムからの値上がり率 +15.6%

【今月の株式展望】

 今月の株式相場は、これまで頭重い展開を余儀なくされてきた日経平均が、終値ベースで12000円台乗せとなるのかに焦点が当てられる。過熱感なき上昇トレンドが続く方が相場の息を長くするとの考えからすれば、先月末にかけての調整はむしろ歓迎すべきところであり、最大でも11500円程度までの調整を想定するとしても、相場のリズムからはこのあたりから再び反転上昇に入るとの期待は高い。そのためには、日経平均の上昇に寄与する値嵩ハイテク株の動向が鍵となる。

**昨日は反発した日経平均だが、本日は再び下落。日経平均は11653円へと調整色を強めた。ハイテク株に安いものが目立ったが、これは想定した通りの動きであり、ここでの調整が相場の先行きにとってはプラスとなるとの認識を持っておきたい。(炎)

 

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1
2002/06/03 株価診療所便り
大原部長

 

 億の近道 Lycos掲示板より

本日の患者さん
アドバンテスト ☆☆☆☆
タスコシステム ☆☆☆☆☆
トランス・コスモス ☆☆☆☆

【質問1】
アドバンテストの診断お願いします。3月の高値からだいぶ下がっていますが、今後の株価の予想をふまえて診断願います。(2002/06/02)

答え(大原)
アドバンテストは難しい株です。そしてもっとも理解されていない株ではないでしょうか。

【高いバリエーションは なにを語ろうとしているのか?】

 見かけ上は、株価は高すぎるように映ります。
多分、アドバンに関するやりとりの多くは、こんなものでしょう。

「PERは何倍ですか??」
「うへー。高い高い。買えませんね。そんなに高いのでは…」

そして、数多くの個人投資家やヘッジファンドが、信用などで売りから入ります。
「いつかは暴落するだろう」と。
「みんな、業績が出たら、悪いから、びっくりして売るのではないだろうか?」
ところが、いつも案外しっかりしています。

そうです。この株は、異常なまでに評価が高い。
それは「業績」というものをある意味で超越した存在だからです。

【どうして業績を超越できるか?】

1)圧倒的に強いメモリー向けのテスター。シェアがダントツ
ロッジクに弱い? しかし、ロジックも多くのROMを含むシステムLSIが主流になってきた。ROMは年々大きくなり、メモリーはいつのまにかDRAMだけではなく、フラッシュなども急成長している。
メモリーを作る会社は多いが、テスターを安く提供できる会社はこの会社ぐらいしかない。
ロジックでもメモリーでも活躍の場が広がっている。長期展望がある。それが違う。

2)会社の質が違う
提案型の会社。思考が違います。
「こうしたらいいんじゃないのか?」提案をみんなができる。
 きっと楽しい仕事なんでしょうね。だから雰囲気がいい。

3)技術はすごい

(a)CMOS カスタムチップ
これはすごい会社ですね。たいしたものです。
なにせ、テスター心臓部のカスタムLSIはCMOSで作っている。
ライバルにはできない芸当です。
CMOSは安い。だからテスターを他社より安く提供できる。
設計技術を含めて高度です。

(b)多層配線
テスターのプリント基板は数十層というバケモノのような基盤です。
基盤設計力はすごい。

(c)コネクター
お化けのようなプリント配線を結局、コネクターで接続。金型の設計などの要素技術もある。

(d)ソフトウエアー
もちろん、キーであるソフトウエアがブラックボックス。そんな!!!

(a)から(d)まで、それぞれ単独でも十分トップ企業になれる要素がある。
それが(a)から(d)までそろっている。これは怪物です。
この会社は、なにが起こっても生き残れる。
テスター事業がなくなっても、なんでもできる。
そういう恐ろしさがわかならいと、気ままに売って、損をすることになります。
その高い理由も十分に理解できる。
☆は4つ。5つにしないのは、もうすこし安くなってほしいから。エゴからです。

【今後の株価をふまえて??】

占いによれば、十分に今の水準でも買えると出ています。
とりあえず1万円程度には戻るのではないでしょうか。
いつごろか?
1ヶ月かかるかもしれないですし、あるいはもう少しかかるかもしれません。
まあ、2年待つということはないでしょう。
なにせ占い。あたりません。
お大事に♪


【質問2】
2709タスコシステム
テンバガー銘柄との認識です。一本勝負で行きたいと、、、1000日の修行覚悟!診断のほどをよろしくです。

答え(大原)

タスコシステム 2709
 診断:☆☆☆☆☆

【頼もしい。考え抜かれている、そういう印象を与えるHP情報】

HPを拝見。
いろいろな業態をまとめきれるか、最初は疑問を持ちましたが、「考え抜かれている」という印象を受けました。
各店のコンセプトや狙い、既存のものとの違いなどが、わかりやすくPDFファイルで紹介されています。
IRも昨今は、HPだけで随分とわかるようになってきました。
HP(ホームページ)の充実は、個人投資家にはありがたいことです。

月次売上、決算短信、決算説明会資料などの業績関係の開示↓
http://www.tascosystem.co.jp/ir.html
店舗のコンセプトなどの情報↓
http://www.tascosystem.co.jp/new.html

印象は?
よく考えているな。
社員も少なく、まだ統率がしっかりとれている。
出店は順調。過去の業績トレンドもいい。
となると、あと1〜2年程度は、順調な拡大がとれそう。

【リストラを見返してほしい】

いま、世の中って、リストラの嵐じゃないですか。
でも、よいシステムさえ提供できれば、フランチャイズで店長になって、若い店員を上手く乗せることができれば、社会的に成功できるでしょう。

いま、世の中に求められているのは?
 なんでも独り占めにする直営店舗ではなく、リストラされた人たちに職場を提供できるフランチャイズではないでしょうか。
フランチャイズといっても、よいシステムで効率的に運用でき、他社と差別化ができるものでなければならないでしょう。せっかく「起業」するのであれば。

正直、マクロ的にみれば、フリーターやリストラ組の大多数は、冷酷なようですが、専門的な知識がなく、このままでは自身や家族の生活を支えることができない。
大きな枠組みの中で、競争力のあるFCを自ら選び取る、それが専門知識がなく路頭に迷う可能性があるフリーターやリストラ組みに残されたラストチャンスかもしれません。

わたしなら、もっともPERなどのバリエーションが高い、FCに加盟するでしょう。
そしてとりあえず独立できるように稼ぐ。
そういう意味では、ここのシステムは魅力的な部類ではないでしょうか。

カネがないときはどうするか。
最初は雇われでも、やる気さえあれば、上にのし上がっていける組織のようですし、そういう競争社会が、この会社で、もう一度用意されている。
カネがなく、FC出店が難しい方々は、腐らずに、一社員からやり直す、そういう心構えでがんばりぬかないと、生命が保持できません。
若手と競うのはつらいでしょうが、そのぐらいがんばれないのなら、どうせ、起業しても失敗します。
タスコは、なんだか頼りになりそう。そういう印象を持っています。

【バリエーションはまだ割安】

社会的ニーズなどを考え、☆を5つに設定してあります。
もちろん、月次動向などで一喜一憂となる可能性もありますが、来期あたりの収益計画が達成できれば、まだまだ株価は安いと思っています。
それではお大事に♪


【質問3】

トランスコスモスの診断をお願い致します。
 少し古い記事ですが「Xbox」の顧客センター業務を請け負うと言うのを最近見つけてから興味を持ち、色々と調べてみたりしているのですがウェブサイトの制作・運営する企業に出資したり情報サービス部門も好調みたいなのですがベンチャーキャピタルの部分が気になっております。

答え(大原)

トランス・コスモス 2002/05/30 大原部長
 HP⇒ http://www.trans-cosmos.co.jp/ir/index.html

Takaさんの依頼です。
本日の診断
 トランス・コスモス
短期 ☆☆☆☆
長期 ☆☆☆ 
テクニカル ☆
経営 ☆☆☆

事業内容
 アウトソース ☆☆☆☆
 ベンチャー  ☆☆☆
 財務 ☆☆☆☆☆
 PERなどバリエーション ☆☆☆☆

【なにが株主のためなのか 考えてしまう】

社員平均年齢で27歳で社員の平均年収300万円台です。
アウトソースの基礎である競争力を感じさせます。
大企業から見たら、うちでやるよりも、そりゃ安いわ! となる。

財務がいい。現金がある。
でも、本業は地味。
税金は高い。
社員は若く未熟(であろう。平均年齢と年収から想像するに)。

経営者は税金が嫌い。ある事業を始めて、わざと大損してもそれが事業なら、節税の手段にできる。
若くて未熟なものが多い社員。長年下請け的立場で技術力がない。
それならば、ベンチャーでもやろうか。

経営者がそうなる気持ちは理解できます。
安定的に儲けても税金で持っていかれるよりは、含み益の形で利益を持ち越したい。
そう思う気持ちもわかります。

バリエーション的には、ベンチャー事業部分の評価はゼロとしても、説明できる程度の時価総額です。
自力で70−80億円は稼げるアウトソーシング事業の価値が1000億円程度かなあ。
そうなるとベンチャー事業は市場ではマイナスの評価で、ディスカウント、つまり、価値を破壊している事業ということになります。

ベンチャー投資をしなければ技術が導入できないということもない。
投資をしなくても、必要な技術を導入することはできます。

⇒高い税金を納めて、配当も増やして、下請け事業をしっかりとこなす。これが正道でしょうね。
目先の損得にとらわれているのは、なにも株主だけではありませんよ。
経営者だって、とらわれています。
税金は払って、配当も払って、地道にがんばっていれば、ITバブルで傷つくこともなかった。

救いは、IRがいい。正直な会社です。それは大切なことです。

HPで説明会のプレゼンが見れます。資料もそろっています。誠意が感じられるHPです。
ベンチャー投資先も開示しています。そこから先は、そのベンチャーのHPでも見て、各自ベンチャー企業の雰囲気だけでも味わってください。

【気持ちはわかるけど、やっぱり すっきりしない】

 わたしの意見は、かなり、極端なんです。機関投資家といえども、わたしほど、本質にこだわって、勝負を避けるアナリストもいないでしょう。
会社の内部でも、「そこまでこだわると勝てない」と批判されることも多いのですよ。
個人的には「負けない」投資を目指しています。ですから、気になる部分があると、だめなんです。

気になる部分とは、「逃げ」と「甘え」です。この2つが見えるともうだめ。気持ちが乗らない。
いいんですよ。やるなら徹底的にやれば。
20歳の社員を年収300万円で働かせて儲けたカネの使い道がない。
ないなら、研究開発費に使う手もあるのですが、そうならない。
社員の技術を見限っているからかもしれませんね。
技術と人間という基本スローガンは何回読んでも理解ができませんでした。
HPにある「技術と人間の融合」という表現に「え? それどうゆうこと??」

今回は、会社の言い分もよくわかりますし、バリエーションが安いので、このぐらいにしておきます。
でも、なんだか、すっきりしない。

【急騰急落は しこりが気になる】

どなたでしたっけ、そうそうあの自己顕示欲が強いグッドウィルのところでも書きましたが、しこっている人が多そうなので、上値は売り物が多そうなので、そういう点も気になりました。

【フォローになっていない?】

 毎度、辛口ですみませんね。わたくしも、他人に厳しく、自分に甘い性格を変えなければ!!
 遅すぎるかもしれませんが、地道にやって儲かって、財務も申し分なく、ベンチャーでも通算すると勝っているのですから、基本的には「よい会社」です。
よい会社だから、投資ができる。それが研究開発や設備投資や配当による還元ではなく、税金の効果が狙える株式投資だったという点が理解もできるし、すっきりしない点でもある、ということですね。
その前提になっている事業基盤や財務などをみれば、よい会社であることは確かです。
それではお大事に♪


さて、毎日、いろんな方々がクラブライコスの無料診断をお受けになっています。
多分、将来は、小売なら駄洒落さん、自動車や素材関連なら両津さん、小型株全般は炎さんが、そしてマクロや為替のことなら、生涯遊人さんが、手伝ってくれるでしょう…。

将来は、このように、銘柄などについて、いろいろと議論できるサイトのニーズが高まってくると思っています。
みなさまも、いろいろな意見や感想を書き込んでいただけると助かります。

〜LYCOSクラブについて〜

オフィシャル、友達(年代別)、友達(地域別)、友達(職種別)、同窓会、音楽、ファンクラブ、エンターテイメント、ゲーム、趣味、スポーツ、コンピュータ・インターネット、ビジネス・キャリア、マネー、教育・資格、生活・家庭・健康、人文・社会・自然、旅行・地域情報、女性、など、それぞれの分野で、クラブをつくり、ネット上で情報交換ができるシステムです。
参加は無料です。
クラブ数は3441あり、わたしども、億の近道クラブは、その3000以上あるクラブの中で、第5位にランクされています。
ちなみに、第一位は北浜流一郎さんの主催する3年倍増株高倶楽部で会員数で7000名を突破。すごいですね。
わたしたちの億近はようやく1000人を突破した程度です。

 さて、IPO関連の情報がわかる「IPO専用倶楽部」なども非常に参考になります。
わたしは、北浜さんのところにもメンバー登録しています。そしてIPO専用倶楽部のメンバーでもありますよ。

まだまだライコスクラブの認知度は低すぎると思います。Yahooなどの掲示板情報に比べると、内容は随分高度ですが、その分、勉強になると思います。
しかし、Yahooの個別株の掲示板、あれはみんな言いたい放題。なにが本当だか、さっぱりわかりませんし、意味不明のものも多い。
それよりは、ライコスでもう少し、意味ある議論を正々堂々とやってみてはどうでしょうか。

☆☆☆クラブ ライコス ベスト10☆☆☆

No.
クラブ名
登録日
メンバー
1
3年倍増! 株高倶楽部 北浜
あのTV・ラジオ・雑誌で大活躍の北浜流一郎がついにLYCOSに登場!ここは北浜マスターのお店です。さ
2001/03/08
7014名
2
Webひなクラブ
アニメ「ラブひな」のファン大集合!! Webひなクラブは、ラブひなのファンが集うみんなの憩いの場所で
2000/05/30
6815名
3
文化放送アニゲLYCOSクラブ
 次回(6/1)は「オソオセヨ!韓国おたく事情!」今週は日韓共催のスポーツイベントも始まるということ
2001/02/08
3653名
4
ΨCHIC倶楽部「煌羅万象」 講談社「マガジンZ」にて、大好評連載中の「Ψchic academy煌羅万象」がいよいよ  
5
億の近道メルマガ「億の近道」が主宰する、個人投資家のためのクラブです。  
1039名
6
ラジオビッグバン昇竜の道(笑)
 BGP人気投票は締め切りました。結果は、6月30日の放送で発表します。 お待たせしました、
 
905名
7
真・女神転生デビチルクラブ
 メガテンシリーズ最新作!!テレビアニメ、ゲームボーイ、コミックスなどなど、ドンドン広がってい
 
8
LevelUpオフィシャルクラブ
 ブロードバンド時代の新感覚ゲームサイト 「LevelUp」のクラブだよ☆
 
9
大人のメル友・メモ友倶楽部
 年齢・性別の区別なくメル友・メモ友を作ろう、というクラブです。
 
10
IPO専用倶楽部
 当倶楽部で、2002年度のIPOを調査・研究しましょう!また、昨年度IPOおよび新興三市場について
2002/01/20
577名

(大原)

 

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